■鈴木宗男捜査の本丸は香川から
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大疑獄事件に発展するかも
真鍋知事と大社元会長は深い関係
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狂牛病・肉買取制度、偽装表示、贈収賄、隠ぺい、インサイダー疑惑など、今回の日本ハム騒動は日本の歴史に残る大型詐欺事件に発展するのではなかろうか。八月三十日、神戸地裁で、先に偽装詐欺事件で逮捕者や破綻した雪印食品、日本食品の業者の内、雪印食品偽装牛肉事件で五人の被告の初公判があり、法廷では偽装にいたる幹部のやりとりが詳細に再現された。
閉廷後、傍聴者から、雪印食品偽装事件の後、日本ハムの疑惑も明らかになったことから、「業者と業界団体、族議員が一体となって、偽装しやすい制度を作り上げたとしか考えられない」という感想がもれた。そもそも、どうして優良企業といわれた日本ハムが、補助金をちょろまかすような詐欺事件を引き起こしたのだろう。そのルーツをたどると、去年の七月、「カワイ」牛肉偽装表示に端を発するようだ。「カワイ社長が輸入牛を讃岐牛として売っているうわさがある。」匿名情報が寄せられた中国四国農政局から調査を求められた県は、なんと、すぐさま河合社長に匿名情報内容をそのままぶつけた。
通常なら周辺調査などで事実を探り、最終段階で当事者にぶつけるのが常識。県が取った行動は犯罪を犯している犯人にこのままだと立場上調査しなければならなくなるので早く警察沙汰にならないように対応しなさいよ、と教えたようなものでないのか。なぜこのような県の対応になったのか本紙が仮説を立ててみる。カワイは香川県食肉事業協同組合連合会・長谷芳文会長とは叔父、甥の間柄。長谷会長と日本ハムの大社義則会長とは切っても切れない業界の身内。日本ハムの大社会長と農林省事務次官まで上りつめ、現在農林漁業金融公庫総裁の鶴岡俊彦氏とは、鶴岡氏が現役時代の飲み食いの経費は大社会長が支払っていたという、切っても切れない官業癒着の身内。農林漁業金融公庫の鶴岡俊彦総裁と真鍋武紀・香川県知事は、農林省時代、真鍋知事は鶴岡氏に引き立てられ、平成十年八月の香川県知事候補には、鶴岡氏の分身としての役割を真鍋知事が果たしたという人もいるほどである。
真鍋知事と日本ハム・大社会長とは前回の知事選挙立ち上げに三千万円提供してもらったという仲。本来なら県は、中四国農政局が指摘した情報を元にカワイに立ち入り調査するのが県行政の立場でないか。これを放棄した原因が、知事の日本ハム、カワイの間柄を察しての目こぼしであれば、日本ハムから提供された三千万円は賄賂。もし、県職員が不作為の判断をしたのであれば職員を処分しなければならない。
本紙は、この三千万円が効いていた、と推察する。
日本歴史に残る大疑獄に発展する可能性が、香川県で起きたカワイの偽装表示揉み消しからとなれば、本紙も放置できない。すでに高松地検に、日本ハムから、真鍋知事が三千万円の選挙資金を受領しながら収支報告書に記入せず、虚偽記載したことを政治資金規制法違反で告発していた内容を、収賄罪に変更することも検討したい。さて、県がカワイの立ち入り調査をしなかった去年の七月後、食肉業界全体の偽装表示が発覚し始めた状況下、事態を深刻に考えた大社日本ハム会長は九月末から十月初めにかけて大阪のホテルで鈴木宗男氏、鶴岡俊彦氏に相談し、たまたまBSE(狂牛病)問題と重なっていたことから天下の欠陥制度といわれる「牛肉買取制度」を編み出したのではなかろうか。今後の捜査はどう展開するのだろうか。業際研から始まる、鈴木宗男の摘発を指揮したのが伊藤鉄男・東京地検特捜部長。一方、裏では、牛肉買取制度の悪用から鈴木事件をとらえているのが、故金丸信・自民党副総裁の巨額脱税事件、中村喜四郎・元建設相の収賄事件で政治家を逮捕した熊崎勝彦・公判部長検事と言われている。この熊崎検事が一番力を入れているのが、鈴木宗男氏が大社・日本ハム会長、鶴岡・農林漁業金融公庫総裁と協力してできた制度「牛肉買取制度」の悪用という。この制度を利用して国産、輸入の関係なく、腐った肉や骨、石ころまで肉に混ぜて冷凍し、重さだけ計って在庫証明を書き、国に買い取らせた業者もいたという。こんな制度に国が費やした公金は約三百億円。税金をちょろまかした事件では、牛肉偽装事件が戦後最大というから県民としても腹がたつではないか。この際、徹底した捜査に本紙はもちろん広く県民も期待しておきたい。
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■日本ハム、インサイダー疑惑も
