2017年8月号

目次
国滅ぶとも正義は行わるべし ミサイル脅威の現実では原発ゼロ
5000号を迎えた日本タイムズの役割は、原発ゼロを実現させる総理の誕生だ!
ミサイルは必ず原発を狙う
自衛隊は国民を守るため国土を守る
弁護士の大臣なら法律遵守を
稲田防衛大臣を東京地検特捜部に告発!
警視庁が狙う後藤元組長――
変死事件もあった新橋地上げ絡み
里見会長に付き纏う反社の影
横浜市長に求められるカジノの受け皿
香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その172)
安倍一強の崩壊で法治主義を守ろう
学校の土地を切り売りか?
明浄学院が大阪の一等地を理事に「売却」
阿波踊りで荒稼ぎの徳島新聞
紙面で「言い訳」、 沈黙の遠藤徳島市長
加計学園と野平・元銚子市長
獣医医学部新設疑惑を千葉科学大学から探る

国滅ぶとも正義は行わるべし ミサイル脅威の現実では原発ゼロ

5000号を迎えた日本タイムズの役割は、原発ゼロを実現させる総理の誕生だ!

この8月で日本タイムズは、昭和22年8月22日の第三種郵便物認可から数えて5000号になる。本紙川上の誕生日は昭和22年5月9日であるから、本紙川上がこの世に生まれて3カ月余りたった8月22日に国の郵政機関から第三種郵便物が認可されたということだ。
こう考えてくれば本紙川上は、日本タイムズという媒体を通じて、日本の国(国民)に貢献せよとの命を与えられたようなものだ。
そうか、それなら、そのお役を引き受けようではないか。

それでは、本紙川上が最初に拳銃を発射された平成9年11月29日の3カ月前、平成9年8月号の四国タイムズ
「創刊五十年の歩み」を引用してみよう。
《昭和十七年の太平洋戦争のさなか、「気骨の人」といわれた矢島市郎氏が社屋を丸亀市において「さきがけ」と名づけた新聞の発行を始めた。
当時は、国による物資の統制が強化され、新聞発行に必要な用紙や印刷インクなども入手しにくかったのに、矢島社長は、必死になって、やりくりしながら、発行を続けたという。
また、軍が二十四時間、きびしく見を光らせていたので取材も、報道も自由にならなかったようである。
昭和二十年八月十五日、終戦。

この日から、政治も、社会も、世相が一変した。
矢島社長は「さきがけ」を「新日報」と改題し、日刊紙として新聞発行に取り組む。
昭和二十二年八月二十二日には「三種郵便」が認可された。
四国タイムズは、この日を創刊日としているから、ちょうど五十年がたつ。
その頃、増原恵吉知事から「新日報は社会の羅針盤たれ」という激励をうけて、矢島社長も感激したといわれる。
こうして、新日報は地元に密着し、地元に情報を正しく提供し続けて三十年。…》
どうであろう。これは20年前の四国タイムズ平成9年8月号の記事だ。この後、昭和53年12月22日、矢島社長の死去にともない、柏田次郎氏が新日報を「新日新聞」と改題して引継いだのである。
そして、平成4年1月から川上道大が新日新聞を「四国タイムズ」と改題し発行を継続。今では四国タイムズを「日本タイムズ」に改題したので、本紙川上は戦前の「さきがけ」、戦後の「新日報」からすれば三代目ということになる。
5000号とは感無量だ。

ミサイルは必ず原発を狙う

自衛隊は国民を守るため国土を守る

本紙の使命は「原発ゼロ」の国家を実現させること。

歴史は繰返される。戦争は必ず起きる。そのためには「原発ゼロ」だ。
安倍1強でそれが叶わなかったことを考えると、原発ゼロを達成するためには原発ゼロを心底使命とする総理の誕生を実現させるしかない。
だってそうでしょう。
北朝鮮は先月の7月には4日、28日と大陸間弾道ミサイルを打ち上げ成功させた。金正恩朝鮮労働党委員長は現地で「米本土全域がわれわれの射程圏内にあるということがはっきりと立証された」と述べているではないか。
テレビ、新聞のマスコミなどは、一斉に、米中西部射程圏内などと報じているが、落下地点は北海道・奥尻島北西約150㌔の日本の排他的経済水域(EEZ)。アメリカをターゲットにしたように大げさなデモンストレーションを展開しているが、一触即発で、いざ始まれば日本の原発に狙いを定めるのは、まず間違いなかろう。日本海側原発の2,3カ所にミサイルを命中させれば日本は戦争どころではないはずだ。

