2023年10月

目次
国滅ぶとも正義は行わるべし 公務員職権乱用罪が日本を変革
茹でガエルの日本 良識派の検察捜査で日本を覚醒
安倍晋三・森喜朗・麻生太郎
総理経験者の逮捕で検察の信頼回復を
羽田格納庫・山内逮捕劇から何を学ぶ⑥
国交省・天下り問題の解決は両備の登場で
世界の常識「捜査法」の制定を
明治以降の現法律を見直す時機が到来
香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その244)
警察庁長官の在り方を見直して日本を変革
露木警察庁長官は逮捕に値 部下を裏切り組織を裏切り国民を裏切る
中國新聞スクープ・河井夫妻の買収事件
検察が狙う「金主」は安倍元首相ら自民党大物か
紙面告発が改革の起爆剤に
さぬき市民病院と香川医大の協定締結
香川県立中央病院の改革を
『がんセンター汚職』は対岸の火事ではない

国滅ぶとも正義は行わるべし 公務員職権乱用罪が日本を変革

杉田和博元官房副長官 栗生俊一官房副長官 露木康浩警察庁長官

【特別公務員職権濫用罪】

「裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者がその職権を濫用して、人を逮捕し、又は監禁したとき」は、特別公務員職権濫用罪にあたります。罰則は6か月以上10年以下の懲役または禁錮です(刑法194条)。

公務員職権濫用罪と比較すると、対象になる公務員(職種)の範囲が狭くなります。

具体的には、裁判官、検察官、警察官、裁判所書記官、検察事務官などが該当します。

また、職権を乱用して罪になる行為は、逮捕または監禁行為に限定されます。

なるほど、プレサンスの山岸忍氏の逮捕や大川原工機事件の大川原正明氏の逮捕は、正にこれに該当する。

ならば、本紙川上が露木康浩・警察庁長官を検事総長に告発した犯人隠避罪はどうなるのだろう。特別ではない公務員職権乱用罪を確認する。

《公務員職権濫用罪は、「公務員」が、仕事をするうえで与えられた権利を「濫用」して、他人に、「義務のないこと」をさせたり、「権利の公使を妨害」したりした場合に成立する》とある。

 

森本宏最高検刑事部長、畝本直美東京高検検事長、甲斐行夫検事総長

『権利の行使を妨害』なら、警視庁佐藤誠さんら捜査関係者が捜査する権利を、栗生・露木警察庁長官から妨害された事実は、まさに職権乱用罪に該当するではないか。

 

茹でガエルの日本 良識派の検察捜査で日本を覚醒

犯行・似たタイプのナイフ 船本賢二氏

なるほど、安倍一強独裁・長期政権が歴史的に維持できたのは、公務員職権乱用を巧妙に悪用していたのか。
ここまでくれば、島国だった日本を地政学的にも歴史的事実として「統治の在り方」まで紐解いて考え直す時期を迎えたのではなかろうか。

日本は三権分立の民主主義国家であるので、その機能が正常に保てるよう、報道を加えて四権分立として考察してみよう。

世界の常識である捜査の三段階方式(初動捜査→本格捜査→取調べ)「捜査法」が、日本にはない。そのために冤罪やら捜査放棄の実態・日本の現状を、デジタル社会になって国民が知ることになり、不満のマグマが煮えたぎっている。その異常さの一例が安倍晋三元総理への銃撃だ。和歌山の岸田総理への爆発物もそう。日産ゴーンさんが日本から逃げ出したのも、英裁判所が手配英国人を日本への引渡しを認めず、もそうではないのか。

日本の統治は、三猿方式・「見ざる聞かざる言わざる」(他人の欠点や短所は、見ない聞かない言わない、これさえ守っていれば、人との争いはしなくてもすむ)を国民の美徳として国を治めてきた歴史がある。

ところが、世界情勢は刻々と変わっている。国民を守るのが日本の統治なら、世界に通用する「捜査法」がある統治でなければならない。安倍一強独裁・長期政権を支え、ぶら下がっていた森喜朗元総理や麻生太郎元総理の影響力の排除を強く求めたい。

まず、世界から見た日本の現状をお互いに確認しよう。

《茹でガエルとは、緩やかな環境変化下においては、それに気づかず致命的な状況に陥りやすいという警句。生きたカエルを突然熱湯に入れれば飛び出して逃げるが、水に入れた状態で常温からゆっくり沸騰させると危険を察知できず、そのまま茹でられて死ぬという説話に基づく。茹でガエル現象、茹でガエルの法則とも呼ばれる。》

