2018年1月号

目次
国滅ぶとも正義は行わるべし 日本の未来を見据えて、発進!
愛知県警の肝煎り捜査 暴力団潰滅作戦、年始めから着手か!?
警視庁が狙う後藤元組長
新橋地上げ会社を乗っ取りか!?
奈良県は政治後進県か!?
今もいる元暴力団の組員議員
香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その177)
官邸の守護神と激突する検察特捜部の正義
中部管区警察局・前監察部長に期待
香川県警と若林組の癒着に捜査のメスを
徳島新聞と遠藤彰良市長が「結託」
本紙の徳島名物阿波踊り「荒稼ぎ」の記事
今春も先生が大量退職の噂
教育は「そっちのけ」の明浄学院

国滅ぶとも正義は行わるべし 日本の未来を見据えて、発進!

林真琴元刑事局長 黒川弘務事務次官 安倍晋三首相

本紙四半世紀の集大成と『Ⅹファイル』

 

本紙は、今月、創刊26年を迎える。
振り返れば、創刊1年目から本紙は実に大変な局面に能動的に直面している。それから、四半世紀が経過した。この四半世紀の間は、まるでジェットコースターに乗っているかのような激動の日々が繰り返された。このままではいけない、今のままでは真っ直ぐな国家ではなくなってしまう。この思いだけで、なみいる相手に立ち向かってきた――――。
ここに、一冊の信じがたいファイルがある。このファイルにはある固有名詞がつけられているのだが、ここでは、『Ⅹファイル』としておこう。これは、本紙の四半世紀の間に起きた激動を象徴しているファイルと考えてもらっていい。
オリーブ・オペレーション、警察、検察、政治家、暴力団、アウトロー……。
四半世紀の間に登場した面々は実に多彩で多種である。それは、我が国の凝縮である。だからこそ、これからの我が国の未来を憂い、そして、語り、その展望を指し示すことができると、それは自負である。
『Ⅹファイル』はこの四半世紀を紡ぎ、そして、これからの我が国在り方を指し示す、いわば、水先案内の役割を示すものだが、その具体的な役割説明の前に、是非知っておいて戴きたい〝前提〟がある。この前提を知るには絶好の新聞記事がある。少々長きに渡るが、その記事をまずはひもとくとしよう。

 

法務・検察人事に再び「介入」した官邸高まる緊張

 
9月7日発令の法務・検察幹部の人事異動が、昨年に続き、首相官邸の意向で変更されたことがわかった。法務・検察の人事原案は、黒川弘務・法務事務次官を高検検事長とし、その後任に林真琴・法務省刑事局長を充てる案を柱としていたが、官邸側は黒川氏の留任を強く希望。
法務・検察側はそれに従い、林氏も留任した。法務・検察が予定していた「次の次」の検事総長人事がこの官邸側の注文によって流動的となった、との受け止めが法務・検察部内で広がっており、独自の人事計画を守りたい法務・検察と政治の間に緊張が高まりそうだ。
2017年8月8日に発表された同年9月7日付の法務省人事は、検察ナンバー2の田内正宏・東京高検検事長(62歳、司法修習31期)が駐ノルウェー日本大使含みで退官し、その後任に前法務事務次官の稲田伸夫・仙台高検検事長(61歳、33期)を、その後任に堺徹・東京地検検事正(59歳、36期)を充てるものだった。堺氏の後任には、最高検刑事部長の甲斐行夫氏(57歳、36期)が充てられた。
今回の法務・検察の幹部人事の最大の焦点は、法務省の事務方トップの法務事務次官を、黒川弘務氏(60歳、35期)から林真琴法務省刑事局長(60歳、35期)へ交代させることだった。
7月中旬、黒川次官が官邸側に対し、稲田氏を仙台高検検事長から東京高検検事長に、その後任に自分を、そして、自分の後任に林氏を充てる、とする人事原案を提示したところ、官邸側は、黒川次官の留任を強く求めた。
これを受けて法務・検察は、西川克行検事総長(63歳、31期)ら首脳らが協議し、一時、林氏を稲田氏の後任の仙台高検検事長に転出させる人事案を検討したとみられるが、結局、1期下の堺氏を仙台高検検事長に充て、林氏を次の法務事務次官含みで留任させることで官邸の了承を得たとされる。
法務事務次官は、法務・検察の序列では、天皇の認証官である検事総長、東京、大阪など8高検の検事長、次長検事に次ぐポストだが、検事総長への登竜門とされ、最近の検事総長は8人中7人が法務事務次官と東京高検検事長の双方を経て就任している。