この8月2日、福田康夫元首相が共同通信のインタビューに応えて、「国家の破滅が近い」と安倍政権を批判した。加計・森友問題に関連して、福田氏が激しく指摘したのが、安倍政権が2014年に発足した内閣人事局によって幹部官僚の人事を掌握したこと。
要するに、とりわけ防衛大臣の稲田朋美氏の人事には、「自殺行為だ」との認識を示したのではなかろうか。
この福田元首相の「安倍政権を批判」に、本紙川上も同調したい。だからこそ、本紙川上は森友・加計問題を大阪地検特捜部に告発し、先(7)月23日付で稲田朋美防衛大臣を東京地検特捜部にも告発したのである。
さてここで、一昨年の平成27年10月号四国タイムズの記事から引用する。
「原発ゼロへの決め手は核燃料廃棄物の最終処分場」
《…要するに、6月2日の本紙へのガサ入れが切っ掛けで、長年未解決だった本紙川上への襲撃事件に捜査機関が手を付けざるを得ない状況になってきましたよ。この捜査が始まれば、本紙川上の殺害計画に関与した暴力団や警察官らも含めて、間接的にも原発推進派の関係者の勢力図が自ずと浮かび上がりますよ、ということなのである。
それは、これから始まる本紙川上が被告の名誉毀損事件の公判を舞台として利用させていただきながら、捜査に着手せざるを得ない状況に持ち込むという戦術である。
なにしろ安倍政権は、名誉毀損事件でガサ入れして本紙川上を逮捕する作戦だったのだから、逆に本紙川上からすれば「肉を切らせて骨を切る」戦術を選ばざるを得ないではないか。
しかしそれにしても、本紙川上絡みの未解決事件に捜査が入れば、メガトン級の影響力があるだけは間違いない。この凝縮された熱いマグマの塊を、是非、次の政権を担う人たちに活用してもらいたい。
なにしろマグマの塊には、「核のごみ最終処分場」を吹っ飛ばすだけの威力があるのだから。…》
要するに「高レベル放射性廃棄物最終処分場」は、本紙が平成16年から指摘しているように、瀬戸内海の香川県直島町・三菱マテリアル寺島だと、すでに決まっているのだ。

弁護士の大臣なら法律遵守を

稲田防衛大臣を東京地検特捜部に告発!

本紙川上は、弁護士の稲田朋美防衛大臣が法律を違反しているとして、すでに大阪弁護士会に二つの懲戒請求をしていた。

その上、7月23日には防衛大臣としての法律違反行為を東京地検特捜部に告発もしていた。
法律に関しての知識は、弁護士として十分に持ち合わせているはず。であるなら、国の防衛を担う稲田朋美氏の防衛大臣としての発言・行為は許せるものではない。
【告発状】
2017年7月23日
東京地方検察庁特別捜査部御中
告発人川上道大
被告発人稲田朋美
第1【告発の趣旨】
被告発人らの下記所為は、公職選挙法第136条の2、国家公務員法102条、自衛隊法61条に該当するので、被告発人らの厳重な処罰を求めるため、告発する。
第2【告発事実】
被告発人稲田朋美は、自由民主党所属の衆議院議員であり、防衛大臣でもあるが、2017年6月27日、東京都板橋区で東京都議会選挙に出馬している、自民党公認候補者の応援演説の時に、「ぜひ当選、お願いしたい。防衛省、自衛隊、防衛相、自民党としてもお願いしたい」と述べた。
日本国憲法では、「すべての公務員は、全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではない」と規定している。
公職選挙法では、136状2で、「その地位を利用して選挙運動することができない」とすべての公務員の地位を利用した選挙運動を禁止している。(中略)
稲田朋美の行為は「政治的中立」が定められている国家公務員、自衛隊員に対して、防衛大臣という影響力を行使して、自民党候補者への投票を呼びかけ、政治的中立から逸脱する行動を強要するものである。

この告発状は、7月24日午前中に東京地検特捜部に届き、稲田防衛大臣は3日後の7月27日に辞任した。

警視庁が狙う後藤元組長――

変死事件もあった新橋地上げ絡み

いまも裏社会に影響力を持つ後藤忠政元組長

 