まさに現状の日本人は「茹でガエル」。目を覚まして世界に通用する日本になろうではないか。

日本タイムズの御旗は、
『祖国日本を愛するが故に敢えて苦言を呈す』だ。
歪んだ日本の背骨を正すには、暴力ではなく法律の活用しかない。そう、本紙の役割は良識派の検察に告発状を届けるしかないのだ。

【職権乱用罪】
〈主体:国家公務員・地方公務員・特別職公務員・みなし公務員(真正身分犯)
保護法益:公務の公正(個人の身体・自由)
実行行為:職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害する行為
未遂・予備:なし
法定刑:2年以下の懲役又は禁錮
法律・条文:刑法193条〉

これらに照らして、安倍晋三元総理の河井克行法務大臣夫妻逮捕事件、森喜朗元総理の五輪汚職疑惑、麻生太郎元総理の診療報酬改定汚職疑惑を、本紙川上が最高検察庁の検事総長宛てに告発状を提出している。

要するに、政界に現状打破を求めても所詮は無理。となれば「伝家の宝刀」を使う良識派検察に期待するしかない。

なぜなら、国政を担う政治家には想像力が絶対的に必要不可欠だが、現状の世界情勢からしても全く政治家に危機管理感が感じられない。

その世界情勢を報じた記事を並べる。
●アメリカ「つなぎ予算」、ウクライナ支援除外して可決…政府機関の一部閉鎖を土壇場で回避
●モルディブ大統領選で親中派ムイズ氏勝利 親インド路線見直しへ シーレーン要衝、地域情勢に影響
●ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と北朝鮮の金正恩総書記は4年ぶりに会談した
●ロシア“2024年の国防費1.7倍に”軍事侵攻継続見通してか

伝家の宝刀を抜くのは今だ。

 

安倍晋三・森喜朗・麻生太郎

総理経験者の逮捕で検察の信頼回復を

安倍晋三元総理 麻生太郎元総理 森喜朗元総理

本紙川上が四国タイムズを『郷土香川を愛するが故に敢えて苦言を呈す』掲げて創刊したのは44歳だった。
いま、76歳だから32年間も報道に携わったことになる。

振り返ってみると、名誉棄損で提訴(民事・刑事)された詳細は覚えていないが、高松地検で懲役10カ月執行猶予1年6カ月や、懲役1年6カ月執行猶予5年は覚えている。

本紙川上も後期高齢者になったので、残りの時間(命)は日本の国を次世代に引き継ぐためにもエネルギーを使いたいものだ。

さて、それにはメガトン級のインパクト・影響力が必要なのだ。その影響力とは総理経験者の逮捕、それも3人の。

すでに検事総長への告発状は提出済みなので、現状を大手新聞から引用してみよう。

【安倍晋三元総理の告発】
中國新聞 河井夫妻買収事件公判 買収事件の公判記録
《2019年7月の参院選を舞台にした河井夫妻陣営による買収事件。法廷で展開される検察側、弁護側、被告本人たちの主張ややりとりを詳細に紹介する。…………》
事件首謀者の安倍晋三元総理が暗殺されたので真相解明できず裁判は混迷状態。

【森喜朗元総理の告発】
9月28日付読売新聞。
高橋元理事「一切証言拒否」
五輪汚職 大広の公判証人出廷

《…大会組織委員会元理事・高橋治之被告が証人出廷したが、刑事訴訟法の規定に基づき、ほとんどの質問を拒否した。高橋被告は大広を含め、計5ルートで総額約1憶9800万円の賄賂を受けとったとして受託収賄罪で起訴された。…》

森喜朗元総理の収賄は、AOKIからの200万円が明らかになっている。高橋元理事が「一切証言拒否」を貫くのは、高橋元理事から森喜朗元総理に渡ったカネを知られる事を恐れたからだと推測できる。2億円近い(飲食含め)カネを森喜朗元総理が、見逃すはずはないではないか。

【麻生太郎元総理の告発】
9月30日付読売新聞。
診療報酬議論へ態勢強化
24年度改定 自民、要職に元厚労相

《…党内では「プラス改定」に向けた圧力が強まるとの見方が出ており、財務省は警戒している。》
検事総長に2回目の告発。

 