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八月十五日、東京証券取引所が、情報開示姿勢に問題ありと日本ハムの幹部に牛肉偽装・隠ぺい問題について事情聴取に入っているという。東証は、不祥事を起こした会社にはこのような事情聴取を実施し、情報の適時開示を定めた「上場有価証券の発行者の会社情報の適時開示等に関する原則」に違反したと判断すれば、改善報告書の提出を日本ハムに求めて、もし違反があれば上場廃止という処分もある。産経新聞(8月17日)が、「日本ハム株大量空売り、牛肉偽装社内把握の二月から発覚までに三倍」と日本ハムのインサイダー疑惑を大きく報じた。二月といえば、カワイの偽装表示が発覚した月でないか。
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■円藤前徳島知事と真鍋知事
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平成三年九月の徳島県知事選の際、円藤前知事側から一部の県議や首長に選挙資金として現金が渡ったとされる疑惑で、徳島県警は二十七日までに県民から提出された県議十一人と首長九人に対する公職選挙法違反(買収)容疑の告発状を受理した。一方、今回の知事選挙で二回目の当選を果たした真鍋知事に対し、前回の知事選挙の際、日本ハム、県建設業協会から計五千万円を受領しながら、選挙管理委員会に提出する収支報告書に記載しなかったので、川上・本紙社長が告発。どうなるだろうか。なお、真鍋知事が住んでいるはずの昭和町・副知事官舎の郵便受けは投函口をビスで留めて、使えないようにしている、ということはここには住んでいないということか。知事が所在不明では県民も困ってしまうのでないか。ハッキリさせてもらいたい。
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■県政点描
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▲暑かった夏、県民にとって最も大切な知事選挙の熱いたたかいが終った。結果は大かたの予想どおり、真鍋知事の勝利に終った。しかし、多田羅譲治候補も、佐々木アシュファ麻コ候補も予想以上の票を獲得。とくに、多田羅候補は、前回の五万五千票余りに二万票以上も上乗せし七万七千票余りを取ったのはお見ごと。これによって保守性のとくに強い香川にあっても、改革を望む声が高まってきたことが分る。
▲真鍋知事は、選挙運動を通じて一期目の実績を強調。しかも、その一番手に豊島問題解決をあげていたのはおかしい。当初、知事は、県の責任を認めず、謝罪もせず、解決を引きのばしていたが、住民の熱意と全国的な世論の盛り上りに押されて、不承不承に謝罪し、ようやく、解決したというのが真相。
▲知事の一期中には、大型談合事件の発覚、牛肉偽装問題、県職員によるウラ金問題など不祥事が多発。また、コトデンそごうの倒産やコトデン経営不振が表面化、さらに発砲事件など凶悪事件も続いて発生した。これらを考えると知事は功績をあげたどころか、マイナス面が目立つ。本紙が評価するなら四十五点ぐらいか。
▲注目された知事選の投票率は三六・五%。前回の三九・三一%をかなり下回り、五回連続の三〇%台に終った。残念だ。この不名誉きわまる記録は、県民が真鍋県政をいかに信用していないかという説明になる。また、大林・県選管委員長の責任であるときめつけてペンをおく。
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■香川銀行の「あってはならぬ不祥事」が発覚
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銀行は秘密のうちに結着させたつもりか
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香川銀行の坂出支店(坂出市京町)において、とんでもない事件が起こっていた。井上という外回りの行員が、お得意先のA社から融資を依頼され、気軽に引き受けてしまった。しかし、坂出支店ではA社の申し込み融資が十二月暮れに間に合わなかったので、困り果てた井上行員が、自分勝手に、同じ坂出支店に預金していたB社の口座から約二千万円も引き出してA社に渡したという。
これは、明らかに刑事事件の横領ではないか。まもなく、B社は預金から約二千万円の金が引き出されている事に気付いて、本年一月九日、B社長がカンカンに怒りながら坂出支店に問い合わせの電話をかけてきた。
そのときは銀行の朝礼の真っ最中であったので、行員のみんなに知れてしまったようだ。坂出支店にとっては一大事。
