2018年12月
- 目次
- 国滅ぶとも正義は行わるべし 安倍政権の終焉は片山大臣の告発か
- 事件屋に食い潰された郷鉄工(5)
- アクセスジャーナルを悪用した事件師に迫る
- 香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その188)
- 事件の発端は香川銀行の暴力団への不正融資
- 捜査が迫れば自殺を装い殺す 六代目山口組事務局長が消えた
- 百十四銀行の綾田頭取に問題
- 金融庁対策の意識で幕引きに終始
- 日本の法律は生贄が必要か?
- 犯罪を裁く法制度を整備すべき事態
- 反社が法廷で学校運営を認める
- 六代目山口組の母体・弘道会に睨み利かす寿和工業、清水一族
- 反社の明浄学院ナンバー2の大塚氏
- 大学野球部の部長?それはアウトでしょ!
国滅ぶとも正義は行わるべし 安倍政権の終焉は片山大臣の告発か
本紙11月号既報の通り、本紙川上社主による片山さつき参議院議員への告発は文字通り、世の中を震撼させた。47都道府県紙には、すべて掲載された。これは、片山参議にからむ疑惑に対する関心度が高いことを端的に示している。
片山さつき氏への告発状郵送
国税庁に口利き疑い
会社経営者から100万円を受け取り、この会社の確定申告に絡み国税庁に口利きをしたとして、高松市の男性が、片山さつき地方創生担当相に対するあっせん利得処罰法違反容疑での告発状を東京地検特捜部に郵送したことが24日、分かった。
告発状によると、経営者は税制優遇が受けられる「青色申告」が取り消されそうになったため、2015年に片山氏の私設秘書をしていた男性に働き掛けを依頼し、100万円を指定の口座に振り込んだ。その後、片山氏と面会し「じゃあ、やっておきますよ」などと伝えられたとしている。
片山氏は、「口利きも、100万円を受け取ったこともない」などと反論した。(2018年10月24日共同通信配信記事より引用)
それから20日後――。
川上は、二度目の告発に踏み切った。
二回目の告発は以下の通りである。
【告発状】
東京地方検察庁特捜部御中
平成30年11月14日
告発人日本タイムズ川上道大
被告発人片山さつき(参議院議員)
【第1告発の趣旨】
①被告発人は、公職選挙法に明白に抵触していることが思料されることから、刑法上の罰則を求める。
②被告発人は、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律に明らかに抵触していることが思料されることから、刑法上の処罰を求める。
【告発の事実】
①約3年前に出版した自書を広告宣伝した看板が、出身のさいたま市に設置された2016年1月より、(片山氏が)再選された同年夏の参院選期間中も撤去されていない。
さらに、さいたま市だけでなく、衆院議員当時の選挙区だった浜松市と、名古屋市にもさいたま市の場合とほぼ同時期において設置されていることがわかっている。
上記事実は、明白なる公職選挙法129条並びに147条の2に抵触する行為であり、熟慮の上、厳重なる捜査を望むものである。
②被告発人は、2015年6月、製造業を営むX氏の会社が税務署に青色申告を取り消されそうになり、旧大蔵省出身の片山さつき参院議員に“口利き”を依頼。片山事務所の南村博二秘書(当時)が面談に応じ、翌月、X氏は片山氏、南村両人が差出人の着手金依頼文書を受けた、という。
〈着手金100万円を、至急下記にお願い申し上げます。ご確認後、国税に手配させて頂きます〉
文面にはこう書いてあり、X氏は南村氏が代表を務める税理士法人に100万円の着手金を振り込んだ。同9月、X氏と面談した片山氏は「じゃあやっておきますよ。任せてもらえば大した問題じゃないから」「うまくいったら、100万円なんて決して高いものじゃないわよね」と発言したといい、X氏が11月に税務署職員と面談した際には、同席した南村氏に職員が「片山先生に渡してほしい」と言って書類を手渡した、という。
上記事項が事実とすれば、重大な斡旋利得を構成することは明白である。片山氏が国税局に影響力を持つ旧大蔵省出身であることを付け加えておく。
熟慮の上、厳重なる捜査を望むものである。
【第2罪名及び罰条】
公職選挙法違反(129条、147条の2)
公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律違反
ちなみに一回目の告発では、あっせん利得だけだが、そこに公職選挙法違反が加えられた。参考までに先月号でも紹介した一回目の告発状を掲載しておく。両者の違いが鮮明に浮かび上がってくるはずだ。この二回の告発がいわばワンセットとなる。片山参議告発の意図と先陣を切る意味合いがここに浮かび上がっている。
【告発状】
東京地方検察庁特捜部御中
平成30年10月24日
告発人日本タイムズ川上道大
被告発人 片山さつき(参議院議員)
【第1告発の趣旨】
被告発人は、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律に明らかに抵触していることが思料されることから、刑法上の処罰を求める。
【告発の事実】
報道を総合すると、参議院議員片山さつきは、2015年6月、製造業を営むX氏の会社が税務署に青色申告を取り消されそうになり、旧大蔵省出身の片山さつき参院議員に“口利き”を依頼。片山事務所の南村博二秘書(当時)が面談に応じ、翌月、X氏は片山氏、南村両人が差出人の着手金依頼文書を受けた、という。
〈着手金100万円を、至急下記にお願い申し上げます。ご確認後、国税に手配させて頂きます〉
文面にはこう書いてあり、X氏は南村氏が代表を務める税理士法人に100万円の着手金を振り込んだ。同9月、X氏と面談した片山氏は「じゃあやっておきますよ。任せてもらえば大した問題じゃないから」「うまくいったら、100万円なんて決して高いものじゃないわよね」と発言したといい、X氏が11月に税務署職員と面談した際には、同席した南村氏に職員が「片山先生に渡してほしい」と言って書類を手渡した、という。
これが事実とすれば、重大な斡旋利得を構成することは明白である。片山氏が国税局に影響力を持つ旧大蔵省出身であることを付け加えておく。
熟慮の上、厳重なる捜査を望むものである。
【第2罪名及び罰条】
公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律違反
つぎに、以上、2回に渡る告発を経て、3回目に川上は、さいたま地検に告発をする。
片山さつき大臣をさいたま地検に刑事告発
さいたま市や静岡県浜松市、愛知県名古屋市に著書の宣伝看板を無許可で設置し、公職選挙法に触れる疑いが浮上している片山さつき地方創生担当相。
片山氏は、11月21日の衆院内閣委員会で、3カ所の著書の広告看板が所管地域の「許可を得ていなかった時期があった」と条例に反していたことを認めた。
それに対して、東京都の男性が、さいたま市の看板をめぐって、片山氏をさいたま地検に刑事告発したことが、わかった。
告発状によると、さいたま市屋外広告物条例では、屋外に広告の看板を設置する際には市長の許可が必要だ。片山氏は、それを許可を得ず、2年以上に渡って設置していたことが、条例違反だとしている。さいたま市屋外広告物条例には、罰則規定が定められており、
「2年以上、条例に反する状態で掲げられていた。国権の最高機関を構成する国会議員としてはあるまじき行為である」
として、厳重な処罰を求めている。
さいたま市によれば、片山氏の広告看板は、さいたま市屋外広告物条例施行規則で定められた、看板の大きさについても条例に違反していたという。
先の告発状でも、そこに触れられている。さいたま市によれば、
「許可がない条例に違反している状態でしたから、看板が立っている場所の所有者に連絡して是正をお願いした。今は、真っ白になっているので、屋外広告ではないという判断です」
という。
さいたま市の内部資料でも〈罰則規定がある〉と記され、罰金もしくは1年以下の懲役という罰則規定があるという。
告発状を提出した、男性はこう話す。
「片山氏もしくはその関係者が『条例に違反していないことにしてほしい』などと、さいたま市に持ち掛け、もみ消し工作のようなことをしていたと聞き看過できないと思った。片山氏は条例に違反していることがわかってからも、さいたま市の看板はしばらく放置。反省がまったく感じられない、非常に悪質だと思い告発した」
告発状について片山さつき事務所に問い合わせたが、期限までに回答は得られなかった。
(アエラドットコム2018年11月26日記事より引用抜粋)
1回目並びに2回目が、セットでカウンター、本紙社主川上のいわば位置づけを決定し、上記3回目で、刑事告発としてはいわばトドメ、となる。川上による連続告発は、今や完全に民度を捉え、いわば、国民総意の旗印となった。
片山疑惑の決定版――――。
今までまったく巷間に晒されていない、片山参議の知られざる疑惑がある。
帝国ホテルの脇に立つオフィス棟はインペリアルタワーと言われ、オフィス需要においては垂涎の存在だ。このビジネスタワーに、2011年3月に起きた東日本大震災の直後、ある会社がテナントとして入り、発足した。会社の名前は「イー・サポート」、という。この会社の発起人は、何を隠そう南村博二氏である。
南村氏は、今さら説明の要はないが、片山参議の元私設秘書であり現税理士である。川上による最初の2回の告発における主役の一人である。この南村氏が、2011年当時、片山さつきの名前を掲げて、「イー・サポート」を立ち上げる。この会社の趣旨は、大震災により住宅を失った人たちに住宅を供給するための資金を集める、というものだった。
同社関係者が言う。
「片山氏や南村氏は、やはり最初は華々しい方がいいということで、家賃も馬鹿高いインペリアルタワーに無理矢理オフィスを構えたのです。関係者は、皆、『震災被害者救済の会社なんだから華々しくなくてもいいだろう』と、インペリアルタワー入居には呆れて反対しましたが、片山氏や南村氏は、強行に入居を決めてしまったのです。
私は彼らの見栄っ張りのとばっちりを受けました。なんとそのインペリアルタワーの最初の家賃を支払わされたのです。一ヶ月108万円ですよ!」。
しかし、肝心の事業は一向に伸びなかった。華々しいとはほど遠い、まさしくお寒い有様で、結局、一戸の住宅ひとつ供給できなかったというのだ。
「トホホ、ですよ、まったく。私は、二ヶ月目からも家賃を払わされては堪らないので、インペリアルタワーから退去をすべきだと、強く主張しました。しかしながら彼らは一切耳を傾けようとしない。だから、私は思い切ってインペリアルタワーを引き払い、岩本町(秋葉原の近く)にオフィスを移転したのです。大きな会社でもないのに、それで十分でした」。
しかし、それでも、住宅供給の資金は一向に集まらず、やがて会社は自然消滅的にフェードアウトしてしまったのだ。
「一体アレはなんだったのか。今から思えば、被災者の住宅供給をダシにした金集めだったという気がしてきました」。
盛んにいわれている口利き疑惑を見ても、そう思われても仕方ないとしか言い様がない。
これは、その5年後に発生した熊本地震でも使われている。片山参議は、熊本の被災者の元に震災直後すっ飛んでいって、知己の社長に会いに行っているのだ。
さらにこの関係者は、南村氏から金を引き出さされている。
「南村氏が当時、組合のようなものをやっていまして、よろず相談所みたいな組合ですが、もちろん、片山さつき氏の私設秘書ということを前面に出した上での組合ですよ、南村氏では組合員は集らんでしょう。私も当時事業場の問題がありましたから、事のついでに南村氏に相談したのです。そうしたら、その組合に入れ、と。入ったらたちまち解決する、と。そんなこんなで、10万円支払って組合に入会したのです。
そして、私の問題の発生地に南村が早速行ってくれたはいいが、全然、役に立たず、ただ行っただけ、という結果に終わりました。それきり、その組合も知らないうちに解散のようなことになってしまいました」。
どうしてこうもやることなすことが中途半端になるのか。この「イー・サポート社」と南村氏の組合の件は、片山参議のいわば特徴的顛末のようである。
片山さつき参議の重大なる役割――――。
川上がこだわる片山参議への告発には、実は大きな意味がある。それは、片山参議が、安倍政権の重大な〝ツボ〟ということにある。
ある与党関係者のはなし。
「片山氏は、安倍政権の急所といっていい。それは、誰も気付いていないことだが、片山氏はいわゆるモリカケ事案のキーマンと言われているのです。それは何故か。
片山氏は、あの森友問題の主役である、佐川(宣寿)前国税庁長官と大蔵省同期なんですね」。
こうなるともう言わずもがなであろう。
片山参議が、安倍政権における〝ツボ〟といわれる由縁である。つまり、川上の波状的刑事告発は、実に重大な意味を持つのである。
辞任に追い込まれた財務省の福田淳一次官(58)は、省内で出世コースとされる主計局の枢要ポストを歩み、社会保障関連などの目玉政策を手掛けてきた。社交好きで、早くから出世頭として頭角を現した一方、偉ぶった態度を懸念する声も上がっていた。
東大法学部を卒業後、一九八二年に佐川宣寿前国税庁長官(60)や自民党の片山さつき氏らとともに大蔵省(現財務省)へ入省。異色の人材を集めた採用だと当時から注目された。入省後も、神奈川・湘南出身のサーファーで、マージャンや洋楽を楽しむ「お堅い財務官僚らしからぬ」(与党関係者)スタイルで交友関係を広げた。
社会保障関連予算に詳しく、消費税率10%への増税に道筋を付けた「社会保障と税の一体改革」の取りまとめに尽力。東京電力福島第一原発事故の対応を巡る他省庁との折衝などを通じて徐々に「霞が関のキーマン」として存在感を増した。
ただ、官房長や主計局長と出世の階段を上るにつれ、仕事面でのこだわりが薄れていくように見えたとの声も。省内では「政治家の前でも横柄に映る」(財務省関係者)姿勢に不安を漏らす職員もいた。昨年七月に事務次官に昇格。森友学園問題で財務省解体論すら渦巻く中、指導力を発揮することもないまま、自らのスキャンダルで行政全体の信頼をおとしめた。
八二年入省のキャリア官僚では九〇年代の大蔵接待汚職で逮捕者も出た。今や省内では「呪われた八二年組」と評される。福田氏らを採用した当時の蔵相を父に持つ渡辺喜美参院議員は今月十二日の参院財政金融委員会で「本当に情けない」と批判した上で、こう言い放った。「政治家や役人は、金も女も権力も満点になったやつは失脚するんだ」(東京新聞2018年4月19日記事より引用抜粋)。
片山参議告発は、安倍モンスター政権打倒の必定なのである。
事件屋に食い潰された郷鉄工(5)
アクセスジャーナルを悪用した事件師に迫る
これまで本紙・川上が追及してきた、岐阜県の上場会社だった郷鉄工所をめぐる問題。さまざまな勢力が介入し、手が付けられない状況になってしまった。
本紙・川上も取材を深めるにつれ当初、想定していたことと真相が違うことに気が付いた。2017年9月に経営破綻、上場廃止となり処理が進む郷鉄工所。その中で、確定的な事実があったことを、反省を込めて書いておきたい。
2017年12月、大津地裁が郷鉄工所のインターネットの記事に「削除せよ」との仮処分申請を認めた。郷鉄工所に融資、工場跡地を買収していた朝倉応水氏について、ジャーナリストの山岡俊介氏が主宰する「アクセスジャーナル社」が掲載した
〈工場土地を格安で入手
「郷鉄工所」倒産で焼け太り債権者の正体〉
という記事に対してのものだ。
アクセスジャーナルの記事や、朝倉氏の申立書など裁判資料によると、郷鉄工所の工場の土地、26憶9戦万円ほどの鑑定評価額のものを17億5千万円で買ったことを「焼け太り」と報じている。また朝倉氏が「(松尾隆からみで)反社会的勢力と関係しているように読める」記述もあると主張している。
「山岡氏は、答弁書を出し反論してきました。しかし裁判所は記事が真実ではないと、削除の仮処分を認めました。
私は郷鉄工所に3億1千万円を超す融資をしていた。17億5千万円で土地を買ったが、事前に銀行側が取り寄せた鑑定評価額は17億。消費税など加算されてその金額になった。
郷鉄工所が再建すれば融資も回収でき、いい会社に復活をと願ってのものです」
と朝倉氏は言う。
山岡氏の記事で銀行から融資が止まり、銀行業界への悪影響は計り知れない。被害は甚大だとも主張する。
一方、アクセスジャーナルの2017年9月29日付の当該記事のカウンターはこの記事執筆段階の、11月末時点で30万件を超えている。
「30万件のアクセスがいつ何件あったかわからないが、私の記事で利得を得ていたということになる。記事は削除されたがインターネットでまだ残っているものがある。山岡氏は『記事を仮に削除しました』と書いている。また記事を復活させるのか。私の弁護士に確認したが裁判所の仮処分決定に、山岡氏が不服申し立てを行っている気配はない。私は、銀行取引も再開できておらず、不動産の仕事には致命的なダメージ」
と朝倉氏は話す。
そんな中、山岡氏の記事に裁判所が削除を認めているにもかかわらず、「焼け太り」などと同じ趣旨のものが、新たにK新聞から掲載されているという。
朝倉氏によれば、
「金払えば削除してやる」
との話(M氏から)もあるそうだ。記事に偽装した恐喝、脅迫ではないか? 許しがたい話である。
本紙・川上も朝倉氏の怒り、主張に対して、真摯に耳を傾けなければならない点がある。
ただ、山岡氏も記事に問題があったことは、理解しているそうだ。ならば裁判所の決定が下され、異議を唱える行動もしていないのなら、「仮に削除」などとせず、事実に基づいた記事で、挽回してほしいと願ってやまない。
香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その188)
事件の発端は香川銀行の暴力団への不正融資
先(11)月29日で、本紙川上の家族が団欒している二階の居間に拳銃を発砲されてから21年が経過した。この発砲事件は犯人が特定されているにも関わらず未解決・捜査放棄のままなのである。
平成9年夏、香川銀行が井坪建設へ不正融資(暴力団若林組に迂回)したとの情報提供があった。志度町の土地開発に融資。国道沿いのパチンコ屋から進入する道路の買収も終えず、田・畑の転用許可も得ずに香川銀行から融資されたとの情報があった。
本紙川上は当然に、寒川町の法務局で謄本を求め、農業委員会には農地転用の手続きなどの進み具合で取材に入った。当時の四国タイムズに連載して記事化した。
平成9年11月29日夜10時30分、山口組若林組の川原豪組員が香川県警腐敗警官から提供された拳銃トカレフで襲撃を開始。5発目が暴発して犯人は右手首を損傷し、頓挫。
捜査が迫れば自殺を装い殺す 六代目山口組事務局長が消えた
本紙川上に先月初め、裏社会に詳しい人からこんな情報が入った。
「六代目山口組の事務局長が外されたよ。姿が見えんちゅうから、消されたんかも分からん。あんたも身辺には気を付けてよ」
なるほど、香川県警腐敗警官と癒着していた二代目若林組の篠原重則組長は、六代目山口組の事務局長を外されたのか。そもそも篠原組長は、六代目山口組の慶弔副委員長兼事務局長などのポストを務められる人物ではない。
この人事は、六代目司忍組長の保身の術だ。本紙川上が平成16年晩夏に、若林組関係者と共に山口組五代目の渡辺組長を使用者責任で神戸地裁に提訴した。その時、五代目渡辺組長の提訴だけの取り下げを盛力健児会長が交渉に来た。その交渉に、若頭補佐だった司忍組長が不満を持った。
「我がだけの保身で取り下げ交渉をするとは、ヤクザの風上にも置けん。盃を交わした親なら篠原を庇わないかんが」と、当時は弘道会の会長だった司忍組長は言っていたようだ。
ならば、六代目山口組の「慶弔副委員長兼事務局長」のポストを二代目若林組篠原重則組長に与えること事態が、六代目司忍組長の保身ではないのか。
こんな話も、聞いた。
「篠原組長は警察に逮捕されたら、なんでもペラペラ喋る。六代目が刑務所に行っとる間にあんたを殺しとけという話もね」
なるほど、本紙川上も納得がいく。
さらに、こうも。
「事務局長を外されて、姿が見えんちゅうのは、消されたかもわからんね。捜査が迫ってきたら自殺に見せかけて消してしまうのは暴力団の常套手段だからね」
そう言えば、平成12年1月29日夜に発生した本紙川上が運転する家族同乗の車を覆面した山中敏勝が鉄パイプで襲撃した事件。これも香川県警腐敗警官が共犯者で、捜査段階で替え玉3人を登場させて事件を偽装し、香川県警腐敗警官が関与しているのを隠蔽した。
もっとも、この事件は平成15年に高松地検の特別刑事部(徳久正部長検事、恒川由里子検事、曽根英雄検事)が、香川県警ぬきで捜査をやり直し、すでに「Xファイル」が出来上がっているようだ。
本紙川上が、ネバーギブアップ、諦めずに日本タイムズを発行し続けてこられたのも、捜査権力の良識派の取り組み動きを信じられたからこそなのである。
平成15年夏、小泉純一郎首相が兼元俊徳内閣情報官からの報告を受けながらオリーブ・オペレーションを立ち上げてくれたおかげなのである。
日本は変わる。感謝である。
百十四銀行の綾田頭取に問題
金融庁対策の意識で幕引きに終始
香川県の百十四銀行の女子行員へのセクハラ不祥事は、先々月の10月1日発売の月刊誌『ザイテン』に掲載されて大きな波紋を広げている。
〈…セクハラ行為があったのは、今春に行われた百十四銀と主要取引先首脳との会合の席。現場に同席した百十四関係者は、渡辺会長に加え、執行役員で本店営業部長(当時)。会合の途中、20代の女性行員が呼ばれ、その現場で女性行員は出席者からセクハラ被害に遭ったというもの。疑惑の中心にいるのは、百十四銀行の代表権者、他ならぬ渡辺智樹代表取締役会長その人である。…〉
この記事は、監督官庁の金融庁にも影響をもたらし、綾田裕次郎頭取は火消しというか幕引きに奔走する事態となった。
実は、この記事内容が本紙『日本タイムズ』に投書されてきたのは7月17日であった。
本紙川上は「百十四銀行の改革を促すように」と主要取引首脳に投書の事実を伝えた。
というのは、本紙川上が百十四銀行に少なからず配慮する経緯は、昭和53年に香川県知事に立候補した大野功統氏、昭和57年に同知事選に自民党から立候補した前田敬二氏、綾田整治元頭取、それに四国タイムズ当時に本紙川上を重要視してくれた北山常務らへの気遣いでもあったのだ。
例えば、故・綾田整治元頭取は、百十四銀行坂出支店の松本支店長を本紙が扱えば即、左遷。北山常務は、田町支店長の四国タイムズ受け取り拒絶の返却に抗議した本紙川上に、
「あなたの感性で百十四に注意する事があれば、遠慮なく指摘してください。組織の改革は内部からでは難しく、外部から怒鳴られて始めて手が付けられるものですから」。
どうであろう。こういう経緯から本紙川上は、所要取引先首脳に改革を促してほしくて忠告したのである。
本紙川上は綾田裕次郎頭取に言いたい。「不祥事もみ消しを主要取引先に偽装工作を依頼するべきではない」と。
日本の法律は生贄が必要か?
犯罪を裁く法制度を整備すべき事態
名古屋市中区のマンションで、東邦ガス株式会社という中部地区を代表する大企業が、9年前にガス給湯器の工事をする際、メーカーの説明書としては、
「このような場合にはこの工事を行わないでください」
と注意書がされているのを承知で室内にガス給湯器を設置した。
天井に排気筒を這わせて外に排気する工事で、注意書によれば、排気筒は7㍍以内で曲りは3曲り以内の条件を越えれば将来一酸化炭素中毒事故の原因になるので、工事が出来ないとの注意書をしている。しかし、この注意書を無視して施工されたのだ。
このマンションでは、9㍍以上6曲り以上ある部屋も多く、しかも最後の排気口は窓に向けて天井から下げて排気しており、煙突が下に向いているという呆れた杜撰な工事がされている。
しかも、この工事費全額を東邦ガス株式会社が負担したと言うので、更に驚愕である。それは給湯器代金約800万円分の販売に対し、この工事代金を工事業者として子会社に1700万円を支払い、合計約2500万円を支払ったと、この会社は証明している。
これらは株主に報告すらしていないのであろうが、取引方法も工事方法も問題であり、しかも当時この会社が法的な監督者であったのだから、異例中の異例であることは言うまでもない。
そこで、これらの工事をして8年を経過すれば一酸化炭素中毒事故が多発するとされており、この事故が起きれば生命に関わる大事故が確実に発生するのである。これらの事実を、これら工事の監督機関である経済産業省・メーカー・警察・裁判所に、証拠を添えて報告しても、「現在の法律では。事故が起こらないと、何も出来ない。」と担当者達は嘆いているのだ。
ストーカー殺人も、隣人問題からの殺人や予告された事件も、被害者が出て初めて法的機関が動く。結局「生贄」が必要なのか。
このマンションの住民も、東邦ガスと協力関係にある管理組合によって危険の告知や警告を一切させない。そのため何も知らない住民の誰かが「生贄」になるまで知る権利すら剥奪されたままである。
これは事故ではなく、故意に仕組まれた犯罪被害者なのではないか。そして、これら犯罪者は被害者が出るのを知っており、事前に予告されれば隠したい犯罪がバレるのを恐れ、単なる事故で済ませるために何もしない、これこそ「未必の故意」という殺人犯罪だ。
子供が犠牲になるかもしれないのに、平気でいられる彼らの神経を疑うべきか、犯罪者とはこのような卑劣な者なのか。日本の司法が問われる事態が迫っているのは、ゴーンの逮捕劇からも読み取れるのではあるまいか。
反社が法廷で学校運営を認める
六代目山口組の母体・弘道会に睨み利かす寿和工業、清水一族
名古屋地裁の法廷で証人に示された新聞記事。国松長官銃撃事件とともに、平成の未解決事件の一つ、1996年10月に起こった御嵩町柳川町長襲撃事件を報じたもの。証人は、
「知っています」
と即座に答えた。
11月22日、名古屋地裁で開廷された民事裁判。名古屋市の私立名進研小学校と創業者、豊川正弘氏の一族が地位確認などを求めて提訴しているものだ。
有名中学校への進学を目標にした私立小学校という全国的にもあまり例がない名進研小学校。2012年に有名学習塾の名進研を築いた豊川氏が「塾が必要ない小学校」を目指し開校。
だが、2014年3月に豊川氏と反社会的勢力と関係がある人物との交際が明るみに出て、辞任。その後、豊川氏の娘、池田実結子氏が理事長に就いた。その後、理事で名古屋市の医療法人としわ会の理事長(当時)清水利康氏が中心となり池田氏を解任して、自ら理事長となり「反社会的勢力との決別」と2015年8月に記者会見。現在の民事訴訟は、その解任につき有効性などが争われている。
当時の報道からも、清水氏は反社会的勢力に立ち向かう“救世主”だったことがわかる。裁判でも名進研側はそう主張し、豊川氏一族を解任した正当性を訴える。
だが、冒頭に書いた柳川町長襲撃事件の新聞記事が証拠として出され、それを名進研側が認めたことで、清水氏の方こそ、反社会的勢力と密接な人物であることが証明された。今も名進研小学校が反社会的勢力と密接な関係にある可能性が高いこともわかってきた。
1996年10月、岐阜県御嵩町の柳川町長は自宅マンションで2人組の男に襲撃され生死をさまよう重傷を負った。当時、岐阜県可児市の産廃業者、寿和工業が東洋一とも言われる、大規模な産廃処理施設を計画。だが、柳川氏は環境への影響などから、住民投票で是非を問う方向性を打ち出していた。そんな時に襲撃事件は起こり、寿和工業が事件の背後にいるのではないかと、疑われていた。
その後、柳川氏の自宅を盗聴していたと2つのグループが逮捕された。少なくとも約1億5千万円のカネが寿和工業から山口組弘道会の元組員や密接交際者の2つのグループに流れていたことが捜査で判明した。
寿和工業への疑念は深まり、産廃処理施設の計画は断念に追い込まれた。柳川氏は木曽川の水と流域の環境を守った。
前出の清水氏は、柳川氏の襲撃事件や盗聴犯への現金授受があった時、寿和工業の取締役。カネで寿和工業が六代目山口組の出身母体、弘道会を自在に使っていたことが後の裁判で明らかになった。反社会的勢力を「カネで使う」清水氏が、学校法人の理事長に就任して「反社会的勢力と決別」とは漫画のような話だ。
この日の法廷で、とんでもないことが明らかになった。名進研小学校が探偵を使い、傍聴に来ていた人を尾行していたと認めたのだ。
「保護者が傍聴に来ていると聞き、探偵を使って尾行した。当時、怪文書などがまかれ、子供たちの安全のためだった」
と名進研側の証人は理由を述べた。その後、森田圭介理事長は、自分で名古屋地裁に保護者が来ているか、下見までしていたと言い
「事前に探偵が尾行することを知っていた」
と信じがたい証言をした。
裁判所は公平さが原則。それを国民が確認、チェックできるように、開かれているものだ。基本、法廷の出入りも自由だ。尾行目的で探偵が入るというのは、司法の理念を明らかに逸脱。許し難い行為だ。
「尾行したが保護者はいなかった」
そう名進研側は答えた。
探偵が尾行目的で裁判所に入り、尾行したことが問題で、保護者の有無は関係ない。
証言に立った池田氏は、理事長を辞めろと名進研小学校から脅されていたと述べ
「妹は脅されてPTSDを発症。私も柳川町長のように襲撃されるのかと、本当に怖かった」
と証言した。
柳川町長襲撃事件では、周囲への脅し、探偵も加わり尾行、盗聴していたことがわかっている。まったく同じだ。ヤクザが使う手法を学校法人が行っている。反社会的勢力にカネを渡し、操っていた清水氏が、関与している学校だ。池田氏が、襲撃を危惧する証言をしたのも、納得できる。
本紙・川上は2年前から大阪の学校法人、明浄学院を暴力団、反社会的勢力が支配しようとしている疑惑を追及している。それと同じ構図ではないのか。
名古屋地裁で、証人申請されていた清水氏が、どう反論するのか興味深く見ていたが、
「海外にいて出廷できない」
と名進研側の弁護士はそう答えるばかり。
現在は理事長からは退任しているという清水氏。だが税金投入される学校法人、医療法人には高度な清廉性が必須だ。本紙・川上は今後も名進研小学校や清水氏を追及してゆく。
反社の明浄学院ナンバー2の大塚氏
大学野球部の部長?それはアウトでしょ!
大阪の学校法人、明浄学院を追及して2年以上になる。反社会的勢力、暴力団との関係を是正しようとしない明浄学院。本紙2018年10月号で報じたように、絵面功二校長が
「日本タイムズに負けちゃった」
と“白旗宣言”の録音データも入手。どこかで、反省があるのかと思っていた。
だが、それはあっさりと打ち砕かれてしまった。明浄学院高校と同じ学校法人の傘下にある、大阪観光大学。これまでの本紙記事でも問題を指摘した、反社会的勢力との交際が写真週刊誌で2度、報じられている大塚哲也氏。
学校法人明浄学院の常務理事、大阪観光大学の教授という肩書を有している。それだけでも問題であることは言うまでもないが、大塚氏は大阪観光大学野球部の部長でもあるというのだ。
大塚氏の知人によれば
「大塚氏は学生時代から野球をしていた。2年ほど前に『野球部でコーチを探している。いい人はいないか』とあちこち声をかけていた。自身のFACEBOOKでも呼び掛けていた。聞けば『野球部の部長になるので、強いチームにしたい』と話していた」
大塚氏のFACEBOOKを確認すると確かに
〈紹介かシェアお願いします!
大学野球のコーチを探してます〉
と書き込みがある。
なんと、暴力団と関係の過去が報じられている、大塚氏。野球部の部長だというのだ。そこで、本紙・川上が大阪観光大学野球部のホームページをチェックすると、大塚氏が部長に就任していることが確認できた。
大阪観光大学野球部は現在、近畿学生野球連盟に所属。今年秋のリーグ戦では、1部リーグだったが成績が振るわず2部リーグに転落している。
大阪観光大学のある野球部員はこう話す。
「大塚さんは学生時代、野球をやっていたそうで、たまに練習にもやってくる。以前は試合も観戦にきて、ベンチ入りしていたこともあるそうです。暴力団との関係が報じられたことは知っている。そういう人が野球部に関与していいのかという声を聞いたことがある」
近畿学生野球連盟は公益財団法人全日本大学野球連盟の傘下にある。その上部組織は公益財団法人日本学生野球協会。その憲章には
〈学生野球は、法令を遵守し、健全な社会規範を尊重する〉
〈学生野球は、一切の暴力を排除し、いかなる形の差別をも認めない〉
と記されている。また近畿学生野球連盟でも
〈文武両道、オンルール・フェアプレーの精神〉
との規範が掲げられている。
暴力団との関係が指摘される大塚氏が部長というのは、この憲章から大きく、逸脱するものではないのか?
2018年11月
- 目次
- 国滅ぶとも正義は行わるべし 片山大臣の告発は原発ゼロの起爆剤
- 事件屋に食い潰された郷鉄工(4)
- 紆余曲折をたどり投書から真相解明に!!
- 香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その187)
- 畏怖を感じる検察の「在るべき姿」
- 最高検察庁から本紙に書留 片山大臣の告発状は東京地検に回送
- 豊島の不法投棄産廃処理は隠れ蓑
- 「原発の核燃料最終処分場」は直島のエコタウン事業か
- 法を盾に企業が企てた悪質犯罪
- 捜査は「東邦ガス」の背景に迫るのか
- 阿波踊り2900万円の大赤字
- 遠藤市長の失政でリコール気運、名古屋の河村市長が援軍か?
- 銀行の頭取人事に不満の発露か
- 百十四銀行のセクハラ接待は愛媛にも
- 狙いは六代目山口組?
- 逮捕の地面師グループとウラを結ぶキーマン
国滅ぶとも正義は行わるべし 片山大臣の告発は原発ゼロの起爆剤
第四次安倍一強モンスター内閣が発足したはいいが、途端にデンジャラスな船出となっている。
麻生財務大臣の続投、よりによってあの疑惑まみれの甘利明氏の四役(選挙対策委員長)起用、そして、国民をがっかりさせるだけとなった組閣。まあ、それだけならば、国民の誰もが織り込み済みだったろう。
しかし、この時代に一人だけしか起用されなかった女性閣僚に、それだけでも失笑ものではあるけれど、その当の女性閣僚にとんでもない疑惑が浮かび上がり、そして、こともあろうに刑事告発されるという事態になった。この告発は大変な反響を生んだことは、誰もが知るところである。
告発者は、もう言わずもがな、といったところであろうが、本紙社主、川上である。
片山大臣に“口利き”めぐり告発状
口利き疑惑を週刊誌で報じられた、片山さつき地方創生担当相について、都内の男性が、告発状を東京地検に送付した。
片山地方創生担当相は、2015年、会社経営者から国税庁への口利きを依頼され、100万円を受け取ったなどと、週刊誌で報道されている。
この報道を受けて、都内の男性は、「記事の内容が事実であれば、あっせん利得処罰法違反の疑いがある」として、東京地検に告発状を送付した。
一方、片山地方創生担当相の代理人弁護士は、「別の件で経営者と会ったことはあるが、金は受け取っていない。記事は事実無根」と話していて、週刊誌側を提訴している。
(2018年10月24日フジテレビニュース、共同通信)
このニュース報道が皮切りだった。以降、文字通り怒濤の如く、この告発は全国を矢の如く貫いた。
それは海外にまで響き渡った。めざとい海外メディアもいち早く告発を報じている。
片山さつき氏への告発状郵送
会社経営者から100万円を受け取り、この会社の確定申告に絡み国税庁に口利きをしたとして、高松市の男性が、片山さつき地方創生担当相に対するあっせん利得処罰法違反容疑での告発状を東京地検特捜部に郵送したことが24日、分かった。
告発状によると、経営者は税制優遇が受けられる「青色申告」が取り消されそうになったため、2015年に片山氏の私設秘書をしていた男性に働き掛けを依頼し、100万円を指定の口座に振り込んだ。その後、片山氏と面会し「じゃあ、やっておきますよ」などと伝えられたとしている。
片山氏は、「口利きも、100万円を受け取ったこともない」などと反論した。(2018年10月24日ロイター電)
これまでの事例からみても、このような外電まで、一刻を争うように告発事項を争うように報じたことは、異例である。ふたつの記事をよく見て欲しい。ここに書かれているのは、『告発状を郵送』、の段階である。つまり、まだ、検察庁には届いていない段階なのである。にもかかわらず、この反響なのである。
これは総合すると、安倍モンスター内閣への、国民からのアンチテーゼが起こしたものと捉えていい。
『もう我慢できない!』に始まって、『(告発を)よくやってくれた!疑惑をもっと明らかにしてくれ!』、『もううやむやは許されない。徹底した疑惑解明を!』。
これは国民が求めている真相なのである。森友、加計に始まって、疑惑は一向にその真実が明るみに出ない。こんなモヤモヤした思いはもうやめてくれ!、という国民の思いが今回の告発への期待となって、加熱を通り越したような報道となったのだ。
もう誰もが、安倍モンスター内閣に、NO!を突きつけている。
今回の告発状を、ここに付記しておく。川上はまさに挺身の思いで、この告発状を東京地検特捜部、そして、検事総長宛に送付したのだ。
【告発状】
東京地方検察庁特捜部御中
平成30年10月24日
告発人千代田区永田町2・9・6十全ビル204
日本タイムズ川上道大
被告発人 東京都千代田区永田町2丁目1・1420号室
片山さつき(衆議院議員)
【第1告発の趣旨】
被告発人は、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律に明らかに抵触していることが思料されることから、刑法上の処罰を求める。
記
【告発の事実】
報道を総合すると、参議院議員片山さつきは、2015年6月、製造業を営むX氏の会社が税務署に青色申告を取り消されそうになり、旧大蔵省出身の片山さつき参院議員に"口利き"を依頼。片山事務所の南村博二秘書(当時)が面談に応じ、翌月、X氏は片山氏、南村両人が差出人の着手金依頼文書を受けた、という。
〈着手金100万円を、至急下記にお願い申し上げます。ご確認後、国税に手配させて頂きます〉
文面にはこう書いてあり、X氏は南村氏が代表を務める税理士法人に100万円の着手金を振り込んだ。同9月、X氏と面談した片山氏は「じゃあやっておきますよ。任せてもらえば大した問題じゃないから」「うまくいったら、100万円なんて決して高いものじゃないわよね」と発言したといい、X氏が11月に税務署職員と面談した際には、同席した南村氏に職員が「片山先生に渡してほしい」と言って書類を手渡した、という。
これが事実とすれば、重大な斡旋利得を構成することは明白である。片山氏が国税局に影響力を持つ旧大蔵省出身であることを付け加えておく。
熟慮の上、厳重なる捜査を望むものである。
【第2罪名及び罰条】
公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律違反
以上
最後の罪状には大いに意味がある。斡旋収賄罪ではなく、告発者川上があえてこの罪状を提起したのには、『今回ばかりは、絶対に逃がさない!』という思いが込められているのだ。それは、この新しい刑法が、どうして斡旋収賄罪を規定する法規から独立して出来たか、というところに依拠している。
その経緯を詳しく説明しておこう。
この法規は、大きな経済事件、疑獄事件がきっかけに、主に検察の良識派からの強い要望によって斡旋収賄罪より分離独立法として成立するに至る。
石橋産業事件。
この事件のことを記憶している人も少数派になったのかもしれない。もう22年も前の事件である。しかし、この事件は巷間を震撼させた。時の大臣が東京地検特捜部に逮捕され、次官級のエリート官僚も、汚職の当事者として世間の冷眼に晒されることになったのだ。
石橋産業事件(いしばしさんぎょうじけん)と石油卸会社「石橋産業」をめぐる事件。
概要
石油卸会社「石橋産業」を巡って、手形詐欺事件と汚職事件が発覚した。
容疑
手形詐欺事件
許永中は建設会社新井組の株を担保に、京都のノンバンクから受けていた融資の支払いなどを逃れ、新井組株を入手して許の資金繰りにあてるなどの目的で、東京の石油商社の石橋産業の社長を欺いて約束手形を交付させようと計画した。
1996年の4月と6月に額面計179億円余の約束手形を交付。その際、手形の決済資金は自分が用意するなどと偽った。この手形をノンバンクに差し入れた。
この事件で許に対し懲役6年、元検察官で弁護士の田中森一に対し懲役3年の判決が確定し、刑務所に収監された。
若築建設事件
旧建設省発注の工事などをめぐり石橋産業の子会社(当時)である若築建設から政界に賄賂が流れた事件。
中尾栄一が第1次橋本内閣で建設大臣在任中、6000万円の賄賂を受け取った受託収賄罪容疑で2000年、東京地検特捜部に逮捕、起訴された。2004年9月、中尾に対して懲役1年10ヶ月追徴金6000万円の実刑判決が確定した。
なおこの事件ではフィクサーと呼ばれた福本邦雄も逮捕されている(後に不起訴)。
この事件を教訓に、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(通称「あっせん利得処罰法」)が制定された。(以上Wikipedia)
上記の解説にあるように、この事件で真っ先に逮捕されたのは、建設大臣(当時)の中尾栄一だったが、実は関係する有力政治家では中尾よりももっと取り沙汰された人物がいた。
それは、亀井静香氏である。この人に説明の要はなかろう。元自民党政調会長などなど。石橋産業事件においては中尾氏などより、亀井氏の方が、密着度が高い、といわれていた。しかし、結果は、亀井氏にはなんのお咎めもなかった。それは何故か。亀井氏が政調会長だったからである。どういうことか。
つまりは、職務権限がない、とされたのだ。事件当事者の話を総合すると、亀井氏が受け取った金員は中尾氏の比ではなかった、というのに。
これはどう考えてもおかしな話である。しかし、斡旋収賄罪は、職務権限のあるものしか対象としない、という極めて高くて厚い壁があるのだ。
「なんとかならないのか!」
当時の良識ある検察官は切歯扼腕してこの事態を見送った。調書を壁に投げつけた者もいるという。その気持ち、よくわかる。たかが職務権限、されど、職務権限、ということだ。
ここに、ある書き物がある。よく書けているため、さわりを引用させてもらう。
〈亀井氏の力の源泉は何か?それは、第一に公安情報に精通していたことである。他の政治家の数々のスキャンダルを握っていた。今は、どうなのか分からないが・・・
次が「カネ」である。亀井氏は、ずいぶんと危ない橋を渡っている。もっとも有名なのが5年前に発覚した「石橋産業事件」である。
「石橋産業事件」とは、平成8年に、闇の怪人・許永中が中堅燃料商社・石橋産業から180億円を騙し取ったというものである。この事件に絡んで逮捕された政治家は中尾栄一元建設相だけだった。しかし当時、永田町では以下のような会話が挨拶代わりに交わされていた。
「逮捕者は、もういないようだな。どうやらヤツは逃げ切ったらしいな」「中尾栄一でおしまいか。まあ、いまの特捜じゃあ、これが精一杯だろう」
ここで、“逃げ切った”とされるのが、自民党の実力者・亀井静香政調会長(当時)なのである。なぜ、ここで亀井氏の名前が取りざたされたのか?それは亀井氏が、許永中を自らの「盟友」と公言してはばからなかったからである。当然、中尾栄一元建設相以外に、亀井氏にも裏資金が提供されたのではないか?
それも、もっと多額の金額が?という“疑惑”が噴出したのである。〉(坂真依存症の独り言より引用抜粋)
この通り、なのである。
ならば、職務権限云々関係なしでも、公職にある者(権力者)ならば、収賄の対象者として挙げられるような法規を施行してもらわなければならない。こういう強い意志のもとについに施行の運びとなったのが、あっせん利得罪なのだ。
この経緯は、今回の告発者、川上が目指すところと見事に一致している。そして川上は、この法規に則った国会議員では第一号の告発をしたのである。
検察の良識派が後押しして出来た巨悪討伐のための法規、そして、その告発と告発者の思いが結実、一致を見たのだ。
川上は、これまで報じてきたように、安倍モンスター内閣のモヤモヤ、すなわち、森友、加計の両問題、スパコン問題、について、ズバリ、刑事告発をしてきた。それは、何度も何度も、くじけることなく告発してきたのである。
その集大成が、今回の告発と理解してもらっていい。だからこそ、渾身の告発、もう、うやむやは許さないぞ、という強い意志に基づくものである、ということなのだ。そして満を持してこの法規を最前線に立てて告発したのだ。
この告発について、地検関係者は、「ここまで気運が盛り上がった事案。曖昧やうやむやは許されない。我々は、襟を正して事に臨む必要がある」、とその決意を語る。それはそうに違いない。ここまで国民の期待が昂揚しているのだ。
もう、職務放棄は許されない。
ライオンかく語りき。
「この告発が起爆剤になるかならないかは、大袈裟でなく我が国の命運を決めることになる。起爆剤になったら、まだ、我が国は未来がある。しかし、途中で導火線が消化されたら。我が国は暗黒に落ち込む」。
蓋し、名言である。
ライオンがかねがね主張している、反原発においても、本紙は新たに、北緯33°の陰謀を明るみに出した。ライオンのみならず、次期総理候補ナンバーワンがますます板についてきた、小泉進次郎氏も躊躇なく標榜し出し、本紙との歩調はいやが上にも合いだしてきた。
〈小泉純一郎元首相の「脱原発」発言が波紋を広げる中、息子の小泉進次郎内閣府・復興政務官は10月7日、原発問題に関して「国民の間で釈然としない気持ち、なし崩しに(原発依存に)行っていいのかという声が脈々とある気がする」と話し、純一郎元首相に理解を示した。名古屋市の講演で、小泉元首相の「脱原発」発言について質問され、答えた。朝日新聞デジタルなどが報じた。進次郎氏はまた「自民は原発推進政党ではない。自民党が変わるきっかけなんです。変わらなかったらダメですよ」とも述べた。
進次郎氏は講演の質疑で参加者から「先日、父の純一郎元首相が名古屋で講演しました。ドイツなどを視察して脱原発を認識したと言っていた。『脱原発』についてどう考えますか」と自身の見解を問われた。それに対し、「今、私は安倍政権の一員」とした上で、「日本の将来を考えたときに、日本ってやっぱり変わるときが来たかなと、誰もが思ったと思う」と答えたという。
また、進次郎氏は「自民は原発推進政党ではない」と強調。再生可能エネルギー導入促進を掲げた自民党の参院選公約を紹介し、「自民党にとって議論するチャンスであり、党が変わるきっかけになる」と公約実現へ党内議論を呼びかけたという。
進次郎氏が純一郎元首相と同様の発言をしていたことを紹介したが、10月4日、復興政務官に就いて初めて被災地入りした際には、純一郎元首相の「脱原発」発言について「父は父だ。私は政府の一員だ」と強調。原発を推進している政府の方針に従う考えを示していた。進次郎氏の原発に対する考え方について、朝日新聞デジタルでも「原発へのスタンスでも父とは一線を画す」と報じている。
進次郎氏の父・純一郎元首相は、約1週間前の10月1日、同じ名古屋市で開かれた講演で「核のゴミの処分場のあてもないのに原発を進める方がよほど無責任」などと発言。みんなの党の渡辺喜美代表との会談でも、安倍晋三首相に脱原発のリーダーシップを取るべきだと語るなど、「脱原発」発言を繰り返している。この発言に対し、「冷静に日本を考える人であれば、たいてい行き着く」と小沢一郎氏が評価するなど、各方面で波紋が広がっている。〉(※ハフィントンポスト記事より引用抜粋)
こうした語録を見るにつけ、今、本紙との足並みがそろってきたことを実感せざるを得ない。
森友や加計問題に始まって、本紙は、関係者をすべて告発している。そして、今回の片山氏に対しての告発。現政権へのNO!
事件屋に食い潰された郷鉄工(4)
紆余曲折をたどり投書から真相解明に!!
郷鉄工の上場廃止・破綻の連載は平成29年9月5日号から始め、紆余曲折を経て真相解明に迫っている。
当初の本紙記事は郷鉄工の石川歩・常務取締役からの情報でスタートした。そう、本紙川上は石川歩氏を信じ切っていたのだ。
ところがである。悪名高い松尾隆氏と朝倉応水氏が郷鉄工を食い物にして、焼け太りだとの情報を石川氏から提供されて紙面化していた本紙川上は、被告アクセスジャーナルの訴訟敗訴を切っ掛けに、本紙の紙面内容の誤りに気付いたのである。
現在も、管財人の見立にも誤りがあるので、真相解明に力を注いでみる。
本紙の前(10月)号を配送した後、こんな投書があった。
《今回お送りした資料は、郷鉄工所の太陽光設備発注に関るもので、
〈㈱郷鉄工所、リッケン㈱、千代田管財㈱、㈱TCホールディングス、㈱ノモスコーポレーション〉らの関係会社5社が、恣意的に役割分担を決めて密接に登場します。
リッケン㈱は、郷鉄工所・石川歩取締役の中学の同級生である山形光常務取締役が在籍する会社だと他紙を見て知っていましたが、他の3社は初めて目にしたためインターネット検索したところ不動産関連業者でした。
商取引の流れを見ると、郷鉄工所が千代田管財に設備発注、千代田管財はその設備をリッケンに発注しています。
なぜ、石川取締役は新規取引の不動産関連業社を商取引に入れたのでしょうか?リッケンへの直接発注は出来なかったのでしょうか?
