既報通り、香川県を取り巻く状況が非常に煮詰まってきた。あらゆる方向から、これまで滞っていた事態を動かすべく力が働きだしたといえよう。喩えるならば、地下のマグマが、一斉に吹き出る寸前の状態となってきたのだ。
今号では、それら関係機関、全てが出揃ってスタンバイをしている、その各所の最新の動きを個別に記していく。今号では特に警察関係をクローズアップさせてみよう。
警察庁、極秘捜査班を編成 香川県警に大手術を施す
[警察庁]
まずは、警察庁である。同庁が全国の各警察本部の綱紀粛正を図っていることは余りにも有名な話であるが、なかでも香川県警察本部に並々ならぬ関心を抱いていることは本紙でも度々取り上げてきた。
警察庁幹部の一人がいう。 「ご存じのように毎日のように各警察本部のどこかで警察官の不祥事が起きています。これは大変由々しき事態で、一昔前では考えもつかないことでした。
しかしですね、これは何も警察官の不祥事がなかったというわけじゃないのです。
以前も今も警察官の資質というのはそうそう変わるものじゃありません。それでは何故、こうも不祥事が頻発するようになったのか? それはもう皆さんもお気付きでしょうが、要は不祥事なるものを組織を挙げて揉み消してきていたわけです。捜査経費の件にしても、まさしくみんなで隠せば怖くない=Aでした。手を汚した連中はそれこそ絶対に口を割りませんからね。
しかし、それでも何故、私達が香川県警をとりわけ注目しているのか? お判りですか?」。
ここで、この幹部は一旦、言葉を切った。そして改めて香川県警の腐敗した事態について語り始めた。
「つまりですね、他の警察本部の在り方もそれは当然、粛清していかなければいけないわけですが、香川がとりわけ問題なのは、反社会的勢力とスクラム組んで、自分たちの反対勢力を押さえ込むような所業を行っていた、ということです。これはいかに他の警察本部が腐っているとしても、ここまではしていません。この香川県警の所業に比べれば、言葉は悪いかもしれませんが、まだ、かわいいものです」。
ズバリ、この幹部の指摘は、本紙川上社主への一連の襲撃事件を指している。暴力団と組んで、文字通り邪魔者は消せ=Aである。確かにこの幹部の指摘するように、このような実態は香川県警だけかもしれない。しかも、暴力団と禁断の関係を結んだ警察官は、当の暴力団から甘い汁、つまり享楽や実際カネなども受け取っていたのだ。
「そして最も許せないのが、御指摘の通り四国タイムズ社主、川上氏への殺人未遂行為。これはすでに私達は殺人未遂、ということで改めて捜査を極秘に始めております。殺人未遂ですよ。川上氏だけでなく、川上氏の御家族含めた複数者相手の殺人未遂ですから、この捜査はとても重要です。
但し、この重要事件を引き起こしたのは、当の香川県警の連中ですから、捜査そのものは、私達が編成した、各本部からの精鋭ですよ。これは本当にトップシークレットです」。
なんと本紙川上社主に対する執拗なまでの襲撃事件においては、警察庁主導のそれもトップシークレット扱いの極秘捜査班が編成され、しかも、その班は、これら一連の事件を殺人未遂事件として再捜査しているというのだ。
「こうしたことは確かに前代未聞のことです。しかし、これまで香川県警本部が行ってきたこともまた、前代未聞のことだったです。この膿は徹底的に切除してしまわないといけません」(同)。
確かにそれはもっともなことである。
そして気になる今後のこの極秘捜査班の行方であるが…。
「余り詳しいことをいってしまったら、それこそ相手に手を打たれます…(笑)。いや冗談、少なくとも今年の秋が終わるまでには答えと結果が出ているでしょう」(同)。
実に頼もしいことである。これまで渋滞していた襲撃事件の捜査は、これで一気に新展開を迎えることになりそうである。地下のマグマの流動の一本目の伏線である。
警視庁、変貌する暴力団に迫る 狙いは若林組の武器庫
[警視庁]
読者の多くは、『警視庁とは如何に? なにかの間違いでは?』、と思われるかもしれない。確かに警視庁と香川県に発生している事件や問題とは一見、関係ないと見えるかもしれない。
しかしそうではないのだ。今度は警視庁組織対策課の関係者が語る。
「目下、どこの警察本部でも暴力団の存在を非常にマークしています。いい例を挙げてみましょうか?
ご存じのようにこの前、最大勢力の山口組のトップが代りました。これによって同組執行部も相当の人事の入れ替わりが見られました。そこで今何が起きているか?
