2019年2月
- 目次
- 国滅ぶとも正義は行わるべし 安倍一強政権の終焉は馬毛島か
- 香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その190)
- 海外のメディアと捜査の進出で日本を改革
- 愛知県の摩訶不思議な正体 弘道会の支援企業とマンション管理組合長
- 名進研小の「贈収賄」疑惑が浮上?
- 愛知県の大村知事と贈賄側の清水夫妻を告発
- 学校法人で私腹肥やす執行部
- 明浄学院「トンネル会社」の社長交代劇の裏
- 事件屋に食い潰された郷鉄工(7)
- 破産手続きで募る債権者の管財人への不信感
- 李下に冠を正さず
- 「黒島あきら」県議の公職悪用に警鐘
国滅ぶとも正義は行わるべし 安倍一強政権の終焉は馬毛島か
平成最後の本紙1月号が発刊された。その時の〝ショック〟は、大きかった。その動きをいくつか――。
とある陣営。それだけではいかにも不親切であろう。ライオンの陣営と言い換えておく。本紙1月号を見て、関係者がニヤリと笑い、思わずこう言った。
「これで動くね、どちらも。敵も味方も。ハハハハハ…。面白いじゃないか。さあ、来るよ、バッシングが。あいつはそれに耐えきれるかな?
バッシングを笑いに変えなきゃな。川の流れのように、ね」。
意味深の言葉である。
別のところからは、大きすぎる反応が出た。それは、本紙にとっても初めての経験である。忘れがたき経験になった。
時の首相から、『受取拒否』をされたのである。それも、首相の自宅に送らせて頂いた本紙をである。読みたくないのなら、そのままシュレッダーにかけるか、グイッとひねり潰してゴミ箱にでも放り込んでしまえばいいのに、わざわざご丁寧に『受取拒否』の手続きまでして頂いて、その貴重な本紙は、きちんと当事務所に送り返されてきた。いやはや、こういう経験は、本紙創刊27年になるが初めてのことである。光栄といえばいいのか、なんとも対応に苦慮するところではあるが…。
本紙平成最後の1月号のなにが時の首相の〝琴線〟にふれたのであろうか?なにか、気に障ることでも書いたか?
ある陣営の関係者はこういう。
「オレだって、時の首相なら、送り返すよ」。
本紙を改めて見てみる。そうか、なるほど、と膝のひとつもうってみたくなる。本紙1月号では、小泉進次郎氏のオピニオンをそっくり掲載した。そして本紙は、この人物を次世代のリーダーとして感心しながら、これからも強く応援していくことを明確にした。これが、どうやら、時に首相をむくれさせたようだ。そして、煩雑な手続きを敢えてして頂いて、『受取拒否』とあいなった。むずがゆい思いとしかいいようがない。
冒頭の予感は見事に的中している。さすがに百戦錬磨というべきか、海千山千の陣営というべきであろう。
さらに言うならば、〝これで解禁だ!〟の調子に合わせるように、小泉進次郎氏のアクションは、これまでの、〝一時、沈黙〟という状況をまさに打破するかのように、激しくなった。
まずは、これ。言わずもがなであるが、今、一番騒ぎになっている、「毎月勤労統計調査」のことである。小泉進次郎氏は、自身のブログでもこれを大きく取り上げているが、この問題は、小泉氏ご本人が火をつけて、社会問題になったものである。
国会は来週28日から開会ですが、それに先がけ今日は、衆参の厚生労働委員会が開催され、「毎月勤労統計調査」について質疑が行われました。
昨日は自民党で厚労部会を開催し、厚労省に対してさらなる究明を求めるとともに、「現在、雇用保険の給付を受けている方々には年度内に追加給付を開始すること」「過去に給付を受けていた方々には給付開始の目処がわかる工程表を作成し公表すること」を私からは要請しました。
その結果、今日の委員会で根本厚労大臣から、雇用保険・労災保険・船員保険の給付について、現在受給している方々には3月~6月までに支給開始することが発表されました。
まだ質疑に対する厚労省の対応には不十分さを感じますが、個々人に対する追加給付額の計算、システム改修や住所情報の確認・データ化などの体制整備も含めて、引き続きこの問題に対応していきます。(小泉進次郎氏ブログ「進めよう」より引用抜粋)
これは大変な功績である。今年最初の国会も、まさにこのテーマが中心になって動いている。
もうひとつ、取り上げておきたい、本紙平成最後の1月号発刊後からの、小泉進次郎氏の目立った動きがある。
去る1月27日に行われた、山梨知事選である。この知事選に同氏は、山梨入りして堂々、素晴らしい応援演説を行っている。
まずは、その時の演説を読んでみて欲しい。この演説は、正直、後世に残るほどの名演説っぷりである。長いと思われる向きもあるやもしれないが、全文読んで欲しい。それは演説者のたっての希望でもあろう。このライブ感覚というか、字面にしても、そのテンポの良さはひしひしと伝わってくる。並々ならぬ才能の持ち主といわざるを得ないのだ。
《山梨のみなさん、ありがとうございます。
真っ正面に高校生?中学生?本当?もう学校帰り?ありがとうね、みんな来てくれて。有権者じゃないのに、来てくれましたよ。山梨県のこれからの行く末、知事選挙。長崎幸太郎さんの次には、小泉進次郎が応援を。幸太郎、進次郎でどっかで聞いた兄弟の名前みたいだけど。(爆笑)
今日は長崎幸太郎という名前をみなさんに覚えてもらって、私から皆さんに伝えなきゃいけないのは、今回の選挙で何人も候補者が出てます。だけど、長崎幸太郎さんを知事にするためには、長崎さんしか出来ないことを、皆さんに知って貰わなければ、応援の輪って広がりませんよね。(そうだー)そうですよね。他の人が言えること、他の人がやれること、それを訴えたって意味がない。