黒川、林両氏は、粒ぞろいとされる司法修習35期の検事の中でも傑出した存在で、ともに、現在の西川検事総長から稲田氏をはさんで、「次の次」の検事総長候補と目されてきた。
■「約束破り?」の衝撃
法務事務次官人事が凍結されたことに、法務・検察首脳らは大きな衝撃を受けた。「理解できない。これでは現場が納得しない」。元検察首脳はこう絞り出すと、沈黙した。衝撃を受けたのには、理由がある。
法務・検察は2016年夏、法務事務次官だった稲田氏の後任に刑事局長の林氏を昇格させ、法務省官房長だった黒川氏を地方の高検検事長に転出させる人事原案を固め、稲田次官(当時)が、官邸側と折衝した。
当時の法務・検察の首脳らは、西川、稲田氏の後を継ぐ検事総長に林氏を充てたいと考えており、そのコースに乗せるため、林氏の次官への登用を立案したのだ。
これに対し、官邸側は、法務省官房長として法案や予算などの根回しで功績のあった黒川氏を事務次官に登用するよう求め、法務・検察側は、黒川氏を法務事務次官にし、林氏を留任させた。この経緯や意味については2016年11月22日の当コラムで取り上げた。
問題は、16年夏、黒川氏を次官にする法務省側と官邸側の人事折衝で「黒川次官の任期は1年で、来夏には林氏に交代させる」との「約束」が官邸側とできた、と法務・検察首脳らが受け止めていたことだ。
結局、それは「空手形」となり、元首脳らの驚愕と落胆につながったわけだ。
■異例の発令日なし閣議決定
この衝撃が原因とみられるどたばたもあった。
8月8日の正式発表の1週間前の8月1日、政府は稲田氏を東京高検検事長に異動させる閣議決定をし、公表した。天皇の認証が必要な検事長以上の人事は、認証の日程が決まってから発表されるのが普通だ。発令日を決める前の異例の発表だった。
関係者によると、官邸側が、黒川氏の次官留任を求めたころ、稲田氏を次の検事総長にしない、つまり、検事総長のテンパイポストである東京高検検事長にはしない、とする声が政権の一部にある、との未確認情報が霞が関に流れた。稲田氏が検事総長にならないとすると、西川氏の次の検事総長は、キャリアや年齢からいって、黒川氏ということになる。
先にも触れたように、2016年夏、当時の大野恒太郎・検事総長、稲田・法務事務次官の時代に策定した人事構想は、西川→稲田→林の各氏の順で検事総長の地位を継承していくというものだった。それが覆ることになるのだ。法務・検察の一部では、それが、黒川氏の続投人事と絡めて理解され、「官邸による検事総長人事への介入ではないか」との疑心暗鬼が生まれた。
異例の発令日なし閣議決定は、法務・検察が、そういう情報を打ち消し、部内の動揺を抑えるため、官邸に発表を急がせたものだった。林氏を法務事務次官含みで留任させたのも、林氏に、法務・検察幹部人事の起案者であり官邸との折衝役である法務事務次官として稲田氏→林氏の順で総長を繋ぐ人事を守らせたい、との思惑があったとみられる。(~後略~朝日新聞法と経済のジャーナルAsahi Judiciary 2017年9月17日付記事[村山治著]より抜粋引用)。

 

この記事から読み取れるのは、現政権においては、検事総長のポストすら官邸の思いのまま、ということである。これは実に恐るべきことで、先進民主国家においては絶対にあってはならぬ事態である、ということである。
しかし現政権ではそれに蓋し当たり前の如くやり通してきていたことをこの記事によって知ることができる。ただ、そのいわば〝蛮行〟も、検察内部の自助努力で変わりつつあることもこの記事から汲み取ることができるのだ。
本紙は、ある時、今のままではいけない、という大きな信念の下、果敢なアクションに出た。しかしながら、それは成功という実を結ばなかった。四半世紀に渡って毎月出し続けた新聞・四国タイムズが一度だけ日の目を見なかったことがある。それは、先のアクションが産んだ結果だった。一度は、根こそぎそこらの草むらに放り投げられ、そして、足蹴にされたのだ。
それは、まだ、その時代が来ていなかったことを如実に表す。明らかな〝蛮行〟が〝蛮行〟とはみなされなかった時代のことである。
しかし今はどうであろうか。引用した新聞記事は、その時代を乗り越え、新しい時代の到来を明確に伝えている。
実は、『Ⅹファイル』は、この変わりつつある検察内部、そして時代から、まるで清らかな水が湧き出る泉のように慎重にそして、丁寧に取り上げられた。まるで、腕のいい産婦人科医が嬰児を取り上げるように。
なにを隠そう、『Ⅹファイル』を取り上げたのは、この記事で取り上げられている、新しい時代を切り開こう、官邸の抵抗すらも跳ね返しながらも、我が国の未来を創りあげていこうとする勢力によって、そっと取り上げられたのだ。
そう、『Ⅹファイル』は、検察という特殊な組織体のなかにあったものだった。

 

177回に渡る〝魂の叫び〟

 