山口組に匹敵するような勢力が、ここに来てかなり気勢が上がり始めているのです。
そこでこの先どのような抗争事件が起きるか、予想もつかないような状況になってきているのです」。
確かにそうである。我が国最大勢力である山口組のトップ交代は、暴力団の在り方の次世代を示唆しているといっていい。
次の記事を見て欲しい。
山口組トップ交代、3大暴力団抗争の再燃を警戒
国内最大の指定暴力団山口組(本部・神戸市)のトップが16年ぶりに交代したことが、警察当局の調べでわかった。 指定暴力団を巡っては、住吉会や稲川会(いずれも本部・東京都港区)も今年になって、最高幹部の役職変更や死去などで変化≠フ兆しが出ている。
山口組が東京での勢力拡大を進める中、警視庁では、組織に不安定要因を抱える暴力団同士が、都内でトラブルを起こす可能性もあるとみて、警戒を強めている。(中略)
山口組が東京に本格進出したのも、渡辺体制発足後だ。八王子市などでの抗争事件をきっかけに地元組織を吸収するなどして、91年以降、都内の組織拡大を進めた。
現在、都内に55か所の事務所を構える。警視庁が把握する都内の山口組勢力は約900人。関連企業などを含めると、約3000人ともいわれる。
一方、住吉会は今年4月、西口茂男総裁(76)が兼ねていた「住吉一家総長」という役職を、ナンバー2の福田晴瞭会長(62)に譲った。警視庁では、将来のトップ交代を見据え、権限の一部が委譲されたとみている。
稲川会では5月、稲川土肥会長が64歳で病死して以降、会長ポストが空席のままとなっている。暴力団対策法に基づく代表者は父親の稲川角二総裁だが、90歳と高齢だ。
土肥会長は生前、渡辺前組長との間で、「対等の関係」であることを確認し合う儀式を執り行うなど、最近の両組織は比較的良好な関係を保ってきた。しかし、土肥会長の死去と渡辺前組長の引退で、「これまでは組員同士のトラブルが起きても大規模な抗争まで発展しなかったが、予断を許さない状況に入った」(警視庁捜査員)と危惧(きぐ)する声も上がる。
都内では最近、新宿・歌舞伎町で山口組組員が住吉会組員に射殺される事件(昨年4月)や、台東区のホテルで山口組組員2人が住吉会組員2人に射殺される事件(同10月)などが起きている。
警視庁では、「いずれの組織も世代交代の過渡期にあり、ささいなトラブルが一般人を巻き込んだ抗争事件になりかねない」(幹部)として、3大暴力団の動向を注視している。(05年8月27日付読売新聞より抜粋)
この記事でも判るが、確かに暴力団の勢力はかなり変わりつつある。
「そこで私達は管轄外といわれるかもしれないが、香川県に注目しているのです。
それは何故か? 四国タイムズでもかなり詳しく報じてきていましたが、香川県警の幹部と暴力団との関係は誠に別ちがたい状況にあった。だから各地の暴力団は、実は皆香川に注目していたのです。それは何故か? 分り易くいえばですね、警察と暴力団が癒着しておれば、それだけ、やばいシロモノは預けておきやすいからです。警察は必ず、見て見ぬ振りをしてくれる、と判っていたら、暴力団らは必ず、香川にそのシロモノを持ち込んでくるでしょう。
そしてそれは実際に行われていたのです」。
関係者はここで一呼吸呑んだ。そして話を続け出した。 「そのシロモノとは、もうお気付きでしょう? そう、彼らが一様に道具=Aと呼ぶものです。つまり拳銃だとか特殊な刃物、もしくは武器全てですよ。これを愕くことに各地の暴力団から香川に流れてきていたのです。特に多いのが東京からのものです。
そして山口組のトップが代って、暴力団の勢力地図が様変わりをはじめたら、香川に集めた武器そのものの威力が発揮される機会が増える、ということになるのです」。
なるほど、この論法はまさしく納得できる。警察と癒着していた香川の暴力団、つまり具体的にいうと、それは、山口組系若林組のことであるが、彼らはつまりは警察に守られていたような集団であるから、そこに道具=Aを持ってきていたら、それほど安全且つ使い勝手のいい場所はない、ということになる。香川のアクセスは、実はどこからでも非常にいい。しかもこの先、各暴力団間の状況が微妙になってきている(その予感が発生していた時期を含めて)時に、香川の存在は実に意味があったわけだ。
「だからこそ、それら武器について今、改めてそれを全て撤収させるまでの努力を続けているのです。そこで私達は香川に絞り込んで武器の壊滅を図ります。
その武器はズバリ、若林組の持っている倉庫にあることは判っています。管轄外のようですが、うちの管内の暴力団の道具があれば、それはどこでもフダ(捜査令状)を持って捜査に行くのです」(同)
愕いたことに若林組のいわゆる武器庫(既報済み)、は全国各地の有力暴力団の武器庫でもあったのである。そして、益々愕くことは、その武器庫を、香川県警が守っていた、という事実である。
腐敗ここに極まれり。しかし、今後はこれが健常、という方向に大きく転換していくだろう。
蓋し、見物である。もちろん本紙はこれまで通り、我が道を粛々と進行する。
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