いま、警視庁組織犯罪対策部が水面下で動いている案件がある。それは後藤忠政元「後藤組」(静岡市)組長(74。カンボジア国籍取得)に関するものだという。
後藤元組長といえば、山口組有力直系組長だったが、08年10月除籍になり組は解散。
しかしながら15年12月、米国側がマネーロンダリング(資金洗浄)などでわが国暴力団の活動を手助けしているとして米国における銀行資産凍結をした人物。
また、山口組分裂騒動のなかで、神戸山口組側に数十億円の資金提供するとの情報が出るなど、いまも裏社会に大きな影響力を持つ人物。さらに、東京・代々木のビル地上げを巡って起きたと見られる06年3月に発生した東京・青山通り刺殺事件で本星と見て捜査していた因縁ある相手でもある。有力情報があれば動くのは無理もない。

 

自宅敷地内で白骨遺体。地上げ絡みで拉致か

 

漏れ伝わって来る情報などを総合すると、東京・新橋の地上げ絡みだという。
昨年10月、警視庁捜査員が、新橋に住む高橋礼子さん(59)の自宅敷地内の建物の隙間で一部白骨化した同氏の遺体を発見した件をご記憶だろうか。
TVでも全国キー局が一斉に報じ、話題になった。

その高橋さん、その自宅からわずか数百mの距離にある環状2号線(通称・マッカーサーカー通り)に面した一画の地上げ対象地の一部地主だった。
このマッカーサー通り、2020年東京五輪までに開通。またJR新橋駅前開発地区にも近いことから、この一画を整理して高層ビル建設用に地上げすれば宝の山に化ける。
今回の高橋さんの死去に事件性はないとされるものの、彼女は土地を売らないと広言していたにも拘わらず所有権移転になっている。
また、その間、失踪していたとされる時期があることから、地上げ絡みで拉致されていたとの見方も出ており、事件に巻き込まれた可能性は高い。

 

後藤元組長と新橋地上げとの接点は西岡進氏

 

実はこの地上げ対象地と、後藤元組長には接点がある。
この地上げ対象地の建物の多くを「ウエスト」(東京都渋谷区)なる会社が所有していた。その代表は西岡進氏。
そう、後藤元組長は現役時代の06年5月、代々木のビルの地上げを巡り、当時、東証1部に上場していた「菱和ライフクリエイト」(事件発覚後、反社会勢力との関係から上場廃止に)という不動産会社社長と共謀して虚偽登記したとして逮捕されたが、その相手社長がこの西岡氏だった(後藤元組長は有罪。西岡氏は無罪に)。
そして、西岡氏がこの新橋の地上げ対象地に登場しているのは実は偶然ではない。
結局、この新橋の地上げ、期限までに完了しなかったとして、NTT系の不動産会社「NTT都市開発」(東証1部)が、地上げを依頼していた地元の「京栄商事」と「K・T・T」なる合同会社を相手取り、違約金も含めた14億4000万円を共同して支払え(代わりに所有権を戻す)と今年3月末に東京地裁に提訴。現在、係争中だ(もっとも、被告側は事実を認めており、8月中に和解ないし判決が出る模様)。
その訴状などによれば、NTT側は、京栄商事は自らが現所有者から土地や建物を買えばいいのに、利益を多く取るためにわざわざ前出のK・T・T、その他の会社に所有させているのは「共同不法行為」だと批判している。そして、NTT側が京栄商事に地上げを依頼(15年7月)後、K・T・Tからウエストに建物所有権が4つ、また京栄商事からウエストに同1つ移動しているが、これも同様のことだという。

 

資金元から、貸付先地上げ会社を実質、乗っ取りか

 

さらに、本紙が得た有力情報によれば、「K・T・Tは実質、京栄商事社長がオーナーだったが、途中で後藤元組長側が代表印などを取り上げ、実質、乗っ取ってしまった」(警視庁筋)という。
具体的に関与したとする複数の元後藤組組員の名前も出ており、そのなかには奇しくも前述の代々木ビル地上げを巡る虚偽登記事件時、逮捕された元側近もいる。
それにしても、いかにして後藤元組長側は乗っ取ったというのか。
「京栄商事は埼玉県三郷市の方でも地上げをしていたが資金に詰まり、少なくとも後藤元組長側から4億円以上借り入れしている。そのなかで主導権を取られた」(同)という。
要するに、話をまとめると、以前の縁から西岡氏と後藤氏は新橋の地上げで繋がり、後藤氏の資金力を背景に、会社実印や権利書などを押さえNTT側に地上げを任された京栄商事側を実質、乗っ取ってしまったというわけだ。
もっとも、実は京栄商事は京栄商事で、別のこちらは現役の山口組系直系組織と深い関係にあると見られる。
そのため、長らく親しい女性をダミーで社長にしていたのだが、NTT側とトラブルになるなか、今年5月、その元々影のオーナーが社長に就き表に表れている。
ともかく、後藤元組長の方が実力は上だったということなのだろう。
そして、警視庁組対は現在、こうした一連の行為のなかに、どのような違法行為があったのか、水面下で徹底的に洗い出しをしている模様だ。
もっとも、そこは互いに口が固いはずの裏世界の者たち。本来から、警視庁は端緒さえ掴めなかったはずだ。