もしも、外部に漏れたら香川銀行の信用がガタ落ちになるのは必至。色を失った幹部が本店と連絡してもみ消し工作をしたらしい。それがうまくいったか、数日後、B社の社長が、笠原支店長が留守の坂出支店にやってきて、対応した薮内次長に、なんと、「すみませんでした。先日、預金が減っていたと言ったのは、当方の勘違いでした。許してください。」とアタマを下げたという。これに対して次長は「今後、気をつけてください」と注意したとか。猿芝居もいいところでないか。こうして、事件をもみ消すセレモニーは成功したかのように見えたが、その前にB社から外部の人に漏れて知られていた。本紙も丁度坂出支店の不正融資絡みで倒産した会社を取材していたので、この件についてもあらましをつかむことになった。ごまかしのセレモニーの後、本店の山田人事部長によって、事件を隠ぺいするかのような支店幹部の人事異動が行われた。事件を起こした井上行員は三月で懲戒免職。
笠原支店長は、本来なら懲戒免職のはずがなんと、横滑りの勅使支店長へ。薮内次長も六月に、降格せず中央市場支店次長へ。井上の上司に当たる佐藤チーフや支店内の熊谷支店長代理も降格したという話も聞いた事がない。代わって、坂出支店には本店から田中氏がやってきて支店長のポストに座った。田中支店長は、井上が新居浜支店に勤務していた時、支店長であった。その後田中支店長は本店に、井上は坂出支店に異動していた。この人事を仕切ったのが、本店の山田人事部長。この人は、すでに大林一族を支えるブレーンの一人にのし上がっている。なお、この人の父親である山田一郎氏については本紙でも何回か取り上げた事がある。香川県警退職後、香川銀行の顧問として大林頭取(当時)の用心棒的役割を果した。親子そろって、今なお香川銀行を牛耳る疑惑の多い大林会長のために尽くすつもりか。さて監督官庁の動きは、事件後の四月に日銀の検査が行われたが、担当した調査役の目にはどう映ったのだろうか。
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■元国民銀行頭取に実刑
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経営破たんした国民銀行(東京)の約九十億円に上る不正融資事件で、特別背任罪に問われた元頭取小此木幸雄被告(69)に対し、東京地裁は、三十日、懲役二年六ヵ月の判決を言い渡した。井上弘通裁判長は判決理由のなかで「融資先の経営悪化を十分認識しながら、部下の再三の反対意見を封じて融資を続け、銀行に大きな損害を与えた」と述べた。なお、川上・本紙社長によると「なにやら香川銀行・大林元頭取の判決を聞いているような錯覚がした」という。
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■法律違反の域外保証か
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本多元出納長が会長の信用保証協会
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副知事になりそこねて、県信用保証協会の会長におさまった本多英信元県出納長の協会で、どうかと疑いたくなるような企業に多額の信用保証を与えていた事が分かった。
例えば、本紙が倒産を予告し警告していた井坪建設、また、大内町に開発進出を図りながら、あえなく、撤退した東京のMDIなど。さらに池田長義・県会議員が実質経営の坂出のブルージャパンなどもある。そればかりでない。
徳島県に本社を置くT化成にまで信用保証しているのは、どういうことか。県外の企業には保証できないはずである。香川銀行は、香川県信用保証協会の保証つきで融資を引受れば、たとえ融資先企業が倒産しても、銀行には保証協会が代位弁済してくれるので負担がない。しかしその負担は香川県予算の負担であるので、結局、県民の税金で埋め合わされることになる。保証協会にはそれだけに時の権力、政治の道具に利用されることが多いようだ。昭和五十七年八月、本紙社長は高松地検・M刑事部長検事と、当時の前川忠夫香川県知事の職権に関わる件で会ったことがある。前川忠夫氏が、香川県知事、香川県信用保証協会会長、香川県住宅供給公社理事長のポストを兼務している時、甥が経営するS会社に融資をH銀行・M頭取に依頼したことがあった。たまたまM頭取が東京の赤坂東急ホテルにいたM会長に相談した時、本紙社長が側にいた。M頭取が悩んでいたのは「前川知事から甥のS会社に信用保証協会の保証をつけるから、H銀行で融資を頼むと依頼があった。しかし、当行で調べるとS会社は破綻同然である。
H銀行としてはどうすべきだろうか」という内容であった。M会長は相談を断わったが、その後、信用保証協会の保証付きで融資され、M頭取が予測したようにS会社は倒産、土地が競売にかけられた。競売に掛けられた土地は、暴力団が介在し安くF会社が落札した。高松地検・M刑事部長検事、いわく「信用保証協会が保証したS会社の土地がF会社に競落され、その土地を住宅供給公社が買収すれば、その段階で前川忠夫香川県知事は逮捕です」。結果、県が買収。
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■元大臣の藤本孝雄氏、最後のあがきか