本紙の連載、『香川県警の捜査放棄と冤罪捜査』は、本号で177回になる。この連載には銃撃事件、鉄パイプ襲撃事件、大きな未解決事件が生々しく描かれ、そしてこれら事件は今でも捜査当局に禍根を残している。
『Ⅹファイル』は、この177回の連載に深く関係していることを記しておかなければならない。
さらに『Ⅹファイル』は、検察の内部良識派、~すなわち先の引用記事に書かれていた改革側、官邸に対峙する側に立つ人たち~、その勢力の今や、〝御旗〟となっているばかりか、ここを軸に、実に四半世紀に渡る資料がまるで強力な磁石に吸い寄せられるように各種関係資料が集まりつつあるのだ。
その資料の一端を本稿の最後に指し示しておこう。
平成5年白鳥談合事件によって記された三井環氏による『中小検察による独自捜査』テキスト、平成16年神戸地裁使用者責任に対する訴訟資料、同じく平成28年高松地裁訴訟資料、平成29年森友学園告発資料、そして、独自に編纂されている、『香川県警の捜査放棄と冤罪捜査』記事ファイル176回分――。
これこそ、本紙四半世紀の軌跡に他ならない。
驕る平家は久しからず。
時代を見つめ、未来を切り開く。本紙創刊26年目を迎えて、抱負とす。

愛知県警の肝煎り捜査 暴力団潰滅作戦、年始めから着手か!?

愛知県警本部

昨年、年も押し迫った12月21日。名古屋市内屈指の歓楽街である錦3丁目のある一角は曰く言い難い異様な雰囲気に彩られていた。
しかし、その異変に気付いた者は、ほとんどいなかった。それは、愛知県警による暴力団への頂上作戦の最重要捜査だったからである。そのような捜査が行われているなどとは、誰も知るよしがない。愛知県警たるものそんな手ぬるい捜査をするはずもない。水も漏らさぬ張り込みがその日行われたのだ。
マルタイ(捜査対象者の意味)は、あるビルの中に入る、とある飲食店である。一見、何の変哲もないお店ではあるが、食べログによるとなかなか評判はよろしい。そんな店が何故?と思われるが、この世はいわば理外の理によって成り立っているようなものである。
その日、その店の張り込みには相当数の捜査員が立ち会った模様だ。午後5時、緊張はピークに達する。それから二時間、緊張は一切、断たれることなく張り詰めていた。
その店では、〝金融〟が営まれているはずだった。無論、それは合法である。しかし、それは正確にいうと、合法を隠れ蓑にした、驚くべき〝財務処理〟行為なのだという。しかも、これは、ある程度定まったメンバーで、定期的に開催されているという。
この頂上作戦のいわば前哨戦が、二ヶ月前に同じ愛知県警で繰り広げられている。その模様は次の記事に詳しい。ここに引用しよう。

 

名古屋市内の飲食店から「みかじめ料」を受け取ったとして、愛知県警が11日、県暴力団排除条例違反の疑いで、指定暴力団山口組の直系組織「弘道会」(名古屋市)の会長、竹内照明容疑者(57)ら計6人を逮捕した。同会は山口組の篠田建市(通称・司忍)6代目組長の出身母体で、竹内容疑者は山口組幹部で7代目組長の有力候補。山口組が神戸山口組や任侠山口組と三つどもえのにらみ合いを続けるなか、警察当局は重要人物の逮捕で組織の弱体化を図り、今後の動向を探る狙いもあるとみられる。
県警によると、他に逮捕されたのは、弘道会系組長、小川明広容疑者(52)や同、石原道明容疑者(51)ら。竹内容疑者は「知らない。納得できない」と容疑を否認しているという。
逮捕容疑は昨年12月~今年4月、共謀して同条例が暴力団排除特別区域に指定する名古屋市中区の風俗店の実質経営者ら2人から、3回にわたってあいさつ料として現金計58万円を受け取ったとしている。
竹内容疑者は、篠田組長が立ち上げ、山口組の中枢組織である弘道会の3代目トップ。2013年に直系組長となり、15年には執行部メンバーの若頭補佐にスピード昇格し、山口組の7代目組長の有力候補とされる。
山口組から離脱した直系組長らが15年8月末に分裂し、神戸山口組を結成した背景には、こうした弘道会主導の人事や組織運営への反発もあったとされている。
「竹内会長は関東の指定暴力団稲川会のナンバー2と対等な兄弟関係にあり、京都の会津小鉄会が山口組と神戸山口組への支持をめぐって分裂し、山口組派が今年2月に組織を発足した際の後見人となるなど他団体との外交も任されている。弘道会は山口組の構成員約5200人の約5分の1の勢力を持つ。トップの社会不在は短期間でも弘道会、山口組の弱体化につながる」(捜査関係者)
警察庁によると、15年8月の山口組分裂から今年8月までに抗争とみられる事件は97件発生。昨年3月の33件をピークに緊張が高まったが、今年5月以降は起きていない。
暴力団関係者は「警察当局は、携帯電話を他人名義で機種変更したなどの形式犯で山口組や神戸山口組の直系組長の逮捕を続けている。三つどもえの状況が続き、同じ弘道会出身で恐喝罪で収監されている山口組ナンバー2の高山清司若頭の出所を2年後に控えるなか、山口組の動向を探る狙いもあるのだろう」と指摘している。(2017年9月13日付夕刊フジ記事より引用抜粋)
もちろん、前哨戦とはいうものの、今回の愛知県警のいわゆるマルタイがこの記事と同じ団体であるか否かはここに明確にするつもりはない。あくまで極秘捜査なのである。ただ、愛知県警は、標榜する暴力団撲滅に向けて、ひたすら邁進していることをここに明記するのみである。
ただ、この極秘捜査にはふたつの極めて重大な局面を有していることだけは記しておかなければならない。
ひとつは、この極秘捜査は、前の記事に記している『Ⅹファイル』による検察革命に呼応しているということ、もうひとつは、目下、当の検察当局が血道を上げている、〝リニア談合〟捜査にも深く結びついていること、この二点である。
この重大な二点をきちんと捉えたうえで、あえて紙面にて知らしめることができるのは、本紙のみであることも最後に添えておく。愛知県警の健闘を祈るばかりだ。