お送りした資料には、通常の商取引とは思えないやり取りが書かれた「メール」、「スキーム図」、樋田取締役と石川取締役が捺印した「注文書」等が存在しています。
スキーム図には、ノモス関係会社に対して、郷鉄工所から「手形期日(6/30・7/29)資金返済」「手数料6%」と書かれています。
当資料が郷鉄工所の違法な資金調達や「粉飾決算」の証拠となる可能性が少しでもあるのなら、我々素人が持つべきものでなく捜査機関に提供すべきとの意見も出ましたが、当時から郷鉄工所の連載記事を書かれている貴紙(日本タイムズ)なら深く事情を理解されていると思い、資料をお送りした次第です。
貴紙におかれましては、この資料をご確認頂き、解決に向けて真相解明されますことを期待致します。
なお、捜査機関等への当資料提供に関しての取扱いは貴紙に一任致します》
これは郷鉄工所の石川歩取締役が、リッケン等を悪用した粉飾決算の証拠である可能性が高いので、捜査当局への協力を果たしながら真相解明に努力することにする。
なお、管財人(小森正悟・代表弁護士)の郷鉄工破綻原因の矛先を逃れる為に、ウエブサイト紙の「アクセスジャーナル」「敬天新聞」に情報提供していた人物を特定するために、本紙はM社(名古屋市)に籍を置く堀田忍・宮地裕治両氏にも取材を申し込む予定である。
香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その187)
畏怖を感じる検察の「在るべき姿」
この「香川県警の捜査放棄と冤罪捜査」シリーズは今回で187回を数える。一度も休まず15年余りだ。
15年余りの実体験を基に書き続けていると、フト気が付いた。
「香川県警」を「安倍一強モンスターの捜査放棄と冤罪捜査」に表題を替えてみてはどうかと。
さて本題に入ろう。世界の情勢からして、日本の背骨である捜査権力の悪用が通用する時代は終わった。検察の捜査権力は日本の背骨として、政治家からも畏怖の念を感じさせる「在るべき姿」に立ち返らなければならない。
本紙の目的はそこにあり、暴力団若林組と結託していた腐敗警官を炙り出して、健全な警察官が業務に専念できる環境を整えるために、この連載を続けているのだ。
先月末、裏社会の情報に詳しい某さんから電話があった。「六代目(山口組)の事務局長している篠原(若林組組長)が、事務局長を外されたよ。篠原(重則)も川原も姿が見えない言うから、あんたも身体に気をつけて」
なるほど、この時期、この情報なら、捜査はかなり六代目に迫っているのではないかと想像できる。鉄パイプ襲撃犯の山中は拳銃自殺(他殺)、若い川原も殺されていなければいいのだが。
最高検察庁から本紙に書留 片山大臣の告発状は東京地検に回送
先(10)月24日の午前中、本紙川上は片山さつき大臣を最高検察庁検事総長と東京地検特捜部に「斡旋利得罪」の告発状を郵送した。
一週間たった31日付で最高検察庁から「告発状は東京地方検察庁に回送しました」との書留が本紙事務所に届いた。
さぁー、いよいよ捜査権力である検察も、安倍モンスターの呪縛から解き放されて、検察の「在るべき姿」を取り戻すチャンスが来た。日本を変える起爆剤は、本紙川上の告発を検察が厳正・公平・丁寧に捜査を進めることだ。
さて、その捜査権力の検察に期待して、次の「未必の故意」にも力を注いでもらいたい。
まず、先(10)月31日付朝日新聞で東電の強制起訴裁判を押さえよう。
津波、報告と了承否定
東電元会長「関心持たず」
《東京電力福島第一原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3人の第33回公判が30日、東京地裁であり、経営トップの社長や会長を務めた勝俣恒久被告(78)が被告人質問に答えた。勝俣氏は津波対策について「下が報告してこなかったので特に関心を持たなかった」と供述し、自らが参加した「御前会議」などの「報告・了承」を否定した。
(中略)傍聴席がざわつき始めたのは午後に入り、質問者が検察官役を務める指定弁護士に代わってからだ。
公判での大きな争点は、
国が2002年にまとめた地震予測「長期評価」と、東電子会社がこれに基づいて08年に算出した「最大15・7㍍」の津波予測の評価だ。これまでの法廷では、「長期評価に基づく対策が了承された」という東電の社員らの証言と、「信頼性がなかった」という被告らの主張がぶつかってきた。
だが、勝俣氏は長期評価の存在を知ったのは「3・11(東日本大震災)からだいぶたった後」と説明。傍聴席からは「えっ」と驚きの声が上がった。
「津波対策は原子力・立地本部がしっかりやってくれていると思っていた」と繰り返した勝俣氏。指定弁護士の石田省二郎弁護士が「最終責任者にあるのでは」と追及すると、「そういう風に言えるのか……万能ではありませんので」と口ごもった。
最も感情をあらわにしたのが、原発事故で死亡した被害者を代理する海渡雄一弁護士とのやりとりだ。
「最大15・7㍍」の津波予測が公表されず、対策に生かされなかった経緯について海渡弁護士が「(試算を)隠し持っていた」と追及すると、勝俣氏は「隠し持ってたわけじゃなくて、試算値ですよ。試算値で騒ぐのはおかしい。16・7㍍に、どの程度の信頼性があるのかに尽きる」と色をなして反論した》
この記事を読んで、あきれるというか、腹立たしいというか、悲しいというか、東電の社長を経験した勝俣氏が3・11の東日本大震災後にも裁判所で被害者の遺族も傍聴する法廷で証言するとは、「想像を絶する」光景だ。
勝俣氏が津波対策について「下が報告してこなかったので特に関心を持たなかった」と供述したのなら、地震と津波の影響により、東京電力の福島第一原子力発電所で発生した炉心溶融(メルトダウン)の問題はどうなるのだ。
一連の放射性物質の放出を伴った原子力事故にトモダチ作戦で放射能を浴びて被爆した若き米兵はどうなるのだ。
この裁判での本質的な問題は、本紙川上が2年余り前に東電の清水正孝(当時の社長)を最高検察庁検事総長と東京地検特捜部に「未必の故意」殺人罪で告発した問題とは切り離せないではないか。
日本の歪んだ背骨を真っ直ぐに正すためには、勝俣・清水・片山の捜査は必要不可欠だ。
豊島の不法投棄産廃処理は隠れ蓑
「原発の核燃料最終処分場」は直島のエコタウン事業か
まず、10月30日付四国新聞。
「豊島の新たな産廃綾川の民間施設で焼却県方針、処理後は直島に」
《土庄町豊島で新たな廃棄物が見つかった問題で、県が調整を進めてきた汚泥などの処理の受け入れ先が固まったことが、29日分かった。産廃の大半を占める600㌧余りの汚泥は、廃棄物処理業の富士クリーン(綾川町)が焼却処理する方針。処理で出た燃えがらは直島町に運んだ上で、三菱マテリアル直島精錬所で処理する予定。処理後の副産物(スラグ)はセメント原料として有効利用するという。準備が整い次第、処理をスタートさせる。》
なんとまー、香川県行政は豊島の不法投棄の原因である「ミミズの養殖」から世界的な不法投棄を導き、未だに国民の税金を投入し続けている。
この問題、本紙が繰り返し四国タイムズ当時から掲載しているではないか。
ここで注目してもらいたいキーワードは、「豊島」「富士クリーン」「直島町」「三菱マテリアル直島精錬所」「処理後の副産物(スラグ)はセメントの原料」だ。
豊島の不法投棄産廃は豊島の島内で処理すると、当時の中坊公平弁護士と島民で合意していた。ところが真鍋武紀香川県知事が当選したところ、不法投棄された産廃処理は直島に運び三菱マテリアル直島精錬所で処理すると決まった。
本紙川上が、ハッキリと言う。香川県の真鍋前知事も、浜田現知事も、富士クリーンも、三菱マテリアル直島精錬所も、原発のゴミ最終処分場実現の目的で結束していると。
法を盾に企業が企てた悪質犯罪
捜査は「東邦ガス」の背景に迫るのか
【未必の罪と、故意の犯罪】
10年ほど前に一酸化炭素に関わる不完全燃焼センサーなどが無い古いガス給湯器による事故が発生していた直後の頃に、名古屋市中区榮にあるチサンマンション榮管理組合が主導して、「古い給湯器を交換したら全額工事費まで出るので交換しましょう」と勧誘して160戸のうち102戸の工事をした。
この時の給湯器代金8万円と室内に露出し煙突を窓から排気する工事費17万円とを合わせて1戸当たり25万円で総額約2500万円を東邦ガス株式会社が管理組合に支払った。
しかし東邦ガス株式会社は、これらガス工事の管理責任者であり、給湯器代金の約800万円の売上に対して、なぜか1700万円も余分に他の業者に支払うという極めて不自然な工事をした。その上、工事内容にも疑問があり、リンナイがこれらの工事の場合煙突の長さ7㍍以内、煙突の曲りを4箇所以内と定め、これを超える場合は工事を止めてくださいと注意書きまでしている。それは新型のセンサーが稼働して使えなくなるからだ。
ところが、東邦ガス株式会社が監督して行った工事は、10㍍の10曲りある工事もあり排気抵抗が想定を50%以上も超える物であった。他にも抵抗が25%を超える物が大多数で、抵抗が多ければセンサーが稼働するはずなのに、この10年一度もセンサーが稼働していない。
ここで、疑問が出てくる。なぜ危険な工事と知りつつ、この工事の反対者がいても強行し、そして安全装置も起動しない。そこで優良工事業者に点検してもらったところ、「安全装置に手が加えられている可能性」を指摘された。
さらに、このような工事を行えば、8年後から一酸化中毒事故の発生率が急増するとのデータを東京ガス株式会 社が公表している。
ここで「未必の罪」が問題となる。メーカー担当者も、警察もこれらの 事実と証拠を提出して、対応を要請しても、「現行の法では、死亡事故が発生しない限り動けない」が担当者を苦しめている。
東京ガスのデータが正しければ、近々にこのチサンマン ション栄の住民の誰かが、または家族全員が死ぬのを待つ、しかもこの事故は必ず発生する可能性を知っていての話だ。
これは、明らかに「事故」ではなく、事故の発生を知っていての行為なので、「故意の犯罪」である。更に最悪は続き、危険を告知すべきこのマンションの管理組合理事長がこの危険な工事に直接深く関わっていて、隠蔽を積極的に行っているので、住民の生命は理事長らの思惑の犠牲者として、現在も続いている。
阿波踊り2900万円の大赤字
遠藤市長の失政でリコール気運、名古屋の河村市長が援軍か?
10月のある晴れた日、名古屋市の雑居ビルに数人の男性が徳島からあるミッションを与えられ、やってきた。そこで応対したのは、河村たかし名古屋市長の関係者。極秘裏に行われた、会談の様子を本紙・川上はキャッチした。
本紙が2年以上に渡り問題を指摘している、徳島新聞の阿波踊り荒稼ぎ、結託する徳島市の遠藤良彰市長の問題。徳島からやってきた面々のミッションとは、遠藤市長に対するリコール、解職請求を河村市長に協力を求めるためであった。
衆院議員5期連続当選、2009年に名古屋市長に転身し、4期目の河村市長。
「河村市長の身を切る改革、庶民革命を学びに来た。そして、河村市長が2010年に成功させた名古屋市議会のリコール署名、住民投票についてもご指導を仰ぎたいとお願いにあがった」
参加していた、メンバーの一人はそう答えた。
つまり、遠藤市長を解職するためのリコール署名のノウハウについて指導を仰ぐためなのだ。
両者の意見交換は熱を帯び、3時間以上に及んだという。会談終了後、本紙に対して河村市長のスタッフは、
「徳島の皆さんのすごい熱意を感じた。この意気込みと戦略を間違えなければリコール署名は成立するんじゃないでしょうか。聞くところ、徳島市は財政状況が厳しいにもかかわらず、職員数は増え給与もアップしているそうですね。河村市長は、市議会のリコール、住民投票に加え大胆な身を切る改革で、職員給与もカット。徳島の皆様も河村市長と同じようなお考えのようだ。協力できることはお手伝いしたい」
と話し、こうも続けた。
「河村市長は名古屋城を木造建築で再建させます。伝統ある歴史的なものは一度、壊してしまうと、簡単には戻せない。徳島市今の市長さんが『阿波踊りを壊そうとしている』『阿波踊りが公営化』との話をうかがった。阿波踊りは日本の盆踊り文化の伝統あるもの。これは由々しき問題」
そんな中、10月24日、阿波おどり実行委員会で、遠藤市長は、2900万円の赤字となると発表した。阿波踊り会計が赤字だと、徳島市観光協会を破産させた遠藤市長。新たに徳島市が遠藤市長をトップに阿波おどり実行委員会を立ち上げて「市営」阿波踊りを開催した。そこで赤字というから、あきれるばかり。
「昨年の阿波踊りは1600万円の黒字。それでも遠藤市長は協会を破産させ自ら阿波踊りを手掛けた。その結果、2900万円もの赤字。実行委員会のメンバーも市職員で人件費など経費もかかっている。推測で6000万円くらい税金投入じゃないか。単年度では黒字の協会をつぶして、もっと稼ぐとやった結果が大赤字。遠藤市長は即刻、やめるべきだ」と徳島市の岡孝治市議はいう。
だが、遠藤市長はまったく進退を考える様子はなく
「早期に来年の開催概要を決める」と反省もなく語るばかり。
おまけに、赤字の“戦犯”で阿波おどり実行委員会の徳島新聞の米田豊彦社長までもが、
「委員会で来年の論議をすべき」と自らの荒稼ぎ利権の死守するための意見を述べているという。
なぜ阿波踊りが赤字になったのか、その原因を洗い出し、改善策を打ち出すのが第一歩。原因の大きな要素は徳島新聞の荒稼ぎと遠藤市長の結託。第三者委員会を設置して、徹底究明するのが早道であるのは誰の目にも明らか。
来年以降も赤字を垂れ流し、税金負担となるのか? それとも遠藤市長のリコール署名が成功し、その座を追われるのか?
そして、会談が終わった後、徳島のメンバーの一人は、
「これで方向性が決まった」
といい、今後は遠藤市長のリコール署名を集める方向で、近くグループを立ち上げるという。徳島市は阿波踊りをめぐって風雲急を告げているようだ。
銀行の頭取人事に不満の発露か
百十四銀行のセクハラ接待は愛媛にも
香川県の百十四銀行のセクハラ不祥事がZAITEN(ザイテン・株式会社財界展望新社)に暴露されてしまったところ、百十四銀行には申し訳ないところではあるが本紙も追っかけをさせていただく。
ザイテンに掲載されている事に重なるが、香川県の某会社会長との飲み会の場にも女性行員の投入、愛媛県の今治造船会社に対しても複数名の女性行員を投入していたという情報提供があった。
百十四銀行の女性行員は、飲み会のコンパニオンとしての役割、さらに、それ以上の役割を強いられる状況が常態化していた。報道に対しての対外的な内容としては、香川県の某会社会長の接待の話を隠蔽用に利用していたが、単純な話、百十四銀行渡辺智樹会長、石川徳尚本店営業部長(執行役員)等のガバナンスの欠如という問題ではない。慢性的なセクハラ有りの接待を強要される女性行員、それを指示してきた重役らの行為を黙認せざるを得ない状況であった真っ当な百十四銀行の行員の心痛を本紙川上は察するものである。
本紙川上の耳には、「御家絡み騒動も絡んでいるのでは?」「前々から二代目頭取からも女好きで!」という話も入って来ている。この手の話題は深追いしなくても、本紙川上には、いくらでも入ってくる節操の無い話の可能性でもあるが、聞こえて来た事は全て書く。
実はこの話、日本タイムズの本紙には今年の2月17日付で投書が届いていた。
ところが、その頃の本紙は、国政絡みで安倍一強内閣の追及に集中していた時期だったことと、百十四銀行の綾田整治元頭取への配慮から記事化しなかった。
しかし現在は、百十四銀行の頭取は綾田家から三代目を誕生させた。二代目、三代目になるにつれ本紙川上の配慮が全く感じない状態だ。
狙いは六代目山口組?
逮捕の地面師グループとウラを結ぶキーマン
東京・五反田の老舗旅館の売買をめぐって、積水ハウスが55億円を地面師グループに騙し取られた事件。警視庁は10月16日、偽造有印私文書行使、電磁的公正証書原本不実記録未遂の容疑で10人を逮捕。捜査は大きく動き出した。
この事件は、昨年3月に五反田に敷地600坪を所有する老舗旅館跡地を、積水ハウスが55億円で購入。だが登記にあたって、書類の偽造が発覚。積水ハウスは経営トップの責任が問われ、会長らが辞任に追い込まれた。
地面師グループは、旅館の所有者の女性役、その内縁の夫役、運転手役など用意。合わせて、身分確認のためパスポートなどを偽造するなど、用意周到に計画を進め積水ハウスを騙した。
この地面師グループにかかわる人物と過去、一緒に「仕事」をしたという男は本紙の取材に、「パスポートは中国で本物の台紙が買えるんだ。そこに加工を施すので、どこから見ても本物。それはニンベン屋、つまり偽物を用意する専門のグループに依頼。積水ハウスから、どこを突かれても大丈夫なように綿密な計画を立てていた」と話した。
だまし取った55億円のうち、旅館の所有者役となった、羽毛田正美容疑者の報酬は300
万円。税務コンサルタント役でグループの中心的役割を果たした、カミンスカス操容疑者(フィリピンに逃亡)は7億円を手にしたとみられる。
他の容疑者の取分からも、55億円という金額からはほど遠い。カネはどこへ消えたのか。そのカギを握るのが、55
億円を分散する口座を用意して逮捕された、三木勝博容疑者。これまで、赤坂のホワイトハウス、岡本ホテルなどさまざまな事件で名前が浮上していた人物。不動産のプロと言われる三木容疑者のもう一つの顔が、六代目山口組弘道会との関係だ。
今から10年前にある上場会社から、カネを脅し取ろうとした恐喝未遂事件があった。その時、上場会社の社長から言葉巧みに2億円の融資を引き出したのが三木容疑者。社長の供述調書には、
「三木とはトランクルームの仕事で懇意になった。丁寧な人物で不動産取引を拡大させていった。だが弘道会の関係者だと外部から指摘があり、警察にも確認して取引をやめた」そう記されている。
捜査関係者によれば、
「弘道会には、佐藤義徳という有名な企業舎弟がいた。風俗店ブルーグループを率い、弘道会が丸抱えで育てた男。司忍組長が出所時に名古屋に自宅を新築しようとまで計画していた男だ。佐藤はその後、逮捕されてしまった。弘道会にとって、三木は名古屋の佐藤のような存在。弘道会には東京にも責任者がいるが、三木は名古屋のトップと直接、話ができる存在。地面師グループがだまし取った55億円が三木を通じて弘道会に流れたのではないか」
地面師グループの被害は、積水ハウスだけではない。アパグループや大和地所など、未解決のものが複数あるとされる。
「三木容疑者は他の地面師グループの事件にも関与している模様だ。地面師グループの詐欺が弘道会の新たな資金源になっていた可能性があり、今後追及してゆく」(前出・捜査関係者)
警視庁は地面師グループの“上”にたどりつくことができるのか、注目だ。
2018年10月
- 目次
- 国滅ぶとも正義は行わるべし 安倍モンスターへの止めは原発ゼロ
- 香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その186)
- 国家的捜査放棄は東電・清水社長の炉心溶融の隠蔽
- 安倍一強モンスターの背骨 経産省の今井尚哉総理大臣秘書官
- 「炉心溶融の隠蔽」は未必の殺人
- 東電の清水元社長を検事総長に告発
- 事件屋に食い潰された郷鉄工(3)
- 二孝建設のシナリオは管財人の偏頗弁済
- さらなる重大疑惑に発展か
- 安倍首相の「反社との選挙妨害」
- 前田建設工業・上場企業の「無法者」
- 原発事故・帰還困難区域で「恫喝」「職務質問」「違法駐車」
- 明浄学院の新たな資金源か?
- 「校内予備校」に生徒勧誘疑惑
国滅ぶとも正義は行わるべし 安倍モンスターへの止めは原発ゼロ
総裁選が終わった。予想通りと、誰もがそう言う。三選を果たした側の陣営は曰く言い難い状況を呈していた。
森友問題、加計問題は誰一人、ふれない。もっと大きなテーマである反原発問題など、一体どこの国で起きているのか?といったような具合だった。9月6日の北海道地震で改めて原発は、ただただ、『心配の種』のためにあるに過ぎない、ということが証明された。大きな地震がある度に、稼働してもいない原発への影響を心配しなくてはいけないのだ。なんと不合理な話であろうか。
この極めて不条理なことを一貫して公に指摘しているのは、ライオンこと小泉純一郎元首相と本紙だけである。
ライオン、かく語りき。
首相時代はね、原発は必要だと積極的に思っていましたよ。しかし、7年前の2011年3月11日、東日本大震災で大地震、津波が起きた。そして福島第一原発の事故。このときは引退していましたので、テレビや新聞でその状況を見ていました。
これまで経済産業省や資源エネルギー庁をはじめ原発必要論者・推進論者たちは「絶対、安全」「コストが安い」「クリーンなエネルギー」だと主張してきた。震災の前まで私もそう信じてきました。
衆議院で初当選したのは1972年。翌’73年に第4次中東戦争が起きて、石油価格は高騰、トイレットペーパーなど生活必需品の買い占め、売り惜しみも起きた。日本は資源のほとんどを輸入していましたし、当時は高度経済成長期。インフレを抑えるのは重要で、物価の安定は政治課題でした。
それから1979年にアメリカのスリーマイル島で、’86年には旧ソ連のチェルノブイリで事故が起きた。3・11のあと、自分なりに本を読んだり、歴史も勉強するようになってから、当時、「日本は大丈夫か?」という議論があったことがわかった。なかには「被爆国の日本は放射能の被害には敏感だし、技術力も高いから大丈夫」という意見もあったという。今から考えれば、信じられませんよ。
勉強していくとね、事故前から、さまざまな分野で「原発は危険だ」「コストは安くない」「クリーンなエネルギーじゃない」という議論があったことがわかったんです。信じていた3つの大義名分はまったくの嘘だった。過ちを正さないといけない。
「よく嘘がつけるな」
だまされた私も悪いですが、国民運動をしないといけない。だまされた悔しさ、憤りが原動力。嘘をいう勢力に立ち向かっていかなければならない。
震災後、原発事故調査委員会が作られました。畑村洋太郎委員長は「事故というのは、起こりうるものは起きる。起こりえないと思っても起こる」と所感を述べています。国会でも事故調査委員会ができましたね、全会一致で。委員長は黒川清氏。彼は「あの事故は自然災害ではない。人災だ」と言ったんです。報告書を読めば、原発を基幹電源として維持するとは言えない。
事故の根源的な問題はね、経産省や資源エネルギー庁などの規制する側が、規制される側である原発会社の論理に飲み込まれたということにある。本当に「安全第一」だったのか。原発企業や関連会社の「経営第一」だったんじゃないか。
それに、原発を動かせば核のゴミが出る。いまは中間貯蔵しているけれど、いずれは最終処分しないといけない。世界で唯一、フィンランドにしかない最終処分場でも、4基ある原発の2基分しかない。日本は54基も建てておいて、どうするつもりなのか。
日本の原発はね、過疎地で、沿岸部に作られてきた。周辺自治体は財源が乏しいから、国が補助金や交付金を出す。この財源は“原発コスト”として入っていないんですよ。また今回の原発事故では、賠償金も、除染費用も、廃炉費用も全然足りない。そのため、東京電力は国からお金を借りています。これらもコストに入っていない。それで「コストが安い」とよく嘘がつけるな。嘘を言い続けていると思うと、あきれちゃうね。
講演をしていると、推進論者から「自然エネルギーは全電源の2%。それに頼ると停電しちゃいます」と言われます。震災後、1基も稼働してない時期があった。それでも日本中で電力不足で停電したのは1日もない。すでに原発ゼロでやっていけることを証明しているようなものです。
ようやくはっきりと「原発ゼロ」を訴える政党ができました。自民党も総理の考えが変われば、あっという間に変わります。党内ではまだ原発推進が支持されているから、総理も言いにくいのでしょうね。でも、国民の多数が原発ゼロを支持している。多数意見を無視する政党は、政権は取れない。原発よりも、自然エネルギーに頼るほうがいいと私は確信しています。(週刊女性2018年5月1日号記事より引用抜粋)
これは、常々、ライオンが言っていることである。本紙はこのライオンの姿勢やそれに伴う行動を受け、それをいち早く紙面に反映してきた。ライオンのこの反原発への転換のルーツは、実はハッキリしている。
そのキーワードは、寺島、である。寺島は、これまで本紙しかクローズアップしていない。瀬戸内海に浮かぶ小島、いや、小島というにも小さ過ぎる。地籍は香川県。ベネッセや安藤忠雄氏などであまりに有名な直島の付属品のような島である。
ライオンは、この小さな島が持つあまりに大きく恐ろしい意味を実は熟知しているのだ。ライオンが熟知している、ということは、言うまでもないが、今回の総裁選の台風の目になった、ジュニア、こと小泉進次郎氏もこの熟知を継承していることに言及しておかなければならない。
あるインタビューから。
小泉進次郎氏は「世界のすう勢を見ても、原発をどうやったら残せるのかではなく、どうやったらなくせるのかを考える時代だ」と述べ、「脱原発」を進めるための方策を考える必要があるという認識を示しました。
さらに、こうも言っている。
▽震災から7年となる。率直な心境は。
「ふたば未来学園高(福島県広野町)で初の卒業生を送り出すのが最も印象的だ。『前例なき環境には前例なき教育を』という思いで立ち上げから参加した。避難生活を繰り返し、友達と別れて古里に戻れない。厳しい環境の中で3年間よく頑張ったと全国からエールを届けてほしい」
「人生全部に影響を与える教育は大事。だから教育の復興に関わり続ける。子どもたちに基本的な知識として震災を教え続けることが、結果として風化させない大きな役割を果たす」
▽父の純一郎元首相は原発ゼロを訴えている。
「まだ人が住めない、戻れない帰還困難区域の景色を見るたび、原発事故の計り知れない結果に責任を感じる。父の活動とは関係なく、どうやったら原発をなくせるのか、私は考えたいね。一つの国で2度原発事故があれば終わり。そのリスクがないとは言えない」
「福島県は2040年度までに再生可能エネルギーで自給100%との目標を立てた。全国の原発立地地域の先例になるのは福島以外にないじゃないですか。ずっと応援していきたい」
▽首都直下地震や南海トラフ巨大地震が発生する懸念がある。震災の教訓は伝わっているか。
「一つは熊本地震ですよ。東北の職員、全国の応援職員がすぐに熊本に行って罹災(りさい)証明の発行業務などを手伝った。被災地同士のバトンがちゃんと渡されているなと思った」
「日本で生きる限り災害は不可避。自然災害によってつながり続ける被災地の連合みたいなものができると思う。知の集合体として日本の防災政策や地域の大切な絆、一人一人の自助の意識を高めていく。震災をきっかけに花開いたことがもう一つある。食べる支援と飲む支援ですよ」
▽改めて3・11とは。
「戦争を知らない僕らの世代にとって、今までの価値観を根底から揺さぶられた。問い続ける価値がある。それだけ重い」
▽復興にどう関わるか。
「被災地から復興のために仕事をしてほしいと声が出る活動を続けたい。日本人全員に21世紀の国の在り方を問うた東北は特別な地。あの時を契機に、あるべき姿に向かって走りだしたんだと、東北の皆さんに思ってもらえる国造りをしてお返ししたい」(河北新報2018年03月05日付記事より引用抜粋)
ライオンとジュニアは、反原発ということで、明確な主張を表明しているのだ。そして、その主張のルーツに、〝寺島〟があることは、大変重大なポイントなのである。
寺島に焦点を当て、結論をお伝えする前に総裁選直後の原発をめぐる重要な動きにふれておかなければならない。
ひとつは、伊方原発についてである。
広島高裁伊方原発3号機、再稼働可能に四電異議認める
運転差し止めを命じた12月の仮処分決定取り消し
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町、停止中)の運転差し止めを命じた昨年12月の広島高裁仮処分決定(野々上友之裁判長=当時)を巡る異議審で、同高裁(三木昌之裁判長)は25日、四電が申し立てた異議を認め、仮処分決定を取り消した。決定が差し止めの理由とした阿蘇カルデラ(阿蘇山、熊本県)の破局的噴火について社会通念上、想定する必要がなく、立地は不適でないと判断した。異議審の決定を受け、四電は10月27日に3号機を再稼働させる方針。(毎日新聞2018年9月25日)
そして、大分地裁でも立て続けの判決が出ている。
伊方原発運転差し止め認めず大分地裁
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町、停止中)について、大分県の住民が運転差し止めを求めた仮処分申請で、大分地裁(佐藤重憲裁判長)は28日、住民側の申し立てを却下する決定をした。四電は10月27日の再稼働に向け、準備を進めるとみられる。
伊方原発3号機を巡っては、広島高裁が25日、運転差し止めを命じた昨年12月の同高裁決定を取り消したばかりだ。司法が再び「待った」をかけるのかどうか、大分地裁の決定が注目されていた。
愛媛県の対岸に位置する大分県は、伊方原発まで最も近い場所で約45キロの距離にあり、住民側は原発事故が起きれば危険が及ぶと主張。阿蘇カルデラ(熊本県)が破局的噴火をした場合の危険性などを訴えていた。これに対し、四電側は巨大噴火について「可能性は十分小さい」などと反論していた。(毎日新聞2018年9月28日)
言わずもがな、の判決。この判決内容と、前述したライオンのインタビューをもう一度、対照して欲しい。
先の総裁選の余波が渦巻いている時期にこの判決である。一体、我が国の司法はどうなっているのか?
欧米のメディアは、一斉に首を傾げる。
しかし、彼らは首を傾げるだけではない。今のレジーム(政権)がやっていることは、先進国としてまったく信じがたい、と口をそろえていうのだ。そして、その質問を本紙に投げかけるのだ。教えてくれ!と。本紙は、もちろん、間違った司法にも斬り込んでいる。それよりなにより、原発最大の問題、核廃棄物の最終処理場になる〝寺島〟を何年も前(2004年)から書いているからである。欧米のメディアはこの事実にすこぶる敏感である。
それ故に、三選を果たした今のレジームに、これから怒濤の如く、そして鋭く斬り込むことを考えている。その時、三選を果たして浮かれているように見える現政権や司法はどのように抱える矛盾点について答えるのであろうか?
さて、伊方原発は現レジームの目論見通り、再稼働に相成る。そうなると、核廃棄物処理場、寺島に最も近い稼働する原発となる。
ライオンとジュニアは、この点について、大きな不安を抱いていることは容易に察することが出来る。
さらに、ここに知られざるとんでもない事実が隠されていた。
「徳島で原発計画を阻止したのに、和歌山に原発作られたらこっちまで汚染される!」
徳島県の蒲生田岬に原発を建てる計画があったが、漁師を中心に住民の反対運動で阻止した。
しかし対岸の和歌山の日高町で原発計画が持ち上がった。
徳島県の蒲生田岬と和歌山県の日高町は、直線距離にして約30~40キロ。
他県で海に挟まれているとはいえ、こんなところで原発作られたのではたまったものではない。
なぜか。
徳島と和歌山は海で分断されているのではなく、つながっている。
原発事故による放射能汚染の危険だけでなく、「安全」に運転していようが、原発から出る温排水によって、水温が上昇し、生態系が破壊され、魚がとれなくなってしまう心配があるからだ。
さらに紀伊水道に原発ができたとなれば、原発近海でとれた魚という「風評」被害も起こりうる。
そこで徳島から船に乗って約1時間かけて、和歌山日高町で原発反対運動をしている、漁師の応援にかけつけたという。
「徳島や高知の応援もあって、
原発計画を断念させることができた」と日高町に住む漁師で、民宿「波満の家」を営む濱一己さんは語った。
~中略~
和歌山、徳島の漁師たちは、
福島原発が起きる30~40年も前の、原発計画が持ち上がった時点で、地元でいろいろな学習会を開いて、原発についての学習をした。
それを聞いて、反対運動を展開した。
原発を止めた和歌山日高町の濱一己さんの民宿には、福島原発事故後、福島の人も何人か来るという。
その一人は、原発推進でも反対でもなく今まで中立派だったが、原発事故により我が家で住むことができず、自分たちは郡山で避難生活。
息子夫婦は埼玉で避難生活をしているという。
息子は原発事故で仕事を失い、
埼玉でアルバイトを4つこなしながら、生活費を必死に稼いでいるという。~後略~
(かさこブログ2013年 01月 19日より抜粋引用)
四国電力は、伊方原発を建設する前に、徳島県蒲生田岬に、原発を建設する予定だった。そして、関西電力は、蒲生田岬対面の和歌山に、日高原発を建設する予定だった。驚くべき事実である。
さらにもうひとつ、四国電力には、もう一カ所、原発予定地があった。
それは窪川原発である。
▼1960年代後半の頃、四国電力は、伊方原発につづく原発立地を高知県、最初は窪川町の南西に位置する佐賀町(現・黒潮町)に求めた。
▼1969(昭和44)年7月8日、新愛媛新聞が「原子力発電所/伊方町に誘致の動き/用地買収を始める/九町越の約50ヘクタール」と報道、水面下で伊方町に原発建設が進められようとしていることが明らかになった。
▼1972(昭和47)年10月、四国電力の山口恒副社長(のち社長)が「原発三、四号機は外洋へ建設したい」、「例えば横波三里か中村など高知県を中心に構想を練りたい」と発言、にわかに高知県が注目をあびた。
▼1974年、四国電力が第2原発を高知県佐賀町(現黒潮町)に計画する。
▼1974(昭和49).1月、岸本正年町長が町広報で「電源開発事業誘致こそ佐賀町のすべての発展につながる最たるものである」と述べた。3月12日、佐賀町の49年度一般会計当初予算案に560万円の電源開発調査費が含まれていることが明らかになる。3月14日、佐賀町議会が始まる。電源開発調査費をふくむ予算を可決。4月、町議会の議員全員と福島一三助役が茨城県東海村の原発を視察する。
▼4月23日、社会党、共産党、公明党、県総評など9団体が「高知県原発反対共闘会議」(議長・国沢秀雄県総評議長)を結成する。5月23日、「佐賀町原発反対町民会議」(沢原明吉議長)を結成する。
▼5月27日、町議会の意向を受けた町執行部が、佐賀町漁協に視察への参加を呼びかける。
▼5月28日、佐賀町漁協が臨時総会。「誘致建設に絶対反対である以上、視察しても意味はない」と前日の申し入れを拒否することを決定。6月30日、佐賀漁協婦人部が誘致反対再確認、デモを呼びかけ。7月27日、原水禁の被曝29周年原水爆禁止四国大会が高知市で開かれ、佐賀原発設置に反対する決議を採択。8月17日、18日、原水協第20回原水爆禁止四国大会が高知市と佐賀町でひらかれる。
▼11月2日、佐賀町漁協臨時総会。申し合わせで「町費による視察に応じる」旨の決議。
▼11月、佐賀町漁協組合員40人が、建設中の伊方原発を視察、改めて原発反対の立場を確認。11月17日、佐賀町漁協が町役場で町議会に対して原発反対を申し入れ。12月、定例議会で原発問題を白紙に戻すよう要望。
▼12月8日、町農協、商工会、町建設協会、町森林組合の四団体が、町役場で町議会に対し原発調査の継続を申し入れ。
▼12月25日、佐賀町漁協の呼びかけによる二度目のデモ行進し、町役場で原発絶対反対を町長と議長に申し入れ。それをうけて議会協議会は本年度の原発調査は実施しないことを決める。町長が、議会の意向を受けて本年度の原発調査費を凍結、来年度予算には調査費を計上しないと、議長と共に漁民に確約する。原発問題に一応のピリオドが打たれた。町は60haの土地の買収に着手、商工会も誘致に動いたが、漁協や農家を中心に「反対町民会議」が結成され、全県的な反対運動によって原発建設計画が断念された。(高知県佐賀町、窪川町の原発阻止闘争史考2016.03.12)
以上が、窪川原発の歴史である。
結論を急ごう。
寺島の存在を本紙にもたらせたのは、本紙が繰り返し報じているとおり、兼元徳二翁である。兼元翁の長男は、これも本紙が報じているように、ライオンが首相の時の兼元俊徳・内閣情報官である。首相と内閣情報官は、夫婦よりも一緒にいる時間が長い、といわれている。そして、それは、事実なのだ。
そして、兼元翁は、文字通り、命を賭けて、寺島に核廃棄物処理施設を建設することを阻止せんがために立ち上がった!その遺言を、本紙社主川上に託した。それは前述のように蒲生田岬原発を身体を張って阻止した地元漁民のように、である。
ライオンはその一部始終を内閣情報官から聞き伝えられていたはずだ。実父のことなのである。
そして、ライオンは、反原発という立場を生涯貫く決心をした。原発に渦巻く陰謀を明らかにして、核廃棄物処理施設となってしまう寺島を守るため本紙と歩調を合わせることとなった。それに、欧米のメディアが参戦してくる。
最後に、原発の陰謀を解き明かすキーワードを示しておかなければならない。
【北緯33度】
▼日高原発(関電)北緯33度55分
▼蒲生田原発(四電)北緯33度49分
▼伊方原発(四電)北緯33度29分
▼窪川原発(四電)北緯33度12分
▼玄海原発(九電)北緯33度30分
【東経134度】
▼東洋町東経134度16分
▼直島・寺島東経134度0分
これは決して偶然でもなんでもない。
原発は、北緯33度上に、そして、核廃棄物処理場は、東経134度上に。これは、我が国原発の不文律なのである。
安倍三選現レジームの寿命はいかほどのことか、そこにはあえて言及しないが、原発についてはとことん言及していく。海外メディアも参戦となれば心強いではないか。
ここまで明らかになった以上、もう絶対に後には引けない。力を合わせて、背骨が真っ直ぐな国家にしていかなければならない。
香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その186)
国家的捜査放棄は東電・清水社長の炉心溶融の隠蔽
平成15年から始めた香川県警の捜査放棄と冤罪捜査は、香川県警の一部腐敗警察幹部らと癒着していた山口組若林組の、許されざる繰返された暴力行為(殺人未遂事件)の実態を暴くために、連載化して15年が経ち186回を数えることになった。
連載を続けながら最近になって気付いたのは、香川県の捜査放棄と冤罪捜査の手法(手口)は安倍一強レジームと本質的に同じ構図ではないかということだ。
いや、本紙川上の殺害未遂事件を捜査放棄している状況と比較する訳にはいかないが、安倍政権下の捜査放棄は国家的捜査放棄と言わざるを得ない。国民の目を誤魔化す悪質な捜査放棄と言わざるを得ないではないか。
だって、そうでしょう。
3・11の福島の原発事故で、当時の東電社長の清水正孝氏は炉心溶融の事実を知りながら、公表することを禁じた。
これって、炉心溶融が原因で人が死んでいたら「未必の故意」の殺人容疑ではないのか。
安倍一強モンスターの背骨 経産省の今井尚哉総理大臣秘書官
今(10)月から平成30年の上半期を終えて、下半期に入った。上半期では世界情勢も大きく変わり、台風も19号、20号、21号が日本列島を縦断しながら豪雨と風で荒れ狂った。その上おまけに、上半期の9月30日から下半期の10月1日にかけて、これまた大型台風が風と豪雨で日本列島を縦断した。同じコースをたどりながら縦断した。それも大阪では震度6、北海道でも震度7を超す地震を伴ってだ。
これって、地球からの警告ではないのか。日本列島はユーラシア大陸から分離して今に至っていることを考えると、経済産業省が企てる原発推進は、国民を犠牲にする国賊と言われても仕方がないではないか。その経産省から送り込まれた今井尚哉氏が安倍一強モンスターの背骨である内閣総理大臣秘書官を務めているとなれば日本国民にとって大問題だ。
さて、平成30年度上半期の10月1日から潮目が変わったのを、10月1日付朝日新聞で確認してみよう。
〈沖縄知事選
辺野古反対玉城氏当選
政権支援の佐喜真氏破る
はぐらかし不信
政権運営大きな火種〉
見出しだけを拾ってみるとこうなる。
沖縄県民は、安倍政権の「はぐらかし」選挙手法を見抜いて、命を懸けて戦ってきた翁長知事の遺言を引き受けて選挙を戦った玉城氏を選んだのだろう。
一方、佐喜真氏の応援に自民、公明などの国会議員が次々と沖縄に入り、菅義偉官房長官は自ら街頭に立ち「携帯電話料金の4割削減」と掲げてみせた。
沖縄県民が命懸けで「辺野古問題」を戦っている最中に、「辺野古問題」と「携帯料金4割削減」とを比べてどちらが沖縄県民にとって大事ですかと言われても「バカにするな」と言われるのがオチだ
麻生太郎副総理兼財務相が自民党の総裁選で石破茂元幹事長陣営にチクリと言った
「冷や飯食う覚悟ない人にかじ取り任せられない」のなら、命懸けで戦っている沖縄県民に「携帯電話料金4割削減」するから佐喜真氏に投票してとはならないはずだ。
さて、沖縄の玉城デニー氏は翁長雄志知事の急逝に伴い、亡くなった知事の遺言・辺野古反対を継承して知事選を戦った。
本紙川上は、直島漁業網元である兼元徳二翁から直々に遺言を託されて平成16年から戦い続けている。その遺言とは「直島の寺島には核燃料最終処分場はいらない」だ。
玉城デニー氏は、早々と9月30日に沖縄県知選挙に当選して翁長知事の遺言を達成した。同じ命を懸けた遺言でも、本紙川上が兼元徳二翁から受け取った遺言は、14年が経った今でも歯がゆいのではあるが達成できていない。
「ネバーギブアップ」諦めてはならないのだ。兎に角、突破口を見出したい。
ここで、平成30年5月19日付東京新聞を押さえよう。
「炉心溶融」東電社長が不使用指示福島事故検証報告
《東京電力福島第一原発事故の発生直後、当時の清水正孝社長が「炉心溶融(メルトダウン)という言葉を使うな」と社内に指示した問題に関し、柏崎刈羽原発を抱える新潟県と東電の合同検証委員会は十八日、定義が不明確な言葉で社会的混乱を招くのを恐れた清水社長が、自らの判断で不使用を指示したとする報告書をまとめた。
今後の教訓として、東電は進行中の事故の状況から推測される対応計画やリスク情報を迅速かつ丁寧に発信し原子力事業者として事故の危険性を主体的に伝え続けるべきだと提言した。
報告書によると、事故発生三日後の二〇一一年三月十四日の記者会見で、清水社長が広報担当社員を呼び出し、会見中の武藤栄副社長(当時)に、官邸からの指示だとして「『炉心溶融』などの言葉を使うな」と伝言するよう指示した。官邸の直接指示は認定できなかった。
報告書は他に、炉心の損傷割合5%で炉心溶融とする判断基準は技術的に問題なかったと認めた。(後略)》
これは、新潟県と東電の合同検証委員会が5月18日にまとめた、清水社長が炉心溶融の事実を知りながら、自らの判断で炉心溶融という言葉を使わないようにと、指示したとする報告書の記事である。
兎に角、原発に頼らない電力供給にするためには「核燃料廃棄物処理場」隠された国の計画を白日の下にさらけ出す必要がある。そこで国会の議論を経ながら国民の正しい判断を求めるのが民主主義国家ではないのか。国民はバカではない。判断材料さえ国民に提供すれば国民はそれなりに判断を選挙で下すのである。
さて、兼元徳二翁からの遺言を達成するための具体的話に入ろう。
実は、2年前に最高検察庁検事総長と東京地検特捜部に東電の清水正孝氏を「未必の殺人罪」で告発していたが送り返されていた(本紙平成28年8月号)。被爆で死亡した米兵は当時は2名だったが、2年後の今は9名の被爆米兵が死亡した。
炉心溶融なら被爆で人は死ぬと清水社長は認識していた。
ならば未必の故意の殺人だ。
国家的捜査放棄でこの問題を目こぼしすれば、原発に携わる人の学習から身につく覚悟が育たない。捜査放棄で処理したのでは「原発ゼロ」にはならないではないか。
「炉心溶融の隠蔽」は未必の殺人
東電の清水元社長を検事総長に告発
本紙川上が告発人となって先月21日、東京電力元社長・清水正孝を「未必の殺人罪」で最高検察庁検事総長と東京地検特捜部に告発した。告発人訴訟代理人は生田暉雄弁護士である。
【未必の殺人罪告発事件】
第1、告発の趣旨
被告発人の以下の告発事実に記載の行為は、刑法199条殺人罪(未必の殺人罪)に該当する。捜査のうえ、厳重に処罰されたく告発いたします。
第2、告発事実
2011年3月11日東京電力福島第一原発事故で、炉心部が溶け落ちる炉心溶融が起きていた事実を被告発人は情報で確認していた。
炉心溶融の事実を人々が知れば、被爆を避けることが出来て最悪の場合の致死を回避できるのに、その事実を知りながら、致死の被害が出ても止むを得ないと、未必の殺意をもって被告発人は、2011年3月14日夜、記者会見に出ていた東京電力副社長武藤栄に広報担当者を通じて、炉心溶融という言葉を使わないようにと指示し未必の殺人行為をなした。
友達作戦のロナルド・レーガン
第3、告発の経緯
韓国に向かっていたアメリカ海軍の航空母艦ロナルド・レーガンは、東日本大震災の2日後の2011年3月13日、トモダチ作戦で救援物資を届ける救助活動の為、三陸沖に到着した。
前日には福島第一原発が水素爆発を起こし炉心溶融で放射性物質が海に流れ出している。
事実を知らないロナルド・レーガンは原発の風下に停泊し、多くの海兵隊員が被爆し、内2名は被爆で死亡、内400人以上が東京電力相手に見過ごせない健康被害を理由にアメリカで集団訴訟を起こした。(後略)
なんと3日後の25日朝、速くも生田弁護士に東京地検特捜部の山下順平検事から電話があったのである。
「殺人罪の告発事実としては、事実の特定が不十分であるので受け付けられません」
7月21日の夕方に普通便で発送したことを考えると、23、24日が土、日曜日なので、25日の朝11時半頃に受け付けられませんとの電話通知は、驚くほど過剰に速い対応だ。
原発再稼働の方針には、刑事処罰や自らの命を指し出すほどの覚悟が必要なのである。
事件屋に食い潰された郷鉄工(3)
二孝建設のシナリオは管財人の偏頗弁済
本紙8、9月号で、破産申請を余儀なくされた「郷鉄工所」(岐阜店垂井町)の破産処理を巡る疑惑を特集で取り上げた。そのメーンは大口債権者だった石毛英範氏(麻布商事代表)が社員の「二孝建設」(東京都港区)に関するものだが、同社に関しては他にも疑惑がある。
同社は昨年3月13日現在、3億9000万円の債権があった。ところが、郷鉄工が所有していた本社工場横の茶室と資材置場を実質、代物弁済のかたちで回収している。しかも、創立者の郷宗二氏が建てた茶室の方には昔、田中総理が3億円で購入を申し込んだという「日本の国歌」にも登場する有名な「さざれ石」の動産付きと来ている。形式的に前者を2億円、後者を1億9000万円などと値を付けるような「さざれ石」ではないはずだ。
日本人の精神的支柱である「さざれ石」が、竹島や尖閣諸島のように問題が起きる要因でもある外国に売買でもされたらどうなるのか。
しかしながら、その購入日は3月31日(登記上、前者は3月29日売買で登記受付は4月21日。後者は同、3月31日)。この3月31日は債務超過を原因とする郷鉄工の上場廃止のリミット日だった。そして売買といっても、3億9000万円と相殺され新たな支払いもしていない。
さらに、この購入された2つの不動産には、二孝建設に優先して愛知銀行が3億円の根抵当権を共同担保設定していた。したがって、この根抵当権が付いたままの所有権移転となっている。
これは偏頗(へんぱ)弁済ではないのか。だとしたら、破産管財人はどう見ているのか気になるところだが、なぜか、破産管財人はこんな二孝建設と癒着ではないかと疑念を抱かざるを得ないではないか。
その最大の理由は、同じく3億1000万円の大口債権者(昨年3月13日)だった「ミロクリース」(京都市南区)と同じ代表・朝倉応水氏の「充雲」(大阪市東淀川区)が、郷鉄工の本社工場不動産を17億5000万円で購入しているが、これに対する破産管財人の見解。
この所有権移転が、債務超過で郷鉄工が上場廃止になり得るリミット(3月末)直前の昨年3月10日になされたことなどから、債務超過逃れの見せ掛けての売買と見て、管財人はすでに「否認権」を行使することを表明している。
しかし、それなら先に述べた二孝建設との売買に関しても厳しい立場を取らないと不公平ではないか。
破産管財人は、郷鉄工を上場廃止に追いやった主犯とも見られる事件屋といっていい松尾隆と朝倉氏が組んでの購入とも見て、殊更、本社工場不動産売買に厳しい目を向けているようだ。
しかし、本紙の調べでは、朝倉氏と松尾氏が知り合ったのは、朝倉氏がミロクリースに一回目の融資をする(16年9月20日)わずか半年ほど前、不動産取引先の会社でそこの社長に紹介されてのこと。それも松尾氏は「松尾正人」と偽名の名刺を出し、言葉巧みに郷鉄工への融資を願い、ほどなく当時の郷鉄工の長瀬隆雄社長、樋田英貴副社長(当時)を伴い来社した結果。松尾氏の正体を知らなかったし、過去に松尾氏の資金元になっていたという事実もない。
さらなる重大疑惑に発展か
安倍首相の「反社との選挙妨害」
300万円の「領収証」は、なぜ佐伯秘書とは別人か?