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病院建設などに強引な口利きが目立つ
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戦後荒廃した国土にあって、国民のために恩賜財団が設立した、由緒ある香川県済生会病院が高松市桜町にある。初代高松支部長は参議院議員会長も務めた実力者・平井太郎氏、二代目・現支部長は厚生、農林大臣も務めたことがある元衆議院議員の藤本孝雄氏である。
藤本氏は、人気のあった父・藤本捨助衆議院の死去により、急遽、若くて衆議院選に出馬して、初当選。同期に橋本龍太郎氏がいる。ところが、藤本氏は前回の総選挙に落選してからは、なりふりかまわず、カネもうけに動いている。次の総選挙に出馬するための資金あつめのためだろうか。とくに、肩書きや権力を利用した強引な口利きが目立つ。口利きは鈴木宗男によって代表される古いタイプの政治家がよく使う手口である。最近も、不法な口利きによって逮捕されたり、罰せられた政治家や秘書も多い。
加藤紘一代議士の元秘書で佐藤三郎被告が公共工事をめぐり、口利料などを申告せず、計約一億七千万円を脱税したとして所得税法違反などで逮捕された。また、前徳島県知事ら自治体首長三人に対する贈賄や公共工事の口利き料などで、業際研の尾崎光郎被告が逮捕され初公判で起訴事実を認めた。鈴木議員秘書の宮野明被告、多田淳被告も再逮捕。このような最中、藤本孝雄氏の口利料要求がますます激しさを増しているというから、香川県民として、情けないやら恥ずかしいではないか。そればかりでない。高松市ハゼの松浦・秘書は2、3回逮捕されても秘書を続けた。
志度の池田・秘書は経理担当で藤本代議士のやりくりがつかない時に、自分の年金を立て替えていたが、死ぬ前にはそれが千万円にもなっていたが、最後は返してもらえず寄付したことであきらめたという。しかも松浦氏が死んだ時には藤本氏は葬式にも顔を出さなかったとか。現在、香川県済生会病院を多肥上町に新築する計画がある。当初、藤本氏は、戸田建設に取らそうと働きかけるが、病院側は戸田を外して公正に入札し、準大手の大本組が二十九億三千万円で落札した。ところが厚かましいことに、藤本氏は、大本組に乗りかえて、大本組の手先のようにふるまう。下請けに斡旋料を請求する。あげくは病院が完成した後の自動販売機の設置料、職員の制服まで世話をしてリベートを取ろうとしているのである。
この男には一片のプライドもないのだろうか。また、秋には、「ルカ病院」が母体で特別養護老人ホームの「シオン丘」が富岡設計で進められているが、藤本氏は先に済生会病院で戸田から前金を取っているのか、詐欺にならないためにも、どうしても「シオンの丘」建設には戸田に請け負わさなければならないので無理をしてくるという人もいる。香川の正常な建設業界のためにも政治家や政治を志すものに口利きという悪質な行為をさせてはならない。なお、藤本氏が次の総選挙めざして動いているといううわさがある。
それも、前回の総選挙で敗れたので、次回では小選挙区から立候補するのをあきらめて比例区から出ようという気配がある。そのため、長らくつとめてきた自民党河本派の代表をやめて、同期の橋本元総理をたよって橋本派にくら替えしたとか。まさか、現在、比例区から出ている森田一代議士をおしのけてまで出るつもりか。
藤本氏は、もう、終った人間である。静かに閉居して晩節を全うするのがふさわしい。
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■無登録農薬を農家に販売
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また、県農協の不正が明るみに
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なにやら、不正や疑惑が続いて騒がしい県農協が、こんどは無登録の農薬を販売していたことが分った。これは、県農協(遠山建治理事長)が県内のハウスミカンの栽培農家に無登録農薬である「ナフタリン酢酸ナトリウム」を平成十二年から今年八月までに約十七キロ販売していたことが県の調査で判明したものである。しかも、県農協は、同薬が無登録農薬であることを知っていたというから驚かされるでないか。県は、同薬の使用中止を指示し、回収を求めた。そのほか、発ガン性が指摘されている無登録農薬「ダイホルタン」一キロも病害虫防除用として農家に販売していたことも分った。
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■県警捜査二課長の人事内定
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発砲事件の解決を期待したい