羽田格納庫・山内逮捕劇から何を学ぶ⑥

国交省・天下り問題の解決は両備の登場で

山内俊夫元文科副大臣、山岸忍氏の著書

9月16日付読売新聞朝刊に衝撃的記事が載っていた。本紙が一貫して追求してきた警察及び検察の暴走の新たなる事件が発覚したのである。
「大川原化工機」事件は、生物兵器の製造に転用可能な精密機械を不正に輸出したとして警視庁公安部に逮捕された、精密機械製造会社「大川原化工機」の大川原正明社長らが起こした国家賠償請求訴訟は東京地裁で結審した。起訴が取り消された上、公安部の警部補(良心に基ずく)が「捏造」だと証言し、異例の展開をたどった問題事件だった。

輸出規制の定義が曖昧だったことから、捜査幹部が独自の理論で立件を目指したと主張。「事実を捻じ曲げて立件に漕ぎ着けた」と強調し、検事も必要な追加捜査を一切行わずに起訴を断行。

この新たなる記事を見ると同時に、山内逮捕劇と同様な流れが見えて来た。本紙が山内公判の傍聴をつぶさに検証して来たところ、以下の数点にわたり「大川原化工機」事件に共通する事案が見えてきた。

その①、格納庫合同会社の社内告訴(中山明憲社長)は山内氏とマルナカホールディングス・中山芳彦会長との同意でもってスタートしたビジネス展開にも関わらず、検察サイドは中山会長の証言を一切とらず、なおかつ裁判所に体調不良を理由に山内側の提案を却下した。ところが、本紙川上の取材では、マルナカH常務は「会長は元気、息子はなにも知らない」と、身構えのない穏やかな雰囲気の中で語った。つまりは「山内逮捕の起訴」は予定のシナリオであったと推測できる。

その②、逮捕時にスポットをあてると山内事件は2つの告訴事案を抱えていた。
刑事・民意という2つの事案が展開中で山内逮捕の動きに、はなはだ不可解な事が見えてきた。民事裁判中にも関わらず、山内の民事法廷での証言日が11月30日と決定していたにも関わらず東京の警視庁は、11月28日(日)の早朝8時に刑事8名を伴って山内逮捕にやって来て、大崎警察署に留置された。つまり、民事途中の裁判中には一定の判決が出されるまで、刑事告訴は様子見が原則。それにも関わらず、山内氏が民事で証言をさすまいとして逮捕した事象は、刑事起訴案件としては、異例の展開なのであった。

9月16日付読売新聞 杉田和博内調室長

この点は特に控訴審で問題となるであろう。つまり山内逮捕に持ち込むための、なりふりかまわぬ警察側の不遜行為。本紙が常に訴えている「三権分立の後進国」が明らかな事例そのもので、以上の2点が疑問視される。

本紙が連載してきた学校法人明浄学院におけるプレサンス・山岸忍氏事件での「捏造調書」、大川原化工機事件での「捏造調書」など、山内逮捕に至るこれらの事案は一種共通される逮捕劇だと感じてならなない。

ところで、先月号の取材報告記事(公開質問状)の続編であるが新たなる事実が浮かび上がってきた。

それは、本紙川上が山内逮捕劇の真相を求めて取材中、格納庫売却を巡り山田錦氏なる人物と出会うことが出来た。なんと山田氏(カチドキ社と共に)は、山内氏に岡山の両備ホールディングスを買主として紹介したその人だったのだ。ところが格納庫合同会社社長だった山内氏と両備ホールディングスとの売買交渉が順調に進む中、山田氏の動きに変化があった。その当たりの事情を山田氏は本紙川上に詳しく語らなかったが、どうも山内氏が頑なな態度を変えなかったから逮捕されたのだと取れる言い回しで本紙川上に言葉少なく語ってくれた。

別れ際、本紙川上に山田氏所有のタブレットパソコンから内閣調査室の情報、羽田空港の将来計画を示してくれたのだ。

さて続編であるが、A社と表示していたのは岡山に本社を置く、両備ホールディングス社である。山内事件発生頃の社の年間売り上げ等の決算状況は、売上1600憶円以上で近年特に航空事業へと内容も変化しつつある岡山財界における屈指の優良企業の一つでもあった。その頃の社長松田敏之氏は、父であるグループ代表(CEO)小嶋光信氏の元グループプレジデントとして活躍中で両備グループの将来を担うトップリーダーとして内外ともに期待されている。

グループ56社の総売り上げ約1600憶円は、グループ社員総数約9000名で中四国では大手企業と評されている有力カンパニーである上、航空運送事業ならびに岡山航空の発券業務などオペレーション業務にも精通している企業でもあった。