本紙6、7月号でいち早く報じた、安倍晋三首相重大疑惑が注目を集めて来ている。
7月17日、山本太郎参議院議員が国会で質問(内閣委員会で、当時のカジノ法案絡みで)したのはご存知の通り。
安倍晋三首相自身も直に関わり、弾ければ「モリカケ問題」よりはるかにダメージが大きいと思われる。
00年6~8月にかけ、安倍首相の地元・山口県下関市の自宅、事務所などに火炎瓶が投擲された放火未遂事件は、実は前年4月に行われた下関市長選挙において、安倍事務所側が反安倍派のライバル候補に対する選挙妨害を地元の暴力団にも通じる小山佐市氏(前述の放火未遂事件で懲役13年の実刑も、今年2月満期出所)に依頼、その見返りを巡ってのトラブルに端を発していたのではないかという内容だ。
本紙ではすでに7月号において、小山氏と安倍首相自身が99年7月3日、下関市の安倍事務所で2人だけで約2時間、選挙妨害の見返りなどの事後処理につき密談したことを物語る、当時、地元の筆頭秘書だった竹田力氏が署名・捺印した「確認書」2枚、「願書」1枚を入手し掲載しているが、その後、このトラブルのさらなる闇の深さを物語る証拠文書を入手したので続報をお届けする。
まずは、横に掲げた「領収証」(控え)のコビーをご覧いただきたい。
小山氏が03年11月、特定危険指定暴力団「工藤会」(福岡県北九州市)の組長ら5名と共に放火未遂事件で逮捕された際(組長は別件も含め懲役20年の実刑で現在も服役中)、全国紙などは99年8月、小山氏が安倍事務所の佐伯伸之秘書(当時)に対する300万円の恐喝容疑で逮捕されたこともあったと報じ、小山氏の反社会性を強調した。
もっとも、事情通の間では、何もなければ秘書が300万円払うわけもなく、同年4月の下関市長選を巡って何らかのトラブルがあったのではと噂されてはいた。
しかし、それを裏づける物証もなく、当時は噂の域を出ることはなかった。
ところが、前述のように今年2月に小山氏が出所。そして6月に入り選挙妨害を物語る3つの証拠書類が出る(同書類のなかにはライバル候補だった古賀敬章元代議士にちなみ「古賀潰し」「古賀問題」との記載が)に及び、いま、この重大疑惑が注目を浴びつつあるわけだ。
さて、本紙が入手したこの領収証は、まさに小山氏がこの300万円の恐喝事件に問われた際の支払いを裏づける領収証なのだ。
しかし、この領収証の宛先は佐伯秘書とは別人だ。いったい、これはどういうことなのか。
領収証の別人は、地元の安倍首相への献金企業元社長
実はここに書かれている「尾木徹夫」とは、下関市の「西部建材運輸」という地元では大手の生コン・建材業者。そして、安倍首相の政治資金収支報告書(山口県分)を見ると2010年12万円、11年同、12年同といった具合に団体献金している安倍首相支持企業なのだ。
本紙は小山氏が服役中、安倍首相に宛てた手紙のコピーも入手している(08年11月23日付)。そこにはこんな記載がある(一部抜粋、要約)。
「何が原因で貴殿、竹田力、佐伯らの急変により、絵の件で恐喝罪と企て、同年8月逮捕。ご存知の通り、安倍代議士、なぜ私が西部建設運輸、当時、尾木(前)社長の切望で安倍側とは一切関係ない堅い約束の基で譲った絵が、佐伯の訴えとして恐喝罪、逮捕されるのですか」「この時の担当、山田検事及び岡山刑事「現在」課長は尾木家宅捜査の結果、この絵は間違いなく尾木宅に存在していたと確認しています。安倍代議士、西部建材運輸尾木、安倍とは一切関係ない、堅い約束で譲った絵がなぜ、佐伯から恐喝罪で告訴されたのか回答下さい」。
関係者が解説する。
「恐喝罪で訴えた佐伯秘書は、小山が当時やっていた『恵友開発』の事務所に入り浸り、飲み食いもさせてもらっていた関係。その佐伯が直に古賀氏に対する選挙妨害を頼んだ。
しかし、佐伯を信用できなかった小山は、父・安倍晋太郎の代から仕え信頼厚く、彼のいうことは安倍首相の代理といってもいい竹田筆頭秘書に確認。その竹田から選挙妨害は『事務所全員の総意。安倍代議士も望んでいる』と確認を得たから実行に移した。だからこそ、小山は妨害実行後、安倍首相との面談を求め、竹田が安倍首相に交渉し2人だけの密談が(99年)7月3日に実現したわけです」
その密談を受け、7月号で紹介した3枚の証拠文書の1つ、7月13日付「確認書」か作成され、その冒頭には「平成11年7月3日(安倍代議士)・平成11年7月6日(竹田先生)と小山会長と下記話合いを行いました。本件につき双方一切他言しない事、約束を交わした」と記載され、本文では「【古賀問題について】この件については、安倍代議士と処々のお話をされていますが、代議士より小山会長と話合いをする様、指示を受け、本件につき小山会長と話合いを行い、中谷弁護士(*編集部注。安倍首相の当時の顧問弁護士。現在、下関市の顧問弁護士)に話合いのご依頼を致しました。本件解決については最大限努力致します。間違いが生じない為にも弁護士介入の上、平成11年7月21日までに本件解決を小山会長ご希望であり弁護士との話合いの上、了承致しました」とも記され、竹田筆頭秘書の署名・捺印がされている。
その下の署名・捺印欄のところに、1度は衆議院議員安倍晋三「代理人」秘書と記されていたが、「代理人」が削除されている(竹田の押印で)が、逆にいえば、これからも竹田秘書の署名・捺印の重要さが伺われる。
「話合い」解決のはずが一転、300万円恐喝で口封じか
ところが、7月3日に安倍首相に会い、約束したにも拘わらず、小山氏希望の7月21日までに事後処理はまとまらないどころか、逆に翌8月の7日、小山氏は佐伯秘書の告訴で逮捕されてしまったのだ。
「領収書の日付が5月20日になっているように、直に選挙妨害を依頼した佐伯秘書は自分が300万円工面したことにし、それを小山氏に払うことで一件落着としようとした。
しかし、いざとなれば一切の責任を自分1人で被るつもりだった小山氏にすればそんなはした金で納得するわけもない。当然、受け取り拒否。
そこで、佐伯秘書は安倍首相の有力後援者の尾木氏と図り、尾木氏の妻が小山氏の所有する石井薫という画家の大ファンと称し、購入を懇願。当初、小山氏は佐伯のダミーと見て拒否していたが、尾木氏に自宅や会社に日参され、仕事にならないとうことで、絶対に安倍側とは関係ないと確認して譲ったのが真相」(前出・関係者)
もっとも、その後、安倍事務所は小山氏とさらに「話し合い」解決に転じ、安倍首相が7月に小山氏に直に会うわけだが、結局、8月に入りこの5月の時の“隠し玉”を使い、小山氏逮捕による口封じを狙ったようだ。
しかし、前述したように領収証は佐伯秘書とは別人、絵画はその別人の自宅にあるでは、余りに筋が悪過ぎる。政治的影響力を行使できるであろう山口県警を使っても、起訴猶予処分にするのがやっとだった。
しかしながら、利用するだけして“トカゲの尻尾切り”をしようとしたことに小山氏は激怒、話し合いでは埒が明かないと見た小山氏は、別件で塀のなかで知り会った工藤会組長に、見返りを促すための“追い込み”として、自宅や事務所への火炎瓶投擲を依頼したと思われる。
冒頭で触れた、山本参議院議員の問いに、答弁に立った安倍首相は一方的な被害者であると答えた。
しかし、こうした一連の物証、証言を聞くと、それは疑問に思わざるを得ないのだ。
前田建設工業・上場企業の「無法者」
原発事故・帰還困難区域で「恫喝」「職務質問」「違法駐車」
2011年3月の東日本大震災、福島第1原発事故で「死の街」と化してしまった、福島県の浜通り。とりわけ、未曽有の大事故を起こした福島第1原発の立地町、大熊町と双葉町は今も、大半が高い放射線量で「帰還困難区域」とされ、居住できない状況が続く。
一方で、安倍政権は2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、福島の安全をPRしたいのか、野球とソフトボール競技の開幕戦を福島県福島市で開催を決定。
また帰還困難区域で不通になっているJR常磐線富岡―浪江間を2020年春に開通させるべく、今年8月に起工式が行われた。双葉駅から東に延びる町のメインストリート。JRの開通にあわせて、その付近も町として復興させるべく、家屋の解体、除染がスタートした。
メインストリートにかつてかけられていた看板が
「原子力 明るい未来のエネルギー」
という原発推進の標語だった。だが事故後に看板は老朽化と放射能の汚染を理由に町が解体。その横にある公民館も、解体、除染作業がはじまった。
「今、そこでトラブルが起こっている。一時帰宅する住民が帰りたくないといいはじめた。原因は公民館の解体を請け負っている前田建設工業の現場責任者、石松栄治という人物にあります」
本紙に双葉町の住民からそんな情報が寄せられた。
9月18日昼ごろだったという。一時帰宅していた町民が、公民館近くにある経営していたアパートの様子を見に行った。そして、一時帰宅できなかった親や親族に見せようと写真を撮っていた時だ。
「何をしているのか」
「勝手にとるな」
凄むように、文句を言ってきたのが石松氏だったという。
撮影していた場所は公道。なんら問題はない。
「あなたは誰だ?」
「何のために撮影するのか」
と執拗に聞いてきた。以前にも石松氏から「職務質問」のようなことをされていた住民は怒り
「あなたは警察ですか」
「警察から委託を受けて聞いているのか」と尋ねた。
すると石松氏は
「確認のためです」
というので、住民は何のための確認かと聞くと答えに窮して黙り込んでしまった。
町民は石松氏から前田建設工業の電話番号を聞き、問い合わせた。石松氏に警察から委託をされている事実はなく、職務質問のような行為をするように命じていることもないという。
先の町民はこう話す。
「前田建設工業はひどい。今年4月の一時帰宅でも石松という現場責任者は『写真とるな』『作業員の顔はダメだ消せ』などと文句を言ってきた。おまけに私の経営していたアパートの駐車場にトラックなど車を無断駐車。移動を求めると『なんや』と運転手が脅す。前田建設は、歩道に車を駐車、人の敷地に仮設トイレを置くなど、帰宅困難地域でひとがいないからと、やりたい放題。石松氏はじめ前田建設の傲慢さに恐れをなして、もう一時帰宅は嫌だという町民もいる」
石松氏はとりわけ作業員の顔をとるなと叫んでいたそうだ。
「前田建設は、作業員にわけありの人物を雇っているから、敏感になっているのではないか」
という町民もいる。前田建設が請け負っている除染、解体工事。これは国の税金が投じられている。場所は公民館で町民の立ち入りは原則、自由のはず。写真をとっても問題ない。そんな事業を請け負いながら、法令順守ができない前田建設工業。
前田建設工業といえば、本紙川上とは因縁がある。
真鍋武紀香川県知事当時、香川県立中央病院の建設を受注したのが前田建設工業・小竹興業らのJVだった。競輪場やソープランド風俗街に隣接。病院の立地として芳しくない。それでも建設を決めた真鍋氏。本紙は前田建設工業JVの落札と香川県の真鍋武紀知事(当時)には疑惑あると、記事にした。
その時の取材でも、前田建設工業には法令順守の意識はうかがえなかった。今回は国の事業で、住民を恐怖に陥らせ、帰宅拒否にまで及んでいる。車の歩道の駐車は、道路交通法違反であることは明白。
前田建設は“無法”上場企業なのか。さすがに発注元の環境省も前田建設工業の“無法”の数々に注意を入れたという。だが、現場責任者の石松氏らが何らかの責任をとったという情報はない。これぞ、税金の無駄。“無法”上場企業として社会的な責任を果たさず、復興事業で金儲けばかりを考えているのではないのか。社会的にも即刻、双葉町の事業から撤退すべきだ。
明浄学院の新たな資金源か?
「校内予備校」に生徒勧誘疑惑
日本タイムズで大阪の学校法人明浄学院と反社会的勢力の関係を追い続け、1年半が経過した。
「日本タイムズが発行される毎月10日の前になると、さかんにインターネットで職員がチェックしています。絵面校長らもすごく気にしています。大橋理事長が記事を読んで激怒したことも何度かある。特に、7月号からはじまった、大橋理事長と絵面校長の肉声の録音は、すごく反響があった」
と学校関係者は打ち明ける。
本紙川上はこれまで明浄学院と反社会的勢力との関係だけでなく、教育機関として教職員が次々に「退職」に追い込まれていること、金儲け優先とも思える学校運営にも、警鐘を鳴らしてきた。だが、夏休みが過ぎると退職者が出たそうだ。
「A先生は日本タイムズが書いた、わいせつ教師X氏に激怒。学校に対応を求めたが、絵面校長らがX氏を擁護。本来、辞めるべきはX氏なのにA先生がやめてしまった。もう一人、B先生も学校から去った。一説によるとセクハラ被害を受けたともウワサになっている」(前出・学校関係者)
相変わらず、信じがたいことが現実になっている明浄学院。それどころか、本紙が告発した生徒にわいせつ疑惑のX氏。その立場が、ますます学校内でアップしているというのである。
9月中旬のことだ。明浄学院に近い、大阪メトロ文の里駅近くの雑居ビルの2階。夕方になると明浄学院の制服を着た生徒がやってきた。向かった先は、学習塾P。これが明浄学院で“学内予備校”と言われ、新しい「金儲け」となっているという噂が学校で広がっている。
学習塾Pは、8月に株式会社となったS社が運営している。代表者のN氏はその前も大阪府内の学習塾の講師であった。それを探ってみるとなんと、わいせつ教師X氏が明浄学院に来る前にいた学習塾と一緒なのだ。
「X氏がN氏に声をかけて明浄学院の生徒を優先的にいかせるから、開業しろと持ちかけたとの情報があります。大橋理事長が日本タイムズで報じられたようにさまざまな、学校とは関連性がない事業を計画していた。その一つが学習塾。それを実現させたということでしょうか」(前出・学校関係者)
だが、明浄学院の生徒がなぜオープンしたばかりの学習塾を知り通うのか?
その理由が生徒に配布されているクラッシーと呼ばれる携帯端末。そこに、“学内予備校”のP学習塾がPRされているからだという。
「要するに明浄学院が誘導しているんですね。学校できちんと授業やれば学習塾は不要。それを行けというのは本末転倒。おそらく大橋理事長らの儲けにつながるのではないかと、職員室のひそひそ話で聞こえてきますね」(前出・学校関係者)
「教育」より「金儲け」?
明浄学院に良心はないのか?
2018年9月
- 目次
- 国滅ぶとも正義は行わるべし 安倍一強モンスターに終焉を告ぐ
- 香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その185)
- 山口組六代目を警視総監に殺人未遂罪で告訴
- ヤクザ業界窮状の原因
- 司六代目の殺害教唆が暴力団排除条例に
- 兼元徳二翁から本紙川上に遺言
- 「直島には核燃料廃棄物はいらない」
- 事件屋に食い潰された郷鉄工
- 破産処理を巡る疑惑(2)
- 森友・加計の次は迫水小学校
- 安倍首相の地元実力№1秘書の素性
- 日本タイムズに負けちゃった
- 明浄学院絵面校長が本紙報道認め白旗?
- 阿波踊り総踊り強行 本紙だけが知る舞台裏
- 遠藤市長「悪政」にリコール署名か?
国滅ぶとも正義は行わるべし 安倍一強モンスターに終焉を告ぐ
「モンスター」こと「シン・ゴジラ」に「終焉を告ぐ」とは、もちろん「原発ゼロ」を掲げてだ。
さて、総裁選のさなかのことである。こんなことが起きていた。
自民党の石破茂元幹事長は28日、松山市内で記者団に、党総裁選での街頭演説会が2012年から大幅に減って全国5カ所にとどまることに関し、「有権者は何で判断したらよいのか。安倍総裁が鹿児島(での出馬表明)で言った『骨太の議論』にも反する」と反発した。
選挙期間中に首相がロシアを訪問することについては「国民に向けて語ることよりも大事なことがあると判断したということだろう」と皮肉った。(8月28日時事より)
その程度なのであろう。多くは語るまい。
やがて、我が国の議論の焦点は絞られて、『反原発』に収斂されてくる。これは、いわば、歴史的必然、である。
「反原発」を真正面から掲げてきたのが、言うまでもなく、ライオンこと小泉純一郎元首相である。そして、ジュニアこと小泉進次郎氏は、今回の総裁選では、文字通り、〝台風の目〟である。さて、このキーワードを組み合わせていかなければならない。
自民党総裁選小泉進氏の動向注視地方票に影響
九月の自民党総裁選では、「将来の首相候補」とされる小泉進次郎筆頭副幹事長の動向が注目されている。執行部のメンバーながら安倍政権への批判や苦言を繰り返しているからだ。自民支持層内でも高い人気を誇り、地方票に大きな影響力を持つ小泉氏の判断が、総裁選の流れを左右する可能性もある。
「長い政権運営の中で今の私たちのありようが、このまま皆さんに認めていただけるものとは思えない。応援したくなる政党に変えたい」。小泉氏は昨年秋の衆院選では各地で、党への不満を隠さず訴えた。
党幹部の一人だが、「安倍一強」の政権のあり方には疑問を抱く。森友・加計(かけ)学園問題を巡っては、安倍晋三首相らの説明に「納得している人が圧倒的に少ないのは明らかだ」と指摘し、疑惑の払拭(ふっしょく)を強く求めた。自民党が法案を提出し、先の通常国会で成立した参院定数を六増する改正公職選挙法に関しても、世論が厳しく見ていることを訴えた。
総裁選は、首相と石破茂元幹事長の一騎打ちの様相が強まっている。首相は、国会議員票の七割近くを押さえ、有利な情勢。変わる可能性があるとすれば、総裁選の全得票の残り半分を占める党員・党友投票による地方票の行方だ。そこで注目されるのが、各種世論調査で次期総裁として常にトップかそれに近い支持を集める小泉氏だ。
石破氏は、小泉氏の父・純一郎氏の首相時代に防衛庁長官に抜てきされたエピソードをたびたび披露。進次郎氏についても高く評価し二十三日のテレビ東京番組で「小泉さんのみならず、一人でも多く応援してもらいたい」と秋波を送った。
小泉氏は二〇一二年総裁選で投票後に「石破氏支持」を明らかにしたが、特別に石破氏と親しい関係ではない。首相ともつかず離れずだ。
首相周辺や党幹部からは「小泉氏は調子にのっていると、党内で浮き上がってしまうぞ」とけん制する声もあり、小泉氏も圧力を気にかける。二十日には、記者団から総裁選で誰を支持するかと問われ「首相を選ぶ大切な選挙だから、最後までしっかりと考える」と明言を避けた。(東京新聞2018年7月29日付)
そして、こうなる。
総裁選 首相きょう出馬表明
安倍晋三首相(自民党総裁、63)は26日、訪問先の鹿児島県で、9月の党総裁選(7日告示、20日投開票)に連続3選を懸けて出馬する意向を表明する。首相は党内5派閥の支持を取り付け、国会議員票で石破茂元幹事長(61)を引き離す。一般党員らの投票で巻き返しを狙う石破氏は、人気の高い小泉進次郎筆頭副幹事長の支持に期待を寄せる。
首相は地方回りを本格化し、25日は夏休み明け最初の地方出張として宮崎市を訪問。党員を集めた集会で、首相は「私自身が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と向き合いながら拉致問題を解決していかなければならない」と述べ、引き続き政権を担うことに強い意欲を示した。また、自身とトランプ米大統領の関係に「友情と国益は別」と苦言を呈した石破氏の発言を念頭に「米大統領と信頼関係をつくることは首相の義務だ」と強調した。
26日は宮崎県内の農家などを回った後、鹿児島県に移動し、背景に桜島が見える垂水市の漁港で記者団に対し、立候補の決意を示す予定だ。
27日以降も各地に足を運び、党員への働き掛けを強める。
一方、石破氏は25日、読売テレビの番組に出演。総裁選への態度を明らかにしていない小泉氏について「本当に党や政治の在り方に確固たる考えを持っている」と高く評価した。石破氏は同日夜、東京都内で記者団に、自身のスローガン「正直、公正」について、「人を批判するつもりだと捉える方もあるとすれば変えることだってある」と述べた。石破氏を支持する参院竹下派の吉田博美会長が、首相の政治姿勢の争点化に不快感を示していることを考慮したとみられる。(2018年08月25日付時事より引用)
つまりは、こんな動きがずっと出ているのだ。この動きを無視することはできない。小泉親子鷹は、無論、「反原発」を旗印に掲げているが、さらに敷衍していくと、「現政権へのアンチテーゼ」というところに行き着く。この点に注目しなければいけない。
「進次郎が応援する候補が、次の総裁になる」。
ある自民党重鎮議員は、小泉進次郎筆頭副幹事長(36)への期待をこめ、こう口にした。4月2日に読売新聞が公表した世論調査で、「次の自民党総裁にふさわしい人」の1位は、進次郎氏だった。いまや、安倍首相が恐れる存在である。
「進次郎に対する安倍さんの基本姿勢は、無視。『言い返したら、(人気を)持っていかれるだけだ』と菅さんにこぼしています」(菅義偉官房長官の側近議員)
世の期待を一身に集める若き政治家は、4月4日の衆院厚生労働委員会のさなか、審議そっちのけで、真っ赤な表紙の一冊の本を読んでいた。
目を凝らすとその本は、岩波新書の『日本の近代とは何であったか』だった。日本の近現代を批判的に総括した一冊で、「新書大賞2018」で3位になったベストセラーだ。
著者は、東京大学名誉教授の三谷太一郎氏(81)。戦後70年にあたる2015年の終戦記念日の前日に閣議決定された「安倍談話」を、「冗長で、毒にも薬にもならない」(朝日新聞朝刊2015年8月15日付)と斬り捨てた政治学者だ。「反アベ」知識人たちが崇める、日本政治外交史の大家である。
この日の厚労委は、報道機関への圧力と取れる発言が問題視された東京労働局長が欠席。ある閣僚経験者が「野党がキャンキャンうるせえな」と愚痴るほど大荒れだったのだが、審議内容よりも夢中になる本だったのか。
進次郎氏に読んだ感想を聞いた。
「よく見ているなあ(笑)。まだ(読んでいる)途中です」
進次郎氏が、「反アベ」政治学者の著書を読んでいたのは、安倍首相への批判的な思いの表われか、はたまた対峙するリベラル陣営への切り返し方を学んでいたのか。
政権に批判的な著者だが?
「本は好きだし、いろんな本を読んでいます。いろんな意見を聞くのが大事ですから」
自民党を長年取材する作家の大下英治氏は、「彼はもう、2021年の総裁選で世代交代を果たせるかどうかを見据え始めている」とみる。
3月1日に、進次郎氏は自ら音頭を取って勉強会を発足。「事実上の小泉派」と永田町では囁かれる。その名は、「2020年以降の経済社会構想会議」。天下取りに向け、予習に余念なし。(週刊FLASH2018年4月24日号より抜粋)
窮地の安倍首相を悩ます「小泉父子鷹の乱」
一匹狼の父と優等生の息子は最強の「父子鷹」
こうして「際立つキャラ」で脚光を浴び続ける小泉父子だが、父親と息子の政界での立ち位置は対照的だ。毒舌で鳴らす田中眞紀子元外相が「変人」と名付けた純一郎氏は、若手議員のころから「徒党を組まない一匹狼」に徹し、2001年春の森喜朗首相(当時)の退陣表明を受けた総裁選で、「自民党をぶっ壊す」と叫んで圧勝して首相の座に上り詰めた。さらに、圧倒的な国民的人気を武器に長期政権を築き、党内の「抵抗勢力」を蹴散らして持論の郵政改革を断行した。
一方、純一郎氏が「親ばか」を自任しながら後継指名した進次郎氏の初陣は、2009年8月の政権交代選挙。小泉家4代目として厳しい世襲批判を浴び、有権者の「反自民」感情で多くの新人候補が惨敗する中、爽やかな容姿と父譲りの歯切れ良い演説で逆風を跳ね返し、さっそうと中央政界にデビューした。自民党が政権復帰を果たした2012年暮れの衆院選では早くも「選挙の顔」となり、政治活動でも「先輩は立て、同僚の意見もよく聞く」(自民幹部)という優等生ぶりを発揮し、いまや「近未来の総理・総裁確実」とされる自民党のスーパースターとなった。
もちろん、「出る杭は打たれる」のが政界の常でもあり、進次郎氏に対して自民党内では「受け狙いのポピュリスト」「跳ね上がりすぎると、どこかで足をすくわれる」などの陰口も絶えない。3月27日の佐川氏証人喚問に合わせて民放テレビにVTR出演した田中眞紀子氏も、進次郎氏の森友問題に関する一連の発言について、「若い子なのにやり方が汚いと思う。お父さんのマネをしてるのかもしれないけど、もっと本気で取り組むんだったら、自分が質問しなければいけないと思う」と批判。さらに「あの人は30年前の安倍さん。30年たったら今の安倍さんになるような子ね」などと、いつもの上から目線の"眞紀子節"を炸裂させた。
一方、父・純一郎氏は東日本大震災による福島原発事故以来、「原発ゼロ」を叫んで安倍政権のエネルギー政策に異議を唱え続けている。2014年2月の都知事選では「原発ゼロ」を旗印に細川護熙元首相を擁立して戦いを挑み、敗北した。さらに今年1月中旬には民間団体「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」の顧問として国会内で記者会見し、稼働中の原発の即時停止や再稼働禁止などを盛り込んだ「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」の骨子を発表し、各政党に賛同を呼びかけた。
その中で、純一郎氏は「近い将来、原発ゼロは国民多数の賛同で実現する」と力説し、原発再稼働を進める首相については「安倍政権で(原発ゼロを)進めるのは難しい。自民党公約で『原発依存度低減』と言いながら、これからも基幹電源にすると言っている。よく恥ずかしくないな、と思う」と舌鋒鋭く批判した。この呼びかけを受けて?立憲民主、共産、自由、社民の野党4党は3月9日に「原発ゼロ基本法案」を衆院に共同提出しており、政界では純一郎氏の行動が、「形を変えた倒閣運動」(細田派幹部)と受け止められている。
世論調査「次期首相には?」で進次郎氏がトップ
改ざん事件を受けて各メディアが実施した最新の世論調査では、そろって安倍内閣の支持率が下落し、どの調査でも不支持が支持を上回った。しかも、不支持の理由をみると「首相が信頼できない」が圧倒的多数という点でも共通している。
その一方で、読売新聞調査(3月31日~4月1日)には、9月の自民党総裁選に絡めて「次の総裁(首相)には誰がふさわしいか」との設問があったが、上位は「1位・小泉進次郎(30%)2位・安倍晋三(26%)3位・石破茂(22%)」という結果で、次期首相候補としても人気者の進次郎氏がトップとなった。もちろん、進次郎氏自身は「今は政治家としての経験を積むことが最優先」として総裁選出馬を否定する。物議をかもす一連の言動についても「毎日が真剣勝負。(マスコミにも)一語間違えたら死ぬ、との思いで対応している」と体をかわす。(東洋経済オンライン2018/04/04より引用)
これからの新しい日本を動かすためのキーワードは、つまりは、こういう構図になる。
「反原発」→「反現政権」。
この構図を十分理解し、そして、行動に移せる者しか、これから訪れるポスト次世代時代のトップにはなれない。
そして、本紙も、そのような人物だけを見据えて、身を粉にして支援していく。
実際、本紙は四国タイムズ当時から、「反原発」において、大変な提言を14年余りも前より果たしているのだ。
それが、香川県直島にある寺島、であることは説明の要がない。この事実は、本紙が独自に得た。「反原発」を標榜する、小泉親子鷹は、実はこの事実を、十分に知っている。換言すれば、知っている上で、「反原発」を標榜しているのだ。
一つ重大な指標が出ている。ここに、それを紹介しておかなければならない。
「核のごみ」処分場選定に向け 初の全国地図を公表
原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の処分をめぐり、国は、処分場の選定に向けた調査対象になる可能性がある地域を示した初めての全国地図を公表しました。近くに火山や活断層がないなどの科学的な基準から調査地の可能性が示された地域は国土の3分の2に上っています。
原子力発電所の使用済み核燃料を再処理した際に出る、高い放射能がある高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」について、国は、地下300メートルより深くに埋める「地層処分」にする方針です。
この処分場をめぐり、国は、近くに火山や活断層がないなどの科学的な基準に基づき、地域ごとの適性を示した全国地図「科学的特性マップ」を初めて作成し、公表しました。
このうち、処分場として「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域」は薄い緑色と濃い緑色で示され、面積にして国土のおよそ3分の2に上っていて、これらの地域は、将来的に処分場の選定に向けた調査対象になる可能性があるとしています。
中でも、海岸から20キロ以内を目安とした地域は、想定される廃棄物の海上輸送に好ましいとして濃い緑で示され、こうした地域が一部でも含まれる市区町村は900余りに上るということです。
一方、近くに火山や活断層があったり地盤が弱かったりする地域はだいだい色で、油田やガス田など資源がある場所は銀色で示され、いずれも処分場として「好ましくない特性があると推定される」としています。
国は、この地図は処分場の選定に向けた第一歩だとする一方、自治体に調査の受け入れの判断を迫るものではないとしていて、今後、各地で説明会を開いて理解を求めたい考えです。
ただ、調査対象となる可能性がある地域が広い範囲に及ぶうえ、安全性への懸念からこれまで調査の受け入れを表明している自治体はなく、調査地の選定は難航すると見られます。
一方、使用済み核燃料の中間貯蔵施設などがある青森県と、東京電力福島第一原発の事故があった福島県について、国は「これ以上の負担をかけたくない」などとして、配慮して対応する方針です。
処分場選定難航の経緯
いわゆる「核のごみ」の処分は、日本で原発の利用が始まって半世紀がたつ今も決まっておらず、原子力が抱える最大の課題と指摘されています。日本で処分場の選定が本格的に始まったのは平成12年でした。
電力会社などが新たな組織をつくって全国の市町村から候補地を募集し、国も、応募した自治体に最初の2年間だけでも最大20億円の交付金が支払われる仕組みを設けました。
しかし、平成19年に高知県東洋町が応募したあと住民の反対などによってすぐに撤回したほかは、応募はありませんでした。
候補地選びが難航する中、国の原子力委員会は、平成24年、国民の合意を得るための努力が不十分だったとしたうえで、国が前面に出て候補地選びを行うべきだとする見解をまとめました。
(中略)
自治体が調査を受け入れると、最初の文献調査で最大20億円、次のボーリング調査などで最大70億円が交付金として支払われることになっていますが、国は、いずれの段階の調査も自治体の意見を十分に尊重し、自治体が反対する場合は次の調査に進むことはないとしています。(8月21日付NHKより引用)
この指標は非常に重大である。とくに、本紙が従前より指定している直島だが、ここに公表されたマップの中において、しっかりと、〝好ましい地域〟として色塗りされていることを明記しておかなければならない。これは、今、現政権下にあって、最も機密に関することで、現政権として密かにやり遂げようとしているいわば、〝策謀〟とも言えることなのだ。
「反原発」→「反現政権」。
この構図を絶対に忘れてはいけない。小泉親子鷹は堂々とこれを旗頭に掲げている。このキーワードなくして、それこそ、新しい日本は創生し得ない。
本紙も、「反現政権」については、現政権のいわば象徴とも言える、佐川前国税庁長官(森友問題)、柳瀬元首相秘書官(加計問題)、そして、安倍総理のことを書いた『総理』、『暗闘』なる本を出した、ジャーナリストの山口敬之氏に対して、再三に渡り疑義を突きつけ、告発している。本紙は何度も告発は続ける。「反現政権」を標榜するからである。
もうひとつ、本紙はかねてより山口組六代目に対する告発を継続している。
当の六代目に対する状況も完全に逼迫してきており、緊張感が激増しているのだ。
①、2018年8月24日までに、六代目山口組『六代目清水一家』幹部で『田嶋組』組長とみられる田嶋聡(49・東京都大田区)、松葉会系幹部の川村祐一(49・栃木県宇都宮市)ら計5人が、公務執行妨害と器物損壊の疑いで逮捕された。
逮捕容疑は2018年5月19日に東京都台東区浅草で開催された三社祭で、路上で鉢合わせになった際にお互いに道を譲らず、「お前ら、どけ。道を開けろ」などと言って口論となり、組員ら数10人で乱闘になった。通報を受けて駆け付けた男性巡査(24)の肩や腰を掴んだり引っ張るなどして職務を妨害し、装備していた無線機のコードを引きちぎって壊した疑い。巡査にケガは無かった。
②、2018年4月20日、自民党の奈良県議会議員で奈良県議会議長を務める岩田国夫が、山口組系元組長と親しく交際し、奈良市内のホテルで元組長に議長就任のあいさつをしたと奈良新聞が報じた。岩田議長は「会ったのは2度だけ、親しい交際や就任あいさつの事実は全くない」と主張し、虚偽の報道で名誉を傷つけられたとして奈良新聞を提訴した。
2018年7月、岩田国夫が奈良県議会議長を退任した。7月10日、奈良新聞社は虚偽告訴と信用棄損の罪で岩田前議長を奈良地検に告訴した。
③、2018年8月21日、六代目山口組系組員が窃盗の疑いで逮捕された。逮捕容疑は2018年07月10日11時頃に東京都墨田区八広の路上で、自転車に乗っていた女性(75)に後ろから自転車で近付き、追い抜きざまに女性の自転車の前かごにあるバッグ(現金12000円入り)をひったくった疑い。
安田は「生活に困っていて他にもやった」と供述しているという。東京23区では2018年7月以降に同様の事件が約30件(被害総額約200万円)あり、安田の犯行だとみられている。
以上、①から③の各事件は、ほとんど表に出ていないが、実は、六代目山口組に突き刺さる〝アキレス腱〟と見做している関係者が多い。
この先、現レジームにはじまり、六代目山口組に至るまで、本紙が掲げてきたテーマが一気に、〝同時多発噴火〟する事態になってきた。
本紙は事態をジッと俯瞰していく。
香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その185)
山口組六代目を警視総監に殺人未遂罪で告訴
平成天皇の退位に伴い元号が来年5月1日に変わる。ならば、平成のうちに本紙川上の家族が巻き込まれた命に関わる三つの未解決事件を解決できるよう、被害者としても精一杯の努力をしてみよう。
まず、山口組六代目司忍組長が、本紙川上の殺害を教唆した場面の前後を、時系列で追ってみる。
【平成17年】
▼5月10日、司忍若頭補佐の若頭就任を発表。
▼6月26日、盛力健児会長が中国青島に渡航。その留守を狙ってか司忍若頭のクデターが勃発。
▼7月25日、最高幹部会で司若頭の六代目襲名を決定。
▼7月29日、渡辺五代目の引退、司若頭の六代目就任を発表。
▼8月7日、宅見事件で絶縁されていた中野会・中野太郎会長が引退と解散を大阪府警に届出。
▼8月8日、高山清司若頭補佐の若頭就任を決定。16日までに入江禎総本部長ら新執行部の陣容が固まる。
▼8月27日、山口組総本部で六代目継承式。
▼11月2日、本紙川上が六代目司忍組長を使用者責任で神戸地裁に追加提訴。
▼11月29日、最高裁が銃刀法違反事件の司六代目の上告を棄却。懲役6年の判決が確定。
▼12月5日、司六代目が大阪府警に出頭。大阪拘置所に収監される。
【平成18年】
▼2月6日、司六代目が府中刑務所に移送される。司六代目若中の二代目若林組篠原重則組長が森裕之の「偽装破門状」を作成。
▼3月7日、偽装破門された森裕之が本紙川上の殺害計画を回転式拳銃で実行。
ヤクザ業界窮状の原因
司六代目の殺害教唆が暴力団排除条例に
時系列をジックリと押さえてほしい。
山口組六代目の誕生はクーデターからで、それも本紙川上が提訴していた五代目の使用者責任の提訴取り下げを口実に芳菱会瀧澤孝総長が根回ししていた情報もある。
現状の山口組は分裂して六代目山口組、神戸山口組、任侠山口組。こうなってくると、「風が吹けば桶屋が儲かる」の例えではないが、山口組の分裂の原因は平成9年に発生した本紙川上宅への発砲事件がルーツであることは間違いない。
三代目の田岡一雄組長が掲げた山口組綱領に「国家社会の興隆に貢献」とある。山口組が分列して兄弟げんかしている現状を一番悲しんでいるのは三代目田岡一雄組長であるのは間違いない。「菱の代紋」の下にアウトローであるヤクザを集めて、国民に迷惑をかけないよう棲み分けを守らせていくのが当代の役割ではないのか。
東京オリンピックも近い。警察の手を煩わせないよう、山口組は兄弟けんかをしないよう一つにまとまるべきである。暴力団排除条例の生みの親(条例を作る切っ掛けの意味)とも言われる本紙川上が言うのであるから、間違いないはずだ。
さて、ここで平成27年11月の四国タイムズ。
《(前略)渋谷検事が本紙川上を起訴したのは8月11日。その直後から六代目山口組の離脱が始まり、「神戸山口組」が9月上旬には結成された。
家族が巻き込まれた命に関わる未解決事件を解決するために、本紙川上は被害者の務め(義務)として最高検察庁検事総長と警察庁長官に六代目山口組の司忍組長を「殺人未遂罪」で告訴した。
この本紙川上の告訴状は、捜査機関から喜んでもらえるはずだ。
だってそうでしょう。
六代目山口組の司忍組長が刑務所に収監されることが決まった平成17年11月29日には、まだ「神戸山口組」は離脱してなかったのだから。
五代目山口組の中四国ブロックのブロック長は岡山の大石組の大石組長。六代目山口組司忍組長体制では、中四国のブロック長は淡路の侠友会寺岡修会長。
当時の流れはこうだ。香川県警の黒川俊雄元刑事部長らが愛媛の矢嶋組山田組長を訪ねた。六代目に使用者責任が及ばないよう本紙川上殺害を実行するための具体的打合せを二代目若林組篠原組長と侠友会寺岡会長が行った。
この後、平成18年2月6日付でヒットマンの森裕之組員を破門。3月7日夜に本紙川上の殺害計画が実行された。
殺害に失敗した関与者は驚き慌てて、矢嶋組の組長は中山組長に交代。山口組中四国ブロックの侠友会本部があった淡路を中四国ブロックから外し、淡路を大阪北ブロックに組み込んでしまったのだ。
しばらく中四国のブロック長は空席の後に、岡山の池田組池田孝志組長がブロック長になった。
これら一連の経過を追えば、本紙川上殺害の失敗は六代目山口組司忍組長の逮捕に繋がる捜査が展開されることだけは間違いない。
現在、侠友会寺岡修会長と池田組池田孝志組長は「神戸山口組」の若頭と舎弟頭の役職。今!今がチャンスだ!》
【紙面・告訴状】
平成30年9月5日
警視庁警視総監殿
告訴人川上道大
被告訴人篠田建市
【告訴の趣旨】
被告訴人の行為は、刑法199条、同203条の殺人未遂罪に該当するので、厳重な処罰を求める。
【告訴事実】
被告訴人篠田建市は、指定暴力団六代目山口組組長であるが、株式会社四国タイムズ社(代表取締役川上道大:告訴人)が発行する新聞「四国タイムズ」において、再三、上記山口組の直参組織である二代目若林組組長篠原重則及びその配下の暴力団員が告訴人を殺害しようとしたこと、及び、同事実につき上記山口組に使用者責任を追求する民事訴訟(平成17年11月2日)を提起したことなどが気に入らないとして、告訴人を殺害しようと企て、平成17年晩秋頃、神戸市灘区篠原本町の前記山口組事務所内において、前記山口組若頭である高山清司に対して、…後略》
兎に角、本紙川上の家族が巻き込まれた命に関わる未解決事件を解決してもらいたい。
兼元徳二翁から本紙川上に遺言
「直島には核燃料廃棄物はいらない」
本紙川上は14年前、瀬戸内海に浮かぶ直島(香川県)の網元(直島漁協)だった兼元徳二翁から遺言を託された。
兼元徳二翁は当時の小泉純一郎首相の内閣情報官だった兼元俊徳氏の実父。兼元俊徳氏の妻は最高検察庁検事総長を務めた松尾邦弘氏の妹でもある。
その兼元徳二翁から本紙川上は遺言を託されていたのだ。
ここで、本紙の平成16年8月号に目を通そう。
「古武士兼元徳二からの遺言直島には核燃料廃棄物はいらない」
《正義を愛し、直島を愛した男が亡くなった。気骨ある古武士であった。
4、5年前に何回か電話を頂いたが、なぜか直接会えなかった兼元さんと、今年に入って、何度も会うことになった。会うところは、いつも 多賀町の喫茶「彩花」である。 兼元さんは、いつも、お抹茶を注文され、私もご馳走になった。話の筋にぶれが無く、目が非常に澄んでいた。すい臓の大手術をした後なのに、こちらに気を遣わせないような人であった。
6月に入って連絡が通じなくなった。中央病院に入院していたのである。
6月29日、ジャーナリストの斎藤真氏と共に見舞った。 鼻と、腹に管を通していたがベットに座っての話である。
7月5日、中央病院へ見舞ったのが最期となった。
兼元徳二、平成16年7月13日22時、死去。
「三菱マテリアル直島精錬所の銅精錬施設を活用するなどして産業廃棄物から有価金属を回収するハード事業と、住民と共に循環型社会を形成するソフト事業を展開して、『自然、文化、環境の調和したまちづくり』を目指す」。
真鍋香川県知事が謳いあげた事業に裏で、原子力発電の高レベル放射性廃棄物の最終処分場が直島の「寺島」に決まる。
十中八九、間違いない》
事件屋に食い潰された郷鉄工
破産処理を巡る疑惑(2)
「二孝建設」が必死に買収画策する郷鉄工の本社不動産
前号(8月5日)に引き続き、昨年9月に上場廃止、10月に破産申し立てを余儀なくされた「郷鉄工所」(岐阜県垂井町)の破産処理を巡る疑惑をお伝えする。
前回にも一部触れたが、その最大の疑惑は、郷鉄工所の本社工場不動産は資金繰りに窮した挙句、朝倉応水氏が代表の「充雲」(大阪市東淀川区)なる会社に転売されたが、管財人は、この売買が、見せ掛けの「通謀虚偽表示」に当たると見て、「否認権」行使の意向を表明している点だ。
この充雲への売却は、債務超過で上場廃止に抵触するリミットだった昨年3月末直前(3月10日)。売却価格は17億5000万円だったのだが、当時は不当に安すぎる「焼け太り」などと疑惑が持たれた。本紙も記事化した経緯がある。
しかし今、長年に亘り鉄工業務を営業していた跡地の売買条件を考慮すれば、妥当な金額だったと言わざるを得ない。なぜなら、汚染土壌(PCB処理等)の撤去費用は土地所有者である郷鉄工所の負担だからだ。
国民の注目を集めた「森友問題」。国から払い下げられた土地の産廃撤去費用の扱いを思い起こせば納得がいく。
それにしても不可解なのは、否認が認められた場合を想定し、すでに管財人との間で、「二孝建設」(東京都港区)に任意売却されることが決まっているとされる点だ。同社の買い付け証明書まで管財人に出されており、20億円という買取価格まで指摘されている。
債権者のことを考えれば、出来るだけ高い価格で売却すべき。それには競売が一番のはずで、二孝建設への任意売却話は、否認が裁判所に認められるどころか、まだ管財人が否認権の行使もしていない段階で出るなど、本来、あり得ない話だ。
しかも、この二孝建設の潮田秀男オーナーら、破産申し立て翌月の昨年10月、名古屋駅前のホテルに郷鉄工の長瀬隆雄元社長らを呼び出し、「松尾氏に朝倉応水氏の会社に譲渡することを強く要望されました」「本社土地建物は社員や債権者の物ですから破産管財人におきましては適正なご判断を期待しております」などと記した「本社土地建物についての上申書」なるタイトルの付いた文書への署名・捺印を強要した事実さえ明らかになっている(ただし、長瀬元社長は署名・捺印せず)。
松尾氏というのは、郷鉄工が上場廃止になる1年半ほど前に登場し、郷鉄工の資金繰りを司っていた人物で、事件屋との指摘もある。
その松尾氏と、その松尾氏の紹介で「ミロクリース」(京都市左京区)などの別会社で郷鉄工に3億1000万円の資金を貸し付けていた朝倉氏が結託、郷鉄工の虎の子の本社工場不動産を格安で手に入れたと二孝建設側はいいたいのだろう。
しかし、それをいうなら、二孝建設も同じく、松尾氏の紹介で郷鉄工に3億9000万円を貸し付けていた同じ大口債権者。その二孝建設に松尾氏と朝倉が結託といわれても説得力がないし、まして強要となればなおさらだ。
そして、管財人がこんな疑惑のある特定の利害関係人と関係を持つことは適切でないことはいうまでもないだろう。
「二孝建設」のためにスパイをしていた石毛氏の素性
しかも、追加取材の結果、前述の長瀬元社長らに署名・捺印を二孝建設の潮田オーナーと共に強要した石毛英範氏の素性が見えて来た。
前回記事でも述べたことだが、その石毛氏、破産直前の昨年9月1日、二孝建設の意を受け、「経営戦略室長」の肩書きで郷鉄工に入社。
ごく短い在職中に、郷鉄工社員14名を引き抜き、昨年一杯まで“第二の郷鉄工”作りに暗躍していた人物だ。
「会社建て直し名目で入社したが、実際は利益が上がっている部分だけ外部に持ち出し、二孝建設の潮田オーナー会社にしようとしていたようです。
しかも14名を引き抜くに当たり、『3カ月以内に方向性を決めるから、その間は失業保険をもらってくれ。いまの給料との差額は補てんする』といっていた」(関係者)
これが事実なら、そもそも失業保険は転職先が見つからない人に支給されるものなのだから、不正受給の疑いも出て来る。
さらに、別の関係者はこう証言する。
「朝倉氏は、郷鉄工が破産申し立てをした10日ほど前、郷鉄工の監査法人・東証対策をしていた池田晃司公認会計士の紹介で、名古屋駅前のホテルで石毛に会っています。その際、協力を要請され、ひじょうにいいことをいっていたので、朝倉氏は“応援しましょう”と答えている。その際、郷鉄工の本社工場の一部を使いたいとの要請を受けたものの、その後、石毛氏から大垣の方で協力工場が見つかったと一転、キャンセルされている。ところが、10月に入り再度、貸してもらえないかと電話が。しかし、朝倉氏にすれば前のキャンセルの件がある上、“第二郷鉄工”の構成につき、反社っぽい者が入るとの噂を聞いたこともあり断ったんです」
前述の長瀬元社長らがホテルに呼び出され、署名・捺印を強要された際、「朝倉とはどういう関係なんだ!」と怒鳴られた事実を思えば、こうした経緯から逆恨みされ、「松尾・朝倉コンビ」のシナリオが作られた可能性もあるのではないか。
さて、前置きが長くなったが、石毛氏とはいかなる人物なのか。
本人は「麻布商事」(東京都港区)の代表を語っている。
大手企業信用調査資料によれば、石毛氏は現在、65歳。
日本大学理工学部卒で、企業への勤務経験はなく、レストラン、美容院などの経営をした後、「厚生福祉開発センター」(後に「中央興産」に商号変更。09年3月解散)という老人ホームなどのコンサルタント代表に就任(05年3月から07年2月)。そして休眠中だった当社代表に就任。当社は、そもそも妻が美容院経営目的に設立したが、現在は実態がないようだ。
その一方で、石毛氏は同じく美容業などを目的とする「コンフィアンサ」(東京都中央区)という会社の代表にも就いていることになっているが、その住所が気になる。
このビル、銀座は中央通りのすぐ裏手にあるオンボロビル。地上げ対象地になっているが、そこには地上げ屋、過去、大型経済事件で逮捕歴のある人物、元指定暴力団組長などの会社も入居していたことがあり、「事件ビル」として悪名高いからだ。
こうした見て来ると、石毛氏はいわゆる「仕事師」であるようだ。
二孝建設の主業は水道施設工事で、東京都水道局発注工事が多い。なぜ、こんな会社が松尾氏の紹介で郷鉄工に資金貸付をした挙句、石毛氏と怪しい動きをしているのか。
郷鉄工幹部6名を迎え、受注拡大目指す「前田商事」
一方、やはり前回に登場した「前田商事」(名古屋市港区)に関しても補足しておく。
すでに管財人は郷鉄工の破砕機などの特殊機械の動産は処分しているが、その一部が同社に格安で任意売却され、その前田商事には林直樹・郷鉄工元社長を顧問に、中枢にいた者計6名を迎えているとのコメントを載せた。
これは単なる証言に止まらず、業界紙のなかで同社自身が認めている。
「受注拡大に当たっては、昨年秋に事業停止した機械メーカーの郷鉄工所(岐阜県垂井町)の元社員らを採用。元社長の林直樹氏を顧問に迎えた」(業界紙18年3月12日)。
さらに前田商事の前田匡人代表取締役自身、「わが街の元気企業」という社長インタビュー記事に登場するなかで、事業拡大に向けた取り組みについて問われ、郷鉄工の元社員を採用したとして「かつての購買部門や営業、経理の各部門で経験を積んだ有力人材が活躍しています。元社長の林直樹さんを顧問として迎えており、収益拡大へ向け皆一弾となって努力しています」と答えている。
森友・加計の次は迫水小学校
安倍首相の地元実力№1秘書の素性
本紙6、7月号では、安倍晋三首相も深く関わる地元・山口県下関市の市長選を巡る選挙妨害疑惑を報じた。
その生き証人といっていい小山佐市氏が今年2月に13年ぶりに出所し下関市内で住んでいることから、安倍首相が8月に帰郷した折、下関市内はかつてない厳しい警備が敷かれた。その際、山口県警などに指示を出していたのが畑村剛秘書だ。
選挙妨害疑惑時、地元の安倍事務所を取り仕切っていたのは竹田力秘書。山口県警OB(元警視)だけあってか、露骨に私益を肥やすようなことはなかったが、現在、竹田氏(一昨年8月死去)に代わって地元では実力№1といわれるこの畑村秘書はきな臭い情報も出ており、森友学園、加計学園に続く第三の疑惑があるとの噂も出るほど。
そこで、今回はこの畑村秘書の素性について解説する。
畑村氏、地元の安倍事務所=自民党山口県第四選挙区で事務局員を務め、№2の地位にある。事務局長は配川博之氏という別人。しかし、地元事情通はこう解説する。
「確かに肩書きだけ見れば配川氏がトップ。しかし、先代の安倍晋太郎先生時代から仕える畑村氏はキャリア歴も配川氏より長く、また裏仕事も出来、実質、トップといっていい」
配川氏の方が年配ということで、表向きトップにしているに過ぎないという。
「以前、安倍首相に対しストーカー行為をしていた若い女性を殴る、蹴るしているところを目撃した。周りに下関署員が何人もいたが、見て見ぬふり。反安倍派の市議に対する恫喝も日常茶飯事ですが、何らお咎めなしです」(地元事情通)
その畑村秘書、オールバックで強面。3人兄弟で、皆、柔道経験者。特に兄・竜治氏は国士舘大学で選手として鳴らし、全日本7回優勝の元プロレスラー・小川直也、金メダリストの吉田秀彦らとも親しいそうだ。
「その兄は、元々は整体師(下の弟は現在も市内で整体師)をしていたが、いまは弟と組んで安倍首相の政治力を背景にブローカー業をしています」(同)
昨年、下関駅前の競売に出ていたビジネスホテル跡地を任意で買い付けたのもその兄。現在、そこは居酒屋になっている。
そうかと思えば、昨年から、熊本県の方で迫水小学校跡地(約2万坪)を利用して養殖場をやる計画があるが、それには補助金が出るそうで、それにも畑村兄弟が関与しているとの噂も出ている。
日本タイムズに負けちゃった
明浄学院絵面校長が本紙報道認め白旗?
本紙で追及してきた大阪の学校法人、明浄学院と反社会的勢力の関係。7月号と8月号では、大橋美枝子理事長が、学校内で反社会的勢力との関係を認める発言をしている、衝撃の録音データをお伝えした。
「いや、7月号、8月号の威力はすごかった。『やはりうちの学校は日本タイムズで出ている通り、ヤクザと密接だったのか』『学校は暴力団に売られるのか』という話で持ち切り。大橋理事長は普段から、ヤクザのような恫喝が目立ち、やはりという思いがした」(明浄学院高校の関係者)
そして、今回は明浄学院の経営が窮地に陥っていると、絵面功二校長が認めている録音データを独占入手した。
その録音データは、昨年8月に絵面校長と明浄学院高校の教員の間で交わされたものだ。明浄学院高校の経営状況について、
「厳しい、整理解雇しなければならない」
と生徒数を減らし、教職員も解雇、辞職を求める計画を明かす絵面校長。そして、理由について、
「今、口座には2、300万円しかない」
「給料、来月は払えないんじゃないか。1億円貸してもらえない。そんな状況なんとか綱渡りでやっている。リストラやりながらつぶれたとして数か月の未払いになる」
と資金不足をあげた。
生徒数が、500名前後という明浄学院高校。その銀行口座に200万円から300万円の資金しかないという。企業なら、倒産寸前ではないのか?