長崎さんがどんなリーダーで、山梨の知事に向いているか、それは今、この街頭演説をしている車の上の景色があらわしています。長崎幸太郎さんと堀内さん、この二人が一緒にこの車の上に乗っている。まさにこれが山梨県を一つにする、いろんな対立とかがあったとしても、それを乗り越えて、対立を協調に、対立を融和に、みんなを一つにつなげていける、人と人をつなぐことができる力、それがこれからのリーダーに必要だと思いませんか。(拍手)
あそこに銅像があります。北口は武田信虎、南は武田信玄公。この武田信玄公は「甲斐のトラ」と言われました。一方同じトラでも、アメリカのトラなんとか大統領は(笑)リーダーはリーダーでもまたちょっと変わったタイプですね。対立をより大きく、壁を作る、そして周りの人が辞めて行く。(笑)そのトラなんとかさんとは違い、長崎幸太郎さんはまさに「甲斐のトラ」です。(そうだ)あの武田信玄公が言った「人は石垣、人は城」。
これからのリーダー、いろんなタイプがあると思います。例えば自分が旗を持って、俺について来いというタイプもいるでしょう。しかし、また新しいタイプのリーダーは、俺について来いというよりも、仲間が支えながら、足りないところは補いながら、この人のためには頑張ろうと思わせる、それが人と人をつなげることが出来る新たなタイプのリーダーシップなんです。(そうだー、そうだ、そうだ)それが長崎幸太郎さんには出来るということが証明されているのは、この選挙に立候補出来たということで、そのことをあらわしているんです。(拍手)
今日は、中学生のみんなもいるから、特に若い人に向けて、長崎さんがこれからどんなことをやりたいかを、私からも伝えたいと思います。長崎さんは、若い世代に大胆な投資をしたいと思っているんです。それは他の候補や他の全国の多くの人たちが言うこととは違うんです。今、みんな東京に行っちゃう。若い人が出ていっちゃう。そういう事を防ぐために、どうにか山梨にとどまってくれるように、山梨で生まれ、山梨で育ち、山梨で学び、山梨で働き、山梨で死ぬ。(歓声)山梨だけに、うちの地元だけにずっと居てくれ、そういう風に言う町、多いですよね。私はそれは間違っていると思う。中学生のみんな、山梨から出て、大きな世界を見た方がいい。山梨だけだったら、山梨のことは分からない。外を知るから、山梨の魅力、山梨のいいところ、それがわかるんです。だから中学生のみんな、これから山梨だけ見ないでね。行きたいところに行きな。(笑)
長崎幸太郎さんが知事になってやるべき事は、出て行った若者が戻りたい町を作ることなんです。(そうだー、拍手)それが町づくりじゃないんですか?若い人を町にとどめる、全然違いますよ、出てけ、出てけと言ってあげてください。そして残った者のやるべきこと、我々大人のやるべきこと、それは出て行った若者がもう一回ふるさとの為に頑張りたい、もう一回戻りたい。そういう町づくりが出来れば、これは山梨にとって、素晴らしいことではないでしょうか。(拍手)
長崎さんが知事になったら、もう嘆いたって仕方がないことを嘆くのはやめましょう。私は全国どこに行っても、いろんなところでこう言われます。人口が減る、若い人が町を出る、高齢化が進む、商店街が儲からない。しかし、人口が減るのは日本全国そうなんです。そして、高齢化が進むのも、全国どこだってそうなんです。若い人が東京に行くのも、山梨だけの問題じゃないんです。そして儲からなかったら、儲かることを考えましょうよ。(そうだ)
だからもう、人口が減ることをクヨクヨしない、減るものは減る。そうなんです。もう日本は減ること決まっているんですから。毎年人口減る減るってニュースをメディアの皆さんが流すのは、メディアの方の自由です。それに一喜一憂するのも一人一人の自由です。
だけど、嘆いてグチ言って、変わるものだったら、十分嘆けばいいけれども、嘆いたって変わらないんだったら、減る中でどうやって豊かさと活力を保って発展できるかを考えることの方が、よっぽどいいと思いません?(そうだー)
そういうことに目を向けて、長崎さんは若い人向けのビラも作って、若いみんながこの町に戻ってきたい、Uターンがしやすい県、そして山梨の外から、山梨に来たいと思うアイターンをもっともっと進める政策。今日も赤ちゃんを連れて、この街頭演説に来てくれている方がいるように、その皆さんが、子育てしながら働いたり、子どもを育てるなら山梨だと思ってもらえるような、そんなことをやりたいと思っている、長崎幸太郎さん。そういう長崎さんだからこそ、色々な対立があってもそれを乗り越えていける。そうすれば山梨県、国と県と市町村、そして県民の皆さん一つになって、今までにない県づくりが出来るような気がしませんか?(拍手、ありがとうー)
あと残り、もう10日もありません。この知事選挙で私は色々お話ししましたが、この選挙の勝敗を決めるのは、応援演説の弁士ではなくて、県民の皆さんですから。皆さんはこの町をどうしたいんですか?皆さんは山梨県をどうしたいですか?皆さんが決めてください。
