検察庁、警察庁、それに金融庁、彼らいわゆる、当局≠ェスクラム組んで、大きなうねりを形作っている。それは、本紙川上社主への余りに無法、無謀なる暴力事件などを絡めて、一時は解読不可能である複雑怪奇な様相を呈していたが、今や、この難問は、ほとんど解かれ、段階的に名回答を出してきている。
「全ては、四国タイムズへの原始的な暴力事件に始まった。タイムズは、それまでにも、銀行や検察、法曹界、警察、それに暴力団から政界まで、まさにタブーなしのまっすぐな告発をしてきた。この進撃を恐れるものが、どの世界にもいたのだが、一番怯えたのが、他ならぬ、香川銀行だった。そして、香川銀行は、タイムズ潰しの策謀を次々に打ち出してくることになる。その最初が、川上氏への襲撃事件だった…」。
こう語るのは、警察庁の現役幹部。すでに本紙には、いくたびも情報コメントを提起している人物である。
「しかし、こんな言わずもがなのことを、ここであえて引っ張り出すのにはわけがある。今私が言ったのは、ある意味でお浚い。このお浚いを何度も噛みしめることによって、次の手、それも何手先も打っていけるわけですよ、ハハハ…」。
こう言って、意味ありげに笑う。『次に、何を言ってくるのか?』。記者としての醍醐味を体感できる一瞬である。その期待をこの幹部はいつも裏切らない。
「私達は、この大きな枠組みの問題に取り組むことを決定したが、その時、幾つかの分野に跨る問題点を、それぞれの、当局≠ェ過不足なく担当できるようなシステム作りをしなければならないと思った。そこで、検察庁、金融庁という別分野を担当する、当局≠ニひとつの大きなチームを組むことにしたのです。それは、言論を暴力で蹂躙しようとした勢力に対しては、絶対に必要な体制作りだった。
「醜悪なる権力の悪用は許さない」 燃える使命感が強い連帯を実現
最初はギクシャクしていた。しかし、それが今では、同じ省庁にいる別のチームよりももっと強い連帯感を得られるまでになった。これは、とりもなおさず、醜悪なる権力構造を憎む気持ちが我々にあったからだと自負しています。
それと、ひとり文字通り、孤軍奮闘している最大の被害者である、川上社主に対してエールを送らなければならない、そういう思いが我々を初めて、イヤ、史上初の組織横断という他チームとの構成を成し遂げた。
この枠組みを超えたチーム構成という事実は、我々だって手の内を易々と明かしたくないから、積極的にその状態などを開示してきませんでした。本当は、これを大々的に開示することによって、体制の大いなる変動を知ってもらいたい、というのが本音ですが(笑)、相手に手の内を見せてはさすがに拙い。だから、こちらもジッと我慢の子(笑)。
それでもここに来て、タイムズの紙面を通して、この史上初の体制作りを開示できるまでになった。それはひとえに、我々が水面下でやって来たことが、ひとつの結果を見せてきているからです。
特に、この醜悪極まる、悪しき関係(ビシャス・サークル)の中心点を占めている香川銀行は、この先ビックリするような展開が控えています。それと…」。
ここでこの幹部はもう一度ニヤッと笑った。ゾクゾクするような一瞬である。
「それと、ズバリ、警察、です。私達のお膝元ですよ。ハッキリ言って暴力団の片棒担ぎ、或いは用心棒をやっているような者は、全てこれから糾弾され、警察から放出されます」。
この動きはすでに始まっている、と言うのだ。
川上社主の事件から、すでに多くの歳月が流れているが、それはまんざら無意味な時間の流れではなかったのである。
ターゲットは、香川銀行、そして香川県警 〜解体から、大刷新への道程〜
この警察庁幹部の言葉を引き取って、今度登場願うのは、金融庁の首脳である。
「ズバリ言って、香川銀行への対処はこれからですが、大変、厳しいものになります。さて、どのくらいの厳しさか、というと…」。
ここでも記者魂を揺さぶるような証言を聞くことになりそうである。
「反社会的勢力との連携がハッキリした今、この事実をまず全部明るみに出し、その後、銀行として、ひとつのけじめを取ってもらわなくてはならなくなります。善良な預金者から受けた虎の子を、こともあろうに暴力団や、或いは、その暴力団と癒着した警察官に、横流し≠オていたのですから、その信頼失墜は、単なる業務上横領や不正融資、或いは、浮き貸し、オンライン不正取引なんかとは比較にならないほど大きい。そのけじめですから、それは、単なる早期是正措置の発動であるとか、当庁からの戒告であるとか、そういう性質のものではないことはもう判ってもらわなければなりません。
考えられるのは、例えば、解体、合併、再編成、そういうことにならざるを得ませんね。もちろんその際には、現経営陣は、大林会長(同氏は遂に5月24日の取締役会で退任が内定)はじめ、同会長の係累も含めて皆、その職を退いてもらうことになります」。
まさしく愕くべき台詞が飛び出した!