資金調達には、金融機関から融資をあてにしていたという絵面校長。だがそれが芳しくないという。
「お金を貸してくれると思っていた銀行、K銀行が貸してくれなくなった。K銀行が1億円貸してくれて半年(資金が)もって4月に入学金入った。(それでしのいで) またK銀行に行くと『貸しません』といわれた」
なぜ、K銀行が融資を打ち切ったのか? 絵面校長は、
「お金借りにいっても、日本タイムズですと」
と語る。要するに、本紙の追及で反社会的勢力との関係を疑われ、学校側が金融機関を納得させる説明ができないのだという。その惨状について絵面校長は、
「K銀行の支店で借りていた。それがストップ。(金融機関)20行以上、明浄との取引(融資)がダメ、全部 日本タイムズ。本当そうなんですよ、日本タイムズ」
と話している、教員は寄付を求めてはと提案。すると、絵面校長はそれについてこう説明した。
「日本タイムズに出ているような学校には寄付なんかしたくない」
「負けちゃった感じだね 日本タイムズに ふふふ…」
と諦めたように語る絵面校長。
だが、その会話に本紙の報道を否定するような言葉はどこにもない。なかば、本紙の一連の報道を認めたような口ぶりにも、聞こえてくる絵面校長の発言。
「昨年夏に資金がヤバいとの話があった。大橋理事長が、なんとか調達して事なきを得たと聞いた。だが結局、その調達先が脱税容疑に問われている、山下理事(当時)の関係先だと言われている。ますます、深みにはまっているのではないかと学校内ではウワサになっています」(前出・明浄学院高校関係者)
すでに、明浄学院の土地は昨年7月に山下氏の会社が仮登記を設定。今年5月と7月、その一部の土地が分筆されている。売却の準備がなされている可能性もある。
絵面校長は、本紙のfacebook
ページに「いいね」を送信してくれたこともある。本紙の報道に理解を示してくれている、絵面校長。反社会的勢力との関係を一掃して、学校正常化に尽くしてほしいと、願うばかりだ。
阿波踊り総踊り強行 本紙だけが知る舞台裏
遠藤市長「悪政」にリコール署名か?
本紙が1年以上に渡って追及してきた、徳島名物の阿波踊りの「闇」。その対立が、今年8月12日からはじまった阿波踊りでは頂点に達した。阿波踊りの“華”である総踊りが中止され、不満を募らせた阿波おどり振興協会が独自で開催をと計画を練っていた。その舞台裏は壮絶なものだった。
本紙で既報の通り、徳島市の遠藤彰良市長がトップの「阿波おどり実行委員会」が総踊りの中止を決定。だが、中止は納得できないと、踊り手の集まり有名連を束ねる、阿波おどり振興協会は「総踊り強行」をひそかに練っていた。
それが具体的に動き出したのが、7月中旬のことだった。当初、学校の校庭で開催が検討されていた。徳島市の小中学校の校庭は、普段は学校長が使用の可否を下す。それが、休日や時間外は地域の町内会などに、権限が移るのだ。
そこで、ある学校にターゲットを絞って、交渉。内諾を得ることができた。
「校庭ならスペースもあり、警備上のリスクも少ない」
と振興協会幹部たちは、こっそりと「決行」に向けて、準備のために連絡を取り合った。
「総踊りを振興協会自身が強行すれば徳島市が圧力をかけてくるのは明白」
と振興協会の山田実理事長は打ち明ける。本紙が8月号で「総踊り決行か」とスクープして以降、遠藤市長は実行委員会名で「中止」するように求める文書を送付している。
校庭の内諾から数日後、それがやむにやまれぬ事情でキャンセルされてしまった。再度、総踊りができる場所の選定に入ったのが、7月下旬。阿波踊り開催中は、桟敷席がある会場周辺も歩行者天国のようになり、自由に踊りが披露できる。
そこで、浮上したのが毎年、総踊りを披露している南内町演舞場に近い両国橋の商店街前の路上。山田理事長は秘密裡に、商店街へ協力を求めた。そして、実行委員会が、
「総踊り中止させろ、やらせないようにしてくれ」
と警察に泣きついているとの情報を聞きつけた。本紙に、
「8月13日午後10時、総踊り決行」
という報が届いたのは、8月8日だった。
「遠藤市長が絶対に邪魔をしてくるから、秘密を守ってくれる人にしか言ってない。くれぐれも漏らさないように」
と「厳秘」との話だった。
そして、山田理事長らは踊る人数、集合場所、警備など事故、混乱のない踊り方などを検討。そこで、最初に子供たちの連を小規模に躍らせてから、三味線やカネ、太鼓の鳴り物で先導させ、背後から女踊り、男踊りという順番で披露するなど、安全面を考慮して、例年の総踊りとは違ったスタイルで披露することにした。
8月12日、山田理事長らは警察に、両国橋の商店街前で、どんな順番で踊るかなどを記した独自の地図を持参して説明。
「ここまでしていただいてありがとうございます。こちらが止める権限は何らありません」
と「言質」を引き出した。
そして、総踊り決行の準備は完了。告知方法も8月13日当日にネット、SNSを駆使して伝えてゆくことで決定。本紙にも「文案」が届いた。後は当日を待つばかりと思っていた時だった。
「大手マスコミから、総踊り決行ですか? 13日午後10時にと問い合わせが来た。それが相次いで収拾がつかなくなった。総踊りは1500人が踊りこむから情報漏れも致し方ない。なら告知してしまおうと、12日に私からマスコミに伝えました」(山田理事長)
実行委員会は、再度、中止せよと振興協会に迫った来た。「力づくでもやらせない」との情報が山田理事長の耳に入る。遠藤市長が警察にも「やめさせて」と相談しているとの情報も届いた。だが、夜8時を過ぎると「総踊り強行」を聞きつけた観客が、両国橋の商店街付近に集まってきた。
そこに、黄色いTシャツを着た3人組が現れた。徳島市の豊井副市長ら幹部たちだ。
「今年、演舞場では、最後のトリに『これが総踊り』と有名連が踊っていたが、迫力がなく、最後まで観覧せず帰る客が続出。振興協会側の総踊りが成功したら、メンツ丸つぶれだと、遠藤市長は必死で幹部にやめさせろと言っていた。それで豊井氏ら3人が現場にいった」(徳島市関係者)
徳島市の幹部2人が山田理事長に中止するように言ったが、集まった1000人を超す観客の前には無駄な抵抗。
「力づくでやめさせようとやってきたのかと思った。『豊井、ようきてくれた』と握手しようと手を出したら、すぐに逃げて行った。これで、決行できると思いました」
と山田理事長は話す。
午後10時、総踊りは決行された。
「総踊り、踊れて最高や」
と涙ぐむ女性の踊り子。
「演舞場の総踊りは両脇に、太鼓などの鳴り物が入る。けど今回の総踊りは、鳴り物が前にいたのですぐ目の前で迫力ある踊りが見れた。今回の総踊りの方がよかった」
と拍手喝采の観客。
総踊りは事故なく大成功だった。
例年は8月12日から阿波踊り開催中は毎晩、総踊りがある。だが、今年は振興協会が強行した8月13日の1日だけ。
「メインイベントがたった1日だけ」
「今年の阿波踊りは8月13日で終わってしまった」
とクレームもあったという。
今年の阿波踊りは、阿波踊りの記録が残っている中で最低の108万人の人出。まさに遠藤市長の「悪政」の結果だ。しかし、遠藤市長は記者会見で
「市職員はよくやった。80点」
ととんでもない発言。
「ネットでも遠藤市長は悪代官だと書き込みがあるほどの悪政を繰り返している。阿波踊りの責任をとらないなら、リコール署名との声も聞こえる」(岡孝治徳島市議)
遠藤市長の「悪政」に業を煮やした市民が、リコール署名成功成し遂げた、名古屋市の河村市長の関係者との接触もはじめているとの情報もある。
徳島の「悪代官」遠藤市長の周辺が騒がしくなってきた。
2018年8月
- 目次
- 国滅ぶとも正義は行わるべし 安倍一強モンスターの暴走に抗する
- 先月7月15日、かつての仇敵同士が、反原発でついに合流した!
- 国会議員の虚偽報告は国を亡ぼす
- 古屋衆院議員の黒藪秘書が本紙川上を侮辱
- 香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その184)
- 日本の司法改革は四権分立の正常な機能確立
- 裁く側・裁かれる側の資質
- 不適格業界トップが悲劇を招く
- トップは曰く付き元次官
- 経産省「Pマーク」法人が中小企業から"上納金"
- 事件屋に食い潰された郷鉄工
- 今度は破産処理を巡り疑惑
- 明浄学院大橋理事長 「恫喝録音」入手 第2弾
- 「反社会的勢力」を示唆する驚愕の発言
- 阿波踊りフィナーレ「総踊り」中止
- 徳島新聞、遠藤市長の阿波踊り「私物化」に後藤田正純議員加わる
国滅ぶとも正義は行わるべし 安倍一強モンスターの暴走に抗する
イギリス国営放送BBCが、ある意味すさまじいドキュメンタリー番組を創った。この番組にいち早く注目したのは、何を隠そう本紙だった。
それは当然なのだ。
本紙は、その番組のいわば主人公~いい意味ではない~を、今の時点で実に3回、告発しているのである。同番組が出来上がり、公開される前から、告発をしていたのだ。この番組のことを知るや否や注目したのは、必然だったのである。
さて、その番組とは――。
『Japanese secret shame(隠匿された日本の恥)』
この番組については、本紙が注目した後に我が国のメディアも続々と取り上げている。
「日本の秘められた恥」 伊藤詩織氏のドキュメンタリーをBBCが放送
BBCは(6月)28日夜、強姦されたと名乗りを上げて話題になった伊藤詩織氏を取材した「Japan’s Secret Shame(日本の秘められた恥)」を放送した。約1時間に及ぶ番組は、伊藤氏本人のほか、支援と批判の双方の意見を取り上げながら、日本の司法や警察、政府の対応などの問題に深く切り込んだ。制作会社「True Vision」が数カ月にわたり密着取材したドキュメンタリーを、BBCの英国向けテレビチャンネルBBC Twoが放送した。
番組では複数の専門家が、日本の男性優位社会では、被害者がなかなか声を上げにくい状況があると指摘した。伊藤氏はその状況で敢えて被害届を出し、さらには顔と名前を出して記者会見した数少ない日本人女性だ。
首相に近い人物
番組では山口氏について、事件当時は日本の有名テレビ局のワシントン支局長で、安倍晋三首相を好意的に描いた人物伝の著者だと紹介した。伊藤氏と山口氏を取材した記事を昨年12月に発表した米紙ニューヨーク・タイムズのモトコ・リッチ東京支局長は、山口氏と安倍首相の近い関係から「この事件に政治的介入があったのではと大勢が指摘している」と話した。
山口氏は疑惑を全て否定している。番組は、山口氏が出演したネット座談会を紹介。山口氏はそこで、伊藤氏が泥酔していたため仕方なく宿泊先のホテルへ招いたと話した。また番組は、性行為はあったが合意の上だったという同氏の主張も伝えている。
番組はその上で、日本の刑法では合意の有無は強姦の要件に含まれていないと説明。暴力や脅迫があったと証明しなければ日本では強姦とは認められないことにも言及し、性暴力の被害者の多くが実際には恐怖で身がすくんで抵抗できず、助けを呼ぶこともできないことにも触れた。
合意のない性行為はたとえ知人相手でも強姦なのだという、欧米では徐々に常識となりつつある考え方について、日本の大学生が教わったことがないというやりとりも紹介した。
また、日本の強姦罪(現・強制性交等罪)は2017年の法改正まで100年以上変わらず、強姦は窃盗より刑罰が軽かったなど、日本社会で性暴力が軽視されてきたことも法律の専門家などのコメントを通じて語った。(中略)
番組はこのほか、警察の問題にも触れている。日本の警察における女性警官の割合はわずか8%で、伊藤氏が事件直後に被害届を出した際も男性警官に被害の詳細を証言しなくてはならなかったこと、複数の男性警官の前で警察署内の道場のマットに横になり、等身大の人形相手に事件を再現させられたことなどが取り上げられた。
「男性警官が人形を私の上に乗せて上下に動かし、こういう様子だったのかなどと確認された」と伊藤氏は話し、番組は、警察のこの捜査手法をセカンドレイプだと非難する声もあると指摘した。
(中略)番組はその一方で、山口氏と安倍首相との関わりから、野党議員の一部が警察捜査を疑問視して超党派で「『準強姦事件逮捕状執行停止問題』を検証する会」を立ち上げたことも触れた。野党議員が国会で安倍首相に、逮捕中止について知っていたかと質問し、首相が個別案件について知る立場にないと反論する映像も紹介した。
「黙っているよりはずっといい」
個別案件ではなく、日本政府の性暴力対策全般について、番組は指摘を重ねた。
(中略)2017年9月に検察審査会が山口氏を不起訴相当としたため、山口氏の刑事責任を問うことは不可能になったことも、番組ははっきりと伝えた。不起訴相当の知らせを受けた伊藤氏や家族の反応、その後さらに民事訴訟で損害賠償を求めていく様子も伝えている。
それでも、昨年秋に米映画プロデューサー、ハービー・ワインスティーン被告(強姦および性的暴行罪で逮捕・起訴)への告発から広がった「#MeToo(私も)」運動を機に、伊藤氏への支持が日本国内でも広がったことを番組は説明。伊藤氏も変化を感じていると番組で話した。
「何か動きを起こせば波が起こる(中略)良い波も悪い波も来るが、黙っているよりはずっといい」
放送後の反響
番組が放送されると、ツイッター上ではハッシュタグ「#japanssecretshame」を使った感想が次々と書き込まれた。
〇英ウスタシャー在住のローナ・ハントさんは、「女性として、そして引退した警官として、ショックで呆然としている。詩織、あなたは本当の英雄#JapansSecretShame」とツイートした。
〇ロンドン在住の「paulusthewoodgnome」さんは、「強姦に対する日本社会の態度は本当に気がかりだ。伊藤詩織のような人がほかにどれだけいるのか。自分と自分を襲った人間にしか知られていない状態で。ほぼ全方面から見下されながら、詩織は実に勇敢で品位にあふれている。素晴らしい」と書いた。
(BBCNews Japan 2018年6月29日付記事より引用)
このタイトルとこの内容で、本紙は日本人として心底、恥ずかしく思った。
また、本紙(社主川上道大)は、これまでに三度もこの番組の主人公を告発していることに、大きな自信を感じてもいるのだ。
ここに最新の告発状を披露しよう。
【告発状】
東京地検特捜部長殿
平成30年7月12日
告発人川上道大
被告発人山口敬之
【告発の趣旨】
被告発人の以下の所為は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(補助金適正化法)違反、詐欺罪(刑法第246条)並びに業務上横領罪(刑法第253条)に該当すると考えるので、被告人を厳罰に処することを求め、告発します。
【告発事実】
被告発人山口敬之は、一般財団法人日本シンギュラリティー協会財団(渋谷区恵比寿3-31-15)の理事長を務めている。同財団理事には、いわゆる、『スパコン疑惑』において、補助金の不正受給によって、東京地検特捜部に逮捕されたペジーコンピューティング(千代田区神田小川町1-11)代表の齊藤元章が就いている。同財団と同社との間は、非常に密接であることは、両代表の緊密なる相互関係が端的に立証しているが、同関係上における資金的な関係は同時に非常に濃密にあることは自明である。具体的には、被告発人は、ザ・キャピトルホテル東急の賃貸レジデンスを事務所として使い、生活をしている。そこは、294平方メートル、賃料は月240万円もする超豪華な住居兼事務所であるが、この賃料をペジーコンピューティング社に払い出された補助金で賄わせた、という疑念がある。
以下のメディア資料を参考にされたい。(中略)
加えて、日本タイムズ2018年7月号を参考資料として付加する。
以上の証拠資料より、上記行為は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律違反に該当すると思慮しますので、被告発人の厳重な処罰を求めるため、司直の適正なる捜査によって上記事実を明らかにして戴くために、ここに告発します。
以上
先に紹介した、BBCのドキュメンタリー番組については、「実は、(日本)タイムズの告発が刺激になった」(テレビ局関係者)とのことである。身に余る光栄である。
先月7月15日、かつての仇敵同士が、反原発でついに合流した!
小泉純一郎元首相、小沢一郎氏と“30年ぶり”に共闘。原発ゼロの鍵は「野党」
小泉純一郎元首相が7月15日、東京都内で開かれた小沢一郎政治塾で、持論の「原発ゼロ」をテーマに講演した。
かつての政敵、自由党の小沢一郎氏と「約30年ぶり」に共闘を果たした小泉氏。講演後の取材で、かつて自身が後継指名した安倍首相について問われた小泉氏は「総理が原発ゼロに舵を切れば、与野党一緒になって実現できる。できるチャンスを逃しているのは惜しい、もったいない」と語った。
安倍政権に対し、厳しい見解を語る小泉氏。持論の原発ゼロへの見通しは?
両氏はかつて、自民党では違う派閥に属し、小泉政権時代には小沢氏は野党の立場から激しく批判していた。かつての政敵が手を握るのは「異例」とも言われる。大義名分は「原発ゼロ」だ。
講演の中で、小泉氏は「小沢さんとは味方になったり、敵になったりしてきた。権力闘争の世界では珍しいことではない」と歴史上の事例をあげながら説明した。
「人間は考え方が変わる。私は総理時代は原発が必要だと言ってきた。辞めてから原発ゼロを主張している」と続けた。
原発ゼロ、実現できる?
小泉氏が主張する「原発ゼロ」は安倍政権下での実現はまずなく、今秋の自民党総裁選でも政策公約に掲げる陣営が出てくるかすら不透明な状況だ。
小泉氏は報道陣に対し、総裁選でどの陣営を支持するかが注目されている小泉進次郎氏は「私の考えを知っている」と語った上で、こう強調した。
「野党がいつ気づくかだ。野党が原発ゼロを争点にできるかが大きい。(野党は)自民党みたいにいろいろ意見が違っても一本になろうという気持ちではない。野党が争点化できるかが今後の鍵になる」
果たして、小泉氏の指摘通り野党は鍵を握る存在になれるだろうか。(ハフポスト2018年7月16日付記事より引用)
この会合はいろいろな意味で価値のあるものだった。反原発は言うまでもなく、本紙が10年余り前から支持している、ライオンこと小泉元首相と小沢一郎氏との大団結。そして、なにより、この日の翌々日に行われた参院内閣委員会における山本太郎議員の安倍首相に対する強烈な質問までの流れ。これは、全て繋がっているわけだけれども、その底流に本紙がある。
山本議員の質問は、その委員会の先週に刷られた本紙7月号がひとつの布石になっているのだ。山本議員の質問を垣間見てみよう。
「総理ご自身は暴力団、またはそれら勢力と繋がりがある人物との付き合いもしくは関係、仕事を発注などしたことなどありますか?」
安倍首相は「それはまったくございません」と短く答えたが、ここで山本議員は「いま巷で少し話題になっていることを調べてみた」と言い、“あの問題”に踏み込んだのだ。
あの問題──そう、本サイトでもお伝えしてきた、「安倍首相が暴力団とも関係が深い前科8犯の男に選挙妨害を依頼していた」という事件のことである。
詳細は過去記事に詳しいが、あらためて簡単に振り返ろう。事の発端は、2000年。当時、自民党幹事長だった安倍の地元・下関の自宅に計5回にわたって火焔瓶が投げ込まれるという事件が発生。それから3年後の2003年、この事件の容疑者として、特定危険指定暴力団「工藤会」系暴力団組長と組員、そして、元建設会社社長でブローカーの小山佐市氏が逮捕された。
のちに小山氏らが安倍邸を放火しようとした理由があきらかになるのだが、それは驚くべきものだった。1999年におこなわれた下関市長選において安倍事務所は、安倍家や清和会と関係が深い現職市長の江島潔(現・参院議員)を支援していたが、野党系の候補者・古賀敬章の追い上げもあり、江島の当選が危ぶまれていた。そんななかで安倍事務所は、小山氏に古賀を攻撃する中傷ビラを撒くなどの選挙妨害を依頼したのだが、その後、安倍事務所は小山氏らと交わした“見返り”の約束を破ったため、暴力団員を使って安倍邸を放火した──というのである。(中略)
しかし、最近になって「噂の真相」の記事で現地取材を担当したジャーナリスト・山岡俊介氏が、今年2月に出所したばかりの小山氏との接触に成功。安倍首相が選挙妨害に関与していた“決定的物証”を手に入れたため、ネット上では大きな話題となっていた。
そして、ついにこの問題を、山本議員が国会で安倍首相にぶつけたのである。
だが、安倍首相は「被疑者は処罰された者で、私どもは被害者だ」と言い張り、以下のようなゴマカシ答弁を展開したのだ。
「有罪判決が下った人物は恐喝をし、これは私どもだけではなくて、さまざまなそういう過去も指摘されているわけでございますが、その人物がですね、こう言っていたということを紹介していただいたんだろうと思うわけでありまして、私は一切、こうした恐喝には屈しなかったなかにおいて、先方がですね、私や妻が寝ていた家屋に暴力団に依頼をして火炎瓶を投げ入れさせたわけでありまして、そういう向こうからの恐喝・ゆすりに私は一切屈しなかったから、このようなことが何回か起こったわけであります」
「これはむしろ私が関わりがあるということではまったくなくてですね、私は一切の関わりを断ってきたなかにおいて発生した事件であるわけであります」
恐喝されても屈しなかったからか火炎瓶襲撃の被害に遭った。むしろ自分は被害者だ──。安倍首相はこう、主張したのである。
言い訳が「自分は被害者だ」とは、まるで森友問題で籠池泰典氏に対してとった態度を彷彿とさせるが、その主張の嘘まやかしもまったく同じだ。そもそも、小山氏は安倍事務所への恐喝については起訴猶予で釈放されている。
また、仮にそれが恐喝まがいの要求だったとしても、問題なのはそれ自体ではなく、小山氏にそういう要求をさせた原因ではないか。小山氏が放火未遂に及んだのは、安倍事務所から依頼された選挙妨害を実行したのに、見返りの約束が果たされなかったからなのである。
実際、これは裁判でも認められている“事実”だ。2007年に出た判決公判で福岡地裁小倉支部の野島秀夫裁判長(当時)は、「(小山被告は)事件の1年前に行われた下関市長選挙に関して安倍総理大臣側に協力したのに金銭の要求を拒絶された。この恨みを晴らすとともに、暴力に訴えて多額の金銭を得ようとつきあいがあった組長に犯行を依頼した」と述べているのだ。
安倍事務所から選挙妨害を依頼された前科8犯の男が突きつけた証拠文書。
しかも、山岡氏の取材に応じた小山氏は、選挙妨害の詳細から見返りの約束の内容まで、事細かに証言。たとえば、小山氏に選挙妨害を依頼したのは安倍事務所の佐伯伸之秘書だったというが、小山氏は「佐伯では信用できない」として、安倍の筆頭秘書だった竹田力氏に電話。すると、竹田氏は「この件は安倍さんも含め安倍事務所全員の総意」と述べたという。
さらに、江島が市長に当選しても「見返り」が実行されないことに業を煮やした小山氏サイドは、筆頭秘書の竹田氏と交渉。その上で、安倍と小山氏が直接面会して“秘密会談”をおこなったというのだ。
事実、今回小山氏は証言と合わせ、小山氏サイドと安倍事務所双方が交渉内容を確認して署名捺印した記録文書を提示しているのだが、その文書には〈古賀潰しの件(佐伯氏よりの依頼)安倍代議士に報告〉という文言のほか、安倍氏と小山氏が直接話し合いをおこなうことを安倍事務所が通知したり、地元・新下関のジャスコ出店にかんする都市計画変更などといった選挙妨害の具体的な見返りに対して〈最大限努力致します〉と返答していたことが記されているのだ。繰り返すが、これらの文書には、〈安倍晋三 秘書 竹田力〉というサインと捺印がある。
つまり、安倍事務所が依頼した違法な選挙妨害を口封じするために、安倍首相自身が小山の突きつけた要求に応じる約束をおこなっていたのだ。
にもかかわらず、安倍首相はきょうの国会で、この暴力団にも通じているブローカーである小山氏に選挙妨害を依頼したという、そもそもの始まりをなかったことにして、「自分は被害者」「恐喝に屈しなかった」と一方的に主張したのだ。
こうした安倍首相の態度に、山本議員はこう吠えた。
「『私たちは被害者である』という以前の問題で、暴力団員と繋がりがあるような人物に対して、民主主義の根底を覆すような選挙妨害を発注するということは大問題であると。当然じゃないですか、これ。当たり前ですよ?汚れ仕事を堂々と発注できるような人間がこの国の総理であり、そして博打を解禁するということにおいて、『しっかり暴力団員とか関わらないようにするね』という監視役、その元締めであるカジノ管理委員会を任命する立場にあるなんて、笑い話でしかないですよ。現実なんですから、悲劇でしかないですね」
このあと山本議員は被災地支援問題の質問に移ったため、それ以上、この問題を深掘りして安倍首相に問いただすことはなかった。だが、安倍首相が災害対策よりも重視するカジノ法案がいかに馬鹿馬鹿しいものなのか、それを浮き彫りしてみせたと言えるだろう。
ちなみに、山本議員はこの問題を今後も追及するかのような構えも見せていた。これからの動きにも注目したい。(リテラ2018年7月17日号記事より引用)
先のBBCの番組、そして、7月15日の小泉・小沢会談(反原発)、そして、山本議員の安倍首相への直接質問(安倍事務所放火事件)。
この一連の動きに本紙はすべて濃厚に関わり影響を与え、また与えられている。
さらに本紙は、佐川前国税庁長官(森友問題)及び柳瀬元首相秘書官(加計問題)に対して、これもまた、7月24日付で東京地検特捜部に3度目の告発を行ったばかりだ。
罪名はズバリ偽計業務妨害。
国会議員の虚偽報告は国を亡ぼす
古屋衆院議員の黒藪秘書が本紙川上を侮辱
「チンピラさん!お疲れさん!」
これは、古屋圭司・衆議院議員秘書である「黒藪修司」が、衆議院第二議院会館423号室の古屋圭司事務所から、本紙川上を送り(追い)出した時、本紙川上に大声で投げかけた言葉だ。
「狼少年、狼オッさん」などと本紙川上は暴力団支援新聞から表現された事はあるが、国会議員の秘書から「チンピラ」呼ばわりされた事は生まれてこの方一度もない。
なぜ、安倍首相の側近である古屋圭司衆議院議員の秘書からだ。初対面でチンピラと呼ばれなければならないのかをこの際、振り返ってみる。
7月19日午後4時12分、日本タイムズの川上ですと名乗って議員会館の古屋圭司事務所に電話を入れた。古屋議員も秘書も留守。折り返し電話するとの女性の返事なので直通の電話番号を伝えた。電話対応経過時間は50秒。
その後、その日は古屋事務所からは電話がなかった。
翌20日午前10時、本紙川上は第二衆議院議員会館の古屋事務所を訪ねた。
「おはようございます」、と事務所に入ると、若い男性。日本タイムズの名刺を渡して名刺を求めたが、名刺はないという。そこえ登場したのが黒藪氏で、本紙川上の求めに応じて黒藪氏が名刺を手渡してくれた。名刺にはこうある。
「衆議院議員
古屋圭司事務所
黒藪修司」
入口の右横にある部屋に通された。
持参した日本タイムズ一面には「国会議員の虚偽報告は国を亡ぼす」と印字された平成29年2月号、江崎鉄磨代議士の記事。同じ紙面の下部に「世界の注目リニア事業を汚すな(その3)、中津川市・青山市長と中島工務店の疑惑を暴く」が掲載されていた。
本紙川上は、取材を申し込んだ趣旨を勘違いしないようにと、関連コピーをテーブルに置いて説明に入った。
川上「取材の目的は、朝日のスクープ『古屋議員過少申告の疑い』ではなく、来年1月に行われる中津川市の市長選挙について。古屋議員が従来通り、本紙川上が告発している青山市長を応援するかどうかについてです」
黒藪「ウチは、どの候補者とも等距離。告発は勝手にしたら…。」
川上「古屋議員の秘書でしょ。秘書なら古屋先生をかばったものの言い方せないかんでしょ」
黒藪「あんたの秘書でない。
あんたからとやかく言われる覚えはない」
この後、黒藪は「チンピラさん!お疲れさん!」と大声で怒鳴って、ドアを叩きつけるようにして閉めたのだ。
香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その184)
日本の司法改革は四権分立の正常な機能確立
《正気なのか――。オウム真理教の教祖・麻原彰晃死刑囚ら7人の死刑が執行される前日の5日夜、安倍首相が、執行を命令した上川陽子法相らと共に赤ら顔で乾杯していたことが発覚した。》7月8日付日刊ゲンダイ。
5日の夜と言えば死刑執行の前夜でもあり、本紙川上が西日本豪雨のため陸路を諦めてサンライズ瀬戸から全日空に切り替えた日。西日本豪雨の災害は、死者200人を超え特定非常災害に指定された。
この平成30年7月5日夜の自民亭での酒盛りは、日本国民の一人として許せるものではない。
安倍一強内閣での上川陽子法務大臣。担当大臣としての資質を探ってみる。
《執行について、上川氏は「鏡を磨くという姿勢で臨む」と繰り返してきた。今月10日の閣議後記者会見で改めてその意味を問われると「鏡を磨いて、そこに映し出されるさまざまな事柄について澄み切った心で向かい合いたいという気持ち」と説明した。
歴代法相の死刑への考え方はさまざまだ。93年3月に3人の執行を命じた後藤田氏はその後の国会答弁で「個人的な思想信条や宗教観でやらない、それなら初めから大臣に就任することが間違いだと思う」と述べた。》毎日新聞。
なるほど、死刑執行の最終手続きは法務大臣の崇高なる生命哲学を持ち合わせた人間性が求められているのか。
ならば死刑執行前夜に、酒盛りの締めの挨拶を「グーサイン」をする上川陽子氏の法務大臣就任は不適格だ。
裁く側・裁かれる側の資質
不適格業界トップが悲劇を招く
本紙川上は、27年近く日本タイムズ(当初・四国タイムズ)を発行してきた経験から、組織トップの資質が、それぞれの業界に与える影響はとてつもなく大きいことを体験的に思い知らされた。
体験とは、家族が巻き込まれた命に関わる拳銃発砲や鉄パイプ襲撃事件、それに捜査権力からの捜索や判決である。
日本の現状は、果たして民主主義国家と言えるのだろうかと、疑問さえ抱く。
政治家のレベルは国民のレベル、といわれる。
そう、政治家と国民は相対的な関係にあるのだから、政治家を批判するのであれば国民のレベルアップを計らなければならず、そのためには国民がレベルアップするために判断できる情報を国民に与えなければならないということだ。
ならば、安倍一強内閣の「虚偽公文書作成や公文書破棄などの犯罪行為」は厳正に捜査を強めなければならないはずではないか。
曖昧に法律の解釈を安倍一強内閣に都合よく広義に解釈することを続けたことで、気が付けば安倍一強モンスターという怪物が民主主義という基本ルールを破り捨てて、もはや国民からは手のつけようのない状況が迫っているのではないかとさえ思えてくる。
司法改革とは、裁く側も裁かれる側も、双方が納得できることを目指さなければならない。あの捜査官なら素直に、あの裁判官なら正直に罪を償って更生しよう。あの法務大臣からなら死刑執行も心から受け入れ、被害者に心を馳せる。(現・死刑制度での話)
こう考えると、安倍一強内閣の上川陽子氏は法務大臣不適格だ。
だってそうでしょう。
死刑執行の決済にサインした法務大臣が、早朝である死刑執行の前夜に、安倍総理と共に自民亭で酒盛りとは異常な光景と言わざるを得ない。
法務大臣なら前夜に、被害者に心を馳せ、遺族の悔しさを胸に噛みしめながら、法務大臣室で一夜を過ごす。
また、死刑執行される人には、内閣の一員として、同じような犯罪が起きないような社会を目指して政治活動しますと、心静かに過ごせなかったのだろうか。
さて、本紙川上の家族が巻き込まれた命に関わる三つの未解決事件の解決に迫る。
上川陽子法務大臣が先月、一挙に13人の死刑執行を決済するなら、本紙川上の未解決事件も解決できるはずだ。
だってそうでしょう。
上川法務大臣が「鏡を磨いて、そこに映し出されるさまざまな事柄について澄み切った心で向かい合いたいという気持ち」と説明したのなら、すでに本紙川上の未解決事件の事実関係や傍証などは出揃っているのだから、厳正公平に法務大臣として解決するように各方面に指示してほしい。
最近の傍証を掲げておこう。
週刊実話8月9日号。
六代目山口組「再統合への誓い」の中にこんな記事がある。
《…組碑の前には白いテントが張られ、司六代目をはじめ最高幹部ら総勢40人ほどが参列。慶弔副委員長の篠原重則・二代目若林組組長(香川)が司会進行役を務め、正午から法要が始まった。まず司六代目が焼香し、続いて執行部から順に直系組長らも焼香。》
傍証として注目してほしいのは「慶弔副委員長の篠原重則・二代目若林組組長(香川)が司会進行役を務め」。
この篠原重則が、司忍六代目の教唆に従って本紙川上の殺害計画を実行させた男だ。この男を逮捕すれば必然的に司忍六代目も逮捕されるから、組織のポストには資質に欠けるが司忍六代目の逮捕を免れるために、この男・篠原重則を厚遇しているのだ。
だってそうでしょう。
香川県警の腐敗警官らと結託した篠原重則の口封じに、
六代目山口組の事務局長兼慶弔副委員長のポストとは。
トップは曰く付き元次官
経産省「Pマーク」法人が中小企業から"上納金"
経済産業省の”国策商売”が止まらない。
その「濡れ手に粟」スキームが目に余るのがPマーク(プライバシーマークの略称)だ。経産省の天下り法人であるJIPDEC(一般財団法人日本情報経済社会推進協会)が個人情報を適切に扱う企業や団体に“お墨付き”として使用を認めるマークである。
問題はPマークの取得にかかる費用だ。申請・審査・登録には大規模企業は123万円、中規模企業62万円、小規模企業31万円もかかる。しかも有効期間は2年。更新時にはまた93万円、46万円、23万円の費用が必要となる。しかも、中小企業はセキュリティに関する知識があまりないため、コンサル会社に依頼しなければ審査は通らない。ともかくPマークは金食い虫なのだ。
では実際、審査ではどのようなことが行われるのか?ベースは社員教育や顧客データの管理などのチェックだが、コンサルが必要なだけあって子細にわたる。
「たとえばパソコンの下に段ボール箱を置いてはいけない、というチェック項目があります。USBメモリなどの記録媒体を気が付かないうちに段ボール箱の中に落としてしまう事があるからです。その段ボール箱がごみとして破棄された際、USBメモリを見つけた人間が中のデータを悪用するリスクを考慮している訳です。他にもサーバーが置いてある部屋への出入りはすべて記録をつけるなど、細かなことが決められいます」(コンサル会社スタッフ)
とは言ってもたくさんの人間が働く職場で、このような細かなことを守ることは不可能だ。
「中小企業なんてサーバーが置いている部屋は物置と兼用したりしてますよね。物置に備品を取りに入った人間がいちいち出入りの記録を残すと思いますか?結局、セキュリティを確保しようとすれば、サーバー室を単独で作らなければならず、建物自体の改築が必要になってくる。審査といったって、要は『決まりどおりちゃんとやりますよ』という意思表明を確認しているだけで、会社にとっては審査が通れば良いだけでなんですよ。コンサルの中には『審査合格保証』なんて謳っているところがありますが、まさに形だけ整えればPマークが確実に取れる、ということの証左ですよ」(コンサル会社スタッフ)
結局、社内で運用しているプログラムにセキュリティーホールがあったり、社員がハッカーと組んでしまえば、個人情報は簡単に漏れてしまう。Pマークを取得しているなどといっても、個人情報が漏洩しない会社ということではないのだ。にもかかわらずPマーク取得業者数は1万5788(2017年度)社で10年前の1.5倍。JIPDECは審査するだけでこれだけ多数の会社から2年に一回、最低でも23万円を徴収できるのだ。
審査費用は一桁安い2万円でも十分だと思われるが、最安でも23万円というボッタクリ料金を支払ってでも事業者がPマークに拘るのにはそれなりの理由がある。
「公共事業の入札で『Pマークを取得していること』という条件がドンドン入ってきているんです。自治体がそうなので大企業でも取引相手にやはりPマーク取得を要求することが普通になってきています」(コンサル会社スタッフ)
結局、世の中の流れの中で商売上どうしてもPマークが必要になってきているのだ。
Pマークができたのが1998年。個人情報保護法の成立(2003年)を睨み、将来の権益として当時の通産省が撒いた種が大きな実を付けた、ということなのだろうが、ビジネスモデルとしては暴力団の上納システムとたいして変わりがない。”国策商売”というのは、そもそもがこのようなスキームのものなのかもしれないが、JIPDECの場合、他にも目に余る事がある。
それはこの6月から会長の座に元経済産業事務次官で商工中金(商工組合中央金庫)の社長を務めた杉山秀二氏が就いていることだ。
商工中金は昨年、金融庁の立ち入り検査を受け2度の業務改善命令を受けている。制度融資で不正を繰り返した結果、不正融資は4609件、2646億円に上った。不正融資は組織ぐるみで、杉山氏が社長を務めていた2013年~2016年にガンガン行われていたのである。
本来、立件されてもおかしくない杉山氏が、まだ事件のほとぼりも冷めやらぬうちに、経産省の集金マシンであるJIPDECのトップに返り咲いたのである。もはや経産省の感覚は異常としか言いようがないし、商工中金の不正融資事件も監督官庁である経産省が黙認していた、と疑わざるを得ない。
今や安倍首相の周辺は経産省出身者で固められている。JIPDECのボッタクリ商売と曰く付き元次官のトップ就任という事象は、安倍首相を懐に入れた経産省のおごりの表れであることだけは間違いないだろう。
事件屋に食い潰された郷鉄工
今度は破産処理を巡り疑惑
売却された本社工場不動産を、管財人が「否認権」行使の意向
「郷鉄工所」(岐阜県垂井町)といえば、東証2部に上場していたが、資金繰りの厳しいなか、松尾隆氏といった事件屋に実質、食い潰され、昨年9月に上場廃止、翌10月、破産申し立てを余儀なくされた産業機械メーカー。
本紙でも昨年9月5日号ではコラムで、10月5日号では特集記事で取り上げたので、ご記憶の読者は多いことだろう。
その郷鉄工を再び取り上げるのは、今度は破産申し立て後の債務整理を巡り、管財人と一部企業との癒着の結果、債権者への配当率が低下するなどの重大疑惑が浮上して来たからだ。
本紙では昨年10月5日号において、昨年3月10日、郷鉄工の本社工場不動産が「充雲」(大阪市東淀川区)なる会社に時価の約半値ともいわれる17億5000万円で売却され、しかもその売却価格の3倍で転売できる可能性もあることを指摘し、疑問視していた。
同じ朝倉応水氏が代表の「ミロクリース」(京都市左京区)が郷鉄工に3億1000万円貸し付けていた(昨年3月13日現在)返済が滞っていた事実があり、一言でいえば、その優越的地位を利用して実質、本社工場敷地不動産を取り上げて大儲けを企んでいるのではないかという疑惑だった。
そうしたところ、今年4月27日に第1回目の郷鉄工債権者集会が開催され、そのなかで、破産管財人がこの本社不動産売却は無効との方向で検討していることがわかった。
その理由は、当時、郷鉄工は債務超過で上場廃止に抵触するリミット(3月末)直前だったことから、実際は売買するつもりはなかったが、簿価が低いこともあり、17億5000万円でも売れたことにすれば債務を圧縮できる。それで債務超過を回避できれば、また増資し、その資金で買い戻すという計画だった。
こうした見せ掛けの不動産売買を「通謀虚偽表示」といい、その場合、原則としてその売買は無効となる(民法第94条第1項)。
管財人は今後、前出・朝倉氏側に所有権移転登記原因の否認登記手続請求をする模様だ。
本紙が主張していた優越的地位に基く本社不動産取り上げとの内容こそ違え、違法性があるとする点は同様だ。
いずれにしろ、その結果、債権者への配当が増えれば結構なのだが、今回、そこに新たな疑惑が出て来ており、結果、多額の配当は期待薄であるようなのだ。
俄かに信じ難いが、結論を先にいえば、否認が認められた場合、「二孝建設」(東京都練馬区)に優先的に売却するとのシナリオが、密かに、管財人と二孝建設側とで出来ているというのだ。
二孝建設、元社長らを呼び出し「上申書」にサインを強要
この二孝建設、前出のミロクリース同様、松尾氏の仲介で郷鉄工に運転資金を貸し付けていた大口債権者(3億9000万円。昨年3月13日現在)。
東京都水道局発注の水道施設工事が主体で、17(平成29)年8月期の売上高は約10億円、純利益は約2億円。
本紙の手元には、その二孝建設側が破産申し立て翌月の昨年10月15日、郷鉄工の長瀬隆雄元社長、宮脇一人元取締役を名古屋駅前の「マリオットアソシアホテル」に呼び出し、サインを迫った「本社土地建物についての上申書」とのタイトル用紙がある。
冒頭で指摘した事件屋の松尾氏が、上場廃止を回避するためと称し、朝倉氏の会社に本社工場不動産売却を強要した旨の記載があり、これにサインとなれば、見方によれば、当時の社長らがあの売買は「通謀虚偽表示」と自白する内容だ。
「サインを迫ったのは二孝建設の潮田秀男専務。国税が入った関係で専務を名乗っているだけで実質オーナー。それに石毛英範なる者。3時間にも渡り、最後はテーブルを叩かんばかりの勢いで、『朝倉とはどういう関係なんだ!』などと怒鳴っていた。ただし、元社長らは“持ち帰って検討する”と最後までサインしませんでした」(関係者)
この石毛氏は破産直前の昨年9月1日、郷鉄工に「経営戦略室長」の肩書きで入社。ところが、今年4月の債権者集会では二孝建設の社員として発言しているところを見ると、潮田オーナーが郷鉄工の内情を探るため破産前に送り込んだようだ。
要するに、ニ孝建設は大口債権者だったことから必死で債権回収を模索。サインさえ取れれば、直ちに郷鉄工元社員・石毛氏の肩書きで、同氏が出す上申書にこの用紙を添付し破産管財人・小森正悟氏に提出する予定だった。
その一方で石毛氏はごく短い在職中に郷鉄工社員14名を引き抜いており、昨年一杯までは“第2郷鉄工”郷鉄工所(株)を作る方向で動いていたようだ。
「結局、第2郷鉄工は断念したものの、小森管財人には食い込み、本社土地購入を目論んでいる。まだ否認のための訴訟すら提起されていないのに、すでに二孝建設は小森管財人に買い付け証明書まで出しています。
今回の破産申し立ては佐久間信司弁護士が行いました。石毛氏はこの佐久間氏のラインで、小森氏に食い込んだともいわれます」(同)
実際、今年4月の債権者集会は両者が連携しているかのような様子だったという。
「小森管財人が本社工場不動産売買につき否認の方向で事を進めていることを表明。すると大きな拍手が起き、集まった債権者のなかで一番に質問して評価したのは石毛サン。
そして、当然ながら郷鉄工経営陣に対する批判が出ると思ったら、上場廃止・破産に至る元凶は朝倉氏で、それは松尾と朝倉氏が結託して本社工場を所有権移転させたから旨の内容だったので、さすがに驚きました」(出席者)
当の朝倉氏も出席していたが、沈黙していたという。
小森管財人、ニ孝建設、さらに前田商事とも癒着疑惑
ところで、管財人は破産会社の財産処分につき大きな権限を持っている。
仮に本社工場不動産が郷鉄工側に戻ったとして、一般には競売がもっとも高値で換金できると思われるが、すでに別の複数の企業が工場の約7割を使用していること、また、転売しようにもPCB廃棄物処理の手間など考えると、いろいろ理由を付けて任意売却ということは十分可能なのだ。
その一方で、小森管財人に関しては「前田商事」(名古屋市港区)との癒着疑惑も囁かれている。
小森管財人は、すでに動産の処分に手を付けている。
前田商事は機械部品商社だが、その同社に、郷鉄工の破砕機などの特殊機械が一般には換金が難しいという理由から7台ほど任意売却されているという。
「普通はいいところ仕切価格の3~4割引き。それが実に7割引き。実は前田商事には郷鉄工の中枢にいた者が6名破産申し立て翌日に入社。同時に設計図、顧客名簿などの経営機密資料なども持ち出され、しかも林直樹元社長まで顧問に迎えているんです」(事情通)
樋田英貴元副社長のトラバーユ先企業との間でも同様のケースがあるそうで、本当に適正といえるのだろうか。
実は小森管財人が否認訴訟を検討中なのは、前出の本社工場に限らず、債権の片に取った社員寮、創業家が造った由緒ある茶室なども含まれているとも。
というわけで、今後のこれら処分の行方に要注目だ。
明浄学院大橋理事長 「恫喝録音」入手 第2弾
「反社会的勢力」を示唆する驚愕の発言
本紙が追及している、大阪で私立高校や大学を運営する、学校法人明浄学院と反社会的勢力との疑惑が浮上している問題。前号では、大橋美枝子理事長がヤクザまがいの言動で教員を「恫喝」している、録音の中身をお伝えした。
今回、本紙は大橋氏が反社会的勢力との関係を、半ば認めるような内容の録音を新たに入手した。
その録音は、昨年9月に明浄学院の労働組合を担当していたH先生(当時)に対して、大橋氏や絵面功二校長らが処分や処遇について話し合いを持った席だった。
「おまえ、嘘つきええ加減にせえ」
とうてい、教育者とは思えない言葉でH先生を罵倒する大橋氏。神戸山口組最高幹部、池田組の企業舎弟で逮捕歴もある、大山武夫氏が明浄学院に入り込む前、スポンサーとして名前があがっていたのが、学校法人や病院法人を運営しているSをあげて大橋氏は,
「Sがどんなところか知っているのか」
とH先生に迫り、こう続けた。
「Sの方が、よっぽど反社会だわ」
「警察のあれにのっておる」
そして、同席していた明浄学院の幹部も、
「完全に反社会」
と同調しているのだ。
また、昨年8月末に明浄学院で大橋氏と絵面校長らが打ち合わせをしている場面の録音では、
「もともとSをつれてきたのは(バスケットボール部顧問の)Hだ。ヤクザを連れてきたのは」
大橋氏は、Sが反社会的勢力どころか、ヤクザだとしているのだ。
大橋氏の話を聞いていると、明浄学院のスポンサーとなっている自分や大山氏も反社会的勢力と関係がある。だが、Sはそれを以上に反社会的勢力、ヤクザそのものという趣旨なのだ。大橋氏自身が反社会的勢力と関係があると「自白」しているのだ。
明浄学院では、大橋氏らの強引とも思える手法に多くの教職員が反発、適正な学校運営を求めていた。本紙もそれを1年以上報じてきた。
「売られたケンカ、買わなきゃいけん」
そう語る大橋氏の肉声もある。
適正な学校運営を求める声を「ケンカ」と例える大橋氏。反社会的勢力の発言、そのものだ。
大橋氏は、昨年5月に明浄学院内で録音された肉声には、こんなことを語っている。
「私、お金集めたんですよ」
「今までの赤字、お金足りなかった1億5千万円をこの5億円で埋めたのよ、わかってる」
「私はこのお金で学校を助けたんだから、なんにも言われることはない」
だが、この5億円についてはすでに本紙で既報のように、学校法人明浄学院の理事で、不動産会社を経営する、山下隆志氏が調達に関与している可能性がある。山下氏は、法人税約8700万円を脱税したとして、大阪国税局が刑事告発している。
不透明な疑いがある5億円を自分が調達したと、大橋氏は自慢するばかりだ。
そして、本紙でも報じているように、大橋氏は大阪市阿倍野区の明浄学院の敷地を売却し、大阪府吹田市に移転する構想を描いていた。本紙などの指摘もあって、吹田市が明浄学院への売却を認めなかった模様だが、
「吹田、パーになった。どれくらい損失があったか。数十億円の利益が手に入ったのに」
本紙・川上が明浄学院を報じ続けるのは、教育は商売のネタではない。教育の場は高度な清廉性が求められる。反社会的勢力の介入など、絶対に認められないという思いからだ。
大橋氏の一連の発言から、明浄学院が危機的状況にあることが、はっきりした。一日も早く、正常化することを願ってやまない。。
阿波踊りフィナーレ「総踊り」中止
徳島新聞、遠藤市長の阿波踊り「私物化」に後藤田正純議員加わる
400年の歴史を誇る阿波踊りで、徳島新聞が荒稼ぎ。それを遠藤彰良市長がバックアップ。徳島が世界に誇る、阿波踊りが私物化されている現状を本紙が追及して、1年以上が経過した。
残念ながら、今年はさらに私物化が進み、よりひどい阿波踊りになりつつある。その象徴が、本紙の前号で報じた「総踊り」の中止。阿波踊り期間中、連日午後10時から南内町演舞場で、阿波おどり振興協会に所属する有名連の約2千人が、一糸乱れぬ踊りを披露する。阿波踊りの象徴だ。
「南内町は総踊りでチケットがよく売れるが、他の会場の桟敷席が売れない。総踊りを中止して有名連を分散させて、踊らせる」
と遠藤市長はそんな方針を打ち出した。そこで肝心のチケットの売り上げだが、本紙締め切りの7月末時点で、徳島市の阿波おどり実行委員会の関係者は、
「売れたのは全体の半分にちょっと届かない程度。総踊り中止の効果はなく、逆にマイナス。総踊りしないなら、払い戻せと抗議の電話もある。それに日本タイムズはじめ、マスコミ報道で徳島新聞荒稼ぎの構図が世間にバレて、イメージが悪くなったことも一因」と打ち明ける。
徳島新聞の阿波踊りの私物化がボディーブローのように、響いているというのだ。だが、徳島新聞には反省はない。本紙でも報じたように、昨年の阿波踊りで徳島新聞は遠藤市長に加え、衆議院徳島1区選出、後藤田正純議員と「結託」して、歓楽街の秋田町に桟敷席を設置しようと動いた。だが、徳島市観光協会が認めず“悪だくみ”は実らなかった。
だが今年は、秋田町に「おどりロード」を新設して、有名連が踊りを披露することが決まった。
「後藤田氏の有力後援者が秋田町におり、その関係で計画が浮上したのです。ガッチリ手を組む徳島新聞と遠藤市長、警察にまで根回し。阿波踊りを選挙に使う、まさに私物化ですよ」
と徳島県の地方議員は怒りをぶちまける。
話を先のチケット問題に戻す。遠藤市長は、4億円あまりの赤字を理由に徳島市観光協会を破産、解散に追い込んだ。徳島市の阿波おどり実行委員会が主催者となったが、実質的には徳島市が税金投入して運営するようなもの。チケットが売れず赤字は必至と思われる。
「赤字になれば遠藤市長の進退問題に発展する」
と話す徳島市議は複数いる。
今、破産の処理が進む徳島市観光協会が残した赤字は約4億3千万円。その資産などを売却して、すでに約3億7千万円を確保。まだ売却できる資産があるという。それが、阿波踊りの出入り口の看板や提灯などだ。
本紙はそんな中、阿波踊りの設営に関する、書類を入手した。〈阿波おどり照明・電設業務委託契約書〉には、徳島市が設営業者に看板や提灯が〈支給資材〉という内容が記されている。
「看板、提灯は協会の資産。まだ売却されていないことを徳島地裁の資料で確認済み。徳島市が勝手に提供できるわけない。徳島市が新たに看板などを作製しているという話は聞いていません」と協会の事務局長だった、花野賀胤氏は指摘する。本紙が調べたところ、廃棄処分の資産が廃棄されず中古品として売買されるなど、ずさんな資産処分もある。
他人の資産をいくら徳島市が阿波踊りのためであっても、使用できないのは当然。それを「支給」というのは、徳島市は破産管財人、中西一宏弁護士と「結託」して私物化するのか。監督義務がある、徳島地裁もその一味とみられても仕方ない。
阿波踊りで荒稼ぎの徳島新聞、結託する遠藤市長、後藤田氏に弁護士、裁判所。徳島は無法地帯と化しているのか?