私は今まで山梨県に何回も来ています。農林部会長になってすぐ、最初に選んだ視察先は山梨県のブドウ農家の方でした。山梨といえば農業の世界で、フルーツ、お肉、野菜、ワイン、海外からの引き合いがものすごく強い。山梨っていいところです。今日電車に乗って来たけれども、私は車窓から富士山を見るのが好きですけど、この山梨に来る時の富士山は一味違う。山脈を向こう側に越えてあの富士山が見える景色、これを当たり前に思っている皆さんもいるかもしれないけど、山梨県の魅力、当たり前じゃないですよ。この皆さんの地元が持っている魅力を、どうやって当たり前と思わずに、他の地域、他の県が、真似できないようなことをやっていけるか。当たり前を見直すことが出来れば、私は山梨県はもっともっとその良さを引き出すことが出来ると思います。
今日、吹いている寒い風をこれから一人一人に、暖かい春風に変えていくことが出来るかどうか、この山梨の知事選挙にかかっています。どうか長崎幸太郎さんの「幸」の字、幸せという字で溢れているように、一人一人が幸せを感じて、この山梨で生まれてよかった、育ってよかった、そして若い中学生たちが出ていっても、山梨県がこんなにいいところだと気づいて、そしてもう一回戻りたいと思う。そんな幸せな県を作るために、今まで対立をして来たことを乗り越えて、堀内さんと長崎さんが一緒になって最後まで走りきることを、私も皆さんと共にお約束したいと思います。どうか最後まで皆さん一緒に頑張りましょう。(拍手)
最後に、毎日が投票日、期日前投票は毎日出来ます。南口の本庁舎の4階ですか。そうですね。本庁舎4階で期日前投票が出来ます。是非皆さんには、長崎幸太郎、長崎幸太郎を。是非、対立を超えて融和の町づくり、県づくり。一人一人をつなぎ、対立を超えた市町村と国と県の関係を作れる長崎幸太郎知事の誕生を目指して、皆さん最後まで一緒に頑張ってくれますか?(拍手、歓声)是非、長崎さんをよろしくお願いします。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございました。(拍手、拍手、歓声)》
どうですか、この人を引きつける魅力というか、才能は。本紙もこれまでにはあまたの政治家に対峙してきたが、こんな政治家には遭遇したことがない。
それにしても、昨年末まではどちらかというと控えめというか、できるだけ目だったアクションは起こさないようにしてきた様に見えた同氏だが、まるで舞台がくるりと変わってしまったように目だった、それも、派手にも見える動きを始めたのは、これ、どういうわけか?
その変化に僭越ながら本紙平成最後の1月号があるとすれば、それは、先の時の最高権力者、いや、首相からの『受取拒否』同様に、光栄の至り、といわねばなるまい。
さて、冒頭掲げた〝読み〟のうち、もうひとつの〝バッシング〟はどうか?
次のテキストは、2019年に入ってからの小泉進次郎氏バッシングの根幹になっているようだ。バッシングはどれもこれも、このテキストがらの応用のようである。
なぜ「小泉改革」は進まないのか
自民党の小泉進次郎厚労部会長は、永田町で最も注目を集める政治家の1人であることに誰も異論はないだろう。
彼が今取り組んでいるのは国会改革。中心的な存在として立ち上げた超党派の「『平成のうちに』衆議院改革実現会議」が7月に提言をまとめ、それを自民党内でフォローアップするためにつくった「衆議院改革実現のためのプロジェクトチーム」でも事務局長を務める。
しかし、今月10日に閉会した臨時国会では、小泉氏らの意見は取り入れられず、国会改革をしようという機運は皆無に近かった。なぜ「小泉改革」は進まないのか。
臨時国会が「成果ゼロ」に終わった背景
超党派の「平成のうちに」は、言葉通り、来春元号が変わる前に国会改革を実現しようという掛け声のもとに発足。100人以上の与野党国会議員が参加し、7月20日には衆院議長に提言を提出している。提言内容は、
(1)党首討論の定例化・夜間開催の実現
(2)衆議院のIT化(タブレット端末の導入など)
(3)女性議員の妊娠・出産時等への対応(代理投票の検討)
――など。小泉氏の持論である、スキャンダルなどを追及する特別調査会の新設は提言に入っていない。与野党で合意を得やすい「比較的簡単な」テーマを取り上げて提言したのだ。それでも、臨時国会で実現に向かったものはひとつもない。
会期48日の間に開かれた党首討論はゼロ。タブレットの導入はおろかペーパーレス化も進まず、妊娠議員の代理投票は実現のめどが立っていない。「成果ゼロ」だった。
来年通常国会は1月に召集されるが、前半は補正予算や2019年度予算案の審議に費やされる。国会改革の議論が本格化するのは、早くとも春以降とみられる。4月30日までの「平成」に実現する改革も「ゼロ」となる可能性が高い。
なぜ、小泉改革は進まないのか。まず国会改革は、与野党の合意が難しいテーマであるということだ。
「無駄」に守られる野党は大反対
国会改革は、突き詰めていえば、無駄の解消。空洞化している国会の慣習を見直して効率化させようという発想だ。総論では皆賛成だろう。ただし国会の場合「無駄とみえるところに民主主義が宿っていることがある」(立憲民主党幹部)という見方もあることを忘れてはならない。
国会は、最終的に多数決で結論を出す場だが、それだけでは数で優位に立つ与党の意見が常に採用され、少数意見は封殺されてしまう。少数意見が多数派に抵抗する策として、野党は投票の際の牛歩戦術や、演説を延々と続けるフィリバスターと呼ばれる戦術を使う。効率という観点でみると完全な「無駄」だが、これは野党に与えられた数少ない合法的な抵抗手段なのだ。「衆議院のIT化」といえば聞こえはいいが、IT化によって「無駄」がなくなれば野党はますます弱体化しかねない。