そうした有力企業に売却計画を持ち込んだ山内氏にすれば羽田という日本唯一の国家としての財産活用を、在日朝鮮企業の手から両備という企業にゆだねる事は国家の安心安全に対して多大なる貢献に寄与するものと思われる。にも関わらず飯田室長(当時の航空局本省)及び楸本課長たちによる不買誘導・電話事件は必ずや裁判の土俵に上がるはずである。先月号「公開質問状」の現況を目にする以上司法はいかに対処するか見ものである。山内事件の闇に迫るべきはマスコミの一員としての責務なのである。決して上記の両備のグループが羽田空港でビジネス活動するのに、不許可に該当する企業ではないはず。

こうした一連の内閣調査室を中心とした官側の動きは本紙が常に訴えている「国政の目付け役 我がペンは・ひるまず・おくせず・まっすぐに」をモットーにして山内事件を追求して行くつもりである。

 

世界の常識「捜査法」の制定を

明治以降の現法律を見直す時機が到来

伊藤六栄氏

我が国の民法は明治31年に施行され、刑法は明治41年に施行された。それ以降少しずつ法改正が行われているが、基本的に筆者の主観ではあるが大して変わっていない。

本紙が繰り返し警鐘を鳴らす、捜査法(初動捜査・本格捜査・取調べ)の不存在に合わせて様々な問題が蓄積する。残念ながらこれらに対する法律の不存在から対処できない事は、あまり知られていない。

本紙は長年、違法行為をしても逮捕されない組織と法整備の不備を訴えて来た。しかも、真面目に実直に捜査を根気よく続けている警察官がいる事も、名古屋市中区栄にある、「チサンマンション栄」の管理組合法人の犯罪行為も長く報じて来た。

前理事長の伊藤六榮氏の管理組合は現在、彼らを糾弾する事を期待され苦難の上2022年10月に新理事長の下に立ち上がった。ところが何か様子がおかしい。

 

この新組合を立ち上げるのには、全て悪事の証拠を持っているこの「管理組合を正常化する会」の活躍なくしてはなりたたなかった。もちろん、この代表が新理事として正当な運営をする事も当然多くの組合員から期待されていた。

ところが、あろう事かこの代表の新理事は、新しい「チサンマンション栄」の管理組合理事長によって全ての組合活動から締め出されてしまったのだ。資料の保管場所である管理人室の鍵すら奪われてしまった。この管理人室の鍵を強化したのも、この正常化する会の代表であるにも関わらず。

その後、管理人室は京山新理事長関係者の憩いの場所と化してしまったのである。

ここには前の問題ある伊藤六榮理事長の忠実な番犬でもある大柄な木村管理人がいる、もちろん管理人としての業務は行っていない。

こんな光景もあった。現在の森管理人がこの問題の大柄な木村元管理人を早朝、ひと目のない時に管理人室に入室させ何やら作業をさせているのである。森・現管理人は名古屋市のシルバーセンターからの派遣だ。個人的に行っているのであれば、重大な犯罪行為ではないか。そうでないなら市政を含む更なる問題に発展する重要問題だ。これを京山新理事長の許可の下に行っているとすれば新理事長との関係を含め慎重な調査を必要とする。

これら以前と全く変わらない組合運営に、不満と疑念を持つ組合員、「正常化する会」代表の理事、それに新組合から理事会にも呼ばれない多くの理事が、本年度の定時総会に出席して、普段回答をはぐらかす京山理事長とその取り巻き理事に質問をしようと出席したのである。

筆者は「正常化する会代表理事」の委任状を持って代理出席をしたのであるが、この総会は筆者が記憶する総会の中でも異例中の異例、かつて経験のない悪辣な総会で終始した。

それは、開始と共に質問した正統派理事に対して、京山理事長側の理事がいきなり、「黙れ!お前はそもそも…」と大声で罵声を浴びせ、怒鳴り続けた。さらに2重請求を繰り返し信頼を失墜させた経理担当業務理事は、質問する女性出席者等に対し、知り得た個人情報を組合のPCから自分のスマホに移し違法に持ち歩いていて、個人情報を別の出席者に見せながら「おい!喧嘩しようぜ! かかってこい!」と、さらに大声で威嚇するのである。余にも非礼で、暴言がすぎるので、「失礼ですよ、訂正して謝って下さい」と筆者が罵声を続ける理事の下に行くと、そこに合気道の達人でもある、方副理事長が突然筆者の胸を激しく突き飛ばしたのである。