2018年7月
- 目次
- 国滅ぶとも正義は行わるべし 本紙川上が現政権に〝三つの重大告発〟
- 現状のままではダメだ!今こそ、現政権打倒、原発ゼロで立ち上がる
- 香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その183)
- 香川県警腐敗組と山口組との拳銃事件にメスを
- 未解決の具体例は生きた教材
- 山口組六代目の逮捕で拳銃事件に歯止めを
- オリーブ・オペレーションの頂上作戦②
- 六代目山口組に迫る愛知県警
- 入手・ポスト「モリカケ」の重大疑惑文書
- 安倍首相自宅放火未遂事件の背後に「反社との選挙妨害」
- 明浄学院・大橋理事長の「恫喝」録音独占入手
- 「ただではすまさん」やはり背後の暴力団か?
- 阿波踊りで「総踊り」中止
- 徳島市の遠藤市長、徳島新聞の「ポチ」ぶりに非難殺到
国滅ぶとも正義は行わるべし 本紙川上が現政権に〝三つの重大告発〟
現状のままではダメだ!今こそ、現政権打倒、原発ゼロで立ち上がる
絶妙のタイミングで、その告発は為された。
それは6月11日のことである、
国民は、佐川前国税庁長官の大阪地検による不起訴を見て、『この国はどうなってしまったのだ!落ちるところまで落ちるしかないのか…』、と嘆いていた。
その佐川前長官に続いて、証人喚問された柳瀬前首相秘書官にしても同じ〝ため息〟しか国民からは聞かれなかった。
そんな矢先、安倍晋三首相は、早くも今年九月の総裁選出馬に名乗りを上げる。三選を狙っていきます、と。
〝冗談じゃない!〟、このままではいけない、そんな機運が急速に潮位を増してきていたその時、その告発はズバリ、東京地検特捜部に出された。
その告発は、これまで為されてきたような偽証罪に対してなどではない。例えば以下のような主旨の告発ではない、ということである。今回の告発との違いを明確にするために、これまでの佐川前長官に対する告発について記しておこう。
佐川国税庁長官らへの告発受理東京地検、森友問題巡り
学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題で、東京地検特捜部が10日までに財務省理財局長だった佐川宣寿国税庁長官らに対する証拠隠滅容疑などの告発状を受理し、大阪地検に移送したことが関係者への取材でわかった。大阪地検が他の告発とともに捜査する。
醍醐聡・東大名誉教授らで作る市民団体が10月、佐川長官が国会で虚偽答弁を続けて「事件の証拠を闇に葬った」として証拠隠滅容疑で告発。学園側と土地売却交渉をした当時の財務省近畿財務局職員についても背任容疑で告発していた。
告発状は、財務局職員が土地の売却で学園側に「ゼロに近い金額まで努力する作業をしている」と話した録音データについて「強い証明力を有する」と指摘。佐川氏が「価格について国からの提示や学園側の希望はなかった」などと国会で述べていたことが証拠隠滅行為に当たるとしている。(2017年11月10日付朝日新聞記事より抜粋引用)
以上は、偽証に関する告発である。これが、大阪地検の方で不起訴になったことは周知の通り。つまり、これはもう過去の話となったわけである。現実として語るならば、よってたかって、過去のものにしてしまった、ということである。
ところが、このいわば、手前勝手な都合に待ったをかけた男がいた。言うまでもない、本紙社主、川上道大である。
そして、今回の告発である。
川上が出した「一つ目の告訴状」を見てみよう。
被告発人佐川宣寿(前国税庁長官)
東京都世田谷区祖師谷4-×-××
第1告発の趣旨
被告発人の下記行為は、偽計業務妨害罪(刑法第233条)を構成するので、刑事上の処罰を求める。
記
【告発の事実】
佐川宣寿は前支出負担行為担当官財務省理財局長として国有財産の処理及び管理を統括する業務に従事していたものであるが、共謀の上、同局局員、及び近畿財務局被告発人池田靖、訴外同局上席調査官赤木俊夫に指示するなどして、平成28年6月20日頃から平成29年2月28日頃の間において、近畿財務局が、学校法人森友学園との間で売買契約を締結した豊中市野田町1501番宅地8,770.43平方メートルの国有地(以下「本件土地」という)の売買契約に至るまでの交渉経緯等に関する、近畿財務局の管理にかかる公用文書である一連の書類(以下「本件公用文書」という)を、不法に廃棄・隠匿するなど公用文書を毀棄、偽造を施した上、作成した。
その上で、一年間にも及び立法の場である国会を徒に空転させ、国民に対して甚大なる損失を与えた。これは、毀棄、偽造の事実の有無如何に拘わらず、意図的な偽計業務妨害を構成することは明白である。
第2罪名及び罰条
偽計業務妨害罪(刑法第233条)
以上
この告発を検察側が看過できるはずはない。ましてや、偽証のときのように、あえなく不起訴にするようなことができるはずもないのだ。
偽計業務妨害――。この罪について、この際、とことん読み込む必要がある。この罪状を知れば知るほど、蔑ろにできないことを理解するはずである。
信用毀損罪・業務妨害罪(しんようきそんざい・ぎょうむぼうがいざい)は、刑法第二編第三十五章「信用及び業務に対する罪」(第233条 – 第234条 – 第234条の2)に規定される犯罪のことである。
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の業務を妨害すること(偽計業務妨害罪)。または威力を用いて人の業務を妨害すること(威力業務妨害罪)を内容とする犯罪である。
(以上、ウイキペディアより抜粋引用)
国会で一年に渡って嘘をつき続き、国会という我が国最高の立法機関を空転させた、上記挙げられた偽計業務妨害のパターンをここに併せてみて欲しい。今回の告発がいかに当を得たものかがわかるはずである。佐川前長官の犯したところはこのように極めて重い、と見做さざるを得ないのだ。
野党佐川前長官告発を偽証の疑い、「森友」追及を継続
立憲民主党など野党6党・会派の国会対策委員長らは25日、国会内で会談し、学校法人「森友学園」に関する財務省の決裁文書改ざん問題で、佐川宣寿前国税庁長官が3月の証人喚問で偽証にあたる証言をした可能性が高いとし、議院証言法違反容疑で告発すべきだとの認識で一致した。失言が相次ぐ麻生太郎副総理兼財務相の責任追及と併せて、森友問題を引き続き追及する構えだ。(後略)(毎日新聞2018年6月25日付より抜粋引用)
川上の告発がいわば牽引車となって、現政権に匕首を突きつけた。
それは、「二つ目の告発」、柳瀬元首相秘書官においても佐川前長官の構図はしっかり当てはまる。
今回の川上からの告発が、これである。
被告発人 柳瀬唯夫(前首相秘書官)
第1告発の趣旨
被告発人の下記行為は、偽計業務妨害罪(刑法第233条)を構成するので、刑事上の処罰を求める。
記
【告発の事実】
柳瀬唯夫氏は、学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設をめぐり、愛媛県が国会に提出した文書に、安倍晋三首相と学園の加計孝太郎理事長が2015年2月に面会していたことなどが記録されていたことについて、本年5月10日に行われた国会参考人招致において、一年前から強く主張している、「私はもちろん同席した覚えもないし、その話をうかがった覚えもない」との発言とは異なる証言をした。その上で、一年間にも及び立法の場である国会を徒に空転させ、国民に対して甚大なる損失を与えた。これは、毀棄、偽造の事実の有無如何に拘わらず、意図的な偽計業務妨害を構成することは明白である。
第2罪名及び罰条
偽計業務妨害罪(刑法第233条)
以上
佐川、柳瀬両氏に対する怒りとやるせなさは、そのまま現政権への不信に直結している。現政権、現司法、国民の憤りはすでに爆発寸前なのだ。
そこに、この告発。それが如何なるインパクトであるか、ご理解いただけるだろう。
さて、「三つ目の告発」は、現政権と言うより安倍首相の言論界における最大の武器となっている人物に向けられたものだ。
山口敬之氏、ジャーナリスト。この人物について、もう一度しっかりとおさらいしておく必要がある。
山口氏の現政権における立ち位置を的確に知らしめる記事がある。その記事を以下に引用させてもらう。
「これ、あさって議院を解散する時の会見原稿なんだけどさ、ちょっと聞いてみてよ」
安倍は本番さながらに、私に向かって語りかけた――。目の前で、現職の総理が解散を宣言している。私はまるで自分が、官邸1階の記者会見室にいるような錯覚にとらわれた。
6月に発売されるや、永田町を震撼させた『総理』(幻冬舎刊)の一節である。
衆院解散を決意した安倍総理が、書き上げたばかりの演説草稿を読み聞かせるほどに信頼を寄せる「私」とは、著者の山口敬之氏のことだ。
90年、TBSに入社し報道局に配属された山口氏。これまでに社長賞や報道局長賞などの社内表彰を39度も受けたという、同局きっての「エース記者」だった。
今年5月にTBSを退社し、フリーランスのジャーナリストに転身、その直後に刊行された本書では、自民党が大敗を喫した2007年参院選から第二次安倍政権発足に至る舞台裏や、シリア情勢をめぐる官邸と米・ホワイトハウスとの緊迫したやり取りなど、政権内部の動きが克明に描かれている。
とりわけ、第一次安倍政権での参院選惨敗から総理辞任に至るドキュメントは圧巻だ。
安倍総理本人や麻生太郎外相、与謝野馨官房長官(肩書きはいずれも当時)ら重要閣僚をはじめ、多くの政界関係者を取材した結果、山口氏は当時、誰も予想していなかった「安倍総理辞任」をスクープする。TBSは全てのマスコミに先駆けて総理辞任の速報テロップを打ったのだった。その舞台裏を描いた場面は、まるでミステリー小説を読んでいるかのような刺激を読者に与える。
「総理は今日これから辞任する。用意してあるスーパー(速報字幕)を今すぐ打ってください」
「何だって?おい、大丈夫か。誤報だったら社長の首が飛ぶぞ。裏はとれているのか」
「つべこべ言わずにすぐ打てよ」
(中略)永田町を知り尽くした老獪な政治家をも驚かす速報を打った直後から、私の携帯はなりっぱなしとなった。掛けてくるのは、主にかねて付き合いのある与野党の政治家、秘書、官僚達だった。彼らは異口同音にこう叫んだ。
「総理が今日辞めるなんて、あり得ないんじゃないですか!?」
(中略)しかし確かに予兆はあったのだ。辞任に先立つ3週間ほど前から、いくつかの小さな出来事が、永田町の注意深い観察者にだけ、首相の異変を静かに告げていた。
以下、山口氏がなぜ総理辞任の「確信」を得たのか、その謎が解き明かされていく。『総理』には、第一線で取材をしてきた記者にしか書けない事実が詰め込まれている。
(中略)当人は「たまたま付き合いが長いだけ」と謙遜するが、実際のところ、山口氏の政権幹部へ「食い込み」は、並のものではない。
2012年に安倍氏が自民党総裁に返り咲いた際には、菅義偉氏をして「山口君の電話がなければ、今日という日はなかった」と言わしめ、内閣改造時には、麻生氏直筆の「人事案」を山口氏が総理のもとに届けることもあった、と本書では明かされている。
安倍総理や麻生財務相といった政権幹部の生の声を引き出そうと努力するほど、社内外から「山口は安倍政権の太鼓持ちだ」という批判の声が聞こえてくることもあったようだ。
そのこと自体は、山口氏は気に留めなかったという。だが一方、政治記者が取材対象に深く迫る過程で、「外部からの観察者」という立場を越え、自らの動きが政局に影響を及ぼしてしまう、という点については「苦悩はあった」と明かす。(中略)
『総理』は、まさに山口氏が政治記者として見聞きしてきた事実が余すところなく書かれている。永田町からの反響は〝さざ波〟どころではなかった。
書店に並ぶまで、私がどういう本を書いているのかは安倍総理や麻生副総理も含め、誰にも言わなかったんです。伝えてしまえば、『あの話は書かないでくれ』などと言われる恐れがありますし、何を書くかは自分自身で判断しなければ記者ではありませんから。誰にも伝えなかった。
それだけに、発売後の反響は大きかったですね。この本に登場する人からすれば、絶対に世に出ないと思っていた話が書かれているわけですから、「そこまで書いたのか」とか、「俺はあのとき、そういう意図でああ言ったわけじゃない」と言われました。
一方で、「そうそう、確かにああいう経緯だったね」と言われることもあって、反響は様々ですね。
自分でも、少し書き過ぎたかなと思いましたが(笑)。もちろん、これまで築いてきた関係が壊れてしまうのではないか、と考えはしました。それでも、もしこれで政治家との関係が壊れてしまうのなら、仕方がないと開き直って書きました。それだけ、真剣勝負をしている一冊だと、自負しています。
記者として、最も至近距離から安倍政権を見てきた山口氏。その目に、今後の安倍政権の課題はどう映っているのか。
これまで総理と接してきた経験から言うと、彼の頭の中に「憲法改正」と「北方領土返還」があることは間違いないでしょう。このふたつは、祖父である岸信介元首相が「戦後の政治家が解決できなかった課題」として挙げたものです。これを安倍総理は背負っている。
総裁任期は2018年9月までとの2年あまりですから、短い期間にこれだけ大きな政治課題をふたつも達成することができるのかという疑問もあるでしょう。
しかし私は、スケジュール的にはぎりぎり間に合うと見ています。むしろ「憲法改正」と「北方領土返還」は、セットで進めたほうが達成しやすいとも言えます。
どういうことかと言うと、いずれ安倍さんが憲法改正の信を問うために衆院を解散する時、「憲法改正」だけでは勝てないかもしれないけれど、そこに「北方領土が返ってくる」というプラスファクターがあれば、より有利になるということです。ふたつをセットで進めるということは、安倍総理も意識していると思います。(中略)(2016年7月20日WEB現代記事より抜粋引用)
ざっとこういうことである。
要するに、現政権の立役者そのものといっていい。この山口氏がその後、いろいろ物議を醸したのは周知のこと、本紙はあえてそこには触れない。
しかし、川上は、今回、同氏に対しても告発に踏み切った。
告発状はこれだ。
被告発人山口敬之
告発の趣旨
被告発人の以下の所為は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(補助金適正化法)違反、詐欺罪(刑法第246条)並びに業務上横領罪(刑法第253条)に該当すると考えるので、被告人を厳罰に処することを求め、告発します。
【告発事実】
被告発人山口敬之は、一般財団法人日本シンギュラリティー協会財団(渋谷区恵比寿3-31-15)の理事長を務めている。同財団理事には、いわゆる、『スパコン疑惑』において、補助金の不正受給によって、東京地検特捜部に逮捕されたペジーコンピューティング(千代田区神田小川町1-11)代表の齊藤元章が就いている。同財団と同社との間は、非常に密接であることは、両代表の緊密なる相互関係が端的に立証しているが、同関係上における資金的な関係は同時に非常に濃密にあることは自明である。具体的には、被告発人は、ザ・キャピトルホテル東急の賃貸レジデンスを事務所として使い、生活をしている。そこは、294平方メートル、賃料は月240万円もする超豪華な住居兼事務所であるが、この賃料をペジーコンピューティング社に払い出された補助金で賄わせた、という疑念がある。
上記行為は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律違反に該当すると思慮しますので、被告発人の厳重な処罰を求めるため、司直の適正なる捜査によって上記事実を明らかにして戴くために、ここに告発します。
以上
この告発を裏付ける報道もある。その一部を見てみよう。
(中略)
「欠陥スパコン会社の公金詐取事件」当事者。東京地検特捜部に助成金詐欺容疑で逮捕された「PEZY Computing (ペジーコンピューティング)」創業社長の齊藤元章容疑者(50)である。
齊藤容疑者の関連会社には、「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」から35億円超の助成金、「科学技術振興機構(JST)」から60億円弱の無利子融資が注ぎ込まれている。いずれも国立の研究開発法人だ。
ハナから国のカネ頼みのスキームであり、ロマンチックなカネに魅せられた者たちは舞台装置作りに余念がなかった。重要な役割を演じたのが、他ならぬ総理ベッタリ記者こと、山口敬之元TBSワシントン支局長(51)。伊藤詩織さん(28)への準強姦容疑で逮捕状が出ていた人物であり、ペジー社の顧問という顔もある。
「今回の捜査の過程で、顧問料200万円、そして家賃として200万円が、齊藤から山口に毎月支払われていることがわかりました」
と、社会部デスク。
家賃とは東京・永田町の「ザ・キャピトルホテル東急」内の「レジデンス」使用料だ。戸数はわずか14で200万円の部屋も実際に存在し、広さは約239平方メートルにもなる。
「国家権力を睥睨するロケーション。そこに、安倍・麻生と自身の蜜月を描いた『総理』『暗闘』の著者である山口が鎮座する。これを武器に、“錬金術”に勤しんでいた様子が窺えます」(同)
「実は……」
と、永田町関係者が、こんな打ち明け話をする。
「山口は自身が使用する携帯電話を、検察に対して任意で提出したようです。齊藤が逮捕されたのが昨年の12月5日で、起訴が25日。その間のことだと聞いていますが、当局としては山口に、“あなたの逮捕はないから”と匂わせたうえで、『協力者』に仕立てる算段があったのではないでしょうか」~後略~
以上の三つの告発が文字通り、満を持して東京地検特捜部に出された。これは現在のレジームに対するメス入れという意味で、歴史的な告発になることは間違いない。
本紙先月号で報じた、早稲田佐賀(中高一貫校)設立に、20億円もの原発マネー、が大きな反響を呼んでいる。
特に、当事者である九州電力をはじめとする電力業界と早稲田自体が揺れている。
反原発がある意味、主流になりつつあるこの時代の趨勢に、逆行する動きをすれば、反発が出るのは必至である。今現在のレジームでは、原発推進だろうが、本紙記事に支援の声が出てきているのは、いかに現レジームへの反撥が台頭しているかがよくわかろう。
そんな中こんな動きも出てきた。
小泉氏・小沢氏、30年ぶり協調原発ゼロ目指し訴え
小泉純一郎元首相が、自由党の小沢一郎代表が主宰する政治塾で講演することがわかった。自民党時代ににらみ合い、与野党にわかれてぶつかった両者が「原発ゼロ」の実現をめざして足並みをそろえる。原発を推進する安倍政権を揺さぶるねらいもありそうだ。
小沢氏が塾長を務める政治塾は、新しいリーダーの発掘を目的に2001年に開講した。小泉氏は7月15日の政治塾で、「日本の歩むべき道」と題して講演する予定だ。原発の撤廃や、太陽光など再生可能エネルギーへの転換の必要性などを訴える。翌16日には小沢氏も講義する。
関係者によると、両氏が手を結ぶのは約30年ぶり。1989年に小沢氏が自民党幹事長に就き、小泉氏が幹事長の下で全国組織委員長を務めて以来の「再会」だという。(後略)(2018年6月29日付朝日新聞より抜粋引用)
本紙報道による早稲田佐賀と原発マネーの反響、そして、小泉氏と小沢氏との反原発をテーマにした30年ぶりの協調。
すでに我が国の舵取りは決まった。
香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その183)
香川県警腐敗組と山口組との拳銃事件にメスを
《先月26日午後2時ごろ、富山市久方町の富山中央暑奥田交番で、警察官が男に刃物で刺され、拳銃を奪われた。
男は約100㍍離れた市立奥田小学校にいた警備員に発砲した。警察官と警備員は病院に搬送されたが、死亡が確認された。男は小学校の敷地内で、駆けつけた別の警察官に拳銃で撃たれ、警備員に対する殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。》これは、6月27日付朝日新聞から引用した。
なんだと、警察官が刃物で刺され、拳銃を奪われ、小学校にいた警備員が、その奪われた拳銃で発砲されただと。
いったい、どうなっているのだ。
本紙川上の家族が巻き込まれた命に関わる三つの襲撃事件は、香川県警の腐敗組警官が暴力団である山口組に拳銃を提供して実行された。それも実行犯である犯人と腐敗警官が綿密に打ち合わせをしての襲撃だったのだ。
本紙川上の家族が、拳銃や鉄パイプで襲われた事件は、命に関わる三つの未解決事件を解決してほしいと繰り返し繰り返し、20年余りも本紙で記事化したではないか。警察庁は本紙川上の魂から叫んでいた声が聞こえていたのだろうか。
なぜ、本紙川上の事件を「生きた教材」として解決し国民の命を守らないのだ。
未解決の具体例は生きた教材
山口組六代目の逮捕で拳銃事件に歯止めを
人間は時間と共に成長して大人になる。経験を積むことで成熟し成長して失敗を繰り返さないようになる。いわゆる動物が学習して危険から身を守り生き延びていく。
組織も同じである。
いや、人間は一代限りの命であるから体験は生まれてからのカウントであるが、組織は具体的な事件が歴史とした蓄積されるのであるから具体的な事件は生きた教材として活用しなければもったいないのである。
要するに、本紙川上の家族が巻き込まれた命に関わる三つの未解決事件を解決してほしいということ。この香川県で発生した特殊な事例である腐敗警察官と暴力団山口組との共犯としての事件を解決することで、拳銃に対する認識を警察官だけではなく国民にも知らしめるべきだということだ。一つひとつの具体的事件から何を学び取るかが、捜査権力の警察には求められているのではあるまいか。
次に6月29日付産経にも目を通してみよう。
《富山市の交番で警察官が刺殺され、奪われた拳銃で警備員が射殺された事件で、死亡した富山県警富山中央署奥田交番所長の稲泉(いないずみ)健一警部補(46)の腰のベルトと拳銃をつなぐひもが切れていたことが29日、県警への取材で分かった。
警備員に対する殺人未遂容疑で現行犯逮捕された元自衛官、島津慧大(けいた)容疑者(21)=入院中=は襲撃時、ナイフのほか刃渡り約33センチの「山刀」、おのなども持っており、県警は島津容疑者が拳銃を強奪しようと刃物で切断した可能性があるとみて調べている。
島津容疑者は26日午後2時すぎ、交番で稲泉警部補の腹部や頭部など三十数カ所を刺すなどし、同25分ごろには奪った拳銃で警備員、中村信一さん(68)に発砲したとされる。
拳銃の着装器具をめぐっては、平成17年に岐阜県多治見市でひもが引きちぎられて拳銃が奪われた事件を受け、警察庁がひもの芯を強化するなどの対策を取ってきた。事件を受け、警察庁は拳銃の着装器具を改良し、警察官本人以外は拳銃を抜きにくくする再発防止策の検討に着手。着装器具は32年ごろまでに改良する予定だったが、今回の事件を受けて前倒しする。…》
なるほど、拳銃の着装器具をめぐっては、岐阜県多治見市でひもが引きちぎられて拳銃が奪われた事件も過去の平成17年に起きていたのか。
この事件で警察庁は拳銃の着装器具を改良し、警察官本人以外は拳銃を抜きにくくする再発防止策の検討に着手。着装器具は32年ごろまでに改良する予定だったが、今回の事件を受けて前倒しするという。生きた教材としての活用とはこのことだ。
本紙川上からすれば、警察庁にはもう一歩踏み込んでもらいたい。
そう、香川県警の健全な警察官のためにも一歩どころか二歩も三歩も踏み込んで本紙の家族を巻き込んだ命に関わる三つの未解決事件を解決してもらいたい。
香川県警の場合、ひもが引きちぎられて拳銃が奪われたのではない。平成9年には香川県警腐敗警官が拳銃トカレフを若林組に提供して川原豪(1999)に銃撃させた。平成12年には香川県警腐敗警官共々に鉄パイプで山中敏勝に本紙川上家族が同乗の車を襲撃させた。平成18年には山口組六体目司忍組長の教唆で若林組の森裕之に回転式拳銃で本紙川上を襲撃させた。
この特殊な具体的事件の解決なくして、捜査権力は国民からの信頼回復ができないのではあるまいか。
オリーブ・オペレーションの頂上作戦②
六代目山口組に迫る愛知県警
山口組六代目に関しては、薄氷を踏むような出来事ばかりがこのところ起きている。
オペレーションによる包囲網、〝Xファイル〟を旗印とした、長年の捜査態勢の確立。そして、愛知県警加藤本部長の下で発せられた頂上作戦。
これらが相俟って、大きな目標に向かって現在進行中である。六代目率いる山口組の赤裸々な現状についての最新情報が入った。以下に紹介する。
兵庫県神戸市篠原にある六代目山口組総本部。6月5日、この場所で六代目山口組の定例会が開催された。漏れ伝わってくる話では、この定例会で特別な通達事項などはなかったようだが、同会終了後、立て続けに組員たちの逮捕劇が起きている。
まずは定例会からの帰途、直参組長らが搭乗した一台の車両が、兵庫県警により停車させられ、運転していた組員がその場で逮捕されることとなった。逮捕されたのは、愛知県名古屋市に本拠を置く六代目山口組傘下団体「二代目杉組」の組員。容疑は、無車検の自動車を運転(道路運送車両法違反)というものだった。これについて、六代目山口組系の幹部は次のように説明する。
「定例会には必ず捜査員と報道関係者が詰めかけ、総本部へ出入りする車両を入念に調べている。特に当局は、直参組長らが乗る車両のナンバーから照会をかけて、所有者や車検切れなどの違法性がないかを調べる。今回もそうしたなかで無車検が発覚し、逮捕したのではないか。そうでなければ、総本部へと入る前に逮捕していたはずだ」
兵庫県警がこのような動きを見せてすぐ、大阪府警も同日午後に六代目山口組直系組長らを逮捕している。
逮捕されたのは、六代目山口組幹部である三代目一心会・能塚恵会長と朋友会・高島伸佳会長だ。逮捕容疑は、大阪市中央区の路上で今年5月、アルバイト男性へ暴行を加えたというもの。
高島会長といえば、2014年に30代ながら最年少で直参へと昇格。若手のホープとして、組織内から期待が寄せられていた人物だ。若くして渡世入りし、17歳で英五郎組長率いる初代英組の門戸を叩き、そこからめきめきと頭角を現し、初代英組では本部長を務め、二代目体制が発足すると同時に若頭へと就任。直参昇格と同時に朋友会を立ち上げている。
組織強化のために二次団体の合併策も
高島会長が初代英組で本部長を務めていた頃、筆者の地元である兵庫県尼崎市に住んでいたことから、筆者とも親交ができ、当時筆者が経営していた飲食店にも英組の別の最高幹部と訪れてくれ、酒を飲み交わす間柄となった。著者が、所属していた組織の親分の引退に伴い渡世から足を洗うと決めた際にも、わざわざ訪ねてきてくれ、「一緒にがんばりましょうよ」と熱心に引きとめてくれたのも高島会長であった。
また、その後、筆者に長男が生まれた際には、カタギとなった筆者の立場を慮ってくれながらも祝福の言葉を届けてくれた。その時すでに高島会長は、六代目山口組の直系組長へと昇格を果たしていたのだが、だからといっておごることはなく、言葉遣いは知り合った頃のまま丁寧で、肩書や立場で態度を変えるようなことをしない、信用できる人物だった。
その高島会長が直参を降り、他の二次団体へ加入するという話が出ている。一見、自ら降格するような行為だが、これについて六代目山口組関係者の見解はこうだ。
「なにもこれは初めてのケースではない。福岡でも地元組織を強化するために、当時六代目山口組で若頭補佐を務めていた光生会が、同じく福岡を拠点とする二代目伊豆組に加入している。今後も地域ごとに組織を強化させていくために、こうした吸収合併的な方策も六代目山口組では取り入れていくのではないか」
現在、光生会は二代目体制となり、二代目伊豆組では本部長の要職を務めているが、初代会長も引退することなく、二代目伊豆組で名誉職に就いている。直系組織同士を合併させることで地域の連帯をはかり、運営上、合理化できるところはしていく。企業と同じような再編・強化の方策を取り入れながら、六代目山口組も時代に順応すべく変化していっているのだろう。
(ビジネスジャーナル6月より抜粋引用)。
同組に大きな節目が迫っているのは、必至のようである
。
入手・ポスト「モリカケ」の重大疑惑文書
安倍首相自宅放火未遂事件の背後に「反社との選挙妨害」
前回、安倍晋三首相の山口県下関市の自宅放火未遂に問われた小山佐市氏がすでに満期(懲役13年)出所し、マスコミに接触かとの記事を書いたが、それは事実だった。
そして、本紙はついに“幻の念書”なるものを入手した。それは選挙妨害に関する安部首相の関与を深く裏づけるものだった。そこで以下、取材結果も踏まえ、その記載内容を解説する。
その前に、前回記事を読まれていない方のためにも、この安倍首相自宅放火未遂事件が、なぜポストモリカケともいわれる安倍首相重大疑惑なのか、再度、簡単に解説しておく。
いまから18年前、山口県下関市の安倍首相の自宅に火炎ビンが投げ込まれ車庫の車3台が全半焼した。
その約3年半後、前出・小山氏と特定危険指定暴力団「工藤会」の組長等が犯人として逮捕された。
動機は、小山氏は99年4月の下関市長選において、地元安倍事務所から対立候補の選挙妨害を頼まれこれを実行。ところが、見返りの約束を実行しないことに激怒してとされた。しかし、曖昧な内容で、逆恨みとして片付けられていた。安倍事務所の依頼を裏づける「念書」なるものが存在するとの見方も当時からあったものの、公判でも一切出ることはなかった。
さて、この“幻の念書”なるものは全部で3枚あった。そして、いずれも当時、地元安倍事務所の筆頭秘書だった竹田力氏(元山口県警警視)の署名・捺印があった。
安倍首相は遅くとも、直後から選挙妨害を知っていた。1枚目は選挙妨害があったとされる下関市長選から約1カ月半後の99年6月17日の日付。「確認書」のタイトルで、まずこの間、小山氏側が安倍事務所側に熱心にアプローチ。小山氏が安倍首相との面談を強く求めていたことがわかる。
そして、(竹田先生発言内容)を見ると、それは選挙妨害(=古賀潰しの件)に関することで、佐伯伸之秘書が小山氏に依頼していたことがわかる。
そして、選挙妨害の見返りとして、小山氏は⑤亀田博元市長(現・下関市議会副議長)の面倒を見ること、小山氏が地上げに関わっていた地区の大手スーパー進出予定地横の都市計画道路変更、市発注工事(新水族館など)への参入を求めていたことがわかる。
だが、①佐伯秘書はクビにして済む話ではないとはどういうことか。(しかも①の件は安倍首相に伝えていると②に記されている。遅くとも、安倍首相も選挙直後、選挙妨害を認識していたことになる)。また、なぜ小山氏は亀田元市長に強く肩入れしているのか。
この妨害があった99年4月選挙には、妨害を受けた古賀敬章元代議士(旧新進党)、安倍派で現在、参院議員の江島潔に加え、亀田元市長も出馬していた。そして、佐伯秘書は以前から小山氏は熱心な亀田支持者であることを知っていたので、亀田氏を当選させるためだとして古賀氏への選挙妨害を依頼していた。
そもそも選挙妨害自体言語道断だが、当時、地上げ屋として地元では著名、やり手で、実行部隊(ビラを市内広域に多量に撒くにも好都合)を持つ小山氏に頼むべく、佐伯秘書は亀田氏当選のためと騙して使った。さらに、「古賀は朝鮮人。彼を当選させたら下関市は朝鮮支配の町になる」(古賀氏はそもそも在日ではない)と2重に騙し、かつ差別丸出しの選挙妨害手法も使っていた。
そんなわけで、カンカンの小山氏は安倍首相との面談を求めた。
自ら望み、自宅放火未遂犯と2時間密談していた安倍首相
そして2枚目。
これは1枚目の小山氏の面談要求を受け入れ、99年7月3日午前10時から、地元の安倍事務所にてスケジュールを組んだので是非、来て下さいという内容だ。これは「願書」のタイトルで、日付は6月22日。
それにしても、なぜ、安倍首相は小山氏と会うことにしたのか。
これについては、安倍首相は当初から選挙妨害を自身も了承していたとの見方もある。なぜなら、この選挙妨害は単に市長選で古賀氏に勝たれて下関市利権を失うと困るからではなく、古賀氏と安倍首相は小選挙区制度が復活した96年衆議院選(山口4区)で実質一騎打ちに。にも拘わらず、古賀氏は約6万票と善戦しており(安倍首相は約9万4000票)、もし古賀氏に市長になられ、1、2期務めて再び衆議院選挙に出られたらヘタをしたら自分が落選しかけないと脅威に感じ、安倍首相は古賀氏の政治生命を絶つ(=古賀潰し)べく仕掛けたもので、それだけに、自ら小山氏と会って事後処理に万全を期したいと思ったのではないか。
そして、実際、予定通り、小山氏と安倍首相の1対1での密談は行われ、それは約2時間にも及んだ。
一転してデッチ上げ恐喝事件で口封じしようとした安倍事務所
それを受けて出されたのが3枚目の「確認書」。
日付は密談から10日後の7月13日。
その証拠に、この文書の冒頭には「7月3日(安倍代議士)」に小山会長と下記話合いを行いました。本件につき双方一切他言しない事、約束を交わした」との記載がある。
そして前述の亀田元市長の件については①亀田氏本人から依頼があれば誠意を持ってお話をさせていただく。
“古賀問題”(ここでは以前の“古賀潰し”から表現が変わる)については、②安倍代議士と諸所々のお話をされているが、安倍氏からの指示で、双方弁護士を入れて7月21日までに解決するように最大限努力すると記されている。
また、前述の計画道路変更の件も、行政サイドに要請するように最大限努力するとも記されている。
以上、見て来ると、安倍首相は選挙妨害という重大な犯罪につき、遅くとも選挙からほどなく知り得たにも拘わらず、直に関与した佐伯秘書を処分するどころか、自ら実行犯の小山氏と密談し見返りを約束したと思わないわけにはいかない。
ところが、この密談のあった翌月、小山氏は佐伯秘書に対する恐喝未遂で逮捕される。
紙面が尽きて来たので詳細は省くが、この恐喝事件はデッチ上げ逮捕の可能性があり、実際、だからこそ余りに強引過ぎたからだろう、この件で小山氏は起訴猶予処分となっている(実際、小山氏は佐伯秘書と安倍首相自身をも虚偽告訴すべく弁護士に相談している。しかし不起訴ではなく起訴猶予だったので、嫌疑があった=告訴は難しいと断られている。
この短期間にどういう事情があったのかは不明だが、安倍首相側は加えて、交渉にも一切応じなくなった。
そして、これにますます激怒した小山氏は、塀のなかで知り合った工藤会組長等を引き込み、翌年の火炎ビン投げ込みによる安倍首相自宅放火未遂事件へと進んで行くのだ。
こうして見て来ると、この自宅放火未遂事件の背景には、自分の保身のためなら何でもやり得る安倍首相の本質が見えており、すでに事件としては時効ながら、政治家倫理からしても、とてもではないが失格といわざるを得ない。そして、いまも世間を騒がせているモリカケ問題とは異なり、直接的な関与もあることを思えば、本紙がポストモリカケということを納得していただけるのではないだろうか。
「我こそは国民のため質問したいという国会議員」がいれば、資料渡し、レクチャーしますので、FAXにてご連絡下さい。
明浄学院・大橋理事長の「恫喝」録音独占入手
「ただではすまさん」やはり背後の暴力団か?
本紙が追及してきた、大阪の私立高校、明浄学院と反社会勢力との関係による、学校運営の混乱。
だが、この春も本紙で報じた通り、明浄学院から、多数の教職員が学校を去っていった。この春卒業した生徒の一人は本紙の取材に、
「日本タイムズに記事が出て、学校が違うと反論する。けど、最終的には、日本タイムズの通りだった。多くの生徒が日本タイムズに釘付けでした。今も同じですよ」
と話してくれた。
その「諸悪の根源」の一つが神戸山口組の最高幹部、池田組の「企業舎弟」ともみられる大山武夫氏と明浄学院、大橋美枝子理事長との関係だ。
今回、本紙は大橋理事長が明浄学院で「恫喝」を繰り返す録音を入手した。明浄学院の労働組合を担当していたH先生の懲戒解雇問題。昨年9月に大橋理事長が解雇を言い渡された時の録音だ。
そこには、
「どの面下げて入試委員長やっていた? 訴訟起こすから、クビ洗ってまっとき」
「なにシラ切っとんや、ええ加減にしいや」
「こいつ、もういいから荷物まとめて帰り、もうこなくていいから」
「告訴するからな、覚悟しとけ」
罵詈雑言でH先生を追い込む大橋氏。それどころか、明浄学院の現状を案じている保護者たちが、結束して委任状にサインして学校側と話し合いを求めていることに対して,
「保護者399人か? みんな洗ってやる。ただではすませんで」
こんなやりとりが学校現場で行われ、他に同席しているとみられる関係者も止めようとしない。その口調はまさに「暴力団的」と表現してもおかしくない。
何も知らない人にこの録音を聞いてもらったら、
「ヤクザ関係の女がしゃべっているのか」
と言ったほどの口汚さ。おおよそ教育に携わる者の発言だとは思えない。
昨年、本紙川上が明浄学院に取材に行った際,
「私が校長、帰れ」
と恫喝したシーンがよみがえってきたのだ。
明浄学院の「暴力団的」と思える対応はこれだけではない。
昨年8月のことだった。練習で学校を訪れていた、バスケットボール部顧問の原田茂氏のもとを複数の学校関係者が、
「契約書にサインしてください」
と取り囲んだのだ。
「学校側は原田先生に、雇用契約書のようなものにサインを求めた。内容は1年ごとに更新だともいう。それを理由にクビを切るのかと悟った原田先生が拒否すると『サインしろ』と学校側が強要。偶然いた保護者が警察に電話して、警官がやってくるという大騒動になった」
とバスケットボール部の保護者は言う。
1人の人間を取り囲み、サインを強要。あまりの異常事態に地元の警察まで出動。とても教育者とは思えない対応だ。
そして、原田氏も今年春に明浄学院を去ることになった。
「顧問のH先生を解雇、原田氏もいわばクビにした明浄学院。バスケットボール部に今年春入部した新1年生は一人。新しいコーチもさしたる実績、指導力もないことが生徒に見破られ、士気があがらない状態。2年生、3年生の複数の部員がバスケットボール部を辞めるという話もある。特待生で心躍らせ明浄学院に入った。普通、やめたりしませんよ…」(前出・保護者)
阿波踊りで「総踊り」中止
徳島市の遠藤市長、徳島新聞の「ポチ」ぶりに非難殺到
本紙で追及している、徳島新聞の阿波踊り「荒稼ぎ」と徳島市の遠藤彰良市長との「結託」。阿波踊り改革を訴える、徳島市観光協会を破産させ、新しい組織「徳島市阿波おどり実行委員会」を徳島市主導で設立。徳島市観光協会とともに阿波踊りの主催者で、赤字の元凶だった徳島新聞を「ノウハウがある」と参加させ、改革は頓挫。
新たな税金投入する異常事態となっていることはこれまでも、本紙で報じてきた通りだ。
「遠藤市長は、言うことを聞かない協会をつぶし、徳島新聞が荒稼ぎできるような方策ばかり打ち出し、阿波踊りは自分のものだといわんばかりの横暴ぶりは目を覆うばかり」
と徳島市役所からも、疑問の声があがっている。
とりわけ、
「今度は遠藤市長の阿波踊り私物化ではないか」
と指摘されているのが、阿波踊りの「総踊り」の中止だという。総踊りとは、阿波踊り開催中、連日午後10時から南内町演舞場を舞台に、阿波おどり振興協会に所属する有名連の約2千人が、自慢の踊りを披露する。いわば、阿波踊りの代名詞。
「総踊りがなければ阿波踊りじゃない」
と言われるほどだ。
だが、新しい実行委員会は総踊りを廃止して、有名連を4つ他の演舞場に分散させてチケットの売り上げをアップさせたいとの方針を打ち出したのだ。
つまり、総踊りが見物できる南内町のチケットは完売だが、他の演舞場は売れないというのだ。阿波おどり振興協会の山田実理事は、阿波踊り改革の急先鋒で、徳島市観光協会の「破産」についても強硬に反対。徳島新聞の「荒稼ぎ」や遠藤市長との「結託」にも異を唱えてきた。
「総踊りがない、他の演舞場のチケットの売れ行きが芳しくないと新しい実行委員会はいう。だが、徳島新聞がチケットを独占して好き放題やっているからです。荒稼ぎの構図のひとつ。総踊りをやめ、分散化してチケットが急に売れるとは思えない」
と山田氏は憤慨する。有名連の大半が阿波おどり振興協会の所属。
「われわれ阿波おどり振興協会も、阿波踊りを市民の手に取り戻そう、徳島新聞の荒稼ぎをやめさせるために立ち上がった。荒稼ぎの手先である遠藤市長は、総踊りをやめて、嫌がらせをしたかったのでしょう」
と山田氏は指摘。独自に「総踊り」を開催することも検討しているというのだ。
「遠藤市長は市議会でも総踊り廃止と訴えている。阿波おどり振興協会が独自に総踊りを検討していると知ると聞くと、神経をとがらせ『総踊りはやらせない』と怒っているそうだ」(徳島市役所関係者)
そんな中、新たな「火種」となっているのが、徳島市観光協会の破産だ。6月28日、破産開始決定を受けて、債権者集会が開催された。
徳島市観光協会の最大の資産は、阿波踊りの桟敷席。すでに、徳島市との話し合いで破産管財人が2億1600万円で徳島市が中心となっている、実行委員会が買い取った。
徳島市の豊井泰雄副市長と破産管財人の中西一宏弁護士が交渉して譲渡が決まったということだが、
「なぜ、2億円あまりの価格で徳島市に売却したのか、質問が出ました。管財人は、根拠を示さずあいまいな回答に終始。管財人と徳島市の交渉過程を客観的に示す記録を求めても『裁判所で資料をみろ』というばかり」
と債権者の一人は憤慨。そしてこう話す。
「遠藤市長は、3億円で桟敷を買いにくるかもしれない。議会を通さず専決処分で早急に買い取る必要があったなどと委員会で発言している。ということは、破産管財人は、もっと高い価格で徳島市に売却できたはず。2億5千万円で売っていれば、債権者には100%配当ができた。破産管財人はおかしい」
つまり、遠藤市長と破産管財人も「結託」していたのではないかという疑惑も浮上しているのだ。
本紙の徳島新聞の阿波踊り荒稼ぎ追及は1年が経過。なりふり構わず利権を守ろうとする徳島新聞とその「犬」となっている遠藤市長。
ついに総踊りの廃止という「暴挙」を繰り出した。廃止しなければならないのは徳島新聞の「荒稼ぎ」と遠藤市長、あなたである。
2018年6月号
- 目次
- 国滅ぶとも正義は行わるべし 安倍政権に〝喝〟入れ続けた本紙
- 香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その182)
- 収監中だった山口組六代目に殺害教唆の認定を
- 収監中でも使用者責任を
- 香川県警腐敗警官の指南は共同正犯
- サミットの詰め捜査は最終局面
- オリーブ・オペレーションの頂上作戦
- 原発マネーで、中高一貫校を設立!
- 前代未聞のブラックな〝野望〟を暴く!
- スパコン疑惑の深層
- ジャーナリスト山口敬之氏を刑事告発
- 安倍退陣の最後の一押しとなり得る、自宅放火事件の闇
- 主犯・小山佐市はすでに出所。再審目指しマスコミ接触か
- 徳島市観光協会の「破産」「解散」が決定
- 遠藤市長と「結託」徳島新聞の阿波踊りは今年も健在 徳島の恥!
- TOKIO山口達也氏の強制わいせつ事件と「同種」の問題で揺れる明浄学院
- X教師の「過去」と「隠ぺい」の実態
- 香川県藤井学園と明浄学院の類似問題に終止符!
- 男性教師と女生徒の性的問題や不法行為に捜査のメスを
国滅ぶとも正義は行わるべし 安倍政権に〝喝〟入れ続けた本紙
現政権に〝喝!〟を入れ続けた本紙は、何をやってきたのか?総括するのは、今、である。新しいレジームに向かって、踏み出そう!
本紙はこれまで、現政権に対してのアプローチについては具体的に示してこなかった。それは、例えばオリーブ・オペレーションへの配慮であったり、次のレジームのサミットに立つ人物への深謀遠慮であった。2018年も折り返し地点に来て、本紙のこれまでの軌跡をここにクローズアップしておかなければならない。それが現政権に引導を渡すこととなるからである。
Ⅰ森友問題
この社会問題の告発者は、今さら説明の要はないが、本紙社主、川上である。告発は、2017年である。告発は大阪地検で正式に受理され、粛々と捜査は進められて、現在に至っている。
そして、一年が経過した。
川上の告発は、この世に森友問題の重要性を知らしめた。この問題の主人公である、籠池夫妻は、約300日に渡って勾留された。
これに絡んで、同問題に関わる資料の改竄や隠蔽を行った財務省の中心人物、佐川亘寿前国税庁長官に対して、本紙社主川上は、偽計業務妨害で告発をした。
佐川前国税庁長官を任意聴取大阪地検特捜部、改竄関与の有無など確認か
学校法人「森友学園」(大阪市)との国有地取引に関する決裁文書の改竄(かいざん)問題で、大阪地検特捜部が、改竄が行われた当時の財務省理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官を任意で事情聴取したことが23日、関係者への取材で分かった。佐川氏は3月27日の証人喚問で「刑事訴追の恐れ」などを理由に証言を拒否しており、特捜部は改竄の動機や指示系統の解明には佐川氏本人の聴取が不可欠と判断。佐川氏に対して改竄への具体的な関与などを確認したとみられる。
財務省の説明では、改竄が行われたのは、国有地売却問題が発覚して間もなくの昨年2月下旬~4月。佐川氏の国会答弁と矛盾が生じないように理財局の一部職員が主導したとされる。
特捜部はすでに、近畿財務局や理財局の職員への聴取を進めている。関係者によると、理財局職員は特捜部の任意聴取で、佐川氏が改竄を指示した認識を持っているとの趣旨の説明をしていたという。
改竄では、決裁文書から安倍晋三首相夫人の昭恵氏や政治家の名前のほか、「本件の特殊性」といった文言が削除されていた。佐川氏は「学園との価格交渉はしていない」などと国会で答弁していたが、改竄前の文書には事前の価格交渉をうかがわせる記述があった。
改竄をめぐっては、大学教授や市民団体が、佐川氏らに対する虚偽公文書作成や公文書変造・同行使などの罪で告発状を検察当局に提出しており、特捜部は今後、立件の可否について慎重に見極める。(産経新聞2018.4.23 号記事より引用抜粋)
事態は、ここで一旦、変わる。
佐川氏らを不起訴へ森友文書改ざん巡り大阪地検
学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の改ざん問題で、大阪地検特捜部が佐川宣寿前国税庁長官らを不起訴とする方針を固めたことが18日、関係者への取材で分かった。告発のあった虚偽公文書作成や公文書変造など複数の罪名の適用を検討したが、刑事責任を問うのは困難と判断したとみられる。
国有地を不当な安値で森友学園に売却し国に損害を与えたとする背任容疑についても、特捜部は当時の財務省近畿財務局幹部らを不起訴にするもようだ。
財務省は3月、佐川氏が理財局長だった2017年2~4月に国有地取引に関する14の決裁文書の書き換えがあったと公表。価格の事前交渉をうかがわせる記述や安倍晋三首相夫人の昭恵氏を巡る記述が削除されるなどしていた。
特捜部は捜査の結果、改ざんは文書全体の一部にとどまり、交渉経過などが削除されても、契約の趣旨や内容が大きく変更されたとはいえないと判断。過去の公文書を巡る事件の裁判例も踏まえ、佐川氏らの不起訴を決めたとみられる。
国有地売却を巡っても、約8億円の値引きの根拠とされたごみの撤去費用が過大だったとまでは言えないとの判断のほか、値引きの背景には学園からの損害賠償請求を避けたいとの意図もあったことから、国に損害を与える目的が認定できないと結論付けたもようだ。(日本経済新聞2018/5/18付記事より引用)
本紙社主川上は、二度にわたって、この佐川氏を告発している。罪状は、刑法233条「偽計業務妨害」である。
佐川氏は、1年もの間、国会を無駄に空転させた、ということを以て、この罪状での告発となったのだ。
この考えを補佐する記事や意見がここにある。引用していこう。
ひとつは、国会議員達の〝声〟である。
虚偽答弁裏付け」=野党、内閣退陣要求も
野党各党は23日、財務省が「廃棄した」と繰り返した学校法人「森友学園」への国有地売却に関する交渉記録を提出したことについて、「虚偽答弁の裏付け」と深刻に受け止めている。安倍晋三首相や麻生太郎副総理兼財務相の責任を厳しく追及する方針で、安倍内閣の退陣を求める声も上がった。
国民民主党の玉木雄一郎共同代表は記者団に「1年以上にわたる政府の答弁が虚偽だと明確に裏付けられた」と非難。首相の責任にも触れ、「出処進退をご自身で判断していただく」と退陣を促した。麻生氏の辞任も重ねて求めるとともに、佐川宣寿前国税庁長官の再度の証人喚問も要求した。
立憲民主党の逢坂誠二衆院議員は記者会見で「この1年間、国民をだまし続けた。どこが民主的な国家か。強く政府を非難したい」と強調。衆院会派「無所属の会」の江田憲司氏は、これまでの政府の国会対応について「偽計業務妨害罪に問えると思う」と指摘した。(時事通信2018/05/23付記事より引用)。
もうひとつは、あるブログをあえてここに引用する。本紙川上の告発に最も近しいオピニオンとして、ここに採り上げたい。
現在、問題になっている森友決裁文書改ざん問題について、中心的問題点は、それが佐川当時財務省理財局長(現国税庁長官)の国会答弁での偽計業務妨害罪という犯罪行為を疑わせている点と犯罪行為が疑われているのに、財務省幹部が右往左往して、犯罪の疑いを晴らすため、又は犯罪行為に当たるような重大な違法行為がなされたことを確認するための必要な調査から逃げ回って、内部監察能力・自浄能力を失っている点だと思います。
したがって、今後、国会、会計検査院、検察庁では、決裁文書の文書原本やコピーに限定されない、決裁文書の作成・保管に関わる職員やHDD等の機器全般の調査/確認/捜査が必要だと思います。偽計業務妨害罪というのは、刑法233条に規定されている犯罪で、
「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」というもので、要するに「偽計を用いて、人の・・・業務を妨害した」という行為ということです。「偽計」というのは、漠然としていますが、人を欺き、錯誤・不知を利用することを意味し、妨害されることとなる「業務」については、警察官の逮捕行為など自力執行力のある権力的公務と県議会の委員会の審議など非権力公務を区別し、後者については、「業務」に含まれると解釈されています。
そうすると、国会議員が国会で、行政府の違法・不当な運用をチェックするために、国有地の売却の経緯に関する質問をしているのに対して、仮に、財務省理財局長が、価格交渉はしていない、価格の提示はしていないなどと事実に反する虚偽の答弁をしていれば、事実を究明した上で、行政の運営の是正を図るなどの国会の機能の重要性からして、国会議員の業務を妨害したものとして、立派な偽計業務妨害罪が成立します(もっとも、法的には、立派な偽計業務妨害罪とシャビイな偽計業務妨害罪の区別はありません。)。
現在の報道振りを見ると、決裁文書自体に関する偽造罪とか証拠隠滅罪とかいう議論に紛れて、それよりもずっと重要な財務省理財局長(現国税庁長官)の偽計業務妨害罪の問題にスポットライトが当てられていないように見えるのは問題だと私は思います。
無実であれば、財務省では、さっさと事実関係を明確に丁寧に説明すれば済むだけの話なので、財務省が、検察が捜査しているから、調査確認ができないなどと逃げ回っていることは、常識的には、灰色の度合いを時々刻々と濃くしている印象です。
ちなみに、国会の審議との関係で、参議院の国会議員が、決裁文書の改ざんについて究明しようとしている業務(非権力的公務)との関係で、決裁文書の改ざんの有無や決裁文書作成保管状況等について、財務省の官僚が嘘を言えば、同様に偽計業務妨害罪に当たるはずです。
現在、財務官僚が「改ざんはなされていない」と言わないのは、下手にそう言ってしまって、後から改ざんの事実が突きつけられてしまったとき、トカゲのしっぽ切りにあって偽計業務妨害罪に問われ、自己保身と立身出世の途を閉ざされてしまうおそれがあるので、朝日新聞がどのような情報と証拠を持っているのかなどを慎重に見極めて、ごまかし通せるのかどうか瀬踏みしているという理解でよいと思います。
朝日新聞が十分な情報と証拠を持っておらず、ごまかし通せると分かったら、「改ざんなどなされていない」と声高に言い始めるだろうと思います。
上役の財務官僚は、後から真実が判明したとしても、下からの不正確な報告に基づいて結果的に嘘をついただけだと(おそらく、それ自体、嘘の)主張をして、偽計業務妨害罪の刑事責任を免れる道がありますが、下の人は上に不正確な報告をして偽計業務妨害罪を犯させたという刑事責任を免れることは難しいと思います(間接正犯といわれる議論です。)。下の人は、将来、その功績により国税庁長官にしてもらえるはずはないので、つらいですね。
そして、多数の財務官僚の偽計業務妨害罪との関係での証拠隠滅罪の範囲も広がってくると思います。
今後、財務官僚が具体的説明を始めたら、犯罪者のオン・パレードになるかも。
なお、先日の日経新聞では、決裁文書の書き換え自体には法的問題は生じないという報道がなされていました。おいおい。事実関係次第ですが、決裁文書が国会や会計検査院に提出されることを意識して改ざんがなされた場合、偽計業務妨害罪に当たると考えられますし、ほかにも、公文書偽造罪・変造罪、虚偽公文書作成罪、証拠隠滅罪に該当する可能性は十分にあると思いますよ(財務省の組織ぐるみの改ざんの場合には、偽造罪・変造罪は成立しませんが、[改ざんの程度が虚偽と評価できる場合には]虚偽公文書作成罪、今、大阪地検で捜査されている背任罪等との関係や、現在、捜査は開始されていないと思われる佐川現国税庁長官ほかの財務官僚の偽計業務妨害罪との関係での証拠隠滅罪は、十分成立する可能性があります。)(パレ・ガルニエの怪爺のブログ2018-03-08 より、引用抜粋)
まさにこの通りなのである。
本紙川上は、佐川氏を二度、東京並びに大阪地検特捜部に「偽計業務妨害」で告発している。
Ⅱ加計問題
本件の告発も川上がしている、すでに一年も前に、である。ところが、この問題でも森友問題と同様のことが起きている。いわずと知れた、柳瀬唯夫元首相秘書官である。
本紙川上は、柳瀬氏に対しても、刑事告発をする。柳瀬氏における経緯を報道で振り返ってみよう。
柳瀬元首相秘書官の国会招致タモリも巻き込んだ「記憶と記録」論争で安倍官邸が敗北
加計疑惑のキーマンだった柳瀬唯夫元首相秘書官が10日午前、衆院予算委員会に参考人として出席し、冒頭で「国会審議に大変なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません」と謝罪した。
そして加計学園、愛媛県、今治市の職員と2015年4月2日に首相官邸で面会したこと、さらにその直前の同年3月頃と6月前後の計3回、加計学園と面会したことを明かした。
さらに加計側の出席者の1人が今春、開学した獣医学部の吉川泰弘学部長だったことも認めた。
柳瀬氏は加計学園関係者と知り合ったきっかけは、2013年に安倍晋三首相が河口湖の別荘でバーベキューとゴルフ会を開いた時だと説明。安倍首相が「腹心の友」と呼ぶ加計孝太郎理事長もバーベキューの席にいたことを認めた。
さらに「お庭でバーベキューをして秘書官も十数人いますし、総理のご友人、親族もおられ、加計さんもおられた」などと状況を説明した。
自らが安倍首相らとゴルフをしたことも認めたが、緊急時の要員として後方にいたとし、「総理と加計理事長が、どういうお話をしていたかわからない」と、安倍首相と加計理事長との間で交わされた会話について自らはあずかり知らない立場にいたことを重ねて強調した。
午後に行われた参院予算委員会では立憲民主党の蓮舫議員が存在感を発揮した。
蓮舫:最初の面会は3月24日と聞いているんですが、なぜ加計学園関係者と会ったんでしょうか?