特に今は、「安倍1強」のもとで自民党の強引な国会運営が問題視されている。その時期の国会改革に、野党側は慎重にならざるを得ない。
「妊娠議員の代理投票」は憲法違反の疑いもある
憲法・法律上の問題もある。妊娠中の女性議員の代理投票を例にとってみよう。これも総論では賛成する人が多いだろうが、憲法問題が待ち構える。国会の定足数、採決を定めた憲法56条は両議院の、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
とされている。同条では採決は「出席議員の過半数でこれを決し」とある。条文を厳格に読めば「出席議員」しか投票できず、代理投票は認められないとなる。
この条文は妊娠議員の代理投票を想定していないだけで、全否定しているものではないだろう。憲法が制定されて70年以上たち、電子投票やテレビ会議も常識となった今、何らかの方法を整備して憲法問題をクリアする道は残されている。
ただ、憲法問題をクリアしても、今度は「なぜ妊娠女性だけ許されるのか」という議論も起きてくる。国会議員には病気で入院中の議員もいる。国際会議出席中で本会議に加われない閣僚もいる。彼らにまで門戸を広げてしまうと、それこそ憲法56条は形骸化してしまう。簡単そうにみえるが、平成のうちに結論が出せる問題ではない。
小泉人気便乗で「自爆」した高市早苗氏
「小泉国会改革」が進まない最大の理由は、小泉氏本人の存在かもしれない。小泉氏は常に注目を集める存在だ。移動する時も常に「番記者」に囲まれている。彼が取り組んでいるからこそ国会改革が注目されているといえる。その功績は大きいが、それ故、便乗しようという勢力もあり、嫉妬も渦巻く。
臨時国会冒頭、10月25日、衆院議院運営委員長の高市早苗氏は小泉氏の表敬を受けた際、(1)ペーパーレス化の一層の促進、(2)法案審議の方法を改善、(3)衆院本会議場への「押しボタン方式」の導入――を検討する考えを示した。
小泉人気に便乗して目立とうとした高市氏のスタンドプレーと受け止められ、野党だけでなく与党からも批判が出た。このあたりの経緯は「国会大混乱の自爆テロ『高市私案』の中身」を参照されたい。
ちなみに高市氏は、「ペーパーレス化」を最優先に考えていて、妊娠女性議員の代理投票問題はあまり強いこだわりを持っていない。改革を進めようとしている議員の中でも優先順位の違いがあるのも議論が集約されない一因となっている。
野党と共闘する姿が面白くない議員も多い
小泉氏が超党派で活動しているのもハレーションを起こしている。小泉氏と行動をともにする野党議員は、選挙区で自民党議員と闘っている。野党議員が地元で小泉氏とのパイプをアピールする姿を見れば、対立候補の自民党議員は面白くない。そういう自民党議員は、「国会改革に反対」という立場に動いていってしまう。だから自民党内が一枚岩にならない。
小泉氏は、会合の冒頭の写真撮影では、できるだけ野党議員と一緒に写らないよう心掛けているという。自民党の不利にならないよう配慮しているのだが、党内に怨嗟(えんさ)の声が広がっていることを自覚しているのだろう。
人気があるから注目される。それゆえハレーションも起きる。有名税と言ってしまえばそれまでだが、小泉国会改革は「小泉氏がどこまで目立つか」という壁に直面している。
小泉氏は14日、日本記者クラブで行った記者会見では「来年の通常国会がラストチャンス」と気炎を上げた。引き続き議論をリードしつづける考えで、一歩引き下がる気はないようだ。それが吉と出るか凶と出るか。(プレジデントオンライン2018年12月18日付記事「小泉国会改革が進まない理由は小泉進次郎「超党派」を問題視する党内の怨嗟」より引用抜粋)。
賛同、あるいは、バッシング、どちらにしても、注目度が高まるのは実に好ましいことである。本紙平成最後の1月号がその一助を担ったとすれば、まさに望外の喜びである。
オリーブ・オペレーションと歩調を合わせている本紙は、現政権に直接突き刺さる、驚くべき情報を入手した。
「馬毛島買収」である。
馬毛島買収で政府と土地所有者が確認文書 菅義偉官房長官
菅義偉官房長官は11日午前の記者会見で、政府が米軍空母艦載機の陸上空母離着陸訓練(FCLP)の移転候補地とする馬毛島(鹿児島県西之表市)の買収をめぐり「土地所有者との間で現時点までに合意した内容を確認する文書を取り交わした」と明らかにした。
政府は今年度中にも地権者側と売買契約を結ぶ方向で最終調整に入っており、買収価格は160億円程度を検討している。菅氏は「正式な売買契約には至っておらず、引き続き交渉する」と話した。(産経新聞 2019年1月11日付記事より引用抜粋)
上記記事のことである。この馬毛島買収を当局は内偵しているという。いうまでもないが事件化を視野に、である。現政権が決めたばかりのことを直ちに事件化することを視野に内偵とは、大変なことといわざるを得ない。
馬毛島買収を巡り西之表市長と会談 防衛副大臣
原田憲治防衛副大臣は二十一日、米軍空母艦載機による陸上空母離着陸訓練(FCLP)の移転候補地とする鹿児島県西之表市・馬毛島(まげしま)の買収を巡り、市役所で八板俊輔市長と会談した。移転後の施設整備や米側との具体的な協議のため、今月下旬以降に現地調査を実施する意向を伝えた。二十一日午後には三反園訓(みたぞのさとし)県知事とも会談。