伊藤六栄前理事長の総会は、質問に答えないなど、声を荒げることはあったが、今回はあろうことか最初から理事2名と副理事長まで参加して大声で罵声して質問に応えるどころか、方副理事長のように暴力で制圧しようとしたことなどはない。

しかも京山昇平・新理事長は、自分の部下に「静かに……」などと、一言も言わないだけではなく、質問をしようとしている出席者が気付かないうちに、あろう事か採決を進めて総会を終了させたのである。

これらの強行採決は悪意の組織的犯罪で、今まで経験したことのない最悪のケースである。

当然、暴行・名誉毀損・侮辱罪・背任行為として、被害を受けた出席者は直ちに、中警察署知能犯係・強行犯係に被害届と告訴状を提出した。

ここでも『自主管理の組合に対する法律』がないことが大きな障害。愛知県警中警察署の担当刑事が、頭を抱える姿を見ると早期な法体制の確立が必要であると痛感したのである。

(中部支部長・市川克己)

 

香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その244)

警察庁長官の在り方を見直して日本を変革

篠原六代目山口組事務局長 黒川俊雄元刑事部長 露木康浩警察庁長官

閣僚に聞く
 松村祥史 国家公安委員長
(9月29日付四国新聞)
《昨年の安倍晋三元首相銃撃事件や今年4月の岸田文雄首相襲撃事件を踏まえ、選挙警護についてどう考えるか。
 「安倍元首相銃撃事件で警護の在り方を見直し、警察庁の関与を強化する中で、和歌山市で岸田首相が襲撃された。警察と主催者との連携や、聴衆の安全確保という課題が出てきた。
選挙は民主主義の根幹だ。
選挙警護に万全を期すよう警察を指導していく」…》

 

松村祥史国家公安委員長 佐藤隆文高松高検検事長 甲斐行夫検事総長

選挙警護に万全を期すか?
本紙川上は、言いたい!
「選挙警護に万全を期すなら、民主主義の根幹である報道関係者への繰り返される銃撃事件を解決すべきだ。それも暴力団と警察官が共同正犯である未解決事件の解決が、国家公安委員長に求められるはずではないのか」と。

 

警察庁長官を東京地検に告発 事実を法に照らして捜査を展開

本紙川上は、平成5年の白鳥談合事件(香川県)から、香川県警抜きで高松地検と協力して検察捜査を展開してきた経験がある。高松地検の三井環次席との連携捜査と言えるかもしれない。これが、(中小検察の独自捜査)となり中小検察に「特別刑事部」が誕生したのだ。

犯行で似たタイプのナイフ 船木賢二氏

要するに、殺人や暴力団絡みなどの事件については、警察の最前線で働く捜査員の大切さを嫌というほど知らされた。それは、平成15年に高松地検特別刑事部の徳久正部長から、「暴力団の事件については、警察抜きでは捜査を展開できないのですよ。これ、分かってくれますか」と言われたからだ。

そういう捜査絡みの経験を30年もした本紙川上だからこそ、週刊文春が炙り出した警察官・船本賢二氏の殺人事件の取扱いが理解できるのだ。
『佐藤誠さん、頑張れ!』
本紙川上も良識派警察官のためにも、国民のためにも参戦する。
そこでまず、8月3日号の週刊文春から引用する。
〈妻の取調官 捜査一課刑事
実名告発 18時間〉

《警視庁捜査一課殺人一係、通称「サツイチ」。
一八年六月、サツイチの俺が木原の妻X子の取調官に指名された。俺を呼ぶってことは、自殺ではなく殺人事件だってことだ。

木原は俺に「いつでもクビ飛ばせるぞ」と言ったが、X子の聴取を十回はやったしガサ入れもした。ところが捜査が佳境に入った時に突然、上司から終了を告げられたんだ。頭に来ているのは、警察庁の露木長官がこの前会見で「事件性はなかった」って大嘘を吐いたこと。現役は話せないだろうが、去年退職した俺に失うものはない。悔しい思いをした後輩のためにも腹は括った。俺が知っていること、全部話すよ。》

犯行使用の回転式拳銃 実行犯の森裕之

なるほど、佐藤誠さんは男だ。それに引き換え、露木警察庁長官は情けない男だ。

こんな情けない男が、日本警察のトップに座っていることを外国から見れば笑いものになる。いや、笑いものでは済まされない。有事への可能性も高まり、次世代を担う優秀な若者にまで影響が出る。