警視庁が狙う後藤元組長

新橋地上げ会社を乗っ取りか!?

後藤忠政・元後藤組組長

新橋地上げ会社に3億円融資も、未返済で提訴

 

本紙の昨年8月5日9月5日号にて、東京・新橋で、NTT系の不動産会社「NTT都市開発」(東証1部)が12億円を支払い、地元の「京栄商事」なる不動産会社に地上げを頼んでいたが、地上げを完了できず訴訟に。
また、その地上げ対象地の一部を所有していた高橋礼子さんが変死体で発見されるという事件も発生。そんななか、先の京栄商事の背後に、あの後藤忠政・山口組系「後藤組」元組長(74。カンボジア国籍取得)がいると警視庁は見て内偵している模様だと報じた。
あれから約4カ月――本紙の見立て通り、後藤氏が関与していたことがハッキリしたので追加報道する。
昨年12月5日午後1時15分から、東京地裁807号で貸金請求の民事訴訟の第一回口答弁論があった。一見、よくあるカネのトラブルによる支払い請求事件だし、マスコミ報道は皆無だったので傍聴人はなかった。しかも被告側は代理人弁護士さえ姿を見せず、わずか数分で閉廷となった。そして12月12日、全額支払えとの判決が出ることに。
しかしながら、その原告こそ後藤元組長当人だったのだ。

後藤氏のマンション登記簿

請求額は3億円。訴状によれば、後藤氏は2016年4月ごろ、知人からK弁護士(当時)を紹介された。弁護士である上、K弁護士は個人信託商品の設計・管理を行う「A信託」(東京都千代田区)という、役員及び社員(事務局は除く)のすべてが弁護士か公認会計士、または税理士から構成されている個人信託の草分け的存在である株式会社の代表(同)でもあったことから、まず大阪の土地の再開発費用として2億円を貸したがキチンと返済して来た。
その後も何度か融資・返済を経て、埼玉県三郷市の地上げ費用として16年11月15日、3カ月後の返済約束で貸し付けたという。
ところが、返済は履行されず、期日の1カ月後に支払い猶予を求める誓約書が。そこで後藤氏は5月15日まで猶予したが、やはり返済されず、6月2日、K弁護士はA信託代表を辞任、そして6月30日には弁護士登録を取り消したという。
本紙は昨年9月5日号で、まず、後藤氏が影響力を持つ真珠宮ビル跡地売買の仲介でK弁護士が登場しトラぶったこと。また、京栄商事とK弁護士が代表を務めていた、「K・T・T」(住所は京栄商事と同)という合同会社が、新橋はむろん埼玉県三郷市でも地上げを行っていることを報じていた。そして、そのどちらにも、前出・真珠宮ビルの地上げでかつて後藤氏と共に逮捕された西岡進氏が登場することを指摘し、後藤氏も関与している模様だと報じていた。
「被告はK弁護士と京栄商事、京栄商事代表の山崎一幸氏。貸した相手はK弁護士だが、京栄商事と同代表が連帯保証していたので3人を被告にしたというもの。
しかしながら、実際は、後藤氏とのトラブルでK弁護士が負ったペナルティー代を京栄商事の山崎代表が穴埋めしてくれたことから、K弁護士は書類上、借り手にさせられただけ。実際は京栄商事が借りたカネと見ている」(当局筋)

 

NTT側が融資した相手は、指定暴力団フロントだった

 

