|
平成十年「大林頭取側が殺人依頼の疑いも 実行犯は若林組か」の本紙見出しが、名誉毀損で最高裁の棄却で決定した。
全ては、この銀行問題から始まったのである。
|
香川銀行不正融資疑惑〜最高幹部らによるインサイダー取引疑惑〜暴力団との癒着〜香川県警との腐敗の関係〜香川県行政との蜜月…。
|
本紙は、前号より、我が香川を腐らせている様々な機関、組織の悪意の剔抉並びに総括を断行しているが、今号はまず、諸悪の根元といっても差し支えない香川銀行から俎上に乗せることとした。
|
ある銀行の犯罪 〜端緒〜
本紙が香川銀行の不正を糺すべく糾明のキャンペーンを繰り広げたのは、今から遡ること十年余も前のことである。同行の株主名簿を入手して、直ちに大林頭取(当時)のインサイダー疑惑を報じたのだ。自社株を優先的に取得し、株価が上がったところで(下がる前に)売り抜けるといったような露骨なインサイダー行為を繰り返していた大林グループ(一派と名付けても一向に差し支えない)。当時、香川銀行はこの一派に完全に牛耳られていた。この一派に勇気を持ってノーという者は、速やかに退職を命じられていた。そのドラスティックな経営方針はまさしく目に余るものがあった。
それでも、本紙に最後の勇気を奮って、内部告発をしてくれた強者がいた。
今は亡き浜谷博美氏である。
この内部告発を受けて、本紙は敢然と大林体制を批判し続けたのである。地元第二地銀である香川銀行を腐らせるということは、引いては我が香川(讃岐)を腐らせることに他ならない。この信念の下に、本紙は孤軍、同行への批判を繰り広げたのだ。
それは当然なのである。
同行は、地元暴力団若林組、そして香川県警の有力幹部連中を自家薬籠中として手なずけながら、そのビシャス・サークル(悪の連関)のなかで不正融資を繰り返し、善意の顧客の預金を食い物にしてきたのだ。若林組、グレースなる金融業者、井坪建設が手掛けていた大規模開発の志度・大将軍団地、その他様々な反社会的勢力への融資、そして焦付き、債権飛ばし…。ここで起きている実質上の損失は全て善意の顧客の上にのしかかってきていた。それでも香川銀行は、ホットマネー(危険なカネ、引いては犯罪的融資を指す)を動かしていた、同時に本紙は、これら不正に対して飽くなき追及をしていたのである。どの不正も本紙がこの十年余の間に正確に綴ってきた。文字通り、本紙は歴史的な動きを刻んできたのだ。
そして遂に起きた、本紙川上社主に対する前代未聞の暴力行為。
銃弾打ち込み、そして、鉄パイプ襲撃事件。
川上社主は、少なくとも二度、死の境界線の淵に立たされたのである。
川上社主は、ここで立ち上がった。怯むことなく香川銀行の暗黙的示唆の下、自分に向けられた殺意を紙面に掲載したのだ。そして起こされた名誉毀損という高松地検への告訴、起訴、裁判。最高裁の懲役10カ月、執行猶予3年という判決。ここでの下りはこれまでも本紙でつまびらかにしているから、ここではあえて省く。
全ての事件のピークはここに極まったのだ。
が、今、この最高裁の有罪判決まで翻される局面に来ているのだ。
世紀の逆転劇〜一人の人間の証明〜
「長い長い道程だった。それは川上氏も同様だったはず、イヤ、本人は私たちの数倍の長さを感じたに違いない。しかし、ここに世紀の逆転がもう眼前に来ている。これを私たちは感じて、きちんとした手応えを握っている。これは、これまで川上氏が追及してきていたことが、全く間違っていなかったということの証明なのです。ある作家のベストセラーに『人間の証明』という作品があるが、これまでの道のり、そしてこれからの道のりは、まさしく川上氏にとって、一人の人間の証明の道程というべき内容なのだ。もちろん、これを今後も後押しする体制は出来ている」。
これは警察庁幹部の言葉である。
一人の人間の証明、確かにこの言葉は現実を肯綮に言い当てている。
そして重要なのは、ここに来て、香川銀行の不正に端を発した疑惑追及が、法曹界をも揺るがす大事態に発展する情況になってきたことなのである。これまでの取材を総合してこれから起こる情況を本紙はようやく掴んだのだ。
さて、それはどういうことか? これまでの道のりにおいて登場してきた組織、人脈からそれを推察してみよう。
まず、考えられるところでは、若林組の解体なのか?