引用を続ける。
《捜査員が語る佐藤氏の伝説は、枚挙に暇がない。二〇〇五年には、その三年前のマブチモーター社長宅で社長夫人と長女が殺害された事件で逮捕された小田島鐵男の取調を担当。一五年の埼玉県本庄市死体遺棄事件では指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出し、自白に追い込んだ。
「種雄さんの事件の再捜査が本格化した際、X子さんの聴取を担当するのは佐藤さんしかいないという結論になったのです」(同前)…》

8月3日号週刊文春

なるほど、佐藤誠さんの実績と捜査に向き合う姿勢が確認できた。露木康浩警察庁長官は、「事件性はない」発言を撤回する記者会見を行うべきだ。現状を放置したままなら警察官の士気にも影響があり、社会不安から警察の信頼は地に落ちる。

さらに、引用を続ける。
《露木長官は、種雄さんの不審死について、こんなコメントも残していた。
「適正に捜査、調査が行われた結果、証拠上、事件性が認められないと警視庁が明らかにしている」

佐藤氏は一呼吸し、吐き捨てるように言った。
「事件性の判断すらできないのか。はっきり言うが、これは殺人事件だよ。当時から我々はホシを挙げるために全力で捜査に当たってきた。ところが、志半ばで中断させられたんだよ。それなのに、長官は『事件性が認められない』と事案自体を“なかったこと”にしている。自殺で片付けるのであれば、自殺だっていう証拠をもってこいよ。(文春の)記事では、捜査員が遺族に『無念を晴らす』と言っていたが、俺だって同じ気持ちだよ」

さらに佐藤氏の口から漏れたのは、後輩たちへの偽らざる思いだった。
「あのとき捜査に関わった三十人以上のメンバーは誰しも、捜査を全うできなかったことで今でも悔しい思いをしている。文春の記事を読めば、現役の奴らが並々ならぬ覚悟で証言しているのがよく分かるよ」…》

こりゃー、日本の危機だ。

露木警察庁長官の職権乱用罪は確定的犯罪だ。

 

中國新聞スクープ・河井夫妻の買収事件

検察が狙う「金主」は安倍元首相ら自民党大物か

まず、9月8日付中国新聞の記事を押さえる。
《【独自】河井元法相、買収原資は安倍政権中枢からか 4人から6700万円思わせるメモ 自宅から検察押収》
というスクープ記事。

2019年の参議院選挙で2900万円をバラマキ、公職選挙法違反(買収)で逮捕された、河井克行氏と案里氏。

メモの記載内容

これまで2900万円の原資は、
「タンス預金だ」
と証言していた克行氏。だが、中国新聞は、
《検察当局が20年1月に河井克行元法相(60)=服役中=の自宅を家宅捜索した際、当時の安倍晋三首相をはじめ安倍政権の幹部4人から現金計6700万円を受け取った疑いを示すメモを発見し、押収していたことが7日、関係者への取材で分かった》
と報じた。

つまり、買収の原資はタンス預金ではなく、首相官邸、自民党から出ていた疑いが浮上したのだ。記事によれば、 《「+(プラス)現金6700」と手書きで記され、さらにその下に「総理2800 すがっち500 幹事長3300 甘利100」と手書きされていた。》

つまり、安倍晋三首相、菅義偉官房長官、二階俊博幹事長、甘利明選対委員長が数字の現金を河井氏サイドに提供していたというのだ。

案里氏の参議院選挙での現金バラマキ、当然「実弾」がなければ配れない。カネが絡むあらゆる事件で「原資」と「使途」は必ず追及される。その内容は量刑、判決に大きく影響するからだ。

しかし、河井夫妻の事件では検察は「使途」だけに限定。「原資」は河井夫妻の証言のみで立証することはなかった。

2022年6月、本紙・川上は中国新聞の記事を予感するように記事を書いている。
《自民党の1億5千万円「物証」が東京地検特捜部に棚ざらしとの声》
《克行氏は、メモ魔なのか、細かな内容を記してパソコンに保存していた。案里氏の選挙でも同様でした。当時の安倍首相や菅官房長官、二階幹事長への相談メモというタイトルのデータがいくつもあった。そこに1億5千万円の内幕が隠されている可能性がある》

中国新聞の記事は、おそらく日本タイムズで指摘した記事のデータのどこかに含まれていたのではないかと推測する。

詳細は書かないが日本タイムズではメモになる「すがっち」というフレーズがスクープ記事の真実性を非常に高めているとみる。

《政権幹部による多額の現金提供の疑いを示すメモを発見、押収したものの、検察当局が当時の安倍晋三首相らを聴取することはなかった。あくまで河井克行元法相の立件に焦点を絞り、ときの政権中枢への捜査に及び腰だった検察の姿勢が透けて見える》
と中国新聞では「巨悪」を逃した検察の姿勢を批判している。