八板市長は二〇一七年、FCLP受け入れに反対を表明して初当選した。現在も移転には慎重姿勢だ。会談で原田氏は「安全保障上重要」と移転の必要性を強調し、早期の受け入れに向けた市側の協力を求めた。
八板市長は買収交渉が継続中で、契約がまだ成立していないことを確認。受け入れの賛否についての考えは明らかにしなかった。
岩屋毅防衛相は馬毛島の買収交渉について、土地所有者との間で大筋合意に至ったとの認識を示している。一八年度内にも売買契約が成立する見通しだ。(2019年1月19日付東京新聞より抜粋)
このように日を追って、馬毛島の政府による買収は進捗していっている。誰がどう見てももう止めようがないところまで来ている。そうまで急ぐ背景にはむろん、トランプアメリカ大統領の強い視線があることは言わずもがな、ではある。しかし、余りに拙速で、そこが当局の耳目を集めることとなった。
当局はこの取引のどこに目をつけたのか。そのヒントをひとつ書き出しておこう。
オスプレイ訓練候補地の地権者が「元暴力団組長」で政府困惑
~前略~ 鹿児島・種子島の西に位置する馬毛島(面積8.2平方キロ)。1980年代に無人化したため、最大の問題となる基地周辺住民との折衝が不要であることに加え、同島には有人島時代に整備された滑走路もあるため、オスプレイの訓練地としての活用が見込まれているのだ。
すでに島の地権者で土地開発会社代表の立石勲氏と日本政府の間で売買交渉が進められ、11月には「契約の目処が立った」とも報じられた。当事者の立石氏も本誌取材に、「当方と政府がそれぞれ土地の鑑定を進めている段階。(2017年)3月にはお互いに鑑定額を出し合う予定です」と答えており、オスプレイ問題の“解決”に大きな前進が期待できそうな気配だ。
ところが、防衛省関係者からは「立石氏との金額交渉が折り合えば済む問題ではなくなっている。一筋縄では行かない」との声が出ているのだ。
土地登記を確認すると、2016年1月に島の土地を担保として5億円の根抵当権が仮登記されている。その権利者A氏は広域暴力団の元組長だった人物なのだ。A氏は2009年に組織を破門されたものの、その後も配下を別の組に所属させてみかじめ料を徴収していたほか、2011年には銃刀法違反で逮捕されたこともある。
「立石氏は借金返済が遅れた時に馬毛島の登記申請書類をA氏に預けていた。それでも返済が滞ったのに業を煮やしたA氏が、根抵当権を仮登記したという経緯のようだ」(同前)
これに対して立石氏は、「根抵当権設定に承諾しておらず、仮登記の(立石氏の)印章は偽造の可能性がある」として根抵当権の抹消手続きを求めて、去る10月にA氏を訴えたばかりだ。~後略~(NEWS ポストセブン 2016.12.23 付け記事より抜粋)
「つまりは、上記記事でも説明しているように、反社会的勢力が食い込んでいる島なのです。そういうことは、大臣就任の時の身体検査と同じように、莫大な国費を投じるわけですから、当然しなければならないことで、すればたちまち判るわけです。当然、政府側は判っている。にもかかわらず、今回、160億円もの金を国費から出すという。これは、明らかな、利益供与です。たちの悪い便宜供与他ならない。この問題は、事件化すれば現政権そのものを突き刺します。前代未聞の政権による利益供与が構成させる可能性が出てきている、ということです」(オペレーション)。
これを聞くと、まさしく、大きな事件になることは必至であろうことは、誰しも想像がつく。
新しいリーダーの出現、具体化、そして、現政権に突き刺さる大型事件の予感。
大きな動きが出てくるプレリュードのようである。
香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その190)
海外のメディアと捜査の進出で日本を改革
《フランスの司法当局が、日本オリンピック委員会の竹田恒和会長を東京2020オリンピック・パラリンピック招致に絡む贈賄容疑で訴追に向けての予審手続を開始したと、仏紙ルモンドなどフランスメディアが報じている。
カルロス・ゴーン氏が特別背任等で追起訴された直後であり、この時期のフランス当局の動きがゴーン氏に対する捜査・起訴への報復との見方も出ている。》(郷原信郎氏のブログから)
なるほど、捜査権力の展開は日本だけでなくフランスにも、いや世界の国々にもあったのだ。本紙川上も不勉強で無知を恥じるが、日本の安倍晋三首相にも民主主義国家とか、三権分立と報道の在り方などを勉強してもらいたいものだ。特に、内閣人事局の在り方については重要だ。
なぜなら本紙川上は、その権力運用の「捜査放棄と冤罪捜査」の犠牲者だからだ。
香川県警の腐敗警官が、五代目山口組若林組と結託して本紙川上の自宅を拳銃で襲撃したのは平成9年。家族同乗車を鉄パイプで襲撃したのは平成12年。それに六代目山口組司忍組長が収監中に本紙川上殺害未遂事件を起こしたのは平成18年。これらの事件はすべてが真相解明どころか未解決だ。愚痴りは止める。
さて本紙は、昨年の12月23日付でカルロス・ゴーン氏絡みで日産の西川廣人社長を東京地検特捜部に、また愛知県の大村秀章知事を最高検検事総長に告発状を送付した。
これら告発状の送付は、遅々として進まない安倍1強モンスターの打倒を目指した日本の改革を促す目的で放った矢である。
兎に角、平成から新元号へと移る前に、司法改革を果たして新しい日本の元号を迎えたいものだ。
愛知県の摩訶不思議な正体 弘道会の支援企業とマンション管理組合長
東邦ガス株式会社の不自然な行動は、犯罪組織に会社ぐるみでの関与か?