柳瀬:アポイントの申し入れがあって、今度上京するのでお会いしたいと。
蓮舫:具体的な案件がわからないけれど、上京したのでお会いしたい。つまり首相秘書官である柳瀬さんと学園関係者はそれくらい密接な関係ということでしょうか。
柳瀬:元々総理の別荘のバーベキューでお会いし、面識はありましたので…
蓮舫:加計関係者とバーベキューでお会いし、どなたから紹介されたんですか。
柳瀬:総理は河口湖の別荘でご親族やご友人を集めてバーベキューをよくやっておられました。ご紹介いただくとかそういう場ではございません。何十人も人がいる中でお会いしたというわけで、特に誰かに紹介されたわけではございません。
蓮舫:全く紹介されていなくて、何十人も人がいる中で、お会いをした。その人から連絡がきて、案件もわからないでお会いをする間柄なんですか?さらに3月24日の面会で、あなたから加計学園に「国家戦略特区でいこう」と助言していませんか。
柳瀬:記憶がクリアではありませんけど、3月の最初にお会いしたときも構造改革特区で何度もやっているけれどうまくいかないという話がありまして、その時にもう国家戦略特区制度をスタートしていましたし、安倍政権として大事な柱でございましたので、えぇ、その時に国家戦略特区の話になったと思います。
柳瀬氏は焦点になっている安倍首相の関与の有無については一貫して否定。
だが、柳瀬氏が否定すれば、するほど疑惑はますます深まったといえる。
柳瀬氏は愛媛県職員や加計学園関係者と面会した際の記録の存在について立憲民主党の長妻昭議員から問われても「メモは取っておりません」と答弁。安倍首相への報告については「いちいち報告したことはない」と述べると議場からは「エーッ」という声があがった。
長妻氏は記者団の取材に「首相経験者や秘書官経験者に私が話を聞いた限りでは、『そんなことはありえない』と言っている。信用できない」と話した。
この発言には与党議員からも驚きの声があがった。自民党の閣僚経験者は「秘書官がメモを取らないなんてありえない。こんなのウソに決まっているじゃないか」と憤る。
実は、官邸が細かい過去の記録をキチンと保存していることについて、安倍首相自身が語っていたこともある。2014年3月21日、フジテレビ系の「笑っていいとも!」のテレフォンショッキングに、安倍首相は現役の首相としてはじめて出演した。このとき、司会のタモリとのトークで、安倍首相は番組5千回記念で当時の小泉純一郎首相が電話で生出演したことを紹介し、「そういう記録は全部残っているんですよ。やっぱり官邸には」と自慢げに語っていたのだ。
ところが、加計学園問題が国会で取り上げられ、愛媛県や今治市の職員らが官邸を訪問していた事実が問題になった昨年7月には見解が一変。萩生田光一官房副長官は(当時)は、官邸の記録について「官邸訪問者の記録が保存されておらず、確認できない」と説明した。
経産省出身で首相秘書官の経験もある江田憲司衆院議員も、柳瀬氏を厳しく追及した。
「総理秘書官として常識外れのことばかり。(秘書は)首相の政策補佐。許認可や補助金の対象となる可能性のある事業者に会うことは常識に外れている。総理か政策秘書官から指示があったとしか思えない」
今後、国会で加計問題はさらなる火種を残すことになった。前出の閣僚経験者は、怒りをあらわにした。
「天下国家のために働く官僚たちが、なぜ安倍さんの友達の私的な利益のためにウソをつかなければならないのか。自浄能力を失った組織は崩壊するしかない」
(AERA 2018.5.10記事より引用)
この柳瀬氏も佐川氏同様、本紙川上は「偽計業務妨害」で刑事告発をする。このふたつの「偽計業務妨害」告発については、間違いなく現政権へのカウンターとなろう。
元財務官僚の山口真由が解説「柳瀬唯夫、福田淳一、佐川宣寿ら“のしをつけた”エリートの失敗の本質」
「財務省OGとしてセクシャルハラスメントのことでコメントするのは、残念でなりませんよね……」
憂いを帯びた大きな目をうつむけ、こう切り出すのは、各局のワイドショーで引っ張りだこの美女、山口真由氏(34)。森友・加計学園問題に、元事務次官のセクハラ発言報道と、連日世間をにぎわせる財務省の元官僚という経歴から、コメンテーターとして一躍注目されている。
~中略~一連の財務省の問題を、山口氏はどう見ているのか。
森友学園問題では、大阪地検特捜部から任意で事情聴取されている、当時、理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官についてはこう語る。
「主税局が長い佐川氏は、状況がよく呑み込めないまま答弁が始まり、失敗を重ねてしまった。普通は答弁を間違えたら、次の答弁で少しずつ直していくものですが、森友問題が総理の進退を賭けたものとして注目され、最初の答弁が大きく報道された。その前提を守ろうとするがあまり、答弁がどんどんずれていってしまったのでは」
文書改ざん問題の中では、財務省が森友学園に関する決裁文書を精査せずに決裁していたとする耳を疑うような説明も。
「経験上、決裁が終わったものを書き換えるなんて、通常は絶対にありえない。財務省の上の人は、決裁文書にはきちんと目を通す。それを公然と“読んでない”と言うのは、対応として異常。そうまでして答弁せざるを得ないのを見ると、財務省がいかに異常な緊張感に包まれているかが伝わってきます」
虚偽有印公文書作成罪などで、佐川氏ら同省職員らの立件は難しいとする見方が強いが、山口氏は「起訴して罪を問う余地はある」と強調する。
「文書の重要部分を書き換えたのかという問題はありますが、近畿財務局長や管財部(次)長の許可なく公文書が書き換えられたとすれば、財務省本省の指示であっても公文書変造罪を問える可能性もある。また国会に対し、あえて虚偽の答弁をし、かつその答弁に合わせて文書を改ざんしたという故意性が立証できれば、偽計業務妨害罪としても成り立つ可能性がある」
一方、森友問題で争点となるのは、8億円の値引きの根拠だ。財務省理財局の職員が「トラック何千台も使ってゴミを撤去していたと説明していいか」と学園側に持ちかけていたことも明らかになっている。
「新たな事実も判明しているので、微妙なところですが、私は、8億円の値引きの違法性は問いにくいと思います。通常、国が民間にものを売る時、瑕疵担保責任を負う。ですが、森友学園との売買契約はその責任を負っておらず、過去に例がない、国側に有利な案件でもあります。つまり、籠池理事長のようにややこしい相手から、今後一切、損害賠償などをされないための手切れ金的な意味合いを含めた金額でもある。そこまで踏まえて考えると、8億円の値引きが不適法とは言えないというのが会計検査院の判断でもある」
国会の不正常化が続く中、麻生副総理兼財務相の引責辞任、そして加計学園問題での柳瀬唯夫元首相秘書官の証人喚問の可否が焦点になっている。柳瀬氏は、他省庁から加計をめぐる面会記録が立て続けに公開され、窮地に立たされた。~中略~
一体、いつになれば問題の決着がつくのか。国民の不信感はピークを迎えている。(アエラ2018/05/05より引用)
繰り返すが、本紙川上は、柳瀬氏を、佐川氏同様、
「偽計業務妨害」で東京地検特捜部に刑事告発する。
森友・加計問題については、事件そのものだけでなく、現政権において両問題に深く関与した核心にいるふたりを本紙川上は刑事告発することになる。
新しいレジームへの橋渡しになることを切に願って。
香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その182)
収監中だった山口組六代目に殺害教唆の認定を
みかじめ料賠償命令
暴力団トップに使用者責任
《指定暴力団「5代目共政会」(広島市南区)の傘下組織にみかじめ料(用心棒代)を脅し取られたとして、風俗店の経営者らが共政会トップの守屋輯総裁(75)と傘下組長ら4人に計約2240万円の賠償を求めた訴訟の判決が30日、広島地裁であった。小西洋裁判長は守屋総裁について民法上の使用者責任を認め、4人に計約1800万円の支払いを命じた。
原告側代理人弁護士によると、みかじめ料を巡り、暴力団トップの使用者責任を認定した判決は、昨年3月の名古屋地裁判決に続き2例目。
~中略~小西裁判長はみかじめ料の要求を民法の不法行為と認定し「共政会及び傘下組織の威力を利用した資金獲得活動」と指摘。事件当時服役中だった守屋総裁について「構成員に自らの指示や意向に従わせ、指揮監督をする関係にあった」と使用者責任を認めた。
判決後、原告側弁護士は「収監中の暴力団トップの使用者責任が認められた意義は大きい」と評価した。》
これは、先(5)月31日付毎日新聞から引用した。
なるほど、そういうことか。確かに意義は大きい。
暴力団トップが、例え刑務所に収監中であっても、
「構成員に自らの指示や意向に従わせ、指揮監督をする関係にあった」との判決があったのなら、六代目山口組司忍組長はアウトだ。
収監中でも使用者責任を
香川県警腐敗警官の指南は共同正犯
安倍一強政権の政権運営の手法、アメフト問題を引き起こした日本大学の経営の運営手法、六代目山口組の組織運営の手口。
本紙川上は、これら最近のニュースを見るたびに、例えは悪いかもしれないが、つくづく同じ運営方法だと感じてならない。
だってそうでしょう。
安倍政権の森友・加計問題の国会対応、日本大学のアメフト問題の反省なき謝罪の方法、六代目山口組の組織運営方法は、すべてカネ絡み人事絡みで構成された執行部だけで強引に問題を乗り切ろうとしているとしか見えないではないか。警察やマスコミのOB、それに暴力団六代目山口組に守ってもらうのが危機管理ではないはずだ。
兎にも角にも、日本を変えよう。世界情勢からして現状では世界からバカにされ国益を損ねるだけだ。サッサと森友・加計問題は(良識派)捜査の手に委ねて、与野党含めて国会議員は山積する重要課題に取り組もうではないか。要するに、「良識派の捜査に横槍を入れって真相解明の邪魔をするな」ということだ。
さて、本題に戻ろう。
3年前の平成27年6月2日の朝一番、本紙川上の四国タイムズ(現日本タイムズ)事務所など関連8カ所に捜査権力(高松地検、香川県警)からガサ入れがあった。天の助けか、その日に限ってホテルに宿泊していた本紙川上は逮捕を免れた。
六代目山口組からの殺害計画実行や、捜査権力からの身柄拘束を免れた本紙川上とすれば、なんとしても日本の歪んだ背骨を真っ直ぐにするためのお役を引き受けたいものだ。すなわち、本紙川上絡みの未解決事件を解決させる作業に伴いながら、良識派の人事権を行使して日本を変えていくということだ。もちろん、選挙を通して政治家のレベルアップを計るのは言うまでもない。
さて、具体的な捜査に活用してもらいたいため四国タイムズの平成27年11月号を引用する。
《家族が巻き込まれた命に関わる未解決事件を解決するために、本紙川上は被害者の務め(義務)として最高検察庁検事総長と警察庁長官に六代目山口組の司忍組長を「殺人未遂罪」で告訴した。
この本紙川上の告訴状は、捜査機関から喜んでもらえるはずだ。
だってそうでしょう。
六代目山口組の司忍組長が刑務所に収監されることが決まった平成17年11月29日には、まだ「神戸山口組」は離脱してなかったのだから。
五代目山口組の中四国ブロックのブロック長は岡山の大石組の大石組長。六代目山口組司忍組長体制では、中四国のブロック長は淡路の侠友会寺岡修会長。
当時の流れはこうだ。香川県警の黒川俊雄元刑事部長らが愛媛の矢嶋組山田組長を訪ねた。六代目に使用者責任が及ばないよう本紙川上殺害を実行するための具体的打合せを二代目若林組篠原組長と侠友会寺岡会長が行った。
この後、平成18年2月6日付でヒットマンの森裕之組員を破門。3月7日夜に本紙川上の殺害計画が実行された。
殺害に失敗した関与者は驚き慌てて、矢嶋組の組長は中山組長に交代。山口組中四国ブロックの侠友会本部があった淡路を中四国ブロックから外し、淡路を大阪北ブロックに組み込んでしまったのだ。
しばらく中四国のブロック長は空席の後に、岡山の池田組池田孝志組長がブロック長になった。
これら一連の経過を追えば、本紙川上殺害の失敗は六代目山口組司忍組長の逮捕に繋がる捜査が展開されることだけは間違いない。
現在、侠友会寺岡修会長と池田組池田孝志組長は「神戸山口組」の若頭と舎弟頭の役職。今!今がチャンスだ!》
どうであろう。
2020年は東京オリンピックだ。
海外から沢山の外国人が日本を訪れるこの時期、六代目山口組・神戸山口組・任侠山口組と分裂した状態の中で、果たして東京オリンピックを盛り上げることができるだろうか。警察組織もテロ対策などに力を注がなければならなくなるので、山口組の抗争にかまってはおれないはず。
四国タイムズの引用文の見出しは、「山口組六代目の逮捕は千載一遇のチャンス」だ。
このチャンスを本紙川上は絶対に逃したくはない。
平成9年の香川県警腐敗警官から拳銃トカレフを提供されて襲撃を実行した犯人は若林組組員の川原豪。
平成12年の香川県警腐敗警官に協力されながら本紙川上が運転する家族同乗の車を鉄パイプで襲撃した犯人は若林組組員の山中敏勝。
平成18年の香川県警腐敗警官の全面協力によって本紙川上を回転式拳銃で襲撃した犯人は六代目山口組二代目若林組組員の森裕之。
これら三つの未解決事件を解決する必要がある。森友・加計事件と同じように真相という事実を誤魔化してはならないのである。
本紙川上は、香川県警の捜査員に電話を入れた。
「山中敏勝は口封じで拳銃自殺に見せかけて殺されたのではないか。川原豪も口封じで殺される状況が迫っているので、速やかに逮捕してやってほしい」
川原豪の携帯番号は「090・3●80・1●99」
川原豪の自首を求める。
サミットの詰め捜査は最終局面
オリーブ・オペレーションの頂上作戦
オリーブ・オペレーションが密かに、密かに水面下で狙っている大きな組織がある。その組織を取り巻く状況がこのところ激変している。
組織は、本紙川上を何度も襲撃した。
やがて、オペレーションは、一連の川上襲撃を重く見て、新暴対法を編み、『Xファイル』をアクシス(枢軸)にして、最大組織のサミット(トップ)に迫る。この経緯は、本紙連載『捜査放棄と冤罪捜査』に綴られている。
今、オペレーションの動きは、さしずめ、頂上作戦の様相を呈してきている。サミット検挙に、外堀を埋め、内堀を潰し、いまや、天守倒壊に迫っているのだ。次のレポートには、今言う状況が如実に表れている。
現在、京都にはまったく同じ名称で同じ代目の名門組織が並行して存在する。その組織の名は「七代目会津小鉄会」。大瓢箪といわれる代紋を使用している、伝統ある老舗組織である。この会津小鉄会は去年1月、七代目体制をめぐって組織が真っ二つに分裂し、片方の勢力を六代目山口組が、もう片方を神戸山口組が後押しするかたちとなった。さらに、本部事務所の争奪戦まで起きて、その際には乱闘事件にまで発展している。
この事件の後、警察当局の介入により、双方の会津小鉄会のみならず、六代目山口組そして神戸山口組からも複数の逮捕者を出すに至り、会津小鉄会同士の衝突は沈静化していった。
だが、事件は突如、起こった。
神戸山口組と友好関係にある七代目会津小鉄会・金子利典会長が5月19日、京都市左京区の路上で何者かに鉄パイプなどで襲撃されるという事態が起きたのだ。金子会長ら3人は命に別状はなく、事件当日は大事をとって入院したものの、翌日には退院したと捜査関係者は話している。
襲ったのは、いったい何者なのか。~中略~
さまざまな情報が錯綜するなかで、事件翌日、まずは六代目山口組サイドが、原田会長率いる七代目会津小鉄会の本部がある京都入りを果たしたという、一報が飛び交った。
一方で捜査関係者に、神戸山口組首脳陣らが金子会長率いる七代目会津小鉄会を訪問している姿が確認されている。
~中略~果たして、これは偶然だろうか。六代目山口組の動きも、こうした流れに符合するところがある。
~中略~突然、起きた襲撃事件をめぐって現在、警察当局は取り締まりを強化。水面下でも、組織同士の不協和音が生じているといえるだろう。京都に再び不穏な空気が流れ始めている(ビジネスジャーナル2018年5月25日沖田臥竜記事より引用抜粋)
オペレーションが何を狙っているかは、もはや一目瞭然であろう。
原発マネーで、中高一貫校を設立!
前代未聞のブラックな〝野望〟を暴く!
早稲田大学の肝煎りで、大隈重信の出生地性に設立された早稲田佐賀中高一貫校。この新たなる学園は、開設当初から、桎梏を抱えていた。
ここに、ひとつのレポート記事がある。まずは、このレポート記事を熟読していただきたい。
「電力マネー」で創立された早稲田佐賀学園とプルサーマルとの関係集めた金の9割は九電からの寄付
海老沢勝二元NHK会長の言葉に、いつものような"切れ"がなかった。
「確かに九電さんからの寄付でスタートした形となったが、それは(寄付金集めが)リーマン・ショックと重なったせいで、今後、他からも寄付をつのるし、(九電色は)薄まると思いますよ」
昨年4月、佐賀県唐津市に早稲田大学系属校の早稲田佐賀学園が開校した。早稲田大学ではなく、別法人の学校法人大隈記念早稲田佐賀学園が運営するので「付属」ではなく「系属」という位置づけで、50%までが早稲田大学に進学できる。
海老沢氏は、この学校法人を設立準備するための大隈記念教育財団(現在は学校法人に統合)の理事長だった。
設立の際の事業費は41億円を予定。海老沢氏や理事の奥島孝康元早稲田大学総長、立ち上げの中心となった石田光義元早稲田大学大学院教授などが、九州の経済界を中心に資金を集めたが、開校時までに22億円と予定の半分しか集まらなかった。
そのうちの9割以上、20億円の寄付を決めたのが九州電力である。
原発を抱える電力会社が、地元対策として気前よく資金を提供、インフラを整備、箱物を建て、住民の福利厚生に資するのは良く知られている。電源立地関連の交付金など制度的に認められてもいる。
だが、隣の玄海町には「玄海原発」があるが、唐津市にはない。しかも、早稲田大学は「私学」である。
電力マネーで創立された早稲田大学系属校—。
やはり奇異というしかなく、地元からは、開校準備が日本初のプルサーマル計画実施と重なっていることから、「九電から唐津市へのプルサーマル実施の地元対策」(地元政界関係者)という声が聞こえてくるのだった。
日本の原子力政策は、核燃料サイクルを基本としている。使用済み核燃料を再処理、再び燃料として利用するもので、再処理工場と高速増殖炉がセットとなっている。
だが、再処理工場は廃棄物のガラス固化技術、高速増殖炉の「もんじゅ」はエネルギー制御が難しく、いずれも実用化の道は遠い。そこで、"つなぎ"の策として、使用済み核燃料を再処理して製造したMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料で発電するプルサーマル計画がスタートした。
プルサーマルとは、プルトニウムを原発(サーマル・リアクター)で燃やすという和製英語。その取ってつけたようなネーミングが象徴するように、核燃料サイクルの継続に主眼が置かれ、プルサーマル自体にそれほどのメリットはないとされる。
ウラン資源は節約されるが、それは1~2割にとどまっており、むしろ原子炉を停止させる制御棒の動きを悪くし、事故の際の被害が大きくなるなど、デメリットの方が多いという。そのため反対する住民、自治体が少なくない。
電力業界の期待を担った九電のプルサーマル
九電のプルサーマル計画は、2004年5月、玄海町の玄海原発3号機に導入を計画、県と町に「事前了解願い」を提出したところから始まった。関西電力や東京電力に比べると、決して早くはない。
だが、02年から03年にかけて連続して発覚した関電や東電の事故隠し、データ改ざんなどにより、佐藤栄佐久前福島県知事のように態度を硬化させる首長が現れて、関電や東電のプルサーマル計画は行き詰まり、電力業界の期待を担ったのが九州電力だった。
九電の地元工作は順調に実を結び、06年3月、県は周辺市町村の意見も調整のうえ、プルサーマル計画を「了解」、MOX燃料が運ばれて、試験を重ねた末、日本初の営業運転を開始したのは09年12月2日だった。
確かに、早稲田佐賀学園の開校までの足取りは、プルサーマルに連同する。
「佐賀県に早稲田を」という声は、創立者の大隈重信が佐賀県出身だったこともあり、以前からあったのだという。
それを具体的に推進したのが石田元教授で、05年8月、佐賀市で「大隈地域創成講座」を開くなど動き始めた。
当初は、佐賀市と唐津市が拮抗していたが、唐津市が唐津城内の唐津東高校の移転地を用意、無償提供の上に、耐震化などを施せば、旧校舎を使用できるということで、06年末までには唐津市での開校が決まり、準備財団(正式認可は08年8月)を立ち上げた。~中略~
誤算は、正式認可がリーマン・ショックと重なって、海老沢理事長のいうように寄付が集まらなかったことだろう。(現代ビジネス2011年6月2日付記事引用抜粋)
次のレポートをお読み頂きたい。
「佐賀と早稲田と九電と」
私の実家から15分くらい歩くと、海です。
昔は真夜中にお風呂に入っていると、遠くから波が打ち寄せる音が、かすかにですが聞こえました。昨日は糸島の海は見たけど、唐津の海は今回はまだ見てないなー。
唐津の中心地から車で西に30分くらいのところにある唐津のサーフィンスポット。穴場。~中略~
去年からそこは早稲田付属系の中高一貫校になってしまいました。佐賀県が高校の土地と建物を早稲田に売却したのです。
で、その早稲田佐賀学園の寄付金の90パーセント以上(記事によれば20億)を寄付したのが九州電力でした。
~中略~そのおかげで、唐津城の下に100年以上もあった私の母校は消えたも同然。中高一貫校にするために、唐津城の下じゃ手ぜまだから移転するという理由でしたが、現在の母校の生徒数を見たら、中高合わせても私たちの時とあまり変わってない。手ぜま、というのは本当の理由だったのか疑問。~中略~
20億という寄付金は、もとは電気料金として九州の人たちが払ったお金(でしょ?)。利益はまず消費者に還元されるべきでは?自然エネルギーのための上乗せ徴収が始まってますが、寄付金充当分もそれに当てればいいんじゃないのかな?(ブログthe soul of driftwood オーバリー2011年9月11日付引用抜粋)
何をか況んや、である。
本紙は今号から、この問題を徹底追及していく。
スパコン疑惑の深層
ジャーナリスト山口敬之氏を刑事告発
現政権において、忘れてならない問題がもうひとつある。それが、いわゆるスパコン疑惑である。この問題は、実は、やはり現政権において中枢にいるとされる人物も包括している。その人物は、ジャーナリスト山口敬之氏である。
本紙川上は、スパコン疑惑のまたその先にいる山口氏も刑事告発している。スパコン疑惑と山口氏との関係性をここで確認しておこう。
政官界と企業の間をフィクサーのように立ち回り、企業に流した血税の分け前にあずかるという、厚かましい才能を持った政治記者OBは昔から絶えることがない。
性的暴行疑惑のジャーナリスト、山口敬之氏もその一人のようだ。なにしろ、TBSを退職して間もないフリーランスが、ザ・キャピトルホテル東急の賃貸レジデンスを事務所として使い、そこで暮らしてきたのだ。82~294平方メートルのどの部屋かは知らないが、賃料は月68万~240万円もする超豪華な住居兼事務所である。家賃を支払っていると思われる会社の社長が、国の助成金をだまし取ったとして東京地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された。~中略~
齊藤元章氏。49歳。理研の「京」のような大型ではなく、オフィスで使えるスパコンの開発をめざしている。
特捜に逮捕されたという衝撃的事実。そしてあの山口氏がからんでいる。~中略~
山口氏はかなり前から齊藤氏のスパコン開発に目をつけていたようで、TBSを辞める2か月前の昨年3月、一般財団法人「日本シンギュラリティー財団」を設立した。齊藤社長も理事に名を連ねた。ただ、財団といっても事務局は東京・恵比寿にある山口氏の実家で、職員がいる様子はない。一般財団法人は公益性がなくてもよく、300万円の財産があれば設立できる。日本シンギュラリティー財団がどのような活動をしているのか全く不明だが、齊藤氏の会社と政府の間をつなぐ資金パイプづくりをめざしているのではないだろうか。~中略~山口氏が政界人脈を頼りに関係省庁へ働きかけ資金をかき集める役割を担っているとすれば、真っ先に関連が疑われるのは麻生太郎財務大臣だろう。~中略~山口氏もまた著書『総理』で明らかになったように麻生氏とは安倍首相に劣らぬ親密な間柄だ。TBS時代の彼が第一次安倍内閣の総理退陣を速報できたのは麻生氏という情報源のおかげであることもこの本に描かれている。~中略~特捜部が本気で取り組むつもりなら、助成金詐取事件は捜査のほんの入り口として、背後に巨悪の構図を見据えているかもしれない。(MAG2NEWS2017.12.22 新恭『国家権力&メディア一刀両断』より引用抜粋)
以上のように、スパコン疑惑は現政権の中で起こるべくして起きたものであり、さらにそこには現政権を支える人物が介在していた。ここに本紙川上はメスを入れている。すべては、刑事告発にて、その端緒としている。
告発の行方は、まさに、次のレジームを見据えている。
安倍退陣の最後の一押しとなり得る、自宅放火事件の闇
主犯・小山佐市はすでに出所。再審目指しマスコミ接触か
モリカケ問題などでさすがに末期症状を呈している安倍政権だが、ここに来て、最後の引導を渡すことになるかも知れないという案件が浮上して来ている。
それは、安倍首相の地元・山口県下関市の自宅に火炎瓶が投げ込まれ、車庫の乗用車3台が全半焼したという事件。
事件があったのは00年6月17日深夜。03年11月、非現住建物等放火未遂容疑で地元の土木会社「恵友開発」社長だった小山佐市、特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)の高野基組長ら組員5名が逮捕され、小山は懲役13年、組長には同20年の実刑判決が下された。
動機は逆恨みとされ、そんな決着済みのはずの事件が、なぜいまごろになって安倍政権に引導を渡し得るというのか。
情報を総合すると、その小山はすでに出所しているが、この事件は安倍首相も絡む冤罪事件だと主張しており、その証拠のネタを持ってマスコミに接触中ともいわれるからだ。
そこで、まずはこの事件の概要を振り返ってみよう。
99年4月の下関市長選は、江島潔市長(当時。現参議院議員)が2期目を狙ったものだった。ところが、対抗馬に代議士(民主党。当時)の古賀敬章氏が出馬。江島氏の苦戦が予想されたことから、地元の安倍事務所が小山氏に、古賀氏に対する選挙妨害を依頼。ともかく江島氏が当選するのだが、その見返りを実行しなかったことから、激怒した小山氏が塀のなかで知りあった工藤会組長らと結託し、犯行に及んだとされる。
しかしながら、この公判のなかで、小山はそういう旨の主張をしたものの、安倍事務所から依頼されて選挙妨害をしたと主張するだけで、それを裏づける具体的なものは一切出なかった。そのため、前述のようにこの事件は小山のまったくの逆恨みとされ、外野から見ればなぜ逆恨みしたのかもよくわからないまま判決となった。
ただ、当時から一部事情通の間では何かあるとの見方はされていた。
というのは、同時期、佐伯伸之という安倍事務所の秘書(当時)が、小山に300万円支払ったからだ。
この事実が表面化したのは小山がこの件で恐喝容疑で99年8月に逮捕されたから(ただし不起訴に)。
「小山の所有する絵画購入を何度も迫られてというのだが、何もやましいことがなければハッキリ断ればいいだけ。ただ同然の絵画で、実際は選挙妨害の見返りでは。不起訴になったのは、見返りをしつこく要求され往生して警察に訴えたものの、選挙妨害の事実がバレるとまずいので結局、事件にしなかったのではないかと見られていたんです」(当時を知る地元事情通)
実はこの当時から、地元の安倍事務所の筆頭秘書である竹田久氏(当時。山口県警OB)が、小山に対し、選挙妨害の見返りを約束する内容の「念書」を出しているとの情報もあった。しかし、公判でもその「念書」に関する主張はむろん、まして「念書」そのものは出されなかった。そのため、あくまで噂の域を出ることはなかった。
「念書」は確かに存在。選挙妨害見返りと思われる内容も
ところが、ここに来て、出所した小山がこの「念書」を持ち歩いているという確度の高い情報が出て来ている。
しかも、その情報のなかでは、この「念書」の具体的な内容についても述べられている。
「3項目あるが、その中心は、下関市に大手スーパーが進出する計画があるが、安倍事務所はその進出に際し、市の既定の道路計画を変更し、そのスーパーの前を通るようにするというもの。小山は当時、このスーパー誘致に関わっており、これが実現したらスーパー側から巨額の報酬が出てもおかしくない内容」(同)
ところが、安倍事務所は小山を舐めていたのかその約束を反故に。激怒した小山は、以前から自社「恵友開発」に入り浸り、飲み食いなどの面倒も見ていた前出・佐伯秘書に日参し抗議。これに音を上げた佐伯秘書がとりあえず自己責任で300万円用意しなだめるも、見返りの約束はケタ違いのものだったことから小山は納得せず、ついに自宅放火に及んだというのだ。
実は小山らの犯行内容は1回ではない。
公判では火炎瓶は00年6月から8月にかけ計5回投げ込まれ、それも安倍首相の自宅だけでなく、同じ下関市内の安倍事務所、さらに間違えて安倍事務所近くのモールにも投げ込まれている。そして唯一、着火し火災となったのが自宅車庫が燃えた件だった。さらに、当時を知る地元の市役所関係者はこう証言する。
「その前、99年末ごろから江島市長の公用車、また江島市長を推し“陰の市長”とも呼ばれていたH氏の自家用車も、何度もパンクさせられたり、フロントガラスが粉々にされるという事件が起きていた。
あれも小山らの犯行で、要するに、『念書』の約束を実行しろというサインだった。ところが実行しないものだから、次第にエスカレートし、それが火炎瓶になったのでは」(同)
さらに、安倍事務所に火炎瓶が投げ込まれたとされる事件時、現場を取材した地元紙記者はこう漏らす。
「現場には火炎瓶などなく、窓の網戸に穴が空いていた。あれはカチコミ(発砲事件)だと直感した。おそらく、安倍事務所としてはカチコミでは暴力団同士のように思われイメージが悪いことから火炎瓶ということにすり替えたのではないか」
読者のなかには、事件をねじ曲げることなどいくら何でも出来るのかと思われる方もいるかもしれないが、安倍事務所の場合、山口県警管轄からそれは十分可能であるようだ。前出・記者は続ける。
「内容が内容だけに、事件は闇に葬られるはずだった。ところが山口県警ではなく、隣の福岡県警は工藤会壊滅作戦の一環として手をつけ表面化した。
私自身、小山から『念書』なるものを見せてもらっている。チラッとだが、確かに竹田秘書の署名が入り、道路がどうのこうのという記述が見えました」
実は共同通信社がこの「念書」を入手し、記事にしようとしたことがあった。第一次安倍政権が誕生直後の06年10月ごろのことだ。ところが、いまふうにいえば共同の上層部の忖度の結果、記事は見送られた。その件は、『現代』(06年12月号。廃刊)に「共同通信が握りつぶした安倍スキャン」のタイトルで特集記事が載っている。
安倍首相自身、小山と面会。その後、冤罪事件をデッチ上げ!?
そして、この事件が安倍首相絡みとも見られるのは、「念書」の約束を実行しないことから、逮捕前、小山は東京の安倍事務所に連絡。結果、安倍首相が地元の安倍事務所で小山氏本人と面会。その場で小山は約束の実行を迫っているからだ。
「こうしたなか、ついに小山は逮捕。ところが、小山は工藤会側が勝手にやったことをこれ幸いに、自分は口封じのために共犯にさせられたとして冤罪を主張。塀のなかから安倍首相宛てに手紙を出しており、それをマスコミに持ち込んでいるという情報もあるんです」(永田町事情通)
さらに、安倍首相自身にとって都合が悪いのは、選挙妨害のやり口だ。
冒頭で見た下関市長選中に出た、対抗馬の古賀氏への選挙妨害とは、「古賀は北朝鮮生まれの在日であり、もし古賀が市長になれば下関は金王朝状態になる」旨のビラ、江島候補の妻を語った手紙が関係者に配られるというものだった。だが、古賀氏は在日ですらない。
いくら安倍首相が北朝鮮の拉致問題で売り出したとはいえ、否、だからこそ逆に、北朝鮮に対する憎悪を書き立てるような手口は政治家としてなおさら言語道断。まして安倍首相の地元の多くの有力後援者は在日。放火された安倍首相の下関自宅からして、そもそもは「東洋エンタープライズ」という父・安倍慎太郎元外相(故人)時代からの後援者であるパチンコホール会社所有で、地元では「パチン御殿」とも呼ばれている関係であるには拘わらずだからだ。
早ければ、この件で6月中にも火を噴くとの情報もある。
徳島市観光協会の「破産」「解散」が決定
遠藤市長と「結託」徳島新聞の阿波踊りは今年も健在 徳島の恥!
徳島新聞の荒稼ぎ問題に端を発して、分裂開催になるのかと危惧されていた、今年8
月の徳島名物の阿波踊り。徳島市が申し立てた、徳島市観光協会が債務超にと、破産を申し立て、徳島地裁が認めた。その後、高松高裁も5月23日に棄却の判断を下したため、徳島市観光協会は、その結果を受け入れることを表明した。これで分裂開催は回避される模様だ。
しかし、本紙で繰り返し報じてきた、阿波踊りで徳島新聞が荒稼ぎし、それを徳島市の遠藤彰良市長が支えるという構図は変わりがない。
本紙5月号でお伝えしたように、徳島市観光協会は、4億円を超す支援金を有志から調達。返済にメドがついたとして、高松高裁は破産を取り消すのではないかとの見解を示していた。だが、高松高裁の決定では
〈徳島新聞の不当な関与を認めるに足りる証拠はない〉
と述べ、支援で集めた資金は
〈単なる貸付金であり、破産債権は存在し続ける〉
と理由づけた。
「徳島新聞がいかに不当であったかは、一連の報道や裁判所への反論で十分、証明した。今後も黒字になる見込みがないと、高松高裁は述べているが、昨年は阿波踊り改革で黒字にした。本当に腹が立つ内容だ」
と徳島市観光協会の事務局長、花野賀胤氏は怒りを隠せない。
ならどうして、最高裁に「特別抗告」しなかったのか?
「もう阿波踊り開催に時間がない。
徳島市民、県民、全体のことを考えるとここで、あきらめるしかなかった。ここまで支援を頂いた皆様には感謝と申し訳なさでいっぱいだ」
高松高裁は当初、5月10日前後に決定を下すのではとみられていた。だが、なぜかずれ込み、5月23日となった。その間に、徳島市の遠藤彰良市長は、徳島市観光協会に代わる新組織「阿波おどり実行委員会」が2億1千万円あまりで、阿波踊りに欠かせない桟敷席を管財人と交渉し、買い取る契約を締結したと表明。徳島新聞が、新組織に提供した3億円から、支出するというのだ。
「抗告中に管財人と新組織が交渉して桟敷席の売却契約が締結。それが終わるとすぐに、棄却の決定。桟敷席の2億1千万円は徳島新聞からの3億円から払うという。それを徳島市観光協会に出してくれていれば、破産申し立てもなく例年通り、阿波踊りは開催できた。
要は、徳島新聞荒稼ぎの問題点を指摘し、改善しようとした徳島市観光協会が邪魔になり、追い出すために破産。最初から、そういう筋書きを徳島新聞と遠藤市長は描いていたんじゃないか。それに高松高裁の抗告棄却のタイミングがあまりに絶妙。遠藤市長、徳島新聞と近い、後藤田正純衆院議員がウラで暗躍したという話もある」
と話すのは徳島市関係者。
前出の花野氏も
「同じ主催者、徳島市観光協会には責任があって、徳島新聞にはないという、こんなバカな話はありませんわ。儲けは徳島新聞がほとんど持って行ってます。責任を一方的に押し付けられるばかり。それに新組織では、徳島市が中心となるので、税金の負担も増え改革とは程遠い内容です」
と怒りをぶちまけるのだ。
とりわけ、問題になるのが徳島市からの税金投入である。すでに本紙で報じたが、遠藤市長は公用車を使用して、徳島市観光協会の近藤宏章会長を「脅迫」して刑事告訴までされている。結果は、不起訴だが、これは公務ではない。まさに税金のムダである。事実、新組織には徳島市の職員が多数、かかわりその人件費も税金だ。
遠藤市長は、今年の阿波踊りについて
「時間がないので、入札をしている時間はなく、随意契約になる見込み」
と説明している。
となれば、これまで通り、徳島新聞と関連が強い会社がさまざまな仕事を請け負うのは、目に見えている。
徳島新聞の阿波踊り荒稼ぎ、遠藤市長との結託という「悪だくみ」はいつまで続くのだろうか? 今後も本紙は徹底的に追及してゆきたい。
TOKIO山口達也氏の強制わいせつ事件と「同種」の問題で揺れる明浄学院
X教師の「過去」と「隠ぺい」の実態
「日本タイムズの反響はすごかったですよ」
と話すのは、本紙が追及している大阪の学校法人、明浄学院の関係者だ。
前号、本紙はTOKIOの山口達也氏と同様の「事件」が明浄学院高校でも起こっていると報じた。文系の教科を受け持つX教師が、特定の生徒と「特別な関係」を強要し、精神的に追い詰められているというものだ。
すると、次々と情報が寄せられてきたのだ。
「その話は、たいていの先生、生徒が知っています。学校側はわかっていながら放置して、実にひどいとの声があがっている」
など、学校内ではかなり知られた話が、見過ごされているというのある。
その理由はX教師の「過去」にあるという。
「X教師は大阪府南部のある公立中学校で教えていたことがある。その際、地元の塾の関係者と親しくなり、そのルートで2、3人が明浄学院の特進コースに入学してきたのです。絵面校長は、進学塾にコネがある、今後も入学してもらえるとX教師の行状を不問にしたのです」(前出・明浄学院の関係者)
だが、明浄学院の中ではさすがのX教師の行状は許せないと、その「過去」を調べた複数の関係者がいた。すると驚くべき事実が浮上したという。
「実はX教師、前にいた中学校でも生徒に手を出していた疑惑が浮上したのです。うちは高校ですがその前は中学校ですよ。もうこれは完全な犯罪です。今、思えばX教師の採用は厳しい状況だった。それが教師の数が足りないと、仕方なく採用されたのです。あの時採用しなければと悔やまれてなりません。まだ、学校にいるということで新たな被害者が出ないのを祈るばかり」(前出・明浄学院の関係者)
そして、明浄学院の生徒の一人はこう話す。
「X教師の授業はおかしいですよ。勉強とは関係なく、絵面校長は素晴らしいとか、明浄学院の指導方針は最高だとか、やたら学校や校長を褒め称えるのです。ろくな授業もできないし、いい加減にしてほしいと思っている生徒は数多いですね」
こんなとんでもない、教師を放置しているという明浄学院。いったい、何を考えているのか。
本紙で、これまで何度も報じてきた、バスケットボール部の顧問だったH先生の懲戒解雇問題。その後、明浄学院との間で民事係争となっていたが、和解に至ったという。
「H先生の懲戒解雇は撤回されて、退職となりました。おまけに慰謝料と未払い賃金、そうですね年収分を超す金額が明浄学院から、H先生に支払われた。要するにH先生には落ち度がなく、学校側の対応こそが不法行為だったのです」(前出・明浄学院の関係者)
だが、H先生は結果的には学校を去らねばならず、バスケットボール部を指導する希望はかなえられなかった。明浄学院を強豪校に育て上げたH先生の心中を察すると断腸の思いだったはず。
懲戒解雇が退職。「示談金」まで支払ったという。普通なら、理事長以下執行部は責任で、大騒ぎになるはずだ。しかし明浄学院には、まったくそんな様子がないという。
明浄学院に自浄作用はないようだ。
香川県藤井学園と明浄学院の類似問題に終止符!