 

事件のキーマンは、地上げ絡みのK弁護士か

 

ところがK・T・Tの方の責任者には元々弁護士が就いていた。何でも多額の金銭の貸し借りがあり、京栄商事社長の言いなりに。今回の新橋の地上げでも、非弁行為にならないようにほとんどの契約にはこの弁護士が同席。NTT側との当初の売買契約時にも立会人になっている。というか、そもそも京栄商事のような反社疑惑のところが天下のNTT側と契約に漕ぎ付けれたのはこの弁護士のお陰」(事情通)
このK弁護士、単なる弁護士ではない。資産家の財産管理、個人信託業務を行う株式会社の代表も務める。そして株主には、ズラリ有力地方銀行が名を連ねているのだ。
「ところが、そのK弁護士も揚句の果てが後藤元組長とも関係を持ち、一方、対NTT側との訴訟では14億円以上の負債を負う身。とことん追い詰められ、口を割る可能性もある」(別の事情通)
そうかと思えば、京栄商事側の金主を洗って行くと、警視庁元新宿署長(元組対部参事官)、元大阪高検検事長の存在も浮かび上がり奇奇怪怪だ。
さて、渦中の後藤元組長はといえば、15年6月に帰国し、帰国の真相を巡り、体調不良による手術説、分裂した山口組への介入説などいろいろ流れたが、少なくとも、京栄商事との仕事関係の用事もあったのは間違いないようだ。
現在、カンボジアに帰国しているとの説もあれば、いまも日本に留まっているとも。
いずれにしろ、警視庁としては「脱税、外為法、貸し金業法違反――形式犯だろうと何だろうと、ともかく検討し追い詰める」(同)と息巻いているという。
確かに、天下のNTT系のNTT都市開発ともあろうものが反社会勢力側に、それも都心の重要地の地上げを依頼していた疑惑が濃厚なのだから、これだけでも大問題だろう
ともかくいろんな重大事件に発展し得る要素を秘めた案件だけに、触手が動くものも無理ない。
今後の警視庁の動向が大いに注目される。

里見会長に付き纏う反社の影

横浜市長に求められるカジノの受け皿

横浜・山下埠頭でのカジノ開設に意欲を燃やすセガサミーホールディングスの里見治・会長兼最高経営責任者(75)にとって、先月30日に行われた横浜市長選で林文子市長が再選された事は大きな朗報であったであろう。
しかし、その先行きは決して晴朗という訳ではないようだ。
6月30日、里見会長宅への発砲を指示したとして警視庁組織犯罪対策4課は元暴力団組員の福井康二容疑者(69)を銃刀法違反などの疑いで逮捕した。この事件は2015年1月8日未明、東京都板橋区の里見会長宅に拳銃1発が撃ち込まれ門灯が壊されたというもので、18日には実行犯とみられる3人が起訴されている。
事件解明までに2年半も要した訳だが、実は一部のパチンコ業界関係者の間では、福井容疑者の名前だけでなく福井容疑者に依頼した人物の名前もずいぶんと前から知られていた。

「福井に依頼したと言われているのは、かつてサミーの株主だった京都の娯楽産業会社の元幹部A氏。A氏は若い頃の里見さんを金銭面も含めてサポートしていた人物ですが、暴力団との付き合いがきわめて深い。里見さんはビッグになるにつれてA氏と距離を置くようになり、事件の頃はパチンコ台の納入でかなり揉めていた」(パチンコ業界関係者)
捜査がA氏まで及べば里見氏とA氏との具体的な付き合いが明らかになるであろう。場合によって里見氏の過去の暗い付き合いが暴露されるということがあるかもしれない。

香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その172)