3億返済の請求事件の書類

引退したとはいえ、いま世間を騒がせている山口組の分裂騒動のなかで、「○○組側に何十億円資金援助するようだ」などという噂も出る後藤氏からカネを貸して踏み倒すものなのか?
本紙の昨年9月5日号では、京栄商事の山崎代表は香川県高松市時代、地元の暴力団と親しくなり、フロント企業との情報もあるとのコメントを紹介しているが、その後、これも確かであることが判明した。17年6月、09年12月に発生した香川県小豆島町内の旅館放火事件(全焼)で、保険金1億7000万円を騙し取ろうとして非現住建造物等放火と詐欺未遂容疑で溝渕美寿(54)なる者に懲役7年の実刑判決が下った。
この溝渕被告、同地に本部を置く指定暴力団「親和会」の幹部だった。
「この溝渕の弟が、兄の逮捕後、県警から度々連絡が来てわずらわしいということで東京に逃げて来たんだが、その際、山崎が住まいを提供し面倒を見ていた。ですから、昨年10月ごろのことですよ。また、親和会側とかなりのカネの貸し借りがあるようです」(地元のマスコミ関係者)
このように、山崎氏も暴力団側と密な関係にあるだけに何とかなると思ったのか。
もっとも、さる事情通はこう解説する。
「京栄商事は16年初めには新橋の地上げがうまくいかないと認識していたはず。後藤氏側からカネを借りたのは訴訟になった3億円だけでなく、16年3月ごろから。その弱みから、先に後藤氏が西岡氏を通じて手掛けていた埼玉県三郷の地上げに京栄商事も参加させられ深入りしてしまったということ」

 

3億円以外も金銭トラブル。高橋さん変死事件も糸口が

 

当局はその事情通氏によれば、何と山崎氏は16年11月、三郷市の地上げに絡んで、「P」(東京都千代田区)なる会社の「買付依頼書」、またFX会社側からの3億円の「預かり証」を偽造するなどし、さらに10億円引っ張ったり、揚句、後藤氏に返済力があると信じ込ませるなどもしていたという。
「その後、後藤氏に偽造書類だったことがバレ、相当絞られたようです。いまや完全に京栄商事は後藤氏に乗っ取られたといってもいい状態です」(同)
このように、今回の件、基本的には後藤氏は被害者、京栄商事側が加害者ながら、そこは後藤氏、有名人だけに、当局は両睨みで内偵をしているようだ。
「後藤がカネを貸すんだ。法定利息内のわけがない。当然、違法な高金利に決まっている。それから、後藤は高額のドル紙幣をわが国に持ち込んでいるという情報もある。まさかとは思うが、そのドル紙幣は北朝鮮産のニセモノで、それを換金しているとも」(当局筋)
このため、これら裏づけを進めているというのだ。
東京都渋谷区広尾4丁目に、富裕層が住む広大な超高級マンション群がある。そのとある高層マンションの最上階に、後藤氏が出入りしているという部屋がある。
不動産登記簿を取って見ると、2000年5月、「一越ジャパン」(東京都港区)なる会社が取得している。同社はその後、「赤富士」に社名変更している。そう、赤富士といえば、前出・真珠宮ビルの件で後藤氏らが逮捕された際にも登場した会社で、かつて後藤氏の息子や後藤氏の側近Y氏などが役員に就いていた。
そして現在、その所有権は後藤氏の妻と思われる者に代物弁済を理由に移転している。
「その部屋など都内の複数の場所に、現金を隠し持っているとの情報があります」(同)
一方、変死した高橋さんの件だが、警視庁捜査2課は昨年11月8日、ホテルチェーン大手「アパグループ」(東京都港区)の関連会社に土地売却話を持ちかけ約12億6000万円を騙し取った件で、とりあえず、偽造有印公文書行使などで9人を逮捕した。そのなかの秋葉紘子容疑者が高橋さんに成りすまし、新橋の地上げで、高橋さんの土地を地上げ会社側に所有権移転させる虚偽登記を行っていたことが明らかになって来ている。
当局はこちらの方でも、着々と捜査を進めているようで、どちらの動向も気になるところだ。

奈良県は政治後進県か!?

今もいる元暴力団の組員議員

昨年末、関係者の告発により、今年4月、「日本維新の会」推薦で奈良県香芝市の市議に当選した鈴木篤志氏(44)が元山口組系山健組の組員だったことが判明した。

鈴木・香芝市議 新澤・高取町議

元組員の経歴を隠し、また前科もなかったことなどから、立候補時の身体検査をすり抜けたと思われる。
しかしながら、前科がなかった=特に問題ないとはならない。市議会事務局などに持ち込まれた「告発状」によれば、鈴木氏、現役時代から一昨年までデリヘルを無許可営業、輪姦、代紋をバックに公共料金の滞納、家賃未払いを長年続けていたという。
さらに現在は奈良市内で老人介護の会社を経営しているが、不正請求の疑いで強制調査を受けているという。
「県内を仕切る責任者に可愛がられ、矢面に立たされなかったので前科がないだけ。逆にそれに甘えやりたい放題。いまでは極潰しだと現役からも目の敵にされています」(地元事情通)
そんな者に、維新の会はなぜ公認を与えたのか?
一方、現在、奈良県高取町の町議2期目の新澤良文氏(50)は元山口組系臥龍会の組員。
「今も山健組の幹部と交流があります。服役は3回あり、殺人未遂で7年、暴行では1年入っています。全身入れ墨、左小指が欠損しています」(当局筋)
しかしながら、無所属で立候補し、ネット右翼の支持を獲て当選している。
この新澤氏はネットで知り会った48歳女性に交際を強要。揚句、傷害、器物損壊事件を起こし現在、警察が動いている模様だ。
そうかと思えば、天理市では16年8月、同市が誘致したメガソーラの業者選定を巡る入札情報漏えい疑惑で大阪地検特捜部が捜査に乗り出した直後、佐々岡典雅市議が自殺。
同利権を巡っては、地元の山口組系倉本組も関与、そして佐々岡市議は歴代の同組長と懇意と見られていた。
11地元の古老によると、奈良県では暴対法施行(92年)までは現役の幹部が市議などに就くことは珍しくなく、現在もかなりの元組員が議員をしているという。新澤町議は不明ながら、鈴木市議は約4年半前まで現役だった。当局は、5年間は偽装の可能性もあると見て堅気とは見做していない。