敬愛する郷原信郎弁護士は自身のインターネット配信で、
《もし、克行氏の事件での検察官の冒頭陳述に、安倍氏らからの資金提供の事実が記載されていれば、政治的には極めて大きな影響が生じていたはずだ》
と東京地検特捜部がメモの存在を知りながら、捜査を見送ったのではないかと指摘している。

河井夫妻の公職選挙法に関連して被買収側となった市議、県議の裁判は現在も継続中。解明されていない「原資」を追及できるチャンスはまだ残されている。

 

紙面告発が改革の起爆剤に

さぬき市民病院と香川医大の協定締結

徳田道昭院長 大山茂樹市長 筧善行学長

本紙は【郷土香川を愛するが故に敢えて苦言を呈す】を掲げて平成4年1月に創刊した。要するに、郷土香川の成熟を願ってだ。

まず【本紙5月号】をおさらいする。
香川県警さぬき署に紙面告発
さぬき市民病院の深刻なパワハラ疑惑
《本紙宛てに、さぬき市民病院内での、パワーハラスメント問題についての投書がこれまでに数件寄せられていた。
投書の内容は、昨年度看護部長であった赤松氏や副看護部長の松下氏のパワハラ行為についてである。
被害者は、病院内に設けられている「パワハラ相談室」「労働組合」を利用しても問題解決には至らなかったというものであった。
それもそのはず、労働組合には赤松氏の実妹が在籍しており、相談室の責任者は元医療技術部長であった高嶋氏なので、どちらに相談しても、赤松氏へ相談内容が漏洩され解決できない。それどころか、パワハラはさらに激化していったようだ。

また、当事者だけでなく目撃者からの相談依頼も、同様に対処されず、辞職者もあとを絶たない状況であった。

このパワハラ問題は、赤松氏や松下氏だけではなく、事務局の忰山氏、その他数名の名が連らねられており、病院内のいたるところでパワハラが横行していたのである。

その事実を踏まえ、3月24日に労働組合側が5名、病院当局側は徳田院長と多田局長の2名で、「徳田院長にハラスメント対策を問う!」という話し合いがなされた。
翌25日には、徳田院長より認識不足だったとの回答があった。

しかし、徳田院長や多田局長も、以前から黙認していたという事実も投書から確認できる。
この一連のパワハラは氷山の一角であり、病院内全域にパワハラという体質が浸透しているため、今もなおパワハラ被害が相次いで起こっている状況なのだ。
現在、さぬき市民病院は、この難題に直面している。》

【本紙6月号
さぬき市民病院のパワハラ問題
組織的腐敗構造には刑事告発も必要なのか
【本紙8月号
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ
香川県立中央病院に学び、さぬき市民病院の改革を

 

さぬき市民病院

これら本紙の既報を押さえ、次に先(9)月26日放送NHKニュースを噛みしめよう。

地域医療に携わる医師育成へ 香川大学とさぬき市が協定締結

《香川大学とさぬき市は、附属病院と市民病院で一緒に医師を育成するなど、連携を強化する協定を結ぶことになり、26日、締結式が行われました。

香川大学で行われた協定の締結式には、香川大学の筧善行学長とさぬき市の大山茂樹市長が出席し協定書に署名しました。

協定には、複数の分野にまたがる診療を1人で行う「総合診療医」を連携して育成することや、香川大学医学部附属病院がさぬき市民病院に医師を派遣すること、さらにそれぞれの病院が互いに患者を紹介することなどが盛り込まれています。

協定を結ぶことで、香川大学としては地域医療にやりがいを持って働く医師の育成につなげたい考えで、さぬき市としては医師不足の解決につながることが期待されるということです。

香川大学が県内の自治体と医療の連携協定を結ぶのは今回が初めてで、筧学長は「若い医師が地域医療にやりがいを感じる環境を整えるため、大学と地域が連携するモデルケースとして、県全体に広げていきたい」と話していました。

また、さぬき市の大山市長は「専門医に行き着くまでのコーディネートもできる総合診療医の育成につながれば、地域の診療所を通じて患者が最適な医療を受けられるようになる」と話していました》

 