9年前にチサンマンション栄で東邦ガスが、何故か全額費用を肩代わりして行ったガス給湯器工事があった。これは当時強制排気型給湯器の不完全燃焼に関する安全装置が不完全で家庭内事故が多発していたからであるが、自然排気型給湯器を使っていたこのマンションでは、そもそも安全な設計が当初からされているマンションであった。
しかし無理やりこの強制排気型給湯器を東邦ガスが管理組合の協力のもと、無理な設置を強行した。それによりマンションの全戸の2/3がこの工事をされてしまった。
その工事は、メーカーがやってはならないと指定している工事であったり、新築では認可されない工事と、いずれもガス工事の管理者であれば行わないのが常識である工事を行い、現在もその危険な状態でこの管理組合が危険性を告知しないために、住民は何も知らずに生活している。
そこでこの危険性を、管理組合の悪意ある妨害の中でも「危険な工事ですので点検を」と、注意喚起を行う「管理組合を正常化する会」の代表に対して、極めて組織的で陰湿な嫌がらせと妨害行為がされている。
過去この代表はこのマンションの管理人に突き倒され 怪我を負う事件に巻き込まれたことがある。この時の監視カメラ映像を管理組合が隠蔽したために、警察も手を出せないほどの悪質な行為が続いている。
そこで、東邦ガス株式会社が主導して行った危険な工事が極めて危険で早急な対応が必要であると、この正常化する会の活動が本格化するのに合わせ、あろう事かこの東邦ガス株式会社本社がこの代表 に不当行為を開始した。
それは、この危険な工事を拒み安全設計の基に正当な給湯器を使っている代表に対して、「あなたの使っている給湯器の排気の素材に問題があります」と、直接攻撃をしてきたのである。
もちろん全て対策済みで、給湯器に関係する排気筒など特別注文で安全確保されている物に対して、この東邦ガス株式会社本社保安部は言いがかりをつけてきたのである。
もちろん東邦ガス株式会社本社は、この代表がどんな工事をして現在の状態にあるか知っておらず、しかも如何なる検査も一度もしていない。
つまり何も根拠の無い言いがかりをつけるといった反社会勢力ばりの強迫行為に及んできたのである。安全の事実をこの東邦ガス株式会社本社本部に告げると、慌てて共用排気筒の素材に問題があるかもと言い直した、共用部分は個人が勝手に修繕できない決まりがあることを知っていながら、言いがかりを更に強めるといった呆れた手段に移行したのだ。
これは、明らかに管理組合と共謀していることを示す行為であることは明確である。
「東邦ガス株式会社本社が行った工事そのものの方が遥かに危険では無いでしょうか?」と、直接質問した筆者に対して、自らの工事の危険性をあくまで認めようとしない態度に固執している。
この現状こそ摩訶不思議な愛知県の正体。三権分立の確保、分かりやすく言えば「蛇と蛙と蛞蝓」(行政、企業、ヤクザ)は分離しなければならないということだ。
名進研小の「贈収賄」疑惑が浮上?
愛知県の大村知事と贈賄側の清水夫妻を告発
大きな反響を得ている、愛知県名古屋市の名進研小学校と反社会的勢力の「関係」。本紙川上は1月23日、決断をした。
愛知県の大村秀章知事を収賄、名進研小学校の母体、学校法人名進研学園の元理事長、寿和工業元取締役、清水利康氏とその妻で医療法人としわ会理事、清水沙由里氏を贈賄の容疑で最高検察庁に刑事告発した。
本紙の前号で報じたように、大村知事の政治資金管理団体「秀成会」は清水沙由里氏から、2015年8月26日に150万円、寄付を受領している。
清水利康氏は、2015年7月30日に名進研学園の理事長に就任して「反社会的勢力との断絶」と記者会見したのは、8月27日のことだった。
名進研小学校は、創立者の豊川正弘氏が山口組弘道会と親密な関係にある男に金を融資するなどしていたことが、朝日新聞などで報道され、問題になっていた。
愛知県の私立の学校法人については、愛知県の学事振興課が所管で許認可などの権限を握っている。そのトップはもちろん、大村知事である。
「ヤクザの関係で、もう名進研小学校が存続できないのではというほどの危機感でいっぱいでした。それが、理事長が豊川氏の娘から清水利康氏にかわり、状況が一変しました」と、名進研小学校に勤務していた関係者は言う。
清水利康氏は愛知県の知事公邸に大村知事を頻繁に訪ねるほど、親しい関係にあったという。2人は夜、会食することもあった。
「記者会見直前でした。『新理事長の清水利康氏が、大村知事と話をつけてきた、大丈夫』と話が流れてきました」(前出・関係者)
問題の150万円は清水利康氏の妻、清水沙由里氏から大村知事に政治資金として、記者会見前日に寄付されているのだ。名進研小学校存続のために、政治資金に仮装した賄賂ではないのか。
本紙は、さらに清水利康氏がなぜ、個人献金の上限、最高額を政治資金として大村知事に提供したのか、その理由を聞いたという人物からも情報を得ている。だが、刑事告発との関係から今回は、割愛する。
清水沙由里氏から、大村知事への政治資金は、2016年8月8日にも150万円が提供されている。この当時、名進研小学校では保護者たちが、清水利康氏が理事長就任後に授業料の値上げ、校訓や教育方針の変更などで、不満の声をあげ「名進研小学校保護者の会」というグループを作り、学校との話し合いの場を求めていた。
「学校の教職員も、みんな清水利康氏はお医者さんと思っていた。それが、反社会的勢力じゃないかと噂になり、本当だった。東海地方でも知らない人がいない大事件に、関与していた疑いがあることバレた」(前出・関係者)
それが、1996年10月、岐阜県御嵩町の柳川喜郎町長(当時)が暴漢に襲撃され、瀕死の重傷を負った事件だ。後に柳川氏の自宅を盗聴、尾行していた2つの犯行グループが逮捕された。そこに資金提供していたのが、御嵩町に東洋一の産廃処理場を計画していた、寿和工業だ。