香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その177)

官邸の守護神と激突する検察特捜部の正義

昨年12月、東京―名古屋間を約40分で結ぶリニア中央新幹線の工事を巡って、受注金額の漏えいやゼネコン間で談合が浮上。偽計業務妨害や独占禁止法違反を視野に、東京地検特捜部が大林組など、大手ゼネコン4社を強制捜索に乗り出した。すると大林組は、談合を認めて公正取引委員会に、自ら申告したのだ。
そしてJR東海も事前に大手ゼネコンに「上限価格」を漏らしていたことを認めている。JR東海にも公務員同様の守秘義務があり、捜査が拡大されてゆく模様だ。
だが、東京地検特捜部は、「もっと上」に狙いをつけているという。そこにもう一つの事件がリンクしてくる。
東京地検特捜部は、大林組への捜索直前にペジーコンピューティングの斉藤元章被告を逮捕した。容疑は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から助成金をだまし取った詐欺容疑だ。
斉藤被告の経営する会社の顧問は、元TBS記者で官邸の「御用記者」と呼ばれ、女性ジャーナリストから「準強姦」の告発を受けている山口敬之氏だという。
官邸に「顔が効く」山口氏が斉藤氏と国関連の法人との面談などに立会い、同席していたようで、
「安倍政権のPRマン山口氏。国の関連法人に対して官邸を背景にして、圧力をかけ忖度させていれば、斉藤被告の共犯の疑いがある。警察はもみ消せても検察は違う」(検察関係者)

森本宏・特捜部長

と山口氏と斉藤被告の関係についても捜査し「もっと上」に切り込むというのだ。
そして話をリニア事件に戻す。JR東海は当初、リニア中央新幹線は自前の資金で開通させるとしていた。だが2016年、国が3兆円を財政投融資から貸し出すことを急きょ、決定。安倍晋三首相とJR東海の名誉会長、葛西敬之氏とは非常に近い仲であることは周知の通り。また、「自首」の大林組とは、安倍首相が2017年11月に大林武郎社長の親族に出席するほどの関係。
ここからも「もっと上」を検察が狙うという。そこに、検察内部の事情も絡んでゆく。
2016年1月、甘利経済財政政策担当相(当時)が千葉県の建設会社の依頼で都市再生機構(UR)に「口利き」。本人や秘書が現金を受領していた疑惑が明らかになった。
東京地検特捜部も告発をうけ捜査に乗り出したが、甘利氏どころかその秘書にも届かずに捜査は終結。その際「捜査を止めた」とされたのが、黒川弘務官房長(当時・現事務次官)だ。
「昨夏、黒川氏が高検検事長に転身かとみられたが『黒川君は事務次官だろう』と待ったをかけたのが官房長官の菅氏だった。甘利疑惑を潰した功績からだろうね」
と自民党の閣僚経験者は内幕を明かす。
官邸の「守護神」となっている黒川氏。しかし、検察内部の評判は最悪だという。
「黒川氏は菅氏ら官邸の力で、検事総長の椅子を狙うなんて政治介入だ。検察内部では黒川氏と同じ35期で、共謀罪法案を法務省刑事局長として乗り切った林真琴氏が次期総長候補」(検察関係者)
今回のリニア事件、ペジー事件をきっかけに、林氏が黒川氏に逆襲を仕掛けるとみられているのだ。
「森本宏特捜部長は、林氏と近く『甘利氏は規制改革の担当大臣経験者で、あれを立件しなくてなんのための特捜だ』と黒川氏の甘利疑惑つぶしに怒っている」(検察関係者)林―森本ラインで黒川―官邸ラインに対抗するという。
だが黒川氏に近い筋から、「大林組の申告で事件は終わった」とも聞かれるというからあきれる。
これが事実なら、大林組は「逃げ得」だ。本紙川上は過去、大林組が大阪大学の研究機関に裏金を上納していた問題などリポートしてきた。それ以上に大林組とは、語りつくせない因縁がある。
2001年、本紙川上は大阪高検公安部長だった、三井環氏の表に立ち検察の裏金疑惑に迫っていた。三井氏は、検察裏金を追及しようと決死の覚悟で告発状を書いた。
ターゲットは、当時大阪地検検事正、加納駿亮氏。裏金を得るために、公文書を作成、行使した、虚偽公文書作成・同行使などの罪名で川上が高知県警と兵庫県警に刑事告発。
しかし、三井氏は検察裏金をテレビインタビューで告発する直前に逮捕、実刑判決が確定。服役を余儀なくされた。
一方、加納氏は、福岡高検検事長に「栄転」。退官後は、大学教授や大阪府顧問など、数々の要職を務めた。そして大林組顧問弁護士にも就任。
過去、大林組は2004年の和歌山県談合事件、2007年の枚方市談合事件でも深くかかわった。ウラで大林組の組織防衛のために「暗躍」していたと川上は多方面から聞かされた。
2度も、大林組は痛い目にあいながら、また談合に手を染めた。今回は、自ら公正取引委員会に駆け込むという、素早い立ち回り。また、加納氏が関与しているのであるならば、許しがたい。