男性教師と女生徒の性的問題や不法行為に捜査のメスを
藤井学園わいせつ事件の隠蔽発覚に始まり、副理事長強制解任、百十四銀行執行役員との黒い関係も本紙に扱われなくなったと藤井睦子理事長、藤井紀子事務局長の親子は思っている事は間違いがない。残念ながら本紙は、反省なく改善なき学校法人藤井学園経営陣に対しての追及を緩めることはない。
さて、始めようか。
老朽化著しい丸亀の校舎にて雨漏れが生じて損害が発生したとする損害保険支払請求を藤井学園が某損害保険会社に提出した。藤井学園からの支払請求にあたり癒着企業であるマサキ工業が作成した見積書を某損害保険会社に提出している。同時に提出されている相見積りもマサキ工業の協力会社という状況も考えられるため、損害保険会社としても水増し請求を危惧し、迂闊には支払い決定ができない事態になっている。
本紙川上としては、前々から県総務部総務学事課にマサキ工業の代表田村正廣氏は、藤井学園ユリーカのPTA会長であり、藤井睦子理事長、藤井紀子事務局長とズブズブな関係である事も伝えていたはずだが何も対応していない。公的資金、補助金が投入される学校法人に対しての監査指導もしないようであれば、行政監査組織としての存在意義が問われるものである。
昨今、明浄、森友、加計の件も踏まえ、学校法人に対する疑いの目を持たれやすい状況があるが、刑事罰に該当する事件を隠蔽してきた学校法人である藤井学園もその目から免れる事は不可能である。
藤井睦子理事長の企んだ「藤井学園わいせつ事件の隠蔽」を忖度した理事会の面々も随時退職になっており、藤井学園としては、事件の風化を目論むが残念ながら風化にはならない。本紙の取材において素性が露呈した老獪たる藤井睦子理事長の企ては、学校法人藤井学園創立100周年に合わせて新校舎を建てること、経営才覚の無い娘である藤井紀子事務局長に旦那を見つけて、娘に藤井学園の理事長の席を譲ることが一番の問題と考えている。
生徒募集において、学費全額免除、学費一部免除の生徒を増やし、如何にも生徒数が増え健全経営である事を醸し出し、私学助成を使用した新校舎建築のための借り入れを段取りすることは決定されている。
ただし、今までの藤井学園藤井睦子理事長の行いにて、香川県でのゼネコンからも評判が悪い藤井学園が新校舎を建てるにあたり使える術は限られており、頼みの綱であるマサキ工業の暗躍は推定されている。新校舎の設計はマサキ工業では出来ない。ましてや学校の新築となると規模が大きすぎて直接は手が出せない。では、設計事務所と施工主体企業をマサキ工業が手配するのか、それとも藤井学園側が手配するのか、本紙川上としては、最終的に「どこが受注するのか?」「悪巧みに加担する施工業者はどこか?」非常に興味が尽きない。
巷から聞いた情報として、藤井学園ユリーカ校舎の設計施工において、「とある設計事務所」が藤井学園の依頼で設計施工を請け負ったが、設計のみで契約を切られ酷い扱いを受けたという話があり、その後、当初の設計図を元に某工務店が施工業者となり、下請けとしてマサキ工業がユリーカ校舎の外構工事を請け負ったという事だ。
さて、以前から藤井学園に関する事に関心を持っている読者の目にはどのように見えるであろうか?重ねて、本紙川上は、学校関係者からの情報をメールならびにファックスにて受け取っており、綿密に調査した後、本紙に掲載する形を取ってきている。本紙は、未だ公開していない情報も多数有していることを読者に示しておく事とする。
2018年5月号
- 目次
- 国滅ぶとも正義は行わるべし 検察の改革人事で日本再生を
- 香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その181)
- 暴力団の悲惨な原因は山口組六代目の殺害教唆
- バブルで塩漬けの呪われた土地
- ホテル開業で日本の京都に経済活性化を
- TOKIOの山口達也容疑者女子高生への強制わいせつ事件
- 明浄学院でも同種の「疑惑」浮上で警察へ相談
- 徳島市観光協会の破産回避の公算大
- 遠藤市長は税金使い新組織設立で猛反発、阿波踊り「分裂開催」の危機
国滅ぶとも正義は行わるべし 検察の改革人事で日本再生を
本紙がほかのメディアに先駆けて、数度にわたって報じてきた、検察の人事。本紙が報じる人事というのは、オリーブ・オペレーションのアクションをそのまま裏打ちしたものである。
「Xファイル」を核にした、新生オリーブ・オペレーションの躍進は目覚ましいものがある。本紙も、今号で181回になる、「捜査放棄と冤罪捜査」で、この躍進を支援しながら、いよいよ現政権へのアプローチ、歪んでしまった法曹業界への提言、さらには反社会的勢力への毅然とした対応をしてきた。この活動が結実する時期は近くなっていることは、目下、この国の諸般の問題に対する関心の高まりを肌で感じられるはずである。
森友、加計、先の国会で証人喚問された佐川前国税庁長官、スパコン疑惑、リニア疑惑。これらが、大きな塊となって国民の耳目を集め、現政権そのものの根幹に突き刺さる国家レベルの問題となっていることは周知のことだ。
この気運と本紙の活動が今こそ、一致していることを本紙も十分に感じている。本紙社主川上道大が、上記の具体的な問題に対して積極的なアクションを起こしていることも既報どおりである。森友や加計、佐川問題についてはズバリ、告発しており、それは、速やかに受理され、目下、捜査のアクシス(軸)になっている。さらに、先月27日には、スパコン疑惑に突き刺さる告発を川上が東京地検特捜部にしている。この趨勢の大きなうねりを変えてはいけない。
そして、その根底にオペレーションの存在がある。ここに、オペレーションのバックボーンになる本紙が先駆けとなる検察人事に関して、次のような興味深い記事が出ている。是非、読んでいただきたい。
「官邸の代理人」黒川法務事務次官
「こいつがいる限り、安倍政権は安泰だ」と酷評される男が、論功行賞で位人臣を極める。
東京地検特捜部は何をしているのだろう。政界に切り込む捜査はもう忘れてしまったのだろうか。民主党政権時代にその土台を揺るがす摘発を続けたのとは対照的に、約4年半の第2次安倍政権下では、閣僚の事件が次々潰れている。検察関係者はある男を「安倍政権の代理人」と呼び「諸悪の根源。こいつがいる限り、安倍政権は安泰だ」と吐き捨てるように言う。
その男は黒川弘務。検察関係者によると、1957(昭和32)年2月8日、東京都出身。東大法学部卒で、司法修習35期。83年に検事となり、東京、新潟、名古屋、青森各地検、法務省刑事局、大臣官房秘書課、同司法法制部などに勤務した。2001年に司法法制部司法法制課長として司法制度改革関連の法案を担当し、05年に「エリートの関門」(検察関係者)と言われる刑事局総務課長に就任。その後は秘書課長、官房審議官と階段を上っていった。
エリート検事は途中で小規模な地検の検事正を経験する慣例に従い、10年8月、松山地検検事正へ異動したものの、わずか2カ月で呼び戻され、大阪地検特捜部の証拠改竄・隠蔽事件で発足した「検察の在り方検討会議」の事務局を務める。
「当時は民主党政権で、東京地検特捜部が小沢一郎の資金管理団体『陸山会』をめぐる事件に突き進み、小沢をパージしたうえ、検察審査会による強制起訴を画策した。そんな状況下でも黒川は検討会議のメンバー選びから関わり、議論を検察有利に導く一方、政権復帰を見越して自民党と通じていた」と検察関係者は明かす。
物を言う菅長官との連携
黒川がとりわけ通じていたのは、第2次安倍政権で官房長官となる菅義偉という。
検討会議が提言した刑事司法改革は、取り調べの可視化が裁判員裁判対象事件と検察の独自捜査事件に限定される一方、通信傍受が拡大されたほか、司法取引まで導入され、捜査機関の「焼け太り」で終わった。
11年8月に黒川は法務省の法案や検察人事の決裁に大きな影響力を持ち、官邸や国会対応の責任者でもある官房長に昇任。政権交代をまたぎ、実に5年間もそのポストにいた。検察関係者は「官房長時代に『焼け太り』の成果を法案にして、野党の反対をぶっちぎる形で成立させた。最高裁の違憲判決を受けた、婚外子相続差別の是正や再婚禁止期間短縮では、うるさい自民党の保守派を黙らせ、民法改正を実現した。これらには、黒川と菅らとの連携が物を言った」と話す。
代わりに、検察が失ったものは大きかった。
まず第2次安倍政権下で発覚した経済産業相(辞任)小渕優子の政治資金問題では、東京地検特捜部が資金管理団体「未来産業研究会」などの政治資金収支報告書で、総額3億円を超える虚偽記載・不記載を突き止めたが、政治資金規正法違反の罪で立件したのは、元秘書と元会計責任者にとどまった。ベテラン司法記者は「捜査が手ぬるく、政治家へ突き上げる勢いが全く感じられなかった」と振り返る。
検察関係者は「黒川と首相官邸との間で、元秘書らの立件で捜査を終わらせるという手打ちがあったと聞いた。東京地検の捜査を決裁する次席検事が13年7月以降、黒川の後輩となり、人事に影響力を持つ黒川に逆らえなくなった。小渕事件は次席検事らが特捜部の捜査を止めたと言われている」と解説する。
「黒川を次官にするように」
小渕事件よりさらにひどい経過をたどったのが、経済再生担当相(辞任)甘利明の事件。検察関係者によれば、千葉県の建設会社「薩摩興業」の元総務担当が都市再生機構(UR)との補償交渉を有利に進めるため、甘利側に口利きを依頼。その謝礼として、13年に甘利の秘書(辞職)が500万円、甘利本人が100万円を受け取った。元秘書らは頻繁に接待を受け、15年にかけて総額八百数十万円の現金をもらっていた。
URの職員は秘書らと12回面談し、薩摩興業には2億円を超える補償金が支払われたことなどが捜査で明らかになった。
「あっせん利得処罰法違反などは明白だったが、黒川が官邸から立件見送りを頼まれたのではないか。経済再生担当相に所管外のURへの影響力はないという論理を地検に押し付け、誰一人罪に問わず、事件を潰した。逆に森友学園問題では、籠池泰典前理事長を早く捕まえるように言っているらしい。安倍政権の代理人に成り下がった」と検察関係者。
ベテラン記者は「甘利は麻生内閣の行政改革担当相として独立行政法人の整理合理化を所管するなど、独法のURに影響力が大きいからこそ、薩摩興業は依頼した。甘利を立件しない検察に驚いた」と語る。
安倍政権下で集団的自衛権行使容認に向けた内閣法制局長官の更迭、お気に入りの日銀総裁やNHK会長起用、厚生労働事務次官に予想外の村木厚子登用など官邸主導の人事が続く。
内閣人事局が新設され、中央省庁の事務次官、局長、部長、審議官計約600人の人事は首相や官房長官が決める。
「霞が関の役人は震え上がっている。森友学園問題で恥も外聞もなく安倍の防波堤となっている財務省理財局長が象徴的。誰もが安倍や菅に逆らえず、忖度を繰り返す。検察も例外ではない。戦後積み上げてきた検察への国民の信頼は失墜した」と記者は見ている。
小渕事件や甘利事件を潰した黒川には、官邸から論功行賞の人事があった――。法務検察内では、そんな話が広がっている。
昨年7月、当時法務事務次官の稲田伸夫が官邸に対し、検事総長交代や稲田の検事長転出、後任の次官に刑事局長の林真琴といった人事案を打診したところ、黒川を次官にするよう指示されたというのだ。「政権が法務検察人事に介入するなど聞いたことがない。ここまで舐められたか。検事長に出るはずの黒川が事務次官となり、省内で冷めた声も多い共謀罪法案の成立に前のめりになっている。どうせ官邸から言われたのだろう」と検察関係者。
刑事局長に留任した林は黒川と司法修習同期で、衆目が認める検事総長候補。しかし安倍政権が続けば、代理人として尽くす黒川がまた論功に与かるのではないかと、法務検察内には不満が渦巻いている。(敬称略2017年6月号 FACTA On Lineより引用)
さらにもうひとつ、的確なる指摘もある。併せて読まれたい。
「もう幕引きなのかもしれない」
新年早々、若手の検察関係者は小声でそう呟いた。些末なものはあったが、安倍晋三首相に対する本格的な汚職疑惑が出たのは、昨年の森友学園問題と、それに続く国家戦略特別区域に指定された愛媛県今治市における加計学園運営の岡山理科大学獣医学部新設計画をめぐる安倍首相の関与だった。森友問題は安倍首相本人というよりも夫人の昭恵氏が主役だったが、結果的には安倍首相夫妻の関与が証明されず下火となった。しかし加計問題は、加計孝太郎理事長が安倍首相と友人だったことから、安倍首相の関与に対する疑惑が大きく膨らんだ。
同問題では、前川喜平・前文部科学省事務次官が告発者としてクローズアップされ、「総理のご意向」等と書かれた文書の存在を明らかにしたが、7月の国会閉会中審査で加戸守行・前愛媛県知事が「加計学園を招いたのは私」と証言したことで、安倍首相の関与に対する疑惑は薄らいだ。加計問題では、官僚や政治家が安倍首相の意向を“忖度”したという構図が指摘され、「忖度」は「2017ユーキャン新語・ 流行語大賞」にも選ばれた。そして、森友・加計問題を合わせて「モリカケ問題」などとも呼ばれた。
先の若手検察関係者は、「当初、モリカケ問題は安倍首相の関与まで行けると思ったが、現在では同問題での追及は無理筋と判断されているようだ」という。
だが、昨年12月、再び政界に検察の追及が及びかねない事件が発生した。世界最先端のスーパーコンピュータを開発していたベンチャー企業PEZY Computing(ペジーコンピューティング)代表の齊藤元章容疑者が、国立研究開発法人から助成金約4億3000万円をだまし取った疑いがあるとして、東京地検特捜部に逮捕されたのだ。
ペジー社の顧問には、元TBS記者で安倍政権の御用ジャーナリストと揶揄される山口敬之氏が就いていた。ジャーナリストの伊藤詩織さんは、この山口氏から性的暴行を受けたと公表している。一度は山口氏の逮捕状が発付されたが、逮捕直前にその執行が取り止めになっていたと報じられ、政治的圧力を受けた中村格・警視庁刑事部長(当時)による隠蔽の可能性も示唆された。ここでも、安倍首相と近い関係にある山口氏に対する“忖度”があったのではないか、との疑いが持たれた。
特に、ペジー社の助成金詐欺事件は、東京地検特捜部が乗り出しただけに、「政官ルート」を追及するとの期待が高まった。しかし、「ペジー社事件はあれ以上の広がりは期待できそうにない」(同)という。(ビジネスジャーナル誌2018年1月号より引用)
まさに本紙が常々訴えてきている検察の人事問題の核心をこの引用記事もついている。
森友、加計問題だけでなく、ここには、いわゆる「スパコン問題」、そしてそこに係るジャーナリストの一件も指摘している。
注目すべき諸問題が本紙を中心にクローズアップされてきていることは紛れもない事実である。
もう一点、注目すべき事件がある。それは、いまさら言うまでもないことだが、「リニア問題」である。本紙は、この事件を、とりわけ反社会的勢力との接点として捉えている。
事件の概要については、以下の記事に詳しい。ここに引用する。
リニア事件だが、この事件とほぼ同時期に、「全容を解明できれば、相当に大きな疑獄事件になるかもしれない」(捜査関係者)と見られる、JR東海のリニア中央新幹線関連工事をめぐる不正入札が明るみに出た。
リニア計画は16年7月の参議院選挙で自民党の選挙公約に盛り込まれ、それを推進したのは安倍首相当人だった。リニア計画は莫大な設備投資が必要になり、さらにJR東海の“ドル箱”である東海道新幹線と競合するため、同社内部でも反対派が多い。しかし、リニア実現に踏み出したのは、安倍首相の選挙公約による「5年間で30兆円の財政投融資」だった。すでに約3兆円の資金が鉄道建設・運輸施設整備支援機構を通じてJR東海に貸し出されている。そして、この安倍政権と同社の強い絆は葛西敬之・名誉会長と安倍首相の人間関係をベースにしている。
葛西氏は安倍首相の後援組織である「四季の会」の主力メンバーであり、「さくら会」の発起人でもある。東京地検特捜部は、リニア不正入札を足掛かりに、大手ゼネコン→JR東海→葛西名誉会長→安倍首相の側近→安倍首相というルートを想定していたようだ。
首相官邸vs.東京地検特捜部
その原動力と見られているのが、東京地検の森本宏・特捜部長、東京地検の山上秀明・次席検事、そして彼らを支える林真琴・法務省刑事局長という布陣だった。黒川弘務・法務事務次官は官房長時代に法案や予算などの根回しの功績から、「安倍首相に近い」といわれており、リニア不正を深掘りすることには消極的な姿勢と見られている。
これには伏線がある。現在の検事総長への登竜門は、法務事務次官と東京高検検事長とされる。事実、直近の検事総長8人中7人が法務事務次官と東京高検検事長の双方を経ている。昨年9月の人事異動では、黒川事務次官が東京高検検事長に転出し、法務事務次官には林刑事局長が就くはずだった。この人事が首相官邸の意向で凍結され、黒川事務次官、林刑事局長とも留任したのだ。これにより、「林刑事局長の検事総長の目はなくなったのでは」といわれた。
こうした伏線もあり、リニア不正を深掘りに消極的な黒川事務次官に対して、林刑事局長を柱に据えた森本特捜部長、山上次席検事はリニア不正を徹底的に追及すると見られていた。
しかし、機先を制したのは、やはり首相官邸だった。年も押し迫った昨年12月26日、政府は林刑事局長の名古屋高検検事長への異動を閣議決定した。この日に閣議決定された人事案件はこの1件だけだ。「官邸の見事な反撃だった。完全に気勢を削がれたかたちになった」(同)という。
林刑事局長の後任には、辻裕教・大臣官房長が就任する。黒川事務次官が安倍首相と近しい間柄になったように、辻官房長も官邸に近いと見られている。もはや、「網呑舟の魚を漏らす」ということなのだろう。(ビジネスジャーナル2018年1月号文=鷲尾香一より引用)
以上の記事が、注目すべきなのは、指摘するまでもなく、本紙が再三にわたって指摘している検察の人事がきちんと検証されていることである。
一連の事件と検察人事はまさしく切っても切り離せない関係にある。この亀裂から出てきたのが、すなわち、オリーブ・オペレーションなのである。
検察の人事については、本紙は一貫してその在り方に忌憚なき主張をしてきたが、少し前にやはり同じような指摘があったことだけは見逃せない。世間の耳目を集めた、「甘利事件」である。この事件は、実に二年前のことである。しかしながら、今の問題化している検察人事は、あの頃にはすでにその萌芽どころか、いわば全盛の感さえあったのだ。だから、あのような暴挙がいとも簡単にでき得たのだ。
それは、今となっては、禍根そのもの、時代遅れの検察の汚点、というべきものと化している。それを頭に置きながら、次の提言に目を通してもらいたい。
「検察捜査を潰して甘利明を不起訴にしたあの法務官僚が事務次官に大出世! 安倍政権と裏取引か」
やっぱりか。8月15日、法務省の事務方トップである法務省事務次官に、あの黒川弘務官房長が昇格することが発表された。
「あの」といったのは、黒川官房長が甘利明前経済再生担当相の口利きワイロ事件を潰した人物だからだ。
「甘利の容疑は、建設会社の依頼で、都市再生機構(UR)へ移転補償金の値上げを“口利き”した見返りに賄賂を受け取っていたというもので、最低でもあっせん利得処罰法違反、場合によっては刑法のあっせん収賄罪も成立する案件でした。ところが、黒川官房長が捜査現場に圧力をかけ、秘書の立件すら潰してしまったのです」(全国紙司法担当記者)
この黒川官房長はもともと“法務省の自民党代理人”と言われるほど政界とべったりの人物で、直前には、菅義偉官房長官や佐藤勉自民党国対委員長(当時)らと会っているところも目撃されている。(中略)
(2016年)6月1日、あの甘利明前経済再生担当相について、東京地検特捜部が不起訴処分にするというニュースが、一斉に流れた。しかも、甘利本人だけではなく、同じく告発を受けていた公設秘書2人も立件見送りになるという。
いっておくが、犯罪が軽微だったわけではない。甘利がやったことは、今、マスコミが大騒ぎしている舛添要一都知事の政治資金問題などとは比べ物にならない、政治家としては最も悪質な賄賂事件だった。しかも、特捜部は最近、政界捜査に弱腰になっていたとはいえ、小渕優子元経産相や小沢一郎のケースのように、秘書の立件まではやるのが普通だった。それが、今回は一切なんのおとがめもなし。これはいくらなんでも異常すぎるだろう。
取材してみると、今回の不起訴決定の裏には、法務省幹部の露骨な捜査潰しの動きがあったことがわかった。しかも、この幹部は明らかに官邸と深いつながりのある人物だった。
捜査潰しの詳細に踏みこむ前に、まず、事件のおさらいをしよう。甘利の容疑は、2013年5月に千葉県の建設会社・薩摩興業の依頼で、都市再生機構(UR)へ移転補償金の値上げを「口利き」した見返りに、賄賂を受け取っていたというものだ。
周知のように、薩摩の元総務担当者、一色武氏が「週刊文春」に公設秘書ら2人に現金500万円、さらに甘利本人に100万円を手渡していたことを告発した。実際、甘利事務所が現金を受け取ったことを証明する領収証や、甘利の公設秘書らがUR側に補償金アップの働きかけをして交渉を録音したテープなどの物証もあった。
しかも、URは甘利事務所からのアプローチ後、薩摩側への補償金額を約1億8千万円から2億円に、さらに2億2千万円にと、2回にわたって増額しているのだ。公共事業の補償額が途中で2回も増額されるなんてことは、通常、ありえない。
そういう意味では、甘利の口利き、賄賂疑惑はあっせん利得処罰法違反どころか刑法のあっせん収賄罪も成立する可能性のある真っ黒な案件だったのだ。
当の東京地検特捜部も4月にURを家宅捜索し、甘利氏の元秘書らを事情聴取。明らかに立件を視野に動いていた。当初の計画では、参院選前にまずURの職員だけを摘発し、参院選後に、甘利の公設秘書ら2人を立件。その後、甘利本人にいくかどうかを判断する予定だったという。それが、参院選前に一転して、全員「不起訴」の判断が下ってしまったというわけだ。
検察の説明によると、現金授受や口利きの事実はあったものの、告発を受けていたあっせん利得処罰法違反の要件である「国会議員としての権限に基づく影響力の行使」が認められなかったため、起訴を見送ることになったという。「議会で追及する」「予算をつけない」「人事を動かす」といった強い脅しがなければ「権限に基づく影響力の行使」とはいえず、甘利たちの口利きはそのレベルになかったと、地検幹部はブリーフィングで説明したらしい。
新聞はこれを受けて、一斉に「法律の限界」「あっせん利得処罰法はもともと立件が難しい」などといったわけ知りの解説記事を垂れ流した。
まったく冗談もほどほどにしてほしい。たしかに、このあっせん利得処罰法は、中尾栄一元建設相の収賄事件を機に、職務権限のない議員やその秘書が公共事業で不正を働くことを防止するために制定された法律なのだが、現実には刑法のあっせん収賄罪よりも適用が難しいと言われ、これまで国会議員がこの法律で摘発されたことはない。
しかし、甘利のケースは、要件をすべて満たしており、法律の専門家も「適用は可能」と口をそろえていた。元東京地検特捜部検事の郷原信郎氏は「あっせん利得処罰法のど真ん中のストライクの事案」とまで言っていた。
検察が要件を満たしてなかったとする「権限に基づく影響力の行使」についても、「議会で追及する」といった強い脅しが必要というのは検察の勝手な後付けの解釈であり、事件発覚当初は「甘利氏は有力閣僚であり、国土交通省を通じ、URの予算や人事について影響力を行使することが可能だから要件は満たしている」(郷原氏)という見方が一般的だった。
そして何より、特捜部じたいが国会議員秘書初のあっせん利得法違反を立件すると意気込んで捜査を行い、4月の段階では、東京地検内部でも立件することでコンセンサスがとれていたのだ。
しかも、仮にあっせん利得法違反での立件が難しいという判断なら、刑法のあっせん収賄罪で摘発するという方法もあったはずだ。
また、それもダメなら、少なくとも、小沢一郎のケースのように秘書を政治資金規正法違反で起訴することはできた。甘利の元公設秘書は13年8月に一色氏から500万円を受領したが、関連団体の政治資金収支報告書には200万円しか記載がなかった。
これは明らかに「規正法の虚偽記載」にあたる。
ところが、これも、甘利事務所が提出した会計帳簿に残りの300万円について「返却予定」「返済」と記していたという理由だけで、不問に付してしまったのである。泣く子も黙る、と恐れられた東京地検特捜部とは思えない大甘な対応ではないか。
実は、不起訴の方針が決まった後、現場の検事の間でこんなセリフが飛び交ったという。
「黒川にやられた」
黒川というのは、法務省のナンバー2官僚である黒川弘務官房長のこと。官房長を5年という異例の長い期間つとめ、次期事務次官が確実といわれている人物だ。そんな人物に「やられた」というのはどういうことか。司法担当記者が解説する。
「東京地検特捜部が政界捜査に着手するときは『三長官報告』をやらなければなりません。これは、法務大臣、検事総長、東京高検検事長の3人の最高幹部に捜査の方針を報告するのですが、その前に必ず、本省(法務省)の官房長、つまり黒川さんに捜査の詳細をあげて根回しをするんです。ところが、今回、地検がURの職員の立件を決めておうかがいをたてたところ、黒川官房長から今、検察が説明しているのと同じ『権限に基づく影響力の行使がない』という理屈で突っ返されてしまった。それで、現場は、『あっせん収賄罪』に切り替えて捜査しようとしたんですが、『あっせん利得法違反で告発されているんだから、勝手に容疑を変えるのは恣意的と映る』などと、これも拒否されてしまったらしい」
しかも、この後、地検幹部は捜査現場に対して「参院選に影響が出ないように、投票日の1カ月前までには白黒をつけろ」とプレッシャーをかけてきたという。
「当初は、選挙に影響がないよう秘書は参院選後に本格捜査する方針で、地検の検事正や次席検事も了承していた。ところが、突然、参院選の前にすべて決着をつけろ、となって、政治資金規正法違反も立件できなくなってしまったようです。この地検幹部の豹変も、黒川官房長が命じた結果だといわれています。官房長は人事権を全部握っていますから、さからうと出世に響きかねない。今の八木宏幸検事正や落合義和次席検事は特捜部出身ではありますが、主に経済事件担当で、上の顔色をうかがうタイプですから、あっという間に陥落してしまったんですよ」(前出・司法担当記者)
では、黒川官房長はなぜ、ここまで露骨に捜査潰しの圧力を加えてきたのか。実は、この黒川官房長は、法務省内でも「自民党の代理人」といわれているほど、政界とべったりの法務官僚なのだ。
「官房長という役職自体が、予算や人事の折衝をする役割で、政界とつながりが深いのですが、とくに黒川氏は小泉政権下で法務大臣官房参事官をつとめて以降、官房畑を歩んでおり、自民党、清和会にと非常に太いパイプをもっている。官房長になったのは民主党政権下の2011年なんですが、このときも民主党政権には非協力的で、自民党と通じているといわれていました。そして、第二次安倍政権ができると、露骨に官邸との距離を縮め、一体化といっていいくらいの関係を築くようになった。とくに菅官房長官、自民党の佐藤勉国対委員長とは非常に親しく、頻繁に会っているところを目撃されています」(前出・司法担当記者)
そして、安倍政権以降、黒川官房長は政界捜査に対して、ことごとく妨害するようになったという。
「小渕優子経産相の事件が秘書の立件だけで終わったのも、日歯連事件がしりすぼみに終わったのも、やはり黒川官房長の段階ではねつけられた結果だったようですね」(前出・司法担当記者)
さらに、黒川官房長が今回、甘利捜査を潰した背景としてささやかれていることがもうひとつある。それは、先の国会で成立した刑事訴訟法の改正とのからみだ。
この刑事訴訟法改正は、民主党政権下で進んでいた検察改革や取り調べ可視化などを骨抜きにする一方、司法取引を導入し、盗聴の範囲を拡大する、むしろ冤罪の可能性を高めるもの。明らかに検察・警察を一方的に利する改革なのだが、これを官邸と自民党に熱心に働きかけていたのが、黒川官房長だった。今度は、全国紙政治部記者が語る。
「この改正には批判が強く、昨年の国会では継続審議になっていた。それが、先の国会で一気に進み、成立したわけです。甘利の捜査潰しはこの刑事訴訟法改革の進展とシンクロしている。ようするに、黒川官房長は、刑事訴訟法改革をやってくれた官邸、自民党へのお礼に、甘利捜査を潰したのではないかといわれているんです」
実際、甘利捜査の捜査潰しの経緯を見ると、裏があるとしか思えない。検察内部では、今、「黒川官房長がいるかぎり、政界捜査はできない」という声が広がっているという。
自民党の政治家はどんな悪質な事件を起こしても摘発されない。そして安倍政権の政敵は些細な事件でバッシングを浴び、摘発される。そんな独裁国家まがいの体制がすでにできあがっているということらしい。(2016年8月19日付リテラ田部祥太氏著記事より引用)以上の指摘は、慧眼といってもいい。
しかしながら、今現在の検察人事の問題は、本紙よりズバリ指摘している通りなのである。
しかし、現況は完全に変わる。オペレーションが時代を変えていく。本紙はこの現在を追っていく。
香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その181)
暴力団の悲惨な原因は山口組六代目の殺害教唆
1987年、朝日新聞阪神支局(兵庫県西宮市)が襲撃され、記者2人が殺傷された事件から、今(5)月3日で31年になる。
そうか、朝日新聞阪神支局が襲撃されてから31年になるのか。それなら本紙川上が1997年(平成9年)、山口組若林組の川原豪から襲撃された11月29日となれば事件発生から21年ということだ。
この事件は、香川県警腐敗警官が提供した拳銃トカレフで、本紙川上の家族団欒の居間に向けて5発も川原豪が発射した事件。もっとも左利きの川原豪は5発目が暴発して右手首を損傷した。その暴発した拳銃トカレフの鉄片で負傷した傷跡はハッキリと今も残っている。
朝日新聞社を襲撃した赤報隊の犯人は特定できていないが、本紙川上宅を襲撃した犯人は香川県警腐敗警官と結託した若林組の川原豪(携帯番号0●03●801●99)であると特定されているではないか。
この事件を香川県警は捜査放棄したから、平成12年には若林組の山中敏勝が本紙川上運転の家族同乗の車を鉄パイプで襲撃する事件に発展した。
またもや、香川県警は真犯人を隠して替え玉3人を犯人に仕立てて事件を潰した。
その後の平成18年にも六代目山口組司忍組長が(殺害教唆後)収監中に、若林組の森裕之が実行犯として回転式拳銃を至近距離から本紙川上に向けて3発の弾丸を発射し、1発が右足に当たった。
これら3つの未解決事件を解決することが、日本の歪んだ背骨を真っすぐにするチャンスであるはずだ。
この際、「在るべき姿」の良識派捜査権力に、真相解明を期待するばかりである。
さて、その名古屋の現状に迫ってみよう。
本紙が「捜査放棄と冤罪捜査」で追っている、反社会的勢力の図式が目下、大きく変わってきている。
冒頭記すが、最大級組織のサミット(トップ)に関して、ある金融機関に税務当局がドミシアリティリサーチがあったという角度の高い情報も入ってきている。
数か月前のこれから引用するアーティクルは現況の反社会的勢力の構図を見透かしていたという点で、重要である。
まずは、その指摘を見て頂きたい。
《暴力団対策法や暴力団排除条例の施行以降、これらの法令に直接抵触しなくても、警察当局がその気になれば、ヤクザは何をしていても逮捕することが可能になったように思われる。そうした現状にあって、さらに暴力団の取り締まりを強化する期間が、年に二度ある。暴力団取り締まり強化月間、通称「月間」だ。
この「月間」は、準備期間を合わせれば、前月の下旬から実践されるのが通例だが、該当月にあたる10月、さっそく愛知県警が動きを見せた。みかじめ料を微収していたとして、暴力団排除条例違反で、すでに逮捕していた六代目山口組若頭補佐である竹内照明・三代目弘道会会長を、同罪名の別容疑で1日に再逮捕したのだ。
また、そのわずか9日後の10月10日には、兵庫県警が神戸山口組若頭である寺岡修・侠友会会長を電磁的公正書原本不実記録・同供用の疑いで逮捕してみせた。神戸山口組の拠点となっていた、神戸市二宮にある施設の登記内容に虚偽があったという容疑だ。
六代目、神戸ともに重責を務める大物幹部らを逮捕したということは、警察当局が本腰を入れて山口組壊滅に向けて動き出したかのように見える。この2件の逮捕について、業界関係者はこのような見解を述べる。
「竹内会長が9月11日に条例違反で逮捕されてから、すぐに別のみかじめ料徴収の件で再逮捕されるのではないかと噂になっていただけに、ある意味、想定内といえるかもしれない。だが、この容疑はトップである竹内会長にまでみかじめ料が渡っていたであろうとする当局の憶測の域を出ない。その証拠を集めて、起訴まで持ち込み裁判を維持するのは、どう考えても困難だろう。逮捕ありきの摘発でしかないのではないか。また、寺岡会長逮捕についてもそうだ。新設された神戸山口組事務所に絡んだ契約違反で、寺岡会長が逮捕されるのではないかと以前から噂は流れていたが、悪質性は低いし、こちらも起訴まで踏み込める事件ではないのではないか」
任侠山口組の本部長補佐も逮捕とはいえ、六代目、神戸ともに最高幹部のひとりが社会不在になったのは事実である。いずれも実力者だけに、組織運営になんらかの影響を及ぼす可能性は否定できない。
そして、まるで「月間」に標準を合わせていたかのように、当局の逮捕劇は任侠山口組にも広がりを見せていった。
寺岡会長が逮捕された翌11日。任侠山口組で本部長補佐を務める実力者、山健連合会の金澤成樹会長が、住宅ローンに絡んだ契約に関与した疑いが強まったとして、大阪府警に逮捕されたのだ。
(中略)「要するに、ヤクザはローンを組めないため知人名義で物件を購入し、そこに金澤会長をはじめ任侠山口組の組員が多数出入りしていたことから、大阪における活動の拠点に金澤会長が使用していたという疑いをかけたのだろう」(業界関係者)
こうして、六代目、神戸に続いて、任侠山口組の大物幹部も逮捕された。これを機に、一気に警察当局が山口組の弱体化を実現させていくことも考えられるが、逆にこうした当局の介入により、三つ巴の抗争が起きてもおかしくない状態に一定の抑止力をかけているのは事実だろう。ヤクザ同士で争いをしている場合ではないのではないか。
日に日に逮捕者が続出する今回の「月間」だが、暴力団取り締まり強化月間はまだこの先も続く。》
(ビジネスジャーナル2017年10月号、文=沖田臥龍)
これは、約半年前の指摘である。このアーティクルについて多くを語る必要はなかろう。それでも、今起きている状況を占ううえで多いなる参考にはなろう。
本紙はすべての局面において、これまで通りのアプローチをしていく。伴走車は、むろん、オペレーション、そして、ライオンの父子である。
バブルで塩漬けの呪われた土地
ホテル開業で日本の京都に経済活性化を
長年、凝っていて全国の注目を浴びている京都の土地がある。
本紙は、そのいわくつきの土地が胎動する情報をいち早く掴んだ。この土地の動きについて、しばらく肉薄することとする。
まずは、半年前に突然出た、京都新聞のまるで狼煙のような記事をここに紹介しておこう。
京都駅北に500室大型ホテルバブル崩壊で停滞、活用へ
大型ホテルの建設が計画されている土地。市内の不動産関係者の間で動向が注目されてきた(京都市下京区)
JR京都駅北側の京都市下京区材木町で、客室数約500の大型ホテルの開発が計画されていることが6日、分かった。建設予定地を含む一帯は1980年代後半に地上げが活発化したが、バブル崩壊で本格的に開発されておらず、長らく動向が注目されてきた。近年の地価高騰や訪日外国人の増加に伴う宿泊需要の高まりを受け、一部が活用に向けて動き出した。
計画によると、建設地は同区七条通間之町東入ル南側の更地約2400平方メートル。東京都の不動産投資会社が事業主体となり、地上9階地下1階延べ約1万7千平方メートルのホテルを建てる。宴会場などを設けない宿泊主体型の施設で、国内外でホテル事業を手掛ける「共立メンテナンス」(東京都)が運営する。
早ければ来年6月に着工し、2019年末ごろの開業を見込む。京都は訪日外国人が急増しており、駅に近い好立地と旺盛な宿泊需要で高い稼働率が見込めると判断したとみられる。
同日、市まちづくり条例に基づく近隣向け説明会が下京区で開かれ、事業者が計画を明らかにした。
関係者や土地登記によると、ホテル計画地は経営破綻した消費者金融大手「武富士」がかつて所有していたが、バブル経済の崩壊で地価が下落。未開発のまま別会社に売却後、今年8月には外資系の信託会社名で信託登記されていた。
計画地の西隣で大型駐車場が営業している敷地も武富士の旧所有地で、市内の不動産業者は「バブル経済崩壊で開発が止まっていた土地が、近年の京都の地価高騰やホテルの進出で片付き始めた。今後が注目される」と話している。
【京都新聞2017年11月07日付記事より引用 】
いかにも、ついに、といった感じの記事である。
次に、この土地の歴史的問題を示しておかなければならない。ただし、この問題は今の日本の病巣部分の象徴であることを頭に置いて、以下の引用記事を読まれたい。
JR京都駅前のシンボル「京都タワー」を左に見ながら烏丸通を北上。烏丸七条交差点を右に少し歩いた材木町の一角に、3300坪という広大な駐車場が広がっている。駅から徒歩5分ほどで、周囲には旅館や商店が密集する一等地だけに、突然現われる広々とした空間に違和感を覚える。
入り口にかけられた看板にはこうある。
〈当該不動産を売却する予定はございません。(中略)マスコミ・インターネット等による当該不動産に係る報道は事実ではございません〉
周辺の不動産業界で、「材木町物件」と呼ばれるこの土地は、20年以上も開発されずに残る“怨念の土地”だった。その地が8月末、ついに売却されたという。
「8月30日に外資系金融機関を中心とする特別目的会社に、737坪を約110億円で売却したのです。この特別目的会社は、500室程度のホテルを建設するとのことです。同和団体から暴力団、北朝鮮までさまざまな名前が飛び交った土地で、誰もが手を出せなかった。それが売れたということで、地元の不動産業者らの間ではビッグニュースになっています」(京都の不動産業者)
多くの観光客が訪れる京都に新たな宿泊施設ができる──そんな単純な話ではない。それはこの土地の歴史から窺える。
◆放火、殺人事件も起きた
そもそもの所有者は、かつて消費者金融トップだった武富士の武井保雄会長だった。1985年、武井会長は、地元に強い力を持つ同和団体「崇仁協議会」と組み、材木町周辺を地上げ、再開発する計画をぶち上げた。武富士やファミリー企業の名前が今も登記簿謄本には残されている。だが、再開発は失敗に終わった。
「投じられた資金は400億円とも言われています。その莫大なカネに魑魅魍魎(ちみもうりょう)が群がり、取引を巡って凄惨な事件が続出した。
崇仁協議会役員が、白昼に射殺され、地元暴力団幹部らが殺人容疑で逮捕されました。また、崇仁協議会委員長宅や別の幹部宅に銃弾が撃ち込まれたり、委員長宅が放火されたりしたこともありました。地上げに関与した建設会社社長が信号待ちの車中で、オートバイに乗った2人組に銃弾を撃ち込まれて殺害された事件も起きています」(地元不動産業者)
そんな“いわく付き物件”ゆえ所有者も転々とした。そして、2012年に所有者となったXという不動産業者が、「北朝鮮が絡んでくる」という新たなネガティブイメージを付けた。
◆「日本政府が売却を妨害」
材木町物件事情を知る不動産ブローカーが言う。
「Xの実質オーナーであるA氏は、京都で不動産業などを営む“やり手実業家”ですが、北朝鮮と強い繋がりを持つと言われているのです。朝鮮総連の最高実力者の許宗萬議長の信任も厚く、総連系業者の不動産売買に関与しているとも噂されていた」
A氏は物件購入の際、金融機関から資金を借り入れている。それがウリ信用組合だった。旧名を朝銀北海道信用組合といい、朝鮮総連系の金融機関である。土地の登記簿によればウリ信組は、この売買に際して極度額20億円の根抵当権を設定している。
「当時、不動産業界は2008年のリーマンショックの影響が尾を引いており、取引は冷え込んでいた。そんなタイミングで“いわくつきの土地”の購入に融資する金融機関はほとんどなかった。北朝鮮と深い繋がりを持つA氏だからこそ、ウリ信組から資金を調達できたのでしょう」(総連関係者)
A氏がこの土地の実質オーナーとなったことで、様々な北朝鮮がらみの噂が立った。今から3年前、日朝関係を揺るがせていたのは、核やミサイルではなく、朝鮮総連本部ビル問題だった。
東京都千代田区の本部ビルは、事実上の「北朝鮮大使館」だった。在日朝鮮人系信用組合の破綻に絡み、総連は東京地裁に約627億円の支払いを命じられたものの、応じることができず、競売にかけられ、四国の不動産会社が取得した。
許宗萬議長は、金正恩委員長から「総連ビルを死守せよ」という直々の命令を受け、手書きの「指示書」まで受け取ったと言われている。その買い戻し資金の財源として、材木町物件が充てられるという話が浮上していた。
結局、その計画は頓挫したが、A氏と北朝鮮の関係の深さを窺わせた。以降、A氏は“北朝鮮に近い人物”と見られたことで、土地の転売に苦労を強いられたようだ。A氏の知人が明かす。
「ホテルブーム、不動産ブームになった一昨年頃から、A氏のもとには、不動産業者、デベロッパー、ホテル業者、ブローカーなどが大挙して訪れるようになりました。その数は100を優に超える。でも常に売却益が、“総連経由で北朝鮮に流れる可能性がある”、“核やミサイルの開発に回される危険性があり、日本政府が売却を妨害する”といった情報が流れ、売買は成立しなかったのです」
まして今は、世界中が北朝鮮の核実験やミサイル開発に頭を悩ませている時期である。このタイミングでの売却を予想できた人はいなかったという。
◆残り2563坪はどうなる
土地を買ったのは、米国の金融機関だった。
「彼らは北朝鮮のことなんて気にしなかったようです。京都は日本を代表する観光地ですが、現状、宿泊先不足に嘆いています。秋の紅葉シーズンは隣接する滋賀や大阪のホテルも満室になるほど足りていない。京都駅前の一等地に500室規模のホテルが建てられる。つまり、儲かるから買ったということでした」(前出・不動産ブローカー)
2012年当時のA氏の購入額は明らかではないものの、「50億円前後」(同前)と目されている。
「今回は3300坪のうち737坪分の売却ですが、それでも110億円。A氏は莫大な利益を手にすることになった」(同前)
しかし、北朝鮮へ資金が流れる可能性があり得ることを理解しているのか。この外資系金融機関と建設予定のホテル関係者を取材したが、一様に、「ビジネスとして処理した。通常のプロジェクト案件と何ら変わらない」と語り、土地をめぐる過去の怨念や北朝鮮との関係は、「まったく気にならない」とのことだった。
A氏に事情を聞くため、代表を務める会社に問い合わせたが、「本人と連絡が取れません」と事務員が対応するだけで、ウリ信組は「取引先の個別事案にかかわることなのでお答えできない」(総務部)と答えた。朝鮮総連からは期日までに回答はなかった。
残りの2563坪については、区画を2つに分け、七条通沿いを商業ビルに、京都駅側を今回と同じ500室規模のホテルにし、運営を委託する方針だが、怨念の土地だけに、今も魑魅魍魎たちが蠢いているという。「北朝鮮との関連」も含め、駅前一等地の再生には、今後も紆余曲折がありそうだ。(週刊ポスト2017年10月27日号記事より引用抜粋)。
本紙本年1月号より連載している、「龍ヶ嶽トンネル」問題と並行して、この「京都材木町」問題を追いかけていく。
この二つの問題は今の日本が抱える〝陰〟の部分が見え隠れする。きわめて象徴的な問題なのだ。しかも、問題の規模がきわめて大きい。本紙は真摯に追いかけていく。
TOKIOの山口達也容疑者女子高生への強制わいせつ事件
明浄学院でも同種の「疑惑」浮上で警察へ相談
本紙が追及してきた、大阪の私立高校、明浄学院と反社会的勢力との関係による、学校運営の混乱。明浄学院は、4月13日付で日本タイムズへの「抗議文」なるものが、民事裁判が継続中であるにもかかわらず、送付されてきた。
その中でこれまでの日本タイムズの報道を
〈事実の誤認・曲解、揣摩臆測に基づく偏向報道で、当法人に対する名誉棄損・業務妨害を意図した悪意に基づくもの〉と記されている。
しかし、具体的な事実関係の指摘がまったくない。こちらが、取材に行くと、大橋美枝子理事長が(当時は副理事長)が「私が校長です、帰りなさい。警察を呼ぶぞ」
と大きな声で叫んだ。
こちらの取材にも対応しないこんな態度。抗議文への回答もしようがない。
この春も本紙で報じた通り、明浄学院から、多数の教職員が学校を去っていった。今回、卒業した生徒の一人は本紙の取材に「日本タイムズに明浄学院がヤバいという記事が出て、学校が違うと反論する。けど、最終的には、日本タイムズの通りだった。多くの生徒が日本タイムズに釘付け」
と話してくれた。そして続けて「この春も、親しい先生が辞めていって悲しい。けど、どうしても辞めてほしい、いや辞めさせたい先生がいたのです…」
と悲壮な表情で生徒は語った。
生徒が「辞めさせたい」とまでいう先生がいると訴える。これは一大事ではないのか。そこでさらに取材を進めると、ある保護者から「訴えたい先生がいるので、警察に相談に行くそうです」という話が飛び込んできた。
いったい、何があったというのか。さらに取材を進めると、X教師が極悪非道な行為に及んでいる実態が明らかになってきた。念のため、本紙は明浄学院の内部資料で確認したところ、X教師が文系の科目を受け持っていることが判明した。
複数の証言を総合すると昨年秋のことだった。
「先生、生徒と関係を持っていいのですか? いい加減にして」
と何人かの生徒がX教師に詰め寄ったというのだ。X教師が明浄学院の在校生と、特別な関係を持っていたことへの抗議であったという。
「X教師はそれまでも、テストの最中にお気に入りの女性とにこっそりと答えを教えるなど、不適切な行為が疑われていた」
と明浄学院の関係者は言い、こう続けた。
「その生徒は、ショックからか不登校気味になり、精神的にもかなりのダメージを受けていると聞いている。そこで生徒たちの怒りが爆発したのです」
4月26日、人気タレントグループ、TOKIOの山口達也容疑者が女子高校に強制わいせつ事件を起こし、記者会見で謝罪した。今回の「告発」はこれと似た状況ではないのか?
強制わいせつなどの罪、従来は「親告罪」と被害者自らが訴え出る必要があった。だが、現在は被害者の告訴がなくても捜査し、起訴できる「非親告罪」と法改正されている。
財務省、福田前事務次官のセクハラ発言、元TBS記者、山口敬之氏の「レイプ疑惑」など、社会の目はより厳しくなっている。今年3月、滋賀県教育委員会は、県立高校の男性教師が女子高生と性的関係を持ったと懲戒免職処分。静岡県教育委員会でも、男性講師が同様の理由で処分を受けた。また、神奈川県教育委員会では、男子教師が女子高生に「抱きしめたい」などと、
LINEで送信して、停職6か月の処分が下されている。
本紙川上はこれまでにも、香川県の学校法人、藤井学園の教師による、女子生徒へのわいせつ行為を告発。関与した人物は逮捕され、その後も藤井学園には、姿勢を正すように求めてきた。明浄学院に対しても同様の思いだ。
「教育現場でこういう関係は絶対許されません。学校幹部がX教師の問題行為を知りながら『もう卒業だから』と対応しないことに我慢ならず、保護者が警察に相談に行ったそうです。『教育の場ではなく、犯罪の場じゃないか』『ダメージを負った生徒の気持ちを考えたことがあるのか』と厳しい指摘があるほどです」(前出・明浄学院の関係者)
【注】TOKIOの山口達也容疑者を「山口達也メンバー」と記す特別扱いのような、奇妙な報道が多々、見られた。捜査を受け、それを認め書類送検されており、本紙は「容疑者」とした。
徳島市観光協会の破産回避の公算大
遠藤市長は税金使い新組織設立で猛反発、阿波踊り「分裂開催」の危機
徳島名物の阿波踊りの運営をめぐる問題。主催者、徳島市観光協会の4億円あまりの赤字を債務保証している、徳島市は徳島地裁に破産を申し立て決定が言い渡された。
そこで、徳島市観光協会は
4月16日に、抗告。判断は高松高裁にゆだねられることになった。
徳島市観光協会は、抗告手続き後に、記者会見。阿波踊りを踊り手「連」の関係者を中心に支援を募り、4億円近い支援金を集めたことを発表。徳島市観光協会の銀行口座に1億5千万円ほどの預金もあり、それとあわせれば債務を返済して、運営費も賄えると説明をした。
徳島市の訴えは、債務の返済。その資金が用意できたとなれば、破産開始決定が取り消され、「和解、つまり破産開始決定が取り消される可能性が高い」と徳島市観光協会の弁護士。
徳島市の遠藤良彰市長も、記者会見で「返済されるなら、受け取る」と表明した。
その一方で、遠藤市長は今年の阿波踊り、例年通り8月12日から15日まで、徳島市が中心となって設立した実行委員会で開催するとも述べた。徳島市観光協会と並んで阿波踊りの主催者で「荒稼ぎ」してきた、徳島新聞は紙面で〈財布を持っている協会が収支を管理し、弊社は運営を担当〉と赤字の責任はないと言わんばかり。だが阿波踊りの安定的な運営のため、「阿波踊り振興基金」(仮称)に3億円を拠出すると報道。
それを受けて、遠藤市長は3億円を受け取ること、運営のノウハウを有しているとして、徳島新聞を新たな実行委員会に参加させることを決めた。
つまり、徳島新聞グループの四国放送アナウンサーだった遠藤市長・徳島新聞VS徳島市観光協会・阿波踊りの踊り手「連」という戦いの構図となっている。
「遠藤市長の決定は大きな間違いです」と訴えるのは、徳島市観光協会の花野賀胤事務局長。これまで阿波踊りは、徳島新聞が慣例的に運営を行ってきた。いわゆる「徳島新聞方式」という、徳島新聞とそのグループ会社などが儲かる仕組みだったという。
本紙でも報道しているが、徳島新聞の社員、徳島市の職員を阿波踊り開催日にアルバイトと称して、人件費を計上。広告看板の製作や設置は徳島新聞の関連会社に発注。
「徳島新聞は、財布を協会が握っていると書いている。徳島新聞が阿波踊りの会計を協会に提出するのが半年後の翌年2月。その時点で次の阿波踊りの準備がはじまっている。伝票類も揃っておらず、荒っぽい会計が長年続き、協会が暗黙の了解。それを改革しようとボランティアや入札制度をやろうとしたら、猛反発されたのです」(前出・花野氏)
だが、花野氏は反発をかわし、ボランティアの導入などで昨年は2000万円を超す黒字を達成した。
「徳島新聞方式をやめれば、黒字になることは明白です」(前出・花野氏)
徳島市観光協会は、破産が回避されることを前提に、今年の阿波踊りも主催する準備を進めている。そこで問題になるのが「桟敷」と呼ばれる、阿波踊りの観覧席の扱いだ。
もともと「桟敷」は徳島市観光協会の所有。破産開始決定で、現在は管財人の管理下。
遠藤市長は「税金で桟敷は作ったもの。管財人に使用できるように相談する」と述べた。
「桟敷」を新たに作ると10億円近くが必要で、数か月の製作期間が必要と見込まれる。だが、破産が回避されれば「桟敷」は徳島市観光協会に戻される。
「徳島市が新しい実行委員会の開催にこだわるなら、桟敷を製作しなければならない。まさに税金の無駄遣い。遠藤市長が言う『桟敷は税金で作った』なんて話はウソ。
何億円も費用がかかる桟敷、当然市議会に諮って支出される。そんな記録はどこにもない。それでなくても、新しい実行委員会は、徳島市の職員が中心でその人件費だけでも、かなり税金が使われる。遠藤市長は、そこまで税金使って徳島新聞の阿波踊り利権を守りたいのか。こんなことは許されるはずはない。阿波踊りは市民のもの」
と徳島市観光協会の理事で、阿波踊りの有名連16連が所属する阿波おどり振興協会の山田実理事長は批判する。
遠藤市長は、徳島市観光協会の動きには見向きもせず、新しい実行委員会での開催準備を進行。徳島市観光協会や「連」の支援者は阿波踊りが例年通り、徳島市観光協会が主催者となり開催され、徳島市の税金投入、徳島新聞「荒稼ぎ」をやめてほしいと、ネットで
〈阿波踊りを市民の手に!今年も無事阿波踊り開催を! 徳島市の新たな税金投入と徳島新聞荒稼ぎは許さない賛同キャンペーン〉(https://t.co/LqAV7v9ieF)
という署名活動を開始。
阿波踊り開催に残された時間はわずか。徳島市が新しい実行委員会にこだわれば、阿波踊りの分裂開催も危惧される。どう決着するのか?
2018年4月号
- 目次
- 国滅ぶとも正義は行わるべし オリーブ・オペレーション発足15年
- 検察の刷新と改革は、〝人事〟にあり!
- 香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その180)
- 山口組六代目組長の逮捕で分裂騒動に幕を‼
- 腐敗警官一掃のチャンス
- 事件潰しの暗躍捜査で識別せよ
- 「巨悪」への捜査を願う
- 佐川前国税庁長官を刑事告発
- ついに〝龍ヶ嶽トンネル〟が法廷に!
- NEXCO東日本が謀った〝策謀〟が明るみになる日
- 混乱拍車の明浄学院
- 今年も教師「大量退職」元理事「脱税」
- 徳島市観光協会破産開始決定
- 「市民の寄付」で赤字に対抗
国滅ぶとも正義は行わるべし オリーブ・オペレーション発足15年
検察の刷新と改革は、〝人事〟にあり!