安倍一強の崩壊で法治主義を守ろう

8月3日、安倍晋三首相は内閣改造を行った。次々と大臣が決まる中、本紙川上の目に留まったのは上川陽子元法務大臣の入閣人事だ。それも法務大臣として。
本紙の「香川県警の捜査放棄と冤罪捜査」は連載で今月172回を数える。この連載は一度も休んだことがないので14年余りも続けていることになる。
上川陽子法務大臣の2回目の法務大臣入閣には、本紙川上も絶大な関心を持ち合わせていることだけは、ここに記しておこう。
というのは、題号が四国タイムズだった平成27年1月号で、香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その141)に、
「司法改革の真打ちは上川陽子法務大臣」だと見出しにしていたからだ。

逮捕令状の執行をストップ 安倍一強時代のレイプ・捜査放棄の実態

元東京地検特捜部副部長で、「都民ファースト」を立ち上げた小池百合子氏(東京都知事)の側近中の側近でもある若狭勝衆議院議員が記した文章を見つけた。
さすがに捜査放棄の真相に迫る、的を射た説得力のある文書なので紹介する。
「警視庁本部中村格刑事部長(当時)の暴挙と法治主義」
《元TBS記者山口敬之氏に係る準強姦罪の被疑事件につき、所轄警察署が告訴状を受理した上、カメラ映像の分析などの捜査をした結果、その疑いが相当程度あるとして、裁判官に逮捕令状を請求した。
所轄警察署の現場警察官も、昨今のえん罪事件に留意し、記者という身分にかんがみて逮捕時の影響も考慮しながら、慎重な判断のもとで、逮捕請求に至ったと思われる。
その上で、裁判官も逮捕の理由と必要性を認定し、逮捕状を発付した。
しかし、山口氏が空港に到着次第逮捕するべく、所轄の警察官が態勢を整えていたところ、こともあろうに、なんと、警視庁本部中村格刑事部長(当時)からの突然の指示で逮捕の執行が見送られた。
私は、逮捕状とその執行実務に精通している。その私の目からすると、通常ではありえない事態。この種の犯罪で、所轄警察署が入手した逮捕状につき、警視庁本部刑事部長がその逮捕状の執行をストップすることは絶対にあり得ない。
裁判官の判断は何だったのか。そもそも、裁判官は、逮捕する理由も相当ではなく、逮捕の必要もない、ひいては、逮捕するに適さない案件に逮捕状を発付したということなのか。
私は、珍しく怒りを抑えきれない。
中村刑事部長(当時)に問い質したい。
裁判官の逮捕を許可した判断と、何がどう変わったのか。逮捕状の発付後に、裁判官の判断を覆す特殊な事情が生じたとでもいうのか。
これまで多くの人が、何にも代え難い法治主義を守るため、我が国の刑事司法の適性に向けて努力してきたのに、警察内部からその適性を崩壊させることは絶対に容認できない。
ちなみに、昨日、国会において、性犯罪については、被害女性の心情に配慮して捜査などを行うべきと議決した。この精神にも甚だもとる。
現在、アメリカ大統領が、FBI長官に対する捜査妨害をした疑いで窮地に追い込まれている。捜査ないし刑事司法への不当な圧力は、どの国でも法治主義を危うくするものとして由々しき問題となる。》

どうであろう。
少々長くなったが、東京地検特捜部副部長まで務めた若狭勝・衆議院議員の主張には説得力がある。あるべき姿。
いまは、検察も、警察も、政治家も、ヤクザも原点回帰、覚醒の時期だ。
「捜査放棄と冤罪捜査」の連載から本紙川上の心の叫びを聞いてほしい。
本紙川上の「家族が巻き込まれた命に関わる三つの未解決事件」を解決してもらいたい。
「上川陽子法務大臣」には、是非、司法改革を期待したい。

学校の土地を切り売りか?