中部管区警察局・前監察部長に期待

香川県警と若林組の癒着に捜査のメスを

河合信之本部長

平成30年は日本の歪んだ背骨を正す年だ。いよいよ始まるオリーブ・オペレーション炸裂の年!
今月の日本タイムズは創刊してちょうど26年になる。
本紙川上は「オオカミ少年」、いや「オオカミおっさん」と揶揄されて15年近く経った。
平成9年の拳銃、平成12年の鉄パイプ、そして平成18年には六代目山口組司忍組長の教唆による拳銃の襲撃を本紙川上の家族は受けたが、全て未解決。本紙川上は事件の真相(解決)を求めて本紙に15年近くも日本の捜査権力に期待して記事化した。その想いを冒頭に記した。
今(1)月5日付四国新聞に目を通して欲しい。
《警察庁は4日、県警本部長の千野啓太郎氏(52)を警察庁長官官房付に異動、後任に中部管区警察局総務監察・広域調整部長の河合信之氏(54)を充てる人事を発表した。発令は14日付。(中略)
新本部長の河合氏は1987年警察庁採用。警備局災害対策室長や刑事局国際捜査管理官などを経て、17年5月から中部管区警察局総務監察・広域調整部長。国税庁に出向し、高松国税局で課税部長として勤務した経験も持つ。…》
オリーブ・オペレーションがやっと来た。期待したい。

徳島新聞と遠藤彰良市長が「結託」

本紙の徳島名物阿波踊り「荒稼ぎ」の記事

遠藤彰良市長

すでにお伝えした通り、徳島市観光協会の近藤宏章会長が遠藤市長を「脅迫」などの容疑で刑事告訴している事件。徳島地検は告訴を受理、捜査がいよいよ大詰めに迫ってきたようだ。
「12月になって急ピッチで捜査が進みはじめた。近藤会長ら関係者が続々と徳島地検で事情聴取。12月20日頃までには、ほとんどの関係者の聴取が完了。12月下旬まで、徳島市議会があった、遠藤市長と豊井泰雄副市長だけを残すのみのようです」
と徳島市関係者は話す。
「遠藤市長は捜査を恐れたのか、地検に上申書を出して聴取しないようにと求めているとも話が飛び交っている。いつ、遠藤市長が徳島地検から呼び出しを受けて、事情を聴かれるのか、一番の注目となっています」
と地元マスコミ関係者。
そして、本紙既報のように、徳島市観光協会は、徳島新聞の米田豊彦社長、吉村昇事業局長を「特別背任」容疑で刑事告訴した。米田氏らは、徳島市観光協会の理事でありながら、徳島市観光協会の手掛けてきた阿波おどり会館と眉山ロープウエー事業などの指定管理者に公募して、選ばれたことが問題だとしているのだ。

徳島市役所

どちらの事業もこれまで徳島市観光協会が手掛けてきた。そこに徳島新聞グループが割って入った格好だ。2人は、指定管理者公募の前日、9月21日に徳島市観光協会に辞表を提出。
「公募を知りながら直前まで理事を務め、協会に損害を与えたのは背任行為だ」
と徳島市観光協会はそう訴える。
そして徳島新聞が地元でさらなる「痴態」をさらしていることもわかった。阿波踊り実行委員会の関係者が、
「こんなアホなやつが阿波踊りの中核にいたとは、情けない」
と嘆きながら数枚の紙を差し出した。
徳島市観光協会の近藤会長に宛てた〈第4回阿波おどり実行委員会 開催案内について(抗議)〉という12月15日付の文書。
差出人は、米田氏。阿波おどり実行委員会委員長の肩書となっている。
12月20日に阿波おどり実行委員会が予定されていた。それについて〈何の相談もないうえ〉召集され、無効だと訴え〈独断を横暴ぬりは決して看過できるものではない〉と抗議しているのだ。

