四国労働金庫(本店・高松市)の元職員による多額の詐欺容疑事件に絡み、金融庁と厚生労働省は12日、法令遵守態勢の確立を求める業務改善命令を出した。同労金は昨年九月にも裏金問題で命令を受けているので、一年二ヵ月目に二回目の命令を金融庁から受けたことになる。
四国財務局の説明によると、同一機関が二年連続で命令されるのは四国では初めてという。
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さて、三ヵ月前の八月、四国財務局が愛媛銀行に(金融庁へは相談無し)出した業務改善命令はどうなっているのだろう。
四国労金が二年連続で命令されたのが四国で初めてであれば、近く金融庁から愛媛銀行に業務改善命令が出されたら、同一機関が一年内に連続で命令されることになるから記録を更新するのは間違いない。
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いや、更新の前に司直の手が入るかもわからないので、本紙も調査を続行する。なにしろ四国財務局は高松にある。
「我以外、皆師」愛媛・香川銀行、阿南信金は何学ぶ
四国財務局でなく金融庁が、四国労金に出した改善命令には▽役職員の不詳事件再発防止に向けた意識の醸成▽営業店における相互牽制体制の充実・強化▽人事管理の見直しーなどに関しての内容が盛り込まれている。
これから学び取れるのは何か。
危機管理意識が、情報の活用に目覚めさせ、自浄努力を積極的に進めていくのではないだろうか。
残念なことに、四国財務局、香川銀行、愛媛銀行、阿南信金には情報の活用という最も大切な事が欠落している。
これら金融機関が、四国タイムズを「受け取り拒絶」で、毎回送り返してきたことがそれを物語っている。
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▽本紙9月5日号から引用
「愛媛銀行に何があったのか
四国財務局、業務改善命令に目こぼしの疑い」
…先月中ごろ、香川銀行のOBですがと前置きして、本紙に次のような電話があった。
「ウチは金融庁から改善命令があったのに、愛媛銀行の業務改善命令は、なぜ四国財務局から出されたのか。…
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改善命令が出された十日ほど前、湯築支店で六,七千万円の不祥事があり、福井課長が自殺した。
…それに愛媛パートナーエージェントという、愛媛銀行の系列会社の「高塚社長」(一色会長と義兄弟)も不祥事を起こしていると聞く、どうしてこれら二件の不祥事が改善命令の対象にならないのか。それに香川銀行の場合は末沢頭取が責任を取って辞めたのに、愛媛銀行は会長も頭取も居座ったままである。四国タイムズさんは香川銀行を追及しているからこのあたりは調査できるでしょう」。
…一瞬、戸惑った。しかしすぐに、愛媛銀行宛に送付していた四国タイムズが「受け取り拒絶」で送り返されていたのを思い出した。今までの経験から、送付した四国タイムズを執拗に受け取り拒絶するこだわりが、「愛媛銀行になにかある」と直感した。
香川銀行への金融庁からの業務改善命令。愛媛銀行への四国財務局からの業務改善命令。この違いはなにか。
金融庁からの返事、
「業務改善命令は、金融庁からでも、四国財務局からでも出せます」。
愛媛銀行湯築支店に電話、
「福井課長お願いします」
女性受付嬢が、「いません」
「いませんと言っても、七月中旬ごろ、福井課長から電話を下さいと連絡があったのですが」
すこし待ってください、と言って電話を保留。しばらく待たされた後、
「福井課長は、心不全で七月二十七日に亡くなりました」。
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▽朝日新聞11月10日付引用
「愛媛銀課長9400万円流用
遺書残し7月自殺 銀行公表せず」
第2地銀の愛媛銀行(松山市、中山紘治郎頭取)の支店の担当課長が顧客の預金などを不正に引き出し、今年7月に自殺していたことが、朝日新聞の調べでわかった。
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引き出した額は少なくとも約1億円に上ると見られる。
…死亡したのは松山市内にある支店の40代の課長。松山市北部の山中で7月27日、首をつっているのが見つかった。流用を告白する同行当ての遺書が残されており、松山東署が自殺と断定した。…。
自殺と断定するのはまだ早いのではないのか。再発防止には、なぜ死んだのかを問題にすべきである。
▽本紙平成10年5月号
「さぬき荘(財務局施設)に横領疑惑 容疑者は自殺した」
自殺した支配人唐渡氏は約一億円を横領したことになっている。
愛媛銀行の福井課長と財務局の唐渡支配人の自殺は、そもそも何であったのか。
阿南信金佐竹理事長、最後のあがき
阿南信金の改革を真剣に考えている集まりに、「阿南信金を見守る会」がある。
その会長は、信金の監査役も務めたこともあり、内部事情に明るい鈴木氏である。
五月二十三日、「阿南信金を守る会」の鈴木会長が、阿南信金の現役理事である藤坂菊市氏を、守る会顧問の朝山宅に連れて来た。その鈴木会長と朝山顧問から、藤坂理事は確認書を突きつけられたのである。
確認書とは、本紙11月号で掲載した「阿南信金の理事が、お互いに不法行為を追及しないという事を確認するために署名・捺印した証書」をさす。
さすがの藤坂理事も、自らの地位を悪用して犯罪に手を染めたことに観念したのか、
「辞表でも何でも出す、どうしたら助かるか(逮捕されないか)、佐竹理事長も一緒に辞めさす。これから、佐竹とこに行って説得もしてくるから、許して欲しい」ということになった。
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翌日、「昨日の話は、無かったことにしてくれ、佐竹の親戚に大蔵省の官僚がいて、その官僚の同期に東京地検特捜部の検事がいるとの話やから、その検事に頼んで、もみ消してもらうから大丈夫やと、佐竹が言いよる。佐竹もこっちも、もう辞めん……」。
とんでもない話ではないか。
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小泉総理が掲げた「聖域なき構造改革」。来年四月からは、待ったなしでペイオフ開始である。阿南信用金庫の特別扱いは許されない。
佐竹理事長や、藤坂理事が不法行為を犯せば司直が捜査を開始するのである。
佐竹理事長が藤坂理事に言った、親戚の官僚が、東京地検特捜部の検事に頼んでもみ消してくれる、とは言語道断ではないか。
佐竹理事長の親戚の大蔵省の官僚は誰か? 東京地検特捜の検事は誰か?
本紙は佐竹理事長が自身の不法行為を逃れるために、東京地検特捜部検事の名前を勝手に借用した疑いもあり、また、検事の名誉のためにも調査を試みてみた。
その調査によれば、佐竹家の一族には大蔵省務めや東京地検特捜部に知り合いはない、であった。念には念をで、佐竹家との養子縁組み前の中西家に尋ねても、やはり該当する人物はいないという。
後藤田正晴元副総理や岩浅阿南市長の名前まで悪用するとなれば、本紙は黙って見逃すわけにはいかない。
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