2022年9月 特報

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「熱海土石流みんなの会」が熱海市長を告訴!
熱海市長と麦島氏との癒着・不正対応

「熱海土石流みんなの会」が熱海市長を告訴!

熱海市長と麦島氏との癒着・不正対応

麦島善光氏 齋藤栄熱海市長

令和4年8月16日、「熱海土石流みんなの会」が齊藤栄氏(現・熱海市長)を業務上過失致死罪で刑事告訴した。1年前の7月3日、27人の尊い命が失われ、未だに1人が行方不明とのことである。

告訴状は数多くの論点に触れているが、その中でも、本紙川上が見たところ、この事件の本質は、齊藤栄氏と麦島善光氏の癒着・不正の問題にある。

盛り土の危険を認識してから10年以上の歳月があったのだから、二人の癒着がなければ十分に安全対策ができたはずで、27人は死ななくてもよかったのである。

 

【齊藤栄氏の不可解な行動】

 

静岡県や熱海市は、平成21年(2009年)には、崩壊した盛り土が1万ヘクタールを超える大きさであったことも、産業廃棄物が持ち込まれていたことも、認識していた。

しかも、この頃には、盛り土が崩落すれば住民の命に危険が及ぶことが議論されていたのである。

そうすると、本来であれば、都市計画法や森林法、いわゆる廃棄物処理法などが適用し、住民の危険を一刻も早く取り除くべきであったが、齊藤栄氏は、これらの法律を適用しようとしなかった。

ただ、熱海市職員らは、なんとか前所有者に安全対策をとらせるために、静岡県側と協議しながら措置命令及び停止命令の発出を検討していたし、森林法の適用の是非を検討するなど、ある程度毅然と対応しようとしていた形跡がある。

ところが、平成23年(2011年)2月に盛り土の所有権が前所有者から現所有者・麦島氏に譲渡された途端、熱海市職員らの対応は一変した。

現所有者・麦島氏に対する措置命令及び停止命令の発出を見送ったのだ。

現場がやる気だったものが、突如見送られたということは、齊藤栄氏の「天の声」があったからであろう。

案の定、熱海市職員は、現所有者・麦島氏に対して、ほとんど何もしていない。前所有者に対しては、あれほど何度も注意や指導をしていたのに、である。

麦島氏には強く出られない事情があった、ということであるが、前所有者に対しては強硬に対応しようとしていたのであるから、齊藤栄氏がストップをかけていたとしか考えられない。

こうして、土石流が発生し、27人が亡くなったのだ。

 

【盛り土の現所有者・麦島氏に経済的な利益なのか】

 

麦島氏は、都市計画法や森林法が適用されなかったことで、河川改修工事や調整池を設置する工事などを免れている。

これらの工事を適切にやろうとすれば、数億円~10億円以上のカネが必要ではないかとも言われている。

熱海土石流災害の現場

そうなれば、麦島氏の太陽光発電事業(盛り土付近のもの)の採算が合うわけがないことは火を見るよりも明らかだ。

事実として、齊藤栄氏は、あえて法律を適用しないことで麦島氏がカネを使わないで済むよう便宜を図り、巨額の利益を与えたという結果を実現している。

齊藤栄氏は、「熱海盛り土流出事故被害者の会」会長の瀬下氏とも不可解な動きをしているようであるが、続きは次号で。