明浄学院が大阪の一等地を理事に「売却」

本紙で追及している、大阪の学校法人明浄学院と反社会勢力との関係は、学校経営の不透明な問題。
締め切り直前、2つの大きなニュースが入ってきた。
7月28日、大阪市の明浄学院高校は騒然とした雰囲気に包まれた。
本紙で書いた、強豪のバスケットボール部の廃部の危機。敢然と反論していた、H監督が3か月の謹慎処分となることがわかったのだ。
「日本タイムズにH監督が情報を漏らしたからと疑われていることが理由のようだと校内ではささやかれている」
と明浄学院関係者。
ここで本紙は明確に言っておく。H監督と接触したこともないので、情報を得ようがないのだ。
H監督は「無実」にもかかわらず、処分されてしまったのか。
「処分に抗議して、バスケットボール部の生徒や保護者が
集まり、騒然になった。H監督が学校でバスケットボール部のことで叱責、恫喝されているのは、たくさんの教職員が知っています。それをH監督が情報を漏らしたと学校側は決めつけたようだ」(前出・学校関係者)
事実だとすれば、許しがたい処分だ。
そしてもう一つのニュースは、「明浄学院高校が売られてしまったのではないのか」
そんな情報が本紙にもたらされた。
「不動産屋に学校が乗っ取られるかもしれない」

その関係者はそうも話す。
そこで調査してみると、とんでもないことが判明した。大阪市阿倍野区の明浄学院高校の一部、現在はプールや校庭となっているところに大阪市の不動産会社、「㈱ピアグレース」に権利者が移行しているのだ。
不動産登記簿から読み取ると21億円で土地を売買する契約を明浄学院は締結しているとみられるのだ。
新しく理事長となった、大橋美枝子氏は以前からこう話していた。
「大阪府吹田市に学校移転するか、今の高校の一部を売って高層の校舎を建てる」
大阪市の一等地に、広大な学校がある明浄学院。売却してマンション用地となるのではなど、さまざまな疑惑がささやかれていた。それがついに実行に移されたとみられる。
そこで、売却先の「ピアグレース」について調べると、社長は山下隆志。なんと学校法人明浄学院の理事という肩書も有しているのだ。本紙が独自に入手した、学校法人明浄学院の内部資料。吹田市移転計画の中で、山下氏の名前が何度も登場する。
不動産会社の経営で、大学建設の実績もあり、経験豊富という趣旨の内容が記されている、山下氏は理事になってまだ日が浅い。明浄学院高校の土地は一等地。その取得のため、理事になったのかという「疑惑」が浮上するのだ。
今年春、東洋大学はかつての理事が自身の関与する会社に、清掃業務を委託していたと調査委員会を設置したという報道があった。それほど学校法人は厳格でなければならないのだ。
また、一般的に学校法人は、運営に必要な資金は日本私立学校振興・共済事業団、いわゆる「私学財団」から調達する。事実、明浄学院も過去に、土地を担保に5億円を借り入れて返済を完了している。
だが今回は私学財団からではなく、なぜか理事の会社に売却という手段をとっている。
「学校が売られてしまったという情報は教職員、生徒に広まっている。相手が理事だけに、いつか乗っ取られると不安や、きちんとした教育ができるのかと危惧する声が聞かれます」
とある保護者は話す。
だが、これまで書いてきた通り明浄学院は教育現場を度外視して反社会勢力とも手を結んで、学校を商売の道具にすると思われても仕方ない「手法」をとっている。そのような「正論」は届かない。
明浄学院の教育者とは思えない「手法」。それを象徴するのが、政治家の利用ではないのか。本紙が独自に入手した吹田市移転計画の資料。融資を受けようとしている、銀行にあてたもので、こんな記載がある。
〈コンサルタント土地の件
仲介会社、議員関連内閣府特命担当大臣(地方創生規制改革)まち・ひと・しごと創生担当行政改革担当国家公務員制度担当山本幸三氏〉
現職大臣の山本氏が、明浄学院のために「口利き」をするような記述がある。関連資料には、不動産会社の山下氏の名前も登場する。また吹田市の奥谷正実市議との関係を示すものもある。
山本氏は、講演で「一番のガンは学芸員だ」と侮辱するような問題発言が物議をかもした。加計学園問題でも、日本獣医師会に対して、まだ事業者決定の2か月前に
「四国で新設することになった」
と暴露され、野党から厳しく追及された。
本紙発行時点で、安倍内閣の改造で新しい顔ぶれが決まっているとみられる。山本氏が内閣にとどまるのかどうか、わからない。
明浄学院は神戸山口組の最高幹部、池田組の企業舎弟である大山武夫氏が経営に関与。大山氏の命を受けた、大橋氏が理事長に就任したが、平成24(2012)年5月2日暴力団を手がける大阪府警捜査4課に逮捕された過去もある。とても国会議員が接触、支援を受けるような相手ではないのだ。こんな人物を安倍首相はよく閣僚に起用したものだ。
「教育現場ではなく、大人の欲望、金儲けの道具です、明浄学院は」
ある教職員が発した言葉。
だが経営陣には響きそうにない。