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警察庁は、現在の中山仁・県警捜査二課長を更迭し、後任に幡谷賢治警視を充てる人事を内定した。発令は九月四日付になる見込み。幡谷警視は三十九歳のまさに働き盛り。茨城県出身。本紙は、幡谷・二課長に何よりも発砲事件の解決を期待したい。事件が起こったのは、平成九年十一月二十九日の夜半。まもなく、まる五年がたつのに、いまだに犯人逮捕のメドもたっていない。もう、このあたりで犯人を逮捕し事件解決しないと、県警のメンツが立たないのであるまいか。
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■県庁で露天市のような賑わい
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午前十時頃になると、県庁東館五階の廊下では、中央食品や西部食品が弁当を並べて、まるで露天市のような賑わいを見せる。県職員も勤務時間中であるのに、のこのこ、出て来て、声高に話合いながら品定めをしている。いくら、開放的になったとしても、県庁ではないか。これでは品位も、何もあったものでない。県当局もこれを規制し、職員自身もこころすべきであるまいか。
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■路線価、今年もかなりの下落
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ピーク時(平成四年)の五一・八%も
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高松国税局が、八月二日、平成二年分の路線価を発表した。路線価は、相続税や贈与税の算定基準となる価格である。これによると、県内路線価格は三千四百ヵ所の標準地点を調べて算出した平均額が一平方メートル七万二千円。全国の十九位に当たるという。前年に比べると六・五%の下落。ピーク時の平成四年(一九九二)からすると、五一・八%も落ち込んだことになる。県内最高の路線価は、高松市兵庫町の八十二万円であるが、ここも昨年に比べると一五・五%の大幅下落。この価格は四国の三位。県内二位は丸亀市富尾町の京極通りの二十六万円。一〇・三%の下落。三位は坂出市の駅前通りの二十二万円、一二%の下落。次いで小豆島が高い。県道土庄内海線通りの一五・五万円。ここも八・八%の下落になった。
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■戦争は遠くに-
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されど追悼式や遺品展
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昭和二十年(一九四五)八月十五日の終戦から、すでに五十七年が過ぎた。戦争は、はるかに遠くになったが、それでも忘れることはできない。忘れてはいけないのである。八月二日、県庁ホールにおいて、県戦没者追悼式が行われた。遺族の代表・約三百八十人が参加し、いまさらのように戦争の悲劇と平和のありがたさをかみしめたようだ。県内の戦没者は昭和六年(一九三〇)の満州事変から合計すると三万七千三百二十八人にものぼる。今年も原爆被爆者十六人が亡くなったので戦没者に追加された。また、高松市役所一階の市民ホールでは八月五日から九日まで高松市戦争遺品展と高松戦災写真展が開催された。遺品展には「祝出征」として、送る人たちの名前が書かれた日の丸などが展示されていた。また、写真展では、高松市助役をつとめた松浦薫氏が写した空襲直後の写真や当時の状況を絵にしたパネルなどが展示され、見る人の足をとめた。
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■ユル抜き
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大野原の豊稔池
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八月七日、大野原町五郷の山のなかにある豊稔池で、ことし初めてユル抜きが行われた。提の上に安置されている水神さまに豊作を祈ったあと、大麻・豊稔池土地改良区理事長らがユル抜きのバルプを回すと、二ヵ所から毎秒四トンの水が勢いよく流れ出し、つめかけた見物人のあいだから拍手と大きな歓声がわいた。この日から、翌日にかけて三十時間、約四十万トンの水が放流されたという。この水は、下にある井関池を通じて大野原町、豊浜町、観音寺市の約五百三十ヘクタールの農地をうるおす。なお、豊稔池は、ヨーロッパ中世の古城のように見える石積みのマルチプルアーチダムで、見物に訪れる人も増えている。平成九年(一九九七)文化庁の登録有形文化財の指定を受けた。