香川県立中央病院の改革を

『がんセンター汚職』は対岸の火事ではない

まず、本紙既報の9月号を押さえる。

〈内部告発・香川県立中央病院③
公益通報者保護法の活用で組織の改革を〉

《日本タイムズで報じている、香川県立中央病院、X部長の「贈収賄」とも思える業者との癒着。これまでその詳細な報告書を入手して報じてきた。

X部長に接待攻勢をかけていたのは、医療器具の輸入販売業務を営むA社及びB社。2社から東京や名古屋の学会などに出席した際、X部長は飲食代金を払わせ、カバンなどを買ってもらった写真も撮影されていた。

さらに調べると、B社がX部長に金銭を支払っていたことがわかった。B社のホームページによると、
「透明性に関する指針」
を設定しており、その理由は、
「あらゆる活動の透明性をこれまで以上に高め、社会からのさらなる高い信頼を得られること」
と記され、医療関係者への研究費開発費、原稿執筆料などを公開しているのだ。2021年度にX部長にカネを払ったという記載がある。

橋本裕輔容疑者

内訳は「特定臨床研究費」として約52万円。「講師謝金」として4件、約25万円となっており、合計で約77万円だ。

日本タイムズが入手した写真などでは、X部長がB社から東京のそばの名店「K」で昼から酒を飲んで受けた接待は2019年7月のこと。この当時から、何らかの接待や資金提供があったのではないか。この年の支出は「疑惑」になるので、公開されていないのか?

またB社のホームページから高松中央病院にも製造販売後調査費などの名目で、2021年に20万円。

またX部長ではない同じ診療科目の医師6人に「講師謝金」「原稿執筆」として総額90万円近くが支払われていることが確認できる。

X部長と香川県立中央病院のものを合計すると、約200万円がB社から渡っているのだ。

事態を憂いた弁護士が香川県に提出した報告書。そこには医師であるが、公務員という立場でもあり、B社の接待が香川県職員倫理規や地方公務員法に抵触するのではないかと指摘がなされている。

また医療機器の選定に対してB社が優先され、
「偏りが生じていること」
「医療器具が使用される割合が極めて高くなっている」
「B社のものは6割使用」
ともある。

厚生労働省のホームページにはA社とB社の不具合が多数、報告されている。B社はその数が突出しており、数百もの不具合が記載されている。医療器具に、
〈穴、漏れ〉
それによって、
〈空気塞栓、血圧低下〉
の危険性があるなどと、報告が出ている。中には、
〈追加手術〉
〈周辺組織の損傷のおそれ〉
と命の危険が迫っていそうな内容も散見される。

報告書によれば、X部長とB社は利害関係者となっているという。B社が飲食代を負担し、昼から名店でそばを食べ、酒を飲むX部長。使っている医療器具には「不具合」が多数報告されているのに、病院や香川県の了解があるのかは不明だがカネも流れている。》

続けて【9月23日付読売新聞】にも目を通そう。

9月22日付東京新聞

〈がんセンター汚職、「医長」昇任を機に便宜か…贈賄側製品の使用開始〉

《国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の医療機器選定・使用を巡る汚職事件で、収賄容疑で逮捕された医師の橋本裕輔容疑者(47)が、診療科の「医長」に昇任した頃から贈賄側メーカーの製品を使い始めていたことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁は、医長への昇任をきっかけに、便宜を図った可能性があるとみている。

警視庁幹部によると、橋本容疑者は同病院肝胆膵(すい)内科の医長だった2021年5月、医療機器メーカー「ゼオンメディカル」(東京)が製造販売する「ステント」(金網状の筒)を優先的に使用した見返りに、同社から約170万円の賄賂を受け取った疑い。

製品の安全性や有効性を確認する「市販後調査」に協力する契約を19年4月にゼオン社と結び、同社製ステントを1本使用するごとに1万円の謝礼を受け取っていたが、警視庁は市販後調査に実態がなかったとみて、20年度分の約170万円を賄賂と認定した。

捜査関係者によると、橋本容疑者は15年から肝胆膵内科に勤務。19年4月に同内科長の下のポストに当たる「医長」に昇任した頃から、それまで同内科では使用実績がなかったゼオン社製のステントを患者への治療で使い始めた。

同社製ステントのシェア(占有率)は一時、同内科で5割超まで伸長したという。だが、橋本容疑者が21年7月に医長を退任し、同9月に米フロリダ大に拠点を移すと、シェアは1~2割にまで落ちていた。

警視庁は、医療機器を選定・使用する際の医長の影響力などについても確認を進めている。》

兎にも角にも、良識派捜査機関による日本の成熟に期待したい。