「当然!」、金融庁首脳の話をひたすら黙って聞いていた警察庁の幹部は、ここで思わず口を挟んだ。
「それでも、まだ生やさしい、という人もいるかもしれないが、とにかくここまで醜悪な構図を構成した、その元凶である香川銀行への処置の第一歩はこれでしょう」。
この両者の掛け合いは、まさしく前代未聞の驚愕すべき内容を持っている。
「その際には、香川銀行幹部は、これも当然ですが、刑事訴追を免れられないでしょう」。 ここで発言したのは、検察庁(最高検察庁)中枢である。
香川県トップにまで切り込むのか? オペレーションのメス!
「すでに香川銀行幹部だけでなく、公務員への贈賄を図った暴力団や、この収賄側である警察に対しては、刑事訴追を次々に打っていく手筈が整ってきました。その最後のターゲットは、(香川)県トップとだけ、いっておきましょうか。
私達のオリーブ・オペレーションは、すでに、後は号砲を待つばかりになっているのです。その最初として、香川銀行にその照準を定めているわけです。それは自明の理、の話です。全ての根源は香川銀行の不正追及から始まったのですから。不正を追及して何故、命を狙われるような理不尽な対処を受けなければならないのですか? エエ、もちろんそれは川上氏のことですが、これは言うまでもなくこの単独事件だけではない。全ての、悪徳≠ェ複雑に繋がって構成されたものです。だから私達はオリーブ・オペレーションを立ち上げて、史上初の摘発に乗り出しているのです」。
この瞠目すべき発言が出た時点で、ひとつの結論と今後の方向性が見えてきた。
そう、この密やかなる話は、前号でも詳しくお知らせした、オリーブ・オペレーションの担当者による鼎談なのである。 これはまさしく画期的鼎談である。
この鼎談を構成している皆が口を揃えて、こう言う。
「川上氏は、我々の動きを牽引するかのように、どんどん法的手続きをしてくれています。この、良心的行動≠無にしてはいけません。我々はこのオペレーションを通じて、いつでも川上氏に連動しているつもりです」。
この力強い言葉が、現実になる日は近い。
「検事総長の首を取った男」と米国に追いやられた原田氏の現状
話は変わって、本紙記者は、この五月、川上社主が追及してその職を追いやった原田前検事総長の現状を米国に追ってみた。原田氏は、米国でいわゆる充電、研究に勤しむ、という触れ込みであったが、実際は、ほとんど隠居同然の生活を強いられていた。現役検察幹部も、「すでに過去の人」、として原田氏への訣別を口にする。
これをこの先読者には記憶に刻んでおいてもらいたい。もちろん、この原田氏に対する飽くなき追及も、川上社主のライフワークのひとつで、殊更大事なのは、これも今始動しているオリーブ・オペレーションの一環である、ということである。
まさしく時代は大きな変動期を迎えているのだ。
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