清水利康氏らの、寿和工業が反社会的勢力をカネの力で、上から目線で使っていたことは、裁判で明らかにされた。それが、名進研小学校騒動で判明してしまった。豊川氏を反社会的勢力とつながりあると追い出した清水利康氏。実は自身こそ、反社会的勢力以上の立場であったのだ。
学校法人の理事長として、許されることではない。愛知県も学校法人の理事長に就任することを認めたことは、監督責任を問われかねない。本紙が得た情報によれば、それが2度目の150万円の政治献金につながっていると、複数の人物が指摘しているのだ。
清水利康氏は大村知事と、ある人物を通じて、2013年ごろから付き合いがあったとみられる。だが、2015年と2016年、2度しか、妻の清水沙由里氏を通じて、政治献金しているだけ。
清水利康氏が理事長だった、としわ会が愛知県の県有地を落札したことがあった。だがそれは2014年のこと。その後、としわ会は落札辞退している。県有地より、名進研小学校の「口利き」謝礼が政治献金の趣旨ではなかったのか。
政治献金に仮装した賄賂は、元衆院議員の鈴木宗男氏が、立件されている。
2014年3月、大村知事は記者会見で、名進研小学校と反社会的勢力の関係を問われ、
「弘道会、それからこういった広域暴力団ですね、反社会的勢力に対して、そういった教育の関係の事業をやっておられる方が深いつき合いがあるということは、私は、これは許されないことだと思います」。
「教育の関係の事業に携わっておられる方が、そういった反社会的勢力と深いつき合いがあるというのは、これは許されることではない」と述べている。大村知事が非難の対象としていたのは、豊川氏らだったのだろう。
だが、大村知事自身が、山口組弘道会を使う立場、反社会的勢力の上に立つ、寿和工業、清水利康氏を知事公邸に招き入れ、会談をする。
贈収賄も問題だが、こちらも道義的には許せない。
大村知事にはまだ他にも「疑惑」があると聞く。検察庁の捜査に期待したい。
最後に、本紙川上の刑事告発した時期は、2月3日投開票の愛知県知事選挙中。だが、まったく政治的な意図はなく、疑惑を発見したことで、早急な捜査をと思い告発したことを、付記しておく。
学校法人で私腹肥やす執行部
明浄学院「トンネル会社」の社長交代劇の裏
「川上さん大丈夫か」
そんな声が年明け早々、寄せられた。その理由を「明浄学院のホームページ、ご覧になられました」というのである。
本紙では、これまで大阪の学校法人、明浄学院と反社会的勢力、暴力団との関係を告発してきた。そこで、明浄学院のホームページをチェックすると、大阪府警阿倍野署から、本紙・川上を検察庁に書類送検したと、連絡があったと、自慢気に記されていた。
明浄学院は本紙川上を刑事告訴して、2年近くになる。阿倍野署の捜査には、川上も協力した。その結果を検察庁に送っただけ。どんな事件であっても、裁判で確定するまでは「推定無罪」。これは司法の根幹だ。本紙・川上は逮捕、起訴されたことはない。まだ検察庁からの取調べもない。
これからも、逮捕起訴などされないと断言しておく。形式的な刑事手続きを、さも印象操作で川上を“悪人”のように仕立てようとする明浄学院。系列の大阪観光大学では「政治学と法」という分野も教えているという。明浄学院は司法の根幹すら理解してないようだ。
明浄学院の記事が「1回休み」となるたびに、「日本タイムズは、明浄学院をもう記事にしないのか」と問い合わせがある。読者の皆様には申し訳ないが、紙面の関係で「1回休み」となっているだけである。
そんな中、本紙でこれまで報じてきた、学校法人明浄学院の「トンネル会社」と噂になっていた株式会社明浄。その代表取締役が牧野洋稔氏から、学校法人明浄学院の理事でもある、小林孝広氏に変更になった。
本紙川上は2017年、株式会社明浄が設立され、学校法人明浄学院へ請求書が送付された時から、学校法人の執行部と発注先の株式会社の取締役が重なることは「利益相反」になりかねないと指摘している。
にもかかわらず、理事の小林氏が社長になっているのだ。大橋美枝子理事長は、今も取締役に居座っている。学校法人明浄学院から、仕事が発注される。その利益が小林氏、大橋氏に還流されるのだ。
「小林氏は大橋氏と同郷なのか、岡山に縁があるらしい。それで重用されている」と学内ではそういう情報が流れているそうだ。
本紙で既報した、大橋氏が学内で教員に恫喝まがいに詰め寄る、録音データ。2017年9月に労働組合担当のH氏に特定の人物の名前をあげ
「反社会的勢力だ」という趣旨の話をしている時に、一緒になって「完全に反社会」と一心同体とも思える声で応じるのが、小林氏。
録音データを聞いていると、大橋氏は、H氏との会話で自身が反社会的勢力と関係があることを、半ば認めている。それに同調している小林氏も、反社会的勢力と関係があると公言しているように聞こえる。
財務状況が切迫する明浄学院。だが、小林氏のSNSを見ていると新幹線はグリーン車で東京から大阪の明浄学院に出張。家族との休日には、
〈映画館貸し切ってみた〉と豪勢な様子が綴られている。
「学校に金がないと嘆くのに、株式会社明浄に発注して利益を落とし、大橋や小林を設けさせる。小林は贅沢な日々をSNSで自慢。許せない」。明浄学院高校の保護者は怒りを隠さない。
その一方で、明浄学院ホームページで「新校舎プロジェクト」として一部土地を売却、現在の校舎を取り壊し、新校舎を建設と告知されている。だが内部では、「本当に新校舎が建つのか。校内では、大阪市内の小学校跡地に移転、今の校地はすべて売るとも聞こえてきます。他に移るといっても、日本タイムズで暴力団との関係を暴かれ、そう簡単にいかないと思いますがね」(明浄学院関係者)
明浄学院経営陣は、教育よりカネを追い求める姿勢が見え隠れするのだ。
事件屋に食い潰された郷鉄工(7)
破産手続きで募る債権者の管財人への不信感