一部はイエスであるが、答えはノー、である。若林組は前号でも記したように近い時節に事実上、解体されると断言しきっていいであろう。しかし、ここにおける最後で最大の答えではない。
では、つぎに考えられるところでは、香川県警の大刷新なのか? これはイエスともいえるが、ここでもやはりノーなのである。香川県警の大刷新はもちろんこの先、行われる。これも前号で述べた通りである。但し、これは当事者の香川県警が一切関知しないところで着々と準備が進められているのである。
答えを急がねばならない。それはズバリ、川上社主に関する最高裁の判決に対する再審、そして逆転である。
「つまり、これまで全て根っこで繋がっていた悪の連関がひとつひとつ炙り出されるなかで、司法は同時並行でとんでもないフォルト(失策)を犯してしまっていたのです。それは、川上氏に対する最高裁の判決です。これは余りに性急に出されてしまった。讃岐の改革を時間をかけて行う前に、この結論が出されたのはいかにもおかしい。良識派がこれから手掛けていく上でこの結論は、大いなる障壁となるのです。いいえ、実際にそうなっている。これは私たちの改革においても、暗礁になりかねない(なるはずである)わけで、ここで再審をもちかけていくことになるでしょう」(同)。
これだけの重要なインフォメーションが遂にもたらされたのである。確かに、コトの発端から始まって、今まで関係者らによって、寄って集って隠蔽され、封印されていた事柄が次々に暴かれてきているのである。これはつまり、川上社主への判決がいかに現実離れしているものか(端的に言えば誤っていた、ということ)、を次々に証明していることとイコールなのだ。それ故に、遂にこの判決の反転を目的にここでいみじくもいわれている、”良識派”が胎動してきた、ということなのだ。
これは実に、『大事件』であり、法曹界史上初めての勇気ある試みといって差し支えあるまい。ここにその一大事の一端が見えてきたのだ。
繰り返すが、この判決、つまりある意味で、最後の答えがまだある限り、今香川で起きている一連の不祥事の真相追求、そして糾弾は、いつでも覆されてしまうことにもなりかねないのだ。それほど大きな爆撃性、攻撃性をこの判決自体が持っているのである。それはこれから始まる、一大改革に大きな支障となる。それをここで一気に突き崩すという判断が、各界の“良識派”から、提起されているのである。
これこそまさしく歴史が動く瞬間ではあるまいか!
さらにこの幹部が続ける。 「それとこの判決がそのまま確定的事実ともなると、憲法で保障されている言論の自由に著しく抵触するでしょう?その意味でも、ありとあらゆる対策や方法を講じてこれからの再審、逆転を狙っていかなければいけないのですよ」。 まさしくそうなのだ。四国タイムズという言論機関を余りにアッサリ封じてしまうようなことを、この判決は示しているのである。問題の大きさはこちらの方も負けてはいないのだ。
「闘うべき相手はたくさんあります。ただ、この活動を十年余に渡って続けてきた四国タイムズ川上氏だけが、余りに拙速に出された結論だけで、がんじがらめになるようなことがあってはなりません」。
この幹部は最後にこうキッパリと言いのけた。
悪の鎖を断ち切れ! 〜これからの展望〜
もはや議論の余地はない。確かに闘うべき相手は多い。立証していかなければならないことも有り余るほどある。しかも抵抗も激しい。相手だって、我が身、我が組織がかわいいに違いないのだ。しかし、その我が身守らんとする姿勢が、最後は歪な腐りきった体制を育んできたことも事実なのである。
若林組、香川県警、川上社主をこの事件で起訴したときのかつての高松地検(今は全く違う)、香川銀行、香川県や高松市という行政区、そして、中央の法曹界(司法)、いずれも最も好ましくないビシャス・サークルを形作って、郷土香川(讃岐)を貶めてきた。
しかし、今、その悪の鎖をようやく断ち切り、大刷新を行うべき土壌が出来てきたのだ。
改革はすぐそこまで来て、ジッと登場する時を待っている。
|