徳島の阿波踊り

一方で、米田氏と吉村氏は9月21日付で徳島市観光協会の役員を辞任する届けを出している。3か月近くも前に辞めたにもかかわらず、抗議というから、摩訶不思議。
「規約から、徳島市観光協会の役員でない時点で実行委員会からも外れます。9月に辞めているのになぜ12月になって口出しするのか。独断、横暴はトクシンの方ですよ」
と徳島市観光協会の関係者はあきれ顔。さらに、こう続ける。
「米田氏らは、阿波おどり実行委員会を開催させたくないがため、予定されていた会合について〈開催無効のご案内〉という文書を委員たちに配布。少なくない委員は、トクシンの圧力を恐れて、出席を取りやめ流会。阿波踊りをよくしようという話し合いを、圧力かけてやめさせる。恥ずかしくないのかな」。
昨年夏の阿波踊り、徳島市観光協会の奮闘もあって、約2000万円の黒字。本紙や全国ネットのテレビ、「週刊現代」などで徳島新聞の「荒稼ぎ」があれほど批判されたにもかかわらず、ボランティアスタッフと同程度の仕事を、自社の社員にやらせ、
「約5万円をアルバイト代として社員に支払ったと、トクシンは徳島市観光協会に請求してきた。トクシンがいなければもっと黒字が出たはず。
これまでの累積赤字も4億円あまりと巨額になっていない。トクシンが阿波踊りを私物化している証明です」(徳島市観光協会関係者)
徳島新聞にも、検察のメスが必要ではないのか?

 

【本紙の締め切りのタイミングで、徳島地検が遠藤市長を不起訴(嫌疑不十分)にしたとの話が届いた。近藤氏は検察審査会に申し立ての意向を示している】

今春も先生が大量退職の噂

教育は「そっちのけ」の明浄学院

大橋美枝子理事長

つい最近のことだという。
「川上は今、執行猶予や。うちが告発したから、次は逮捕されるぞ」、とぶっそうな声が鳴り響き、部屋にいた人たちは怪訝そうな表情。
声の主は、明浄学院高校 入試広報部長の東祐大郎氏。
東氏が名前をあげた川上とは、もちろん本紙・川上のこと。
「明浄学院が日本タイムズの川上さんを刑事告訴したとの記事を東氏が読み、そんな発言になったようです。告訴の受理がされたのかも、明確でないのに教育の場で逮捕と大声で話す。聞いていた人たちは、みんな眉をひそめていた」(明浄学院の関係者)
東氏に申し上げておくが、本紙・川上の経験から、刑事告訴・告発の受理は容易ではない。昨年7月、森友学園の籠池夫妻が大阪地検特捜部に逮捕されたのは、川上の告発であった。受理は、事件着手寸前。それが一般的のようだ。この記事でわかるように、本紙・川上は日本タイムズ締め切り時点で、逮捕などされていない。
教育者たるもの、高度な清廉性が必要と本紙は訴えてきた。軽々しく教育の場で「逮捕」と騒ぎ立てることの方が教育的に、問題ではないか、生徒に悪影響を与えるのではないかと、申し添えておこう。
本紙で追及してきた明浄学院の問題。そのきっかけは、暴力団関係者の学校介入であり、その混乱に嫌気がさした多くの先生たちが昨年3月末で、学校を去ったことであった。中には「恫喝」まがいの圧力で退職を余儀なくされた先生もいた。
「今度の3月末も、かなりの先生が辞めそうですね。10人くらいは学校を去ると思います。辞めさせられた先生の一部が法廷闘争しているので、今年は圧力ではなく年俸制にして、反執行部とされる先生の給料を下げる戦術とウワサになっている」
と先の明浄学院関係者は打ち明け、具体的な名前もあげた。ある先生の一人は、
「就業規則に年俸制なんて書かれていなかったはず。高給がほしいわけでなく、最低限の生活が維持できる金額がないと、続けられない。先生の給与を下げるなら、校長以下執行部も下げるべきだ」
と不満げにいう。
本紙が入手した昨年4月に作成したとみられる〈年度別教職員給与連絡表〉によれば、当時副理事長の大橋氏は月給70万円。校長の本俸が35万円ほどゆえ2倍だ。ほとんど姿を見せない、学校法人の理事にも5万円が支払われている。
「問題になっている株式会社明浄。学校の備品など、あちこちに入り込み稼いでいるようだ。入試広報は明浄グッズを布袋で配っていたのが、紙袋に変わった。布は100円もしなかったのに、紙は2倍以上で株式会社明浄の仕切りだとも聞かされた」
これが事実なら、学校の金で特定の人物を儲けさせることにならないか?
昨年3月末、予期せぬ先生との別れで生徒たちは涙にくれた。本紙でも取り上げた、バスケットボール部顧問、濱口先生も急に学校から消えてしまい、今も悲しみに明け暮れる生徒やOGがいる。
またその再来となると、かわいそうでならない。一番の被害者は、生徒。だが、明浄学院の経営陣にはそんな声は響かないようだ。