阿波踊りで荒稼ぎの徳島新聞

紙面で「言い訳」、 沈黙の遠藤徳島市長

これまで本紙やマスコミで報じられた徳島新聞が徳島名物の阿波踊りを「私物化」して「暴利」を得ている闇。それをサポートする徳島市の遠藤良彰市長。
7月13日、その「闇」にメスを入れたいと敢然と訴訟に打って出たのが、徳島市の岡孝治市議。
岡氏は徳島観光協会に設置される阿波踊り実行委員会のメンバーであることから、阿波踊りを透明化するように早期の委員会開催するように仮処分申請で求めたのだ。

岡氏は本紙の取材に
「税金が使われる阿波踊り。透明化せず実施すると実行委員会のメンバーで、市議でもある私が、何をやっていたのかと責任問題だ。
税金の無駄遣いを辞めさせる警鐘も込めて訴えた」
と話す。岡氏の訴えは裁判所で却下されたのが7月25日。徳島新聞は、26日から3日間〈阿波踊り運営に関する徳島新聞社の見解〉という記事を掲載。これまで徳島新聞が阿波踊りで「暴利」をむさぼっていると書いてきた、本紙や週刊誌、月刊誌、テレビなどに反論する内容で、徳島新聞に何ら問題はないと訴えた。
だが、徳島市観光協会のH氏は
「3回の記事をみたが、嘘でしょうとあきれました。新聞がウソ書いたらアカンけん」
と憤懣やるかたない表情で語る。

徳島新聞は実行委員会が、5月26日と6月5日の2回されチケット販売について〈観光協会で同協会と徳島新聞社が協議し合意〉と記事で反論している。
「6月5日は開催されていません」
と前出のH氏は言い「虚偽」だというのだ。
またチケット販売についても、徳島新聞が事前に確保しているのは14871枚としている。だが観光協会のカウントでは19042枚だという。また、人気の日程、座席を徳島新聞が大量に確保しているという本紙などの記事について〈今夏は人気のない演舞場の席をあえて大量に確保〉と反論する。
「人気の日程、座席を大量に徳島新聞は今年も例年通りとっています。8月12日、選抜大会は徳島新聞がほぼ独占状態。人気ない座席を確保といいますが、毎年、売れなかったら観光協会に戻してくる。
目くらましで今だけ確保、売れなかったと返却してくるはず」(前出・H氏)
そして演舞場に掲出される看板。徳島新聞は自社の関連会社の看板は無料で出していたことを認めた。
〈観光協会との合意〉と理由を説明している。だが、H氏は合意しているなら、書面があるはずと探したが見つからない。
すると7月18日ころだった。徳島新聞関係者から
「看板の広告営業をするので一筆サインがほしい」
と電話が入った。毎年、そんな合意はしていないので、H氏は断ったという。
それどころか徳島新聞は記事で
〈誤解を招くのであれば関連会社の無料看板は今夏から一切やめる方針〉と書いている。税金が投入されている阿波踊りで、主催者が自社の利益誘導をしてはならないのは当然のこと。まさにあきれた主張。
なぜ徳島新聞は検証記事でも強気でいられるのか。
「そら、バックに遠藤市長がついているからや
ろう

と徳島市幹部はそう話す。
本紙で既報のように、遠藤氏は阿波踊り「改革派」の徳島市観光協会の近藤宏章会長に対して、観光協会の事務局長H氏を退任させるように公用車で出かけていたことを書いた。

それどころかもっととんでもないことがわかった。
「昨年12月、遠藤氏は近藤氏が簡単に応じないかもしれないと、豊井泰雄副市長を行かせて再度、H氏をやめさせるように迫り、念押しにいかせたのです」(前出・徳島市幹部)
そこで、近藤氏はすでに刑事告訴、告発済みの遠藤氏に加えて、豊井氏に対しても、刑事手続をしてゆく方針だという。また、遠藤氏と近藤氏の会談の録音データには、徳島新聞の米田豊彦社長もH氏退任を同意していると趣旨の発言をしていることから
「せっかく観光協会では阿波踊りの赤字を減らそうと、改革しようとやっている。それに逆行する徳島新聞と遠藤氏。米田氏に対しても共犯として告訴、告発を考えなければいけないとの声があがっている」(前出・徳島市幹部)
阿波踊り問題で自身を検証記事で正当化しようとする徳島新聞。だが反対に、無料看板などで「暴利」を貪っていたことを「自白」する始末。
そこにメスを入れなければならないのが、税金を支出する側のトップ、徳島市長。だが、
「市民よりも徳島新聞を見て市政運営している」
との声しきりの遠藤氏。
カウントダウンとなってきた阿波踊り。無事開催できるのだろうか。