岐阜県の上場会社だった郷鉄工所が破たんした問題。前号では、郷鉄工所の債権者の一人、株式会社充雲の朝倉応水氏が「敬天新聞社」のインターネットの記事について、名誉毀損だと削除申立の仮処分申請をしていることをお伝えした。
問題の記事は、2018年10月24日と11月26日の2本。それが今年1月になって削除された。
「1月18日付で大津地裁が仮処分を認めて削除命令を出した。敬天新聞社はまともに反論できなかったためと弁護士から聞いている。だがインターネット上には、まだコピーが残っており、被害は残ったままです」(朝倉氏)
そして、郷鉄工所の破産手続きは現在も進行している。その中で驚くべき情報が飛び込んできた。昨年12月に岐阜地裁で開かれた債権者集会。
郷鉄工所には「郷亭」と呼ばれる創業者の邸宅があった。千坪を超す敷地に、約200坪の2階建て。吹上御所をイメージし、日本庭園に茶室も備えられた数寄屋風建築。
岐阜県の政界関係者によると、「創業者は、大野伴睦元自民党副総裁の側近といわれ、岐阜の政財界に影響力がある人物だった。郷亭が夜の社交場、密談の場でした」
創業者一族が撤退した後、郷鉄工所の別法人が、レストランとして営業していた「郷亭」。だが郷鉄工所の破産で、破産管財人の管理下に入った。そして、昨年11月22日に郷鉄工所の債権者、二孝建設に売却された。
先の債権者集会では、
「管財人から、郷亭が任意売却の対象となっているとの話があった。進捗状況はどうなっているのか」
と質問が出た。
破産管財人の小森正吾弁護士は、
「裁判所の許可を得て、11月22日に売却した。今、登記手続き中」と説明した。
だが「郷亭」の不動産登記を確認すると、11月22日に所有権が二孝建設に移転して、登記完了しているのだ。参加していた債権者の一人はこう話す。
「事前に登記で見ていたので、小森弁護士は登記が終わっているのに、変だなと思った。管財人なのに、嘘つきとまでは言わないが、登記の確認もおざなりで、頼りがないなと不安に感じた」
そして「郷亭」をめぐり、売却価格も小森弁護士への不信感を募らせている。売却価格はなぜか、債権者には公開されていない。だが、先の債権者によれば1億6千万円程度で二孝建設に売却されたとの情報があるという。
2004年に郷鉄工所が「郷亭」の建物と土地を担保に金融機関から3億円の融資を受けている。「郷亭」は昨年の郷鉄工所の破産直前まで営業されていたので、建物のメンテナンスも万全だ。
「1億6千万円で売却が事実ならおかしい。少なくとも2億円以上で売れるはず。小森弁護士は『売却して破産財団に1500万円ほど入った』としか説明しないのはおかしい」
と前出の債権者はいう。そう不信感を募らせている債権者は、複数いるという。
高く売れるほど、債権者への配当が多くなるのは当然だ。小森弁護士は「郷亭」の任意売却の情報を債権者に公開すべきではないか。また、管財人を監督する立場の岐阜地裁の対応も、不満の声があがっている。
李下に冠を正さず
「黒島あきら」県議の公職悪用に警鐘
平成4年に香川県で創刊された四国タイムズは、平成28年から題号を日本タイムズと改称し、本店を東京に移して活動してきた。
そう、本紙は香川県を留守にしていたのだ。では留守中の香川県の現状を探ってみようではないか。
まず毎日新聞が情報公開請求で入手した、「17年度の知事公用車の使用記録」の記事に目を通そう。
《香川県の浜田恵造知事(66)が2017年度、衆院選での候補者の応援や地方議員との新年会に運転手付き公用車を使っていたことが11日、毎日新聞の取材で分かった。県は公用車の使用を認めた上で「公務後に県内の政治活動や私用の場に送るのは社会通念上、問題ない」と主張。一方で専門家は「公私混同だ」と指摘している》
なるほど、県の見解は「問題ない」か。次に12月5日付の記事。
《浜田恵造香川県知事の公用車の運転手が2017年度、年間約1200時間の時間外労働をしていたことが同県への取材で分かった。「過労死ライン」とされる月80時間を10カ月で上回っていた》
浜田知事の公用車使用は問題なし、公用車の運転手からすれば「過労死ライン」で問題あり。どうなっているのか。
ここで佐高信さんの著書。
『鯛は頭から腐る―日本の社会に蔓延する無恥、無能、無責任』
そうか、組織は頭から腐る、上層部から腐っていくのか。
このことわざ、香川県(安倍政権も)にもピッタリだ。
その具体例を示そう。小豆島町選挙区の「黒島あきら」県議会議員だ。なんと小豆島から船で高松港に着いた後、県の公用車を20年もタクシー替わりに使用していたというではないか。浜田恵造香川県知事は問題ないから、県会議長経験者の黒島あきら県議も問題ないというのか。
さらに黒島県議の具体例。
香川県小豆総合事務所が現在進めている事業の中に、小豆島町「坂手港線拡幅工事」が計画されている。
内容は、現道の幅員7㍍前後を全幅約10㍍、計画延長は約140㍍にして、交差点付近は右折帯を取るため約13㍍に拡幅する。18年度は測量設計を高松市内にある設計コンサルタントに委託し、19年度から用地交渉に入り、まとまり次第順次工事に入る。(18年9月28日付建通新聞)
この計画は、黒島県議の自宅付近で小豆警察署の対面道路の拡幅工事。黒島県議は自分の県会議員としての地位を利用し、県から情報を入手、交差点付近の計画予定地に狙いを定めた疑いがある。
この元㈱テルキ所有だった土地・建物(小豆島町苗羽甲1360-1、同1360-10)が不動産競売物件であるのを知った上で、平成29年4月に(司法書士名義)で購入し、その僅か4か月後の同年8月22日に千葉県浦安市に在住する黒島県議の娘夫婦の三澤省一・経子に所有権を移転している。
この手元資料や情報からすれば、県との用地買収交渉時に県会議員の地位を悪用して補償費などを名目に吹っ掛ける疑いもあるのではないか。
公職である県議会議員の地位悪用が疑われる利得行為は厳に慎むべき。
「李下に冠を正さず」だ。