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■香川計算大会
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高松商工会議所
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計算が早くできるのは、いまの時代でも、十二分に役に立つ。また、計算が正確であれば、信用も得られる。そんな見地からそろばんや電卓を使って計算のスピードと正確さを競い合う香川計算大会が、八月十八日、高松商工会議所(高松市番町二丁目)で開かれ、小学生から社会人まで六十八組百三十六人が参加し、親子、兄弟、姉妹、同僚、フレンドペアなど二人一組が四つ部門で競い合った。競技は、乗除算、割合計算と見取算の合計点で入賞者を決めた。総合入賞者は次の皆さん。
(一位) 板野 奈苗、愛子さん(姉妹ペア)
(二位) 金谷 泰葉、横山 育恵 ・ 小田 沙也加、吉田 梨紗
(三位) 大西 佐和、大西 佐季 ・ 平尾 嘉菜、多田 誠 ・ 山下 志保、谷川 由佳
森 直子、田井 裕美 ・ 松尾 久美子
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■伝統の夏祭りと踊り
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大切にしたいふるさとの行事
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香川の夏は、県内各市町の観光協会などが主催して行うお役所型の夏まつりが盛んになってきた。そんななかにあって古い社寺などの長い伝統を持つ夏祭りや踊りなども行われた。
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■津島神社の夏季大祭
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八月四日、五日の両日、「子どもの神さま」として近県にも知られた三野町大見の津島神社夏季大祭が開かれた。当日は、約二百五十メートルの瀬戸海に建つ津島橋が開放され、子ども連れの参拝客が、この木の橋に渡って小島にある本殿にお参りした。夜には橋の照明が点灯し、夢見るような風景を演出。なお、この橋は夏季大祭以外は閉鎖されるので渡ることができない。また、夏季大祭は四百年以上も続いているとか。
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■滝宮念仏踊
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ことしは、真夏日が続くなど県内は猛暑に見舞われた。そんななか、八月二十五日、国の重要無形民族文化財に指定されている滝宮念仏踊が綾南町の滝宮神社と滝宮天満宮で奉納された。ことしの受持ちは綾上町の山田上、山田下、東分の三組。約九十人の踊組。境内では大勢の参拝客が、念仏に合わせて古式ゆかしく踊るさまに熱心に見入っていた。
この踊りは、仁和四年(八八八)に大干ばつがあったとき、讃岐国司の菅原道真公が七日七晩、一心不乱に祈願したところ、恵みの大雨が降ったという。喜んだ農民たちが感謝の念をこめて踊ったのが起源とか。なお、以上のほか、よく知られた夏祭りとして、夜の海をみこしが船で渡御するというロマン豊かな庵治町の皇子神社夏祭りがある。夜景はすばらしい。船で見物に訪れる人も多い。また、奇祭として人気を呼ぶ香川町のひょうげ祭りも。農作物で仮装してねり歩く行列は見もの。
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■瀬戸大橋の料金に不満
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国交省の利用者調査
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国交省はインターネットを通じて六月末から1ヵ月間、道路利用者から、高速道路に対する満足度を調査し、その結果を八月二十五日に発表。それによると、高速道路の通行料金については香川が全国最高の不満度を持っている、全国最低。これは、瀬戸大橋の通行料金があまりにも高過ぎるのが原因しているのは明らか。
また、路上工事のやりかたについても、香川は全国ワースト二位。これまた、非常に不満を持っていることが分った。しかし、道路全般についての満足度では、全国五位。やや不満の上位というところか。意外な感じもする。近い将来、道路公団の民営化が実現するのなら、新しい公団は値下げを目玉にして取り組んでほしい。値下げが実現したら、利用者の不満も大幅に減少するだろう。
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