加計学園と野平・元銚子市長

獣医医学部新設疑惑を千葉科学大学から探る

安倍晋三首相をはじめ山本幸三地方創生担当相、下村博文元文科大臣など政権中枢の議員の疑惑が噴出している加計学園の獣医学部新設問題。疑惑の議員やその周辺者たちから文部科学省へ圧力があったことは間違いなさそうだが、この問題の本質をとらえるには、千葉県銚子市に加計学園が13年前に設立した千葉科学大学について検証してみる必要があろう。
千葉科学大学が設立されたのは平成16年。よくよく考えると、少子化がはっきりとわかっている中、銚子市という辺鄙で学生を集めにくい場所になぜ設立されたのか疑問がわく。
学園設立計画が持ち上がったのは平成14年の銚子市の市長選挙。現職市長に対抗して立候補した野平匡邦氏が選挙公約として「学年定員400人の薬学部と危機管理学部を持つ大学新設を目指す」とブチ上げたのだ。

「銚子市は財政再生団体間近といわれてますが、この選挙の頃すでに財政はきわめて切迫しており、市の経済を支える水産加工業も衰退の一途。こんな先行きのない状況に市民の現職市長・大川政武氏への反発は大きくなっていました。そんな市民感情に乗っかる形で市長の反対勢力が担いだのが旧自治相の元キャリアで岡山県副知事も務めた野平氏。野平氏は加計学園の誘致を目玉に財政再建の青写真を掲げたのです」(地元紙記者)
金権選挙地区で現職が有利と見られていたが、結果は予想を覆して野平氏が勝つ。しかも、現職にダブルスコア以上の大差をつけた圧勝だった。さらに言えば市民は野平氏と家計学園とのつながりを知っていながらである。
今の政局では安倍首相をはじめ政治家たちは加計学園との関係をともかく隠そうとするが、野平氏は加計学園との関係を隠すことはなかった。そもそも経歴からも一目瞭然で、立候補したときには加計学園の現職の客員教授だったのだ。にもかかわらずこれだけの支持を得られたのは
「この頃は学校誘致と政治家の利権をストレートの結びつける発想がなかった」(同記者)
からと思われる。
とは言うものの実際に大学誘致の段階になると問題は噴出した。加計学園が新設する大学の敷地の8割(9.8ヘクタール)を無償で貸与し、92億円もの建設助成金を支払う事を市が決めたからだ。結局、建設助成金は最終的に77億5千万円に落ち着くが、市はその大半を地方債で賄うことになる。当初見込んでいた年間69億円の経済効果は実際には1/3程度しかなく、野平氏の青写真がただの”絵に描いた餅”だったことに市民は気づくには時間がかからなかった。銚子市民は「野平は加計の回し者」と思い次の選挙で野平氏は敗北するのである。

では実際に加計学園が市の金でうまくやったのか?というとそうではない。なんと卒業生がまだ出ていない新設の翌々年から危機管理学部で定員割れを起こし、平成20年からは目玉であった薬学部でも定員割れを起こしている。平成21年度には3つの学科の募集を停止している。千葉科学大学の平成27年度の決算をみるといわゆる当期利益は3.7億円の赤字。積み重なった赤字は68億円に達している。少子化の中、入学者数を増やすことは至難で改善の見込みは明らかになく、普通の会社なら完全に倒産しているような状況なのだ。
「地方の自治体はどこも同じようなものですが地元経済は公共工事が支えています。結局、選挙の勝ち負けでその金を誰が取るかが決まってくる訳ですが、銚子市の場合は歴史的に政争がきつい。野平氏は切れ者で非常にスマートに市民の前に”にんじん”をぶら下げ当選した。つまり、野平氏を応援した陣営が、前市長側から既得権益を奪った訳ですが、加計学園はその政争の具に利用されただけ、と地元ではみられています」(前出記者)
経営センスがなく目先も利かず政治家に利用されて赤字を垂れ流す学校法人。文科省が加計学園に獣医学部を新設させたくなかったのは千葉科学大学の前例を熟知していたからかもしれない。