平成30年の年度替わりである。
満を持して動き出した、オリーブ・オペレーション。この新たなる組織は、いわゆる「Xファイル」を軸として、既成概念をたたき壊し、そして、腐敗を露わにした現レジーム(政権)を根本から打倒すべく、フェニックスとして立ち上がった!本紙ではそれを随時、追いかけてきた。
この新しい陣容について知る上で、是が非でも知っておきたいことがある。その知っておきたいことを端的に記した、実に興味深い記事があった。本紙では、すでに引用している部分もあるが、今号ではおさらいも含めて、その実に有意義なる記事をここに引用しておくことにする。
法務・検察人事に再び「介入」した官邸高まる緊張
2017年8月8日に発表された同年9月7日付の法務省人事は、検察ナンバー2の田内正宏・東京高検検事長(62歳、司法修習31期)が駐ノルウェー日本大使含みで退官し、その後任に前法務事務次官の稲田伸夫・仙台高検検事長(61歳、33期)を、その後任に堺徹・東京地検検事正(59歳、36期)を充てるものだった。堺氏の後任には、最高検刑事部長の甲斐行夫氏(57歳、36期)が充てられた。
今回の法務・検察の幹部人事の最大の焦点は、法務省の事務方トップの法務事務次官を、黒川弘務氏(60歳、35期)から林真琴法務省刑事局長(60歳、35期)へ交代させることだった。
7月中旬、黒川次官が官邸側に対し、稲田氏を仙台高検検事長から東京高検検事長に、その後任に自分を、そして、自分の後任に林氏を充てる、とする人事原案を提示したところ、官邸側は、黒川次官の留任を強く求めた。
これを受けて法務・検察は、西川克行検事総長(63歳、31期)ら首脳らが協議し、一時、林氏を稲田氏の後任の仙台高検検事長に転出させる人事案を検討したとみられるが、結局、1期下の堺氏を仙台高検検事長に充て、林氏を次の法務事務次官含みで留任させることで官邸の了承を得たとされる。
法務事務次官は、法務・検察の序列では、天皇の認証官である検事総長、東京、大阪など8高検の検事長、次長検事に次ぐポストだが、検事総長への登竜門とされ、最近の検事総長は8人中7人が法務事務次官と東京高検検事長の双方を経て就任している。
黒川、林両氏は、粒ぞろいとされる司法修習35期の検事の中でも傑出した存在で、ともに、現在の西川検事総長から稲田氏をはさんで、「次の次」の検事総長候補と目されてきた。
(~中略~)
■検事総長の重み
検事総長は、犯罪摘発で国民の安心・安全を担う検察の「顔」であり、全検察官、事務官の統領である。その権限は強大で、時にその決断が社会状況を変えることがある。
1976年、米国議会で発覚したロッキード社の日本政府高官への工作疑惑で、当時の布施健・検事総長は、ほとんど国内情報がない中で捜査に踏み切る決断をした。失敗すれば「切腹」の覚悟だったが、検察は全力を投入し、田中角栄元首相を逮捕した。検事総長の決断は、日米にまたがる総理大臣の犯罪を暴いた。
強力な権限と責任を持つ検事総長にだれを選ぶかは、それゆえ、法務・検察にとって最重要イベントとなる。
検事総長の定年は65歳。検事長以下の定年は63歳だ。そのため、検事総長の人事では、任官時期と年齢が重要な要素となる。
■人事シミュレーション
現検事総長の西川氏は1954年2月20日生まれ。満65歳の定年がくるのは2019年2月だ。次の検事総長が確実視される東京高検検事長の稲田氏は1956年8月14日生まれ。西川氏の定年時でもまだ62歳だから、悠々、総長に就ける。
そして、稲田氏の次の検事総長が有力視される林氏は1957年7月30日生まれ。63歳になるのは2020年7月だ。稲田氏は検事総長としての定年は2021年8月だが、1年任期を残して林氏に引き継げば、林氏は総長になれる。
2018年夏に西川氏が任期を半年残して稲田氏に総長の椅子を譲り、その2年後の2020年夏に稲田氏は林氏に禅譲すれば、西川、稲田両氏は2年ずつ検事総長を務めることができることになるのだ。
一方、黒川氏は、稲田氏とわずか半年違いの1957年2月8日生まれ。稲田氏が2018年夏、予定通り検事総長に昇進する場合、黒川氏を検事総長にするには、黒川氏が満63歳の誕生日を迎える2020年2月8日までに稲田氏が辞めなければならない。稲田氏の検事総長在任は1年半となる。
仮に、黒川氏から林氏へと同期で検事総長の椅子を引き継ぐとなると、黒川氏は2020年7月までに退官しなくてはならない。2年間で検事総長2人が交代することになり、任期が非常に窮屈なことになる。また、重責を担う検事総長が半年や1年でころころ代わるのでは、国民軽視と受け止められるだろう。
結局、稲田氏が2018年夏に検事総長に昇進すれば、黒川氏、林氏のいずれか1人しか検事総長にはなれない可能性が強い。法務・検察首脳が2016年夏の段階で、林氏を検事総長候補に絞り込んだのは、西川→稲田→林の各氏の順に繫げば、それぞれ2年ずつ安定的に検事総長を務められるからだったとみられる。
(~後略~)2017年9月17日付『法と経済のジャーナル』(村山治氏著)より引用抜粋
まさに、これが今の意欲ある検察という捜査機関の実態である。この引用記事は、それを実に肯綮に語っているといえよう。
さらに奥深い検察人事。オペレーションもやはり人事の上にあり!
さらに、もう一点、同じ観点から記された記事を引用しておく。次の引用記事も、最強の捜査機関のいわゆる〝凄み〟を端的に書き表しているといえるであろう。
別の観点から、オリーブ・オペレーションは、やはりその〝凄み〟を共有しているのだ。そのことを念頭にしながら、次の引用記事を読み取っていくことも重要なことである。
官邸の注文で覆った法務事務次官人事「検事総長人事」に影響も
■官邸の注文で原案を撤回
今年9月5日付の法務省人事は、大野恒太郎検事総長(64歳、司法修習28期)が2017年3月末の定年まで半年を残して退任し、後任に西川克行東京高検検事長(62歳、31期)を充てたほか、稲田伸夫法務事務次官(60歳、33期)を仙台高検検事長に転出させ、稲田氏の後任に黒川弘務官房長(59歳、35期)を充てるなど体制を一新する大型人事だった。
複数の法務・検察幹部らによると、この人事の法務省原案では、稲田氏の後任の法務事務次官は林真琴刑事局長(59歳、35期)を昇格させ、黒川氏は地方の高検検事長に転出させることになっていた。ところが、7月中旬、稲田氏が官邸に了承を取りに出向いたところ、官邸側が黒川氏を法務事務次官に昇任させるよう要請したという。
これを受けて稲田氏や大野氏ら法務・検察の首脳が対応を協議した結果、黒川氏を法務事務次官に起用し林氏を刑事局長に留任させる人事案に切り替え、内閣の承認を得て8月15日に公表した。法務・検察首脳らは、官邸側で黒川氏の次官起用の人事を求めた最終決定者は菅義偉官房長官だった、と受けとめている。
法務省内では、人事原案の変更について「官邸側の要請がお願いベースだったため、法務省として断り切れなかった」と説明されているが、官邸に近い筋は「官邸側の意思は硬く、稲田氏の説得が受け入れられる状況ではなかった。稲田氏は真っ青になって帰った」といっている。
従来、官邸への法務省人事原案根回しは黒川氏が行ってきた。今回は、黒川氏自身が異動対象になるため、稲田氏が根回しに動いた。稲田氏が官邸に出向いたとき、黒川氏は海外出張中だった。「黒川氏が根回ししていたら、こうはならなかったかもしれない」という検察首脳もいた。
法務事務次官は、法務大臣を補佐する事務方トップで、法務・検察の序列では、天皇の認証官である検事総長、東京、大阪など8高検の検事長、次長検事に次ぐポスト。検事総長への登竜門とされ、最近では、大阪地検の不祥事対応で急遽登板した笠間治雄氏を除く8人中7人が法務事務次官から東京高検検事長を経て検事総長に就任している。
■法務省の竜虎
法務事務次官のポストを争った黒川、林両氏は、粒ぞろいとされる検察の司法修習35期の中でも傑出した存在で、検事任官約10年後から2人とも、将来の検察首脳候補として法務省の行政畑で重用されてきた。
黒川氏は政官界へのロビーイング・調整能力を買われ、司法制度改革の設計段階から法務省側の中枢的な役割を担った。改革実現後は、秘書課長、官房審議官、官房長と政界や他省庁との折衝を担当。官房長在任は5年の長期に及んだ。
一方の林氏は、制度改革で黒川氏を支える一方、2002年に発覚した名古屋刑務所の虐待事件を機に矯正局総務課長に就任。警察人脈をフル活用し、百年に一度の改革といわれた監獄法改正をなしとげた。その後は、人事課長として大阪地検、東京地検の不祥事処理を陣頭指揮し、最高検総務部長から刑事局長の道を歩んできた。
法務・検察部内での両氏の評価に甲乙はないが、林氏が監獄法改正で矯正局総務課長を3年務めたため、エリート検事が歴任する刑事局総務課長ポストは黒川氏が先任し、林氏に引き継いだ。2人をよく知る元検察首脳は「人事案をひっくり返されたのは衝撃だったが、これまでの経歴を見れば、順当な人事だったともいえなくもない」と言っている。
■「次の次の検事総長」を見据えた検察の人事構想
法務・検察首脳が、同期のトップを走ってきた黒川氏を本流から外し、林氏を法務事務次官にしようとしたのは、次の次の検事総長人事を睨んでのことだった。法務・検察首脳は人事原案作成時には、西川氏の次の検事総長に稲田氏を充て、稲田氏の次の総長には林氏を据える方針で合意していた模様だ。その時点で黒川氏は検事総長候補から外れていた。人事原案は、法務・検察として、次の次の検事総長候補は林氏だと内外に周知する狙いもあったとみられる。
なぜ、法務・検察首脳が、黒川氏を検事総長候補から外したのか。
黒川氏が務めてきた官房長は、法務省の予算や法案を国会で通すとともに、政権の危機管理の一翼を担い、また、検察の捜査や人事で政治の側の「介入」をはばむ、という難しいポストだ。特に、特捜検察が政治家のからむ事件に切り込むと、官邸や国会議員から法務省に対し陰に陽に様々な注文がつく。その際、官房長は、検察が政治の側から直接圧力を受けないよう、防波堤の役割を担う。
黒川氏の官房長在任中は、政権が民主党から自公に交代し、政治との距離感がとりづらい時代だった。また検察で不祥事が続発し、法務・検察への逆風も吹き荒れた。黒川氏は、小沢一郎元民主党代表の資金管理団体を舞台にした政治資金規正法違反事件では、同党議員から自公政権に有利な捜査を主導する「黒幕」と非難され、直近では甘利明元経済再生担当相があっせん利得処罰法違反で告発された事件でも「政権与党側に立って捜査に口をはさんだ」とネットメディアで批判を受けた。
法務・検察首脳は「黒川氏が恣意的に動いたことはない」とそれらの批判を一蹴するが、一方で「検事総長は検察の象徴であり、政治と近いとのイメージを持たれただけでふさわしくないとの見方があった」とも語る。
■本当の理由
ただ、それは表面的な理由だ。法務・検察首脳にとって黒川氏を検事総長候補にしにくい最大の理由は、黒川氏を次の次の検事総長候補にすると、西川検事総長、次の検事総長と目される稲田氏の検事総長在任期間の調整が難しいことにあったとみられる。
検事総長の定年は65歳。これに対し、検事長以下は63歳が定年だ。そのため、検事総長のポストは、期にして2期、年齢は2歳違いで交代していくのが、法務・検察の人事権者にとって最もスムーズなのだ。
実際、歴代検事総長の任期は、大阪地検の不祥事(2010年発覚)のため在任半年で途中降板した大林宏氏(在任約6カ月)、そのピンチヒッターとして登板した笠間治雄氏(同1年7カ月)、次期検事総長の東京高検検事長が女性スキャンダルで引責辞任(1999年)したため、それぞれ約3年間在任した北島敬介、原田明夫両氏を除くと、1990年代半ば以降は、だいたい2年前後務めてきている。
今回総長に就任した西川氏は1954年2月20日生まれ。次の検事総長が確実視されている稲田氏は1956年8月14日生まれ。黒川氏は稲田氏とはわずか半年違いの1957年2月8日生まれ。黒川氏を検事総長にするには、黒川氏が満63歳の誕生日を迎える2020年2月8日までに稲田氏が辞めなければならない。3年半の間で西川、稲田の2人が総長を務めるという窮屈なことになる。
これに対し、林氏は1957年7月30日生まれ。稲田氏とは約1年違う。西川、稲田両氏が2年ずつ検事総長を務めても、十分時間的余裕があるのだ。
■官邸の思惑
官邸側は、黒川氏の危機管理、調整能力を高く評価していた。黒川次官にこだわったのは、長期にわたって政権を支えた「恩」に報いる「処遇」の意味もあったとみられるが、政権を安定的に維持するため、今後も黒川氏をこれまで同様に使いたいとの考えもあった。
安倍政権は、沖縄の辺野古移設訴訟、「国際公約」とされる「共謀罪」法案を抱え、従来にも増して野党や弁護士会などへの法務省のロビーイングを必要としていた。特に、共謀罪法案は野党や弁護士会などの強い反対でこれまでに3度廃案になっており、政権幹部の一人は朝日新聞の取材に対し「共謀罪をやるためにここまで黒川氏を官房長として引っ張ってきた」とも話した。
黒川氏が検事長になってしまうと、検察の独立の面から捜査、公判以外の仕事はできなくなる。法務事務次官ならば、官房長の上司であり、官房長同様、各方面への根回しの仕事を期待できるとの思惑があったとみられる。
一方、法務省は、臨時国会での法案提出に備え、対象となる組織の定義を暴力団やテロ組織などに限定し、さらに犯罪構成要件についても過去の審議で「争点」となった問題点をクリアするための手当を人事原案作成時点で終えていたという。法務省としては、仮に黒川氏がいなくなっても、国会審議を乗り切って法案を通すため、できるだけの準備をしていた訳だ。そうした点については当然、政権側も承知していたと思われる。だとすると、政権は、法案成立もさることながら、法務・検察をグリップするため、あえて人事に口出ししたのではないか、との見方が出てきてもおかしくない。
結局、共謀罪法案は、TPP法案などの成立を優先するため、として政府は臨時国会にかけるのを見送った。
(~中略~)
■検察独立の「結界」
検察は明治以来、政治とカネの不正を摘発する機関として国民の期待を担ってきた。その期待に応えるには、検察が検察権行使や人事で政治から独立していなければならない。
しかし、検察の権限や責任などを定める検察庁法15条は「検事総長、次長検事及び各検事長の任免は内閣が行い、天皇が認証する」と規定している。制度上、検察幹部の人事権は内閣(政治家)の専権事項なのだ。検事正以下の検事ら検察職員、法務省職員の人事権は法務大臣が持つ。安倍政権になってからは法務省を含む各省庁の局長以上の人事は内閣の閣議決定が必要となっている。
そうした中、「検察の政治からの独立」は、政治腐敗を許さない世論を頼みとしてかろうじて成立してきた歴史がある。戦後のどさくさの時期、検察が大事件を摘発すると概ね、世論は検察を支持した。1954年の造船疑獄で法相が指揮権を発動して与党幹部の逮捕にストップをかけたが、政権は次の総選挙で敗北した。以来、世論を背景に野党やマスコミは政治の側が捜査や公判に介入しないよう厳しく監視し、同様に、政権側が法務・検察人事に口出しできない雰囲気を作ってきた。
それでも1960年代半ばまでの検察は、戦前からの公安検察と経済検察(特捜検察)の内部対立を引きずっており、それに乗じて政界が検察幹部の人事に介入しようとしたこともあったといわれる。
今にいたる政治と検察の緊張関係を決定づけたのは、政界最大の実力者だった田中角栄元首相を逮捕した1976年のロッキード事件だった。10数年にわたる公判闘争で元首相は一貫して無罪を主張。検察に圧力をかけるため、検察の捜査、公判にかかわる指揮権を持ち、検察人事を握る法相に親田中の国会議員を次々送り込んだ。マスコミは、法相が検事総長に対し、元首相に対する論告の放棄や公訴取り消しなどを命ずるため指揮権を発動するのではないか、と危惧し、機会あるごとに法相に「指揮権行使の意思」を問い、行使しないよう厳しく牽制してきた。
法務省はこうした世論を背景に、法務・検察幹部の人事で波風が立たないよう周到な根回しをし、時の政権は概ね、法務・検察の人事や仕事に対する介入については謙抑的な姿勢を貫いてきた。そのバランスがついに壊れた形だ。(2016年11月22日付『法と経済のジャーナル』より引用抜粋)
今回のゼネコン疑惑は、〝談合に非ず、偽計業務妨害にあり!〟
大成建設捜索で「弁護士秘匿特権」の琴線に触れた司法取引前夜のガラパゴス日本
■検察幹部の激怒
その文書を受け取った検察幹部は「こんなことを認めたら、企業を舞台にした事件の捜査はできなくなる」と激怒したという。
特捜部は2月1日、ゼネコン大手・大成建設を独禁法違反容疑で追加捜索し、同社の弁護人として選任された木目田裕弁護士ら2人が同社役職員から聞き取って作成した弁護用の記録文書を押収した。また、同社の弁護人には選任されていないが大成の依頼で捜査への対応を助言していた弁護士と社内弁護士2人のパソコンも同様に押収した。同社に対する捜索は昨年12月に続き2回目だった。
これに対し、木目田弁護士らは、憲法31条の適正手続きの保障や、刑事訴訟法105条の「弁護士の押収拒絶権」、同39条1項の「接見交通の秘密の保障」などをたてに「捜査活動として極めてアンフェア」「公権力で弁護活動を妨害するもので、憲法が定める適正手続きの保障に反し、刑事訴訟法の理念にも反する」と文書で抗議。弁護用記録文書とパソコンの速やかな返還を求めた。
弁護側の抗議文の中に、検察がカチンとくる一文があった。「依頼者と弁護士との間のやりとりは双方向で行われ、一方(弁護士側)のみが保護され、他方(依頼者側)は保護されないのは不合理だ」とし、依頼者側も押収を拒絶できる、としていたのだ。
独禁法違反などの捜査対象となった企業の多くは、弁護士に容疑の中身を相談してアドバイスを受け、その情報を関係役職員らで共有するのが普通だ。それは、検察側からすれば、容疑を裏付ける貴重な情報となる。捜査機関は、裁判所が出した捜索令状の範囲で何でも押収することができる。弁護権に直接かかわる弁護士に帰属する資料はさておき、依頼者側も押収を拒絶できる、という主張は、とんでもなく理不尽なものと映ったのだ。
■弁護士秘匿特権
弁護士側の抗議のベースにあるのは、依頼者が弁護士に対して法的アドバイスを求めた場合、両者が交わしたやり取りは、捜査や訴訟で開示を求められても応じなくてよいとする「秘匿特権(attorney-client privilege)」だ。欧米では広く定着しているが、日本にはまだ存在しない制度だ。
欧米の司法手続きに詳しい弁護士によると、例えば、米国では、依頼人が弁護士に対して違反を認めるメールを送りアドバイスを求めた場合、そのメールは秘匿特権の対象となる。捜査当局は、秘匿対象となる文書だとして最初から押収しない。間違って押収したらすぐ返し、裁判の証拠には使わない。サピーナという裁判所の罰則付きの資料提出命令が出ても、提出しなくていい。民事訴訟で審理の前に強制的に証拠を開示させるディスカバリー手続きでも開示の対象外になる、という。
一方、秘匿特権がない日本では、原則として、捜査当局は捜索令状にもとづいて弁護士と依頼人のやり取りのメールを押収しても違法ではないし、証拠隠滅や口裏合わせなどの事実があれば、メールを証拠として利用することも可能だという。
それでも、抗議を受けた東京地検は、弁護人作成の記録文書については「中身を知らずに箱ごと押さえてしまった」として返還したとされる。一方、パソコンについては、まだ返していないようだ。報道機関の取材に対し、東京地検は「コメントしない」としている。(~中略~)
■今起きている制度矛盾
司法の新しい風は、経済事件の現場から吹く。その最前線が、カルテルや談合などの独禁法違反事件だ。経済のグローバル化に対応し、各国の競争当局が協力して国際カルテルを摘発するのが当たり前
になった。
そこでは、日本の「ガラパゴス」度が際立っている。そのひとつが「秘匿特権」だ。
公取委は立ち入り調査で収集した事件の資料を外国の競争当局には渡さないことにしているが、仮に、被疑企業が、米国のカルテル被害者らから起こされた民事訴訟で、米裁判所の証拠開示手続き(ディスカバリー)により資料の提出を求められると拒めない。例えば、カルテルの事実を認めた報告書があれば、それをもとに巨額の賠償命令を受けたり、米国司法省の捜査・訴追の根拠とされたりするリスクがある。
また、国際カルテルに手を染めていた日本企業が、各国の競争当局にリーニエンシー申請をする際には、だいたい、その国の弁護士を通して申告する。企業が依頼する日本の弁護士と各国の弁護士が打ち合わせをする必要があるが、秘匿特権のない日本の弁護士がその会議に入れないということも起きる。
国内に限っても、身柄拘束権のない公取委は、違反の真相に迫るため、何度も立ち入り調査を繰り返す。会社側が最初の立ち入り後に、容疑内容を独自に調査して調査への対応を協議したりすることが多く、そこに公取委にとって知りたい新事実が出ていることがあるためだ。企業側の調査には、弁護士がかかわることが多い。必然的に、弁護士と依頼者とのやり取りの記録も押収されてしまうことがあるという。
こうしたことから、経済界やその意を汲んだ自民党、独禁法違反事件を扱う弁護士らは、弁護士秘匿特権の導入を求める声を上げ、ようやく、昨年1月、公取委の有識者会議「独占禁止法研究会」が、課徴金減免制度に調査への貢献度に応じて減額幅を決める「当局側の裁量」を導入する独禁法改正に向けた報告書の中で、減免申告の相談に限って秘匿特権を認めることを提案した。しかし、公取委は「秘匿特権を認めれば調査や実態解明に支障がでる」などとして慎重姿勢を崩さず、今国会への改正法案提出を見送った。
■秘匿特権なしに司法取引は成立するか
一方、刑事手続きなど司法インフラに責任を持つ法務省は、弁護士の秘匿特権導入議論については静観の構えだ。独禁法に限定した導入議論にも「企業の経済事件では、独禁法だけでなく税法や金融商品取引法など様々な法律違反がからむことが多い。独禁法だけ秘匿特権を導入しても、ほかの違反で秘匿特権が適用されないのはアンバランス」(法務省幹部)と否定的だ。
ただ、政府は6月にも刑事手続きに被疑者や被告人が検察に対して他人の犯罪を供述する代わりに、刑事責任の追及を免れたり、裁判で通常より軽い求刑を受けられたりする司法取引の制度を導入する。そして司法取引の成立には、検察官と被疑者、被告人が合意し、弁護人も同意することが必要とされている。
司法取引は、被疑者、被告人が、検察と取引する前に、依頼した弁護人と「他人の犯罪を知っているのでそれを当局に示して取引したいが、できるだろうか」と相談するのが基本だ。そこでの会話を検察側に知られないよう保障するのが弁護士の秘匿特権だ。相談を申し出る前に検察が知ってしまえば、取引はできなくなる。
理屈からいえば、司法取引を円滑に運用するためには、弁護士の秘匿特権は必要不可欠なものだろう。それなしに司法取引を先行させること自体に、無理があるような気もする。(2018年3月5日付『法と経済のジャーナル』より引用抜粋)
これから、オペレーションは、さらなる展開を切り開いて行くであろう。
ターゲットは見えている。ハンシャ(反社会的勢力)ナンバーワン、そして、現レジームへのアンチテーゼ、この二大名目である。
香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その180)
山口組六代目組長の逮捕で分裂騒動に幕を‼
「パン、パン」
「ティヤー」
「パン」
最初の「パン、パン」は本紙川上を狙って右方向5メートルから回転式けん銃を発射。
二代目若林組の関係者からの襲撃と気付いた本紙川上が、自宅の門扉に飛びつき振り返って真後ろの襲撃犯を2メートルで確認したので発した気合が「ティヤー」、と同時に犯人が拳銃を発射したのが3発目の「パン」だった。
12年前の平成18年3月7日夜7時16分の出来事である。
これは、六代目山口組司忍組長が平成17年11月29日に最高裁で6年の懲役刑が確定した直後に本紙川上の殺害を教唆した事件なのである。
12年の時が流れた今、この平成30年度を日本が変革する節目の年と捉えて真相解明の事件処理を捜査機関に求める。
要するに、襲撃は森裕之の単独行動ではなく、香川県警腐敗警官と六代目山口組が共謀した事件だったと真相解明してもらいたいということだ。
六代目司忍組長が刑務所に服役中であれば、使用者責任を問われることはないとの状況を見逃さず、香川県警腐敗警官が二代目若林組篠原重則組長に悪知恵を授けたのであろう。以ての外だ。
事件直後、当時の平成18年4月号本紙を引用する。
腐敗警官一掃のチャンス
事件潰しの暗躍捜査で識別せよ
《先月7日に発生した本紙川上への発砲事件後、腐敗警官の暗躍があわただしい。
殺害が未遂に終わったことで、発砲を実行した若林組関係者より、一部警察官の方が困惑している様子が窺われる。
たとえば、捜査協力者になりえる立場の関係者に、「まさかあんたは、知ってることを喋ることはできないわねー…」とか、「警察は、昔と違って法律の限界があって、若林組から破門状が出されている以上は、若林組には手をつけられない。実行犯の森裕之は逮捕していることやし、ここまでや」。
要は捜査には協力するな、ととれる。脅しとも、哀願ともとれる言い回しではないか。 事件発生直後から、事件潰しの幕引き捜査が一部の警察官によって進められていたのである。健全な警察官が必死で事件の真相解明を行っている真っ最中に。
この現象は、香川県警改革のチャンスと捉えるべきだ。
なぜなら、香川県警の腐敗警官を識別できる、またとない機会だからである。
平成9年の4発の銃撃事件は「発射罪」と「器物損壊」。
平成12年の鉄パイプ襲撃事件は「暴力行為」と「器物損壊」という歪曲した事件にでっちあげ、若林組の広沢らに協力した捜査は到底許すことはできない。
「公正・厳正」な捜査を期待する意味で、本紙川上が神戸地裁に陳述した3月12日付の内容を公表する。
【発砲襲撃の状況】
詳しいことは、捜査に支障があってはならないので控えますが、六代目山口組二代目若林組による原告川上を狙った拳銃発砲事件について述べます。(中略)
「ティヤー」と腹から気合を入れました。
入れると同時に門扉を押しながら右足を自宅敷地に踏み込もうとした時、「パン」という音を耳にしました。敷地に入ると同時に、門扉を右手で後ろにはねつけました。そのまま、10メートルほど先の自宅ドアに飛び込み、妻に 「やられた、警察に電話しろ」と大声を出しながらドアをしめました。
妻は自宅の電話から、原告川上は携帯電話で110番に連絡したのです。
電話をし終わったころ、妻が床に血が何箇所も付着しているのを見つけました。右足のかかとの靴下が破れ、血がにじみ出ている(後略)。
香川県警が懸命に捜査を進めて分かったことは、弾の軌跡などから完全に本紙川上の命を狙った銃撃であったということである。実況見分で弾道を糸で再現してみると、弾の高さが心臓と臍の間を通っていたのだ。
実行犯・若林組森裕之の「偽装破門」に惑わされてはならない。》
これは12年前の本紙記事だ。
「巨悪」への捜査を願う
佐川前国税庁長官を刑事告発
3月27日、森友学園問題の国会審議。
ようやく前国税庁長官、理財局長でもあった、佐川宣寿氏の証人喚問が実施された。本紙、川上も食い入るように、テレビ中継を見ていた。
なぜ、森友学園の国有地売却に関連した公文書が改ざんされたのか、佐川氏は
「刑事訴追の恐れがある」
と頑なに証言を拒んだ。
一方で公文書を改ざんしたという「事実」については、佐川氏は認めた。
これで腹は決まった。
本紙川上は、大阪地検特捜部に告発状を送った。告発容疑は刑法156条、虚偽公文書作成罪と刑法233条、偽計業務妨害罪である。
公文書改ざんは、虚偽公文書作成。改ざんした公文書で国会審議を行わせたことは、偽計業務妨害にあたる。
1年前、森友学園問題で籠池泰典被告を刑事告発した。その結果、籠池被告は逮捕、起訴された。森友学園問題の背後には「巨悪」がいるはずだ。それをあぶりだそうと、悩んだ末「巨悪」ではない籠池被告を告発。「巨悪」にたどりつけないかと考えたのだ。
だが、法務検察は籠池被告とその妻を立件しただけで「巨悪」は無視された。
そして、再び「巨悪」をあぶりだすチャンスが来た。
公文書改ざんとは、国家の歴史をも変えることになる、大ごとだ。
おまけに、改ざんされた虚偽の公文書をもとに、国会審議が行われてきた。とんでもない税金の無駄遣い。それを再度、やり直さねばならない。
佐川氏は証人喚問で
「理財局だけでやった」
という趣旨の証言をしたが、とても信じられない。財務省のさらなる幹部、官邸の関与がないとは思えない。
今度こそ「巨悪」にたどり着いてくれることを祈るばかりだ。
大阪地検特別捜査部に期待したい。頑張ってほしい。
ついに〝龍ヶ嶽トンネル〟が法廷に!
NEXCO東日本が謀った〝策謀〟が明るみになる日
本紙1月号より報じている、NEXCO東日本の重大なる疑惑。だが、先月号でも報じたように、目下、東京地裁で係争中である。
このトンネルの〝疑惑〟について、もう一度おさらいしておこう。
文部科学省は、前事務次官の〝決死〟の告白によって揺れに揺れているが、国土交通省においても、驚くべき〝秘匿事項〟があった。文科省の場合は、それでも、ここ数年の〝秘匿〟に留まっているが、国交省の場合は、〝秘匿〟が始まって、すでに四半世紀が経過しようとしているのだ。
つまり、四半世紀に渡って〝国家的犯罪〟が、世間の目にさらされることなく連綿と犯され続けているのである。これはある意味、森友学園や加計学園などより遙かに深刻で大きな問題なのである。
太平洋を望む福島県と日本海を望む新潟県を東西につなぐ磐越自動車道のほぼ真ん中あたり、福島県と新潟県の県境をまたぐ比較的長い(3660㍍磐越自動車道の中では最長)トンネルがある。このトンネルは龍ヶ嶽トンネルと名付けられている。福島県側から入るとトンネルを抜ければ新潟県、という具合で川端康成の名作を思い出させる象徴的なトンネルなのである。
四半世紀に渡って秘匿し続けられている〝国家的犯罪〟の舞台は、本紙前号より報じている。
龍ヶ嶽トンネルである。さらに正確に記すならば、この龍ヶ嶽トンネルの福島県側の出入り口(坑口)が問題の焦点に当たる。
現場は、一面山林で、一見のどか、ここに恐るべき〝国家的犯罪〟が横たわっているとは誰も想像すらしない、いやできないであろう。ちなみに磐越自動車道は、1990年に供用開始、1997年に全線が開通している。くだんの龍ヶ嶽トンネルはといえば、全線開通時に完成したものである。この時から、問題の〝工作〟と〝隠匿〟が始まったのだ。
龍ヶ嶽トンネルを舞台とした事件の時間的推移を把握したところで、早速、この〝国家的犯罪〟の内容を詳しく見ていこう。
ドンネルは、二カ所の出入り口、専門的には坑口と呼ばれているが、この部分だけに所有権が発生する。一本のトンネルを掘削する場合、道路敷設者は、フタルの坑口部分を買収すれば、トンネルは掘削できる。当の龍ヶ嶽トンネルの場合、前述の通り県境をまたいでいることから、福島県側に開けられた坑口を東坑口とし、かたや新潟県側は西坑口と呼ばれている。
この東坑口こそ、国が必死になって隠匿する、〝国家的犯罪〟の物証、他ならないのである。
東坑口の地籍は、この部分の現所有者、すなわち磐越自動車道の敷設者であるNEXCO東日本(当時、日本道路公団)が登記している。当該の登記簿謄本によると、東坑口は、福島県耶麻郡西会津町野沢字雨沼丙143番2となっている。これも前述したように、ここ、東坑口は文字通り山林のまっただ中である。この地点をひと目でその地籍を見分けるのは、そこに長年住み慣れた住民でも難しいと言わざるを得ない場所なのだ。とりわけ目立った樹木がそびえているのでもなし、また、二級河川が地籍を分ける境界線になっているわけでもない。その理由は後述するが、この東坑口における状態は所有権者にとってきわめて有利な条件となっている。
謄本上、先の地籍になっているわけだから、これは厳粛なる事実だと、誰もが思うはずだ。言うまでもなく登記簿謄本は法務省の出先機関である地方法務局が責を負って作成し提出した厳然たる公文書(扱い)だからである。
ところが、である。
被害坑口の真正なる地籍は、福島県耶麻郡西会津町野沢字龍ヶ嶽丙1434番(の一部)なのである。
これは一体どういうわけか?
このにわかには信じがたい状況について、当時の事情を知る元道路公団幹部はひとこと、こう漏らした。
「これは錯誤でも何でもありません。こちら(旧道路公団)の都合で、龍ヶ嶽という地籍を意図的に滅失してしまったのです…」。
この元幹部のきわめて短い証言を耳にした時、さすがに我が耳を疑ったことは言うまでもない。
驚くべき事である。
それまであった地籍は、新しく敷設された高規格自動車専用道路(高速道路)のトンネル掘削のためにこの世から消されてしまった、というのだ。皮肉なことに、そのトンネルは消された地籍を冠にしているのである。旧道路公団は、今でこそ民間になったとしているが、当時は、ここで説明するまでもなく国家事業を遂行する国家機関である。そのような機関が、都合上、それこそ何百年、連綿と継がれてきた地名(地籍)をかき消した、というのだ。都合上、というのがもはや自明であろうが、経済的事由にあったことに論は俟たない。
磐越自動車道龍ヶ嶽トンネル被害坑口が、〝国家的犯罪〟の舞台である、という理由は、まさに、ここにある。
「ムダ銭は払うな」
旧道路公団はいかにしてこのような蛮行に及んだのか?
の答えは、東坑口が開坑されるずっと以前から登記されていた鉱区、掘削権、採掘権にある。
この特殊な権利は、紆余曲折あり、その権者は権利が発生してから複数にわたるが、目下の権者は、旭菱(きょくりょう)という○○会社である。
同社関係者が語る。
「ここ(真正なる地籍における字龍ヶ嶽)は、ことさら優良なゼオライトの鉱脈があり、それで当社も大きな投資をして鉱区、採掘権を手に入れたのです。ところが、いざ採掘を試みようとしたところ、どのように見ても龍ヶ嶽トンネルの東坑口が(ゼオライトの)採掘すべき場所なのです。ゼオライトを採掘しようたってできやしないのです。愕然としましたが、道路公団や国交省、あるいは、法務局にことの真偽を質しに行っても、『東坑口は、龍ヶ岳ではなく字雨沼だ』、とまるで壊れた拡声器のように繰り返すばかりのです。はじめはこちらがおかしいのか、とすら思ってしまったほどです。ところが…」。
ところが、現実は、国家側(国交省、旧道路公団、法務局)の抗弁は事実ではなく、同社が主張するように東坑口の地籍は龍ヶ嶽なのである。
国家による瞠目すべきねつ造が白昼堂々犯されていたのである。
この〝国家的犯罪〟は如何なる理由で犯されたのか?畢竟、焦点はそこに収斂される。
前出の旭菱がいうゼオライトというのは別名沸石という鉱物だが、その特徴は、分子篩(ふるい)、イオン交換材、吸着材である。放射能などはゼオライトが吸着する事で知られている。いうなれば、天然の強力な活性炭とでも言うべき非常に有用な鉱物なのである。この鉱物の価値は特に福島原発事故以降、ことさら上がっている。
この有用なる鉱物がこの大事件のキーポイントになっていることは忘れてならない。
別の元道路公団幹部が重い口を開く。
「(鉱区が設定してあることは)実は、(トンネル掘削した後に)知ったことでした。担当者はそれこそ全員、顔面蒼白になりました。そして、出した結論は、『地籍を変えてしまえ』ということでした」(同)。
前述のように東坑口がある場所は、地元の人間でもおいそれと地籍の線引きができないという特徴を持つ。当時の道路公団や建設省(国交省)の担当官は、そこに目をつけた。
もし、正直にこの鉱区の存在を認めてしまえば、①優良なゼオライトについては適正価格で買い上げなければならなくなる、もしくは、②東坑口の位置を変えなくてはならなくなる(トンネルの有様を根本的に変更しなければならない、このいずれかの道しか選択の余地はない。
この時国家は、①でも②でもない③という道を採択した。
『地籍を変えても判らない土地である。(地籍を)変えてしまえ』。
ここに〝国家的犯罪〟は犯された。
さらにこの前代未聞の〝国家的犯罪〟の実行を促しす重大なポイントがある。地権者への対応がそれである。
言うまでもなくここにも古くからの地権者がいる。それは現在、延べ47人いる。重要なのは、問題の字龍ヶ嶽と字雨沼の地権者の多数が重複しているということである。東坑口の買収を図った道路公団はこの点にも奸智に長けた目をつけた。
「買収費用に多少の色をつけて、あくまでも雨沼の土地を買い上げたことにしてくれ、と地権者に秘密の依頼をしたのです。反対する地権者はいなかった…」(道路公団元幹部)。
現在代替わりしている地権者もいるが、当の地権者にローラー取材をかけたが、誰もが、申し合わせたように口を噤んだ。なかには、『(東坑口は)そりゃ雨沼だべ』などと嘯く地権者すらいた。
道路公団の工作は、地権者を見事に籠絡するとで完成したのである。まさしく慄然たる事態である。
「あの当時、バブル景気の余波もあって、道路計画と建設は、ただでさえ予算超過の状態でした。机上の予算と現実が大きく乖離していたのです。そのため、建設省の指示は、『ムダ銭は絶対に払うな!』でした。まるでスローガンのようなにこれは現場に徹底されていきました。龍ヶ嶽トンネル東坑口では、このスローガンに則り、そこにあるもの(ゼオライト)をなかったこととしてしまうしかなかったのです」(前出・元道路公団幹部)。
これは今、巷間を騒がせている森友学園や加計学園問題の比ではない規模の〝隠匿〟、そして、〝国家的犯罪〟であるのは明白である。
もちろん今でも遅くはない。関係者をことごとく証人喚問に召喚し、事の真偽を国民の前にさらさない限りこの歪んだ事実は糺されることはない。
これが〝龍ヶ嶽トンネル疑惑〟の全貌である。
この疑惑が、遂に法廷にその場所を移したのだ(平成29年(ワ)第37974号土地明渡請求事件原告個人5名被告独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構)。
この行方は、蓋し見物である。本紙は法廷の模様も縷々追いかけていく。
混乱拍車の明浄学院
今年も教師「大量退職」元理事「脱税」
本紙が追及してきた、大阪の私立高校、明浄学院と反社会勢力との関係による、学校運営の混乱。3月のある日、本紙・川上は大阪府警阿倍野署に入った。明浄学院が、名誉毀損などで、本紙を刑事告訴したのだという。
捜査のこともあるので、詳細は書けないが、本紙の報道に何ら落ち度がないことを阿倍野署の捜査員に説明し、納得できる供述調書を作成してもらうことができた。
なぜ、本紙が明浄学院についてリポートを継続しているのかといえば、税金投入された教育の場であること。そこには、高度の清廉性が求められるがゆえのことだ。
だが3月下旬のこと、とんでもない発表があった。専任教師、常勤、非常勤あわせて32人もの先生や職員が3月末で退職することがわかった。その中には小林教頭も含まれているのだ。
「昨年は恫喝まがいで、強要するような形で辞めさせた。今年は指導の成果があがっていない、給料が減る評価だと申し向けて、退職させるようにもっていった」(明浄学院関係者)
中には、クラブ活動の関係もあり、明浄学院で指導を継続したいという先生もいたが、
「そういう先生は、バッサリと出て行ってくれと切り捨てたと聞かされました」(前出・明浄学院関係者)
明浄学院の保護者によれば
「これだけ多くの先生が学校を去って、新年度からきちんと授業ができるのか、心配だ」
との声もあがっている。
そして、もう一つ明浄学院で心配の声があるニュースに出ている。
〈8700万円脱税、国税が大阪の不動産業者を告発〉
そんな見出しの記事が、新聞に掲載された。
〈法人税約8700万円を脱税したとして、大阪国税局が、法人税法違反の罪で、大阪市中央区の不動産売買・仲介業「ティー・ワイエフ」の山下隆志社長(50)=同=と、法人としての同社を大阪地検に告発していたことが26日、関係者への取材で分かった。重加算税を含む追徴税額は、約1億1800万円に上る見通し。同社は修正申告し、既に大半を納付済みという〉(2月27日産経新聞より)
ここに登場するのは本紙で報じてきた、明浄学院の元理事、不動産会社を経営する、山下氏のことである。
先の記事にはこうも書かれている。
〈関係者によると、平成27年8月期までの3年間に、土地建物の仕入れに伴う架空の原価を計上する手口で、約3億4700万円の所得を隠し脱税したとされる。
同社は、架空の請求書を自社で作成したうえで、複数の同業者らの口座に代金をいったん入金後、大半を現金でキックバックさせていたという。隠した資金は、山下社長が代表を務める複数の関係会社の事業資金に充てたとみられる〉
山下氏が明浄学院の理事に就任したいきさつは、資金にあったとみられる。先生や職員の大量退職で、退職金の支払いに窮していた明浄学院に対して、5億円の寄付を持参したのが、山下氏だという複数の証言が明浄学院の関係者から出ている。
「もし、この脱税したカネが明浄学院の寄付になっていたとすれば、一大事だ。犯罪で得たカネが教育の場に使われたことになる。それに、脱税をするような人物を理事にした、学校法人、経営者側、それに監督官庁の大阪府も責任を問われなければなりません」(前出・明浄学院関係者)
さる情報によれば、国税当局はカネの使途についても、詳細を調べているという。
本紙がかねてから入手している資料では、山下氏は強硬に大阪市から吹田市への学校移転を主張していた。
〈大阪市で校舎の建て替えなどありえない。それでは、コストがあわない〉
という趣旨の発言をしている記録もある。
現在、大阪市の明浄学院の敷地の一部は山下氏の会社が条件付きの仮登記を設定している。巨額の脱税をした人物の会社が、教育の場に権利を有する格好だ。
とても許されるものではない。いくら学校運営に資金が必要であっても、犯罪行為で得たではと疑いがかかるカネはご法度。次から次へトラブルが絶えない明浄学院。被害者は生徒であることは、いうまでもない。
徳島市観光協会破産開始決定 「市民の寄付」で赤字に対抗
徳島名物の阿波踊りの運営をめぐる問題。主催者、徳島市観光協会に対して、徳島市が4億円あまりの赤字を理由に、破産を申し立てている「異常事態」。
3月29日、徳島地裁は徳島市の申し立てを認め、破産開始の決定を言い渡した。
「本当に腹が立つ。赤字と言いながら、儲けているのは同じ主催者の徳島新聞。だが、何ら責任をとろうとはしない」
と徳島市観光協会の近藤宏章会長は、怒りをぶちまける。
徳島市観光協会は、破産申し立てに徳島新聞の負担などを求めていた。だが、徳島市の訴えは、借金を返せ、返済できなければ破産だというもの。要するに赤字の4億円あまりが返済できるかどうか。
徳島市観光協会側の民事裁判を争うような、方向違いの奇妙な反論が破産開始決定を「後押し」した格好だ。
徳島市観光協会は、緊急理事会を開催し、異議申し立てを行うことを決めた。
「はっきり言って、こちらの弁護士のミス。民事裁判でなく、金が返せるかどうかの争い。それを裁判所に徳島新聞が悪いとの主張ばかり」
と徳島市観光協会の幹部は言い、新たな弁護士を選任。そしてこんな切り札があるという。
「実は有志の努力で4億円あまりの金は集まっている。市民の税金投入はさけたい。それを異議申し立てで主張する」
だが、これまで本紙が書いてきたように、4億円あまりの赤字の大きな理由が、徳島新聞の「荒稼ぎ」によるものであることは間違いない。独占的に阿波踊りの桟敷席を確保。広告の看板も勝手に営業をかけて、スポンサーを募るなど、自社を安全地帯に置き、責任は徳島市観光協会にとらせる構図で儲けてきた。近藤氏は
「観光協会はぜんぜん儲けていません」
「徳島新聞の米田社長に、阿波踊りの改革しましょうと言うたら、うつむいて黙ったまま」
「赤字になったら知りませんというばかり」
それどころか、徳島市観光協会に徳島新聞の「スパイ」が2人いたことを暴露。うち1人は
「観光協会やめて、徳島新聞に入りました。徳島新聞は悪知恵にたけている」
その悪知恵が次第に明らかになってきた。徳島市の遠藤良彰市長は阿波踊りの開催に商工会議所などを主体にした新しい実行委員会を設置することを表明。すると、4億円あまりの赤字の「主犯」である徳島新聞は、紙面で〈「今後の阿波踊りについては、徳島市から要請があれば、運営や振興も含めて市と十分協議の上、最大限の協力をしていきたい」〉などとコメントを発表。
遠藤市長との「結託」をうかがわせるのだ。阿波踊りで「荒稼ぎ」の構図をこのまま再現させようとしているのか。
4億円の資金を集めた有志の一人は本紙に
「遠藤市長は税金を使って、4億円を返済すると言っている。だが徳島新聞の荒稼ぎが、赤字の大きな理由で、税金で救済することになりかねない。有志で資金を集めた金で赤字は解消して、民事訴訟で徳島新聞に相応の金額を支払ってもらうのが、現状では一番の得策ではないか。また遠藤市長が言う新組織で阿波踊りを運営となると、どうせ徳島新聞が荒稼ぎの構図に逆戻りするだけ」
と説明する。
3月25日、徳島マラソンが開催され1万人あまりのランナーが参加して盛況だったという。実行委員会のメンバーを見ると徳島新聞が名前を連ねている。
「徳島新聞の荒稼ぎは阿波踊りだけやない。マラソンで徳島県が借りた仮設トイレがある。そして徳島新聞も同じように調達。徳島県の借りたトイレは徳島新聞の半額の値段。阿波踊り同じように、むちゃくちゃだわ」(徳島県関係者)
徳島新聞の「荒稼ぎ」を税金で補うなど、あってはならない。
混乱拍車の明浄学院
今年も教師「大量退職」元理事「脱税」
本紙が追及してきた、大阪の私立高校、明浄学院と反社会勢力との関係による、学校運営の混乱。3月のある日、本紙・川上は大阪府警阿倍野署に入った。明浄学院が、名誉毀損などで、本紙を刑事告訴したのだという。
捜査のこともあるので、詳細は書けないが、本紙の報道に何ら落ち度がないことを阿倍野署の捜査員に説明し、納得できる供述調書を作成してもらうことができた。
なぜ、本紙が明浄学院についてリポートを継続しているのかといえば、税金投入された教育の場であること。そこには、高度の清廉性が求められるがゆえのことだ。
だが3月下旬のこと、とんでもない発表があった。専任教師、常勤、非常勤あわせて32人もの先生や職員が3月末で退職することがわかった。その中には小林教頭も含まれているのだ。
「昨年は恫喝まがいで、強要するような形で辞めさせた。今年は指導の成果があがっていない、給料が減る評価だと申し向けて、退職させるようにもっていった」(明浄学院関係者)
中には、クラブ活動の関係もあり、明浄学院で指導を継続したいという先生もいたが、
「そういう先生は、バッサリと出て行ってくれと切り捨てたと聞かされました」(前出・明浄学院関係者)
明浄学院の保護者によれば
「これだけ多くの先生が学校を去って、新年度からきちんと授業ができるのか、心配だ」
との声もあがっている。
そして、もう一つ明浄学院で心配の声があるニュースに出ている。
〈8700万円脱税、国税が大阪の不動産業者を告発〉
そんな見出しの記事が、新聞に掲載された。
〈法人税約8700万円を脱税したとして、大阪国税局が、法人税法違反の罪で、大阪市中央区の不動産売買・仲介業「ティー・ワイエフ」の山下隆志社長(50)=同=と、法人としての同社を大阪地検に告発していたことが26日、関係者への取材で分かった。重加算税を含む追徴税額は、約1億1800万円に上る見通し。同社は修正申告し、既に大半を納付済みという〉(2月27日産経新聞より)
ここに登場するのは本紙で報じてきた、明浄学院の元理事、不動産会社を経営する、山下氏のことである。
先の記事にはこうも書かれている。
〈関係者によると、平成27年8月期までの3年間に、土地建物の仕入れに伴う架空の原価を計上する手口で、約3億4700万円の所得を隠し脱税したとされる。
同社は、架空の請求書を自社で作成したうえで、複数の同業者らの口座に代金をいったん入金後、大半を現金でキックバックさせていたという。隠した資金は、山下社長が代表を務める複数の関係会社の事業資金に充てたとみられる〉
山下氏が明浄学院の理事に就任したいきさつは、資金にあったとみられる。先生や職員の大量退職で、退職金の支払いに窮していた明浄学院に対して、5億円の寄付を持参したのが、山下氏だという複数の証言が明浄学院の関係者から出ている。
「もし、この脱税したカネが明浄学院の寄付になっていたとすれば、一大事だ。犯罪で得たカネが教育の場に使われたことになる。それに、脱税をするような人物を理事にした、学校法人、経営者側、それに監督官庁の大阪府も責任を問われなければなりません」(前出・明浄学院関係者)
さる情報によれば、国税当局はカネの使途についても、詳細を調べているという。
本紙がかねてから入手している資料では、山下氏は強硬に大阪市から吹田市への学校移転を主張していた。
大阪市で校舎の建て替えなどありえない。それでは、コストがあわない〉
という趣旨の発言をしている記録もある。
現在、大阪市の明浄学院の敷地の一部は山下氏の会社が条件付きの仮登記を設定している。巨額の脱税をした人物の会社が、教育の場に権利を有する格好だ。
とても許されるものではない。いくら学校運営に資金が必要であっても、犯罪行為で得たではと疑いがかかるカネはご法度。次から次へトラブルが絶えない明浄学院。被害者は生徒であることは、いうまでもない。
徳島市観光協会破産開始決定
「市民の寄付」で赤字に対抗
徳島名物の阿波踊りの運営をめぐる問題。主催者、徳島市観光協会に対して、徳島市が4億円あまりの赤字を理由に、破産を申し立てている「異常事態」。
3月29日、徳島地裁は徳島市の申し立てを認め、破産開始の決定を言い渡した。
「本当に腹が立つ。赤字と言いながら、儲けているのは同じ主催者の徳島新聞。だが、何ら責任をとろうとはしない」
と徳島市観光協会の近藤宏章会長は、怒りをぶちまける。
徳島市観光協会は、破産申し立てに徳島新聞の負担などを求めていた。だが、徳島市の訴えは、借金を返せ、返済できなければ破産だというもの。要するに赤字の4億円あまりが返済できるかどうか。
徳島市観光協会側の民事裁判を争うような、方向違いの奇妙な反論が破産開始決定を「後押し」した格好だ。
徳島市観光協会は、緊急理事会を開催し、異議申し立てを行うことを決めた。
「はっきり言って、こちらの弁護士のミス。民事裁判でなく、金が返せるかどうかの争い。それを裁判所に徳島新聞が悪いとの主張ばかり」
と徳島市観光協会の幹部は言い、新たな弁護士を選任。そしてこんな切り札があるという。
「実は有志の努力で4億円あまりの金は集まっている。市民の税金投入はさけたい。それを異議申し立てで主張する」
だが、これまで本紙が書いてきたように、4億円あまりの赤字の大きな理由が、徳島新聞の「荒稼ぎ」によるものであることは間違いない。独占的に阿波踊りの桟敷席を確保。広告の看板も勝手に営業をかけて、スポンサーを募るなど、自社を安全地帯に置き、責任は徳島市観光協会にとらせる構図で儲けてきた。近藤氏は
「観光協会はぜんぜん儲けていません」
「徳島新聞の米田社長に、阿波踊りの改革しましょうと言うたら、うつむいて黙ったまま」
「赤字になったら知りませんというばかり」
それどころか、徳島市観光協会に徳島新聞の「スパイ」が2人いたことを暴露。うち1人は
「観光協会やめて、徳島新聞に入りました。徳島新聞は悪知恵にたけている」
その悪知恵が次第に明らかになってきた。徳島市の遠藤良彰市長は阿波踊りの開催に商工会議所などを主体にした新しい実行委員会を設置することを表明。すると、4億円あまりの赤字の「主犯」である徳島新聞は、紙面で〈「今後の阿波踊りについては、徳島市から要請があれば、運営や振興も含めて市と十分協議の上、最大限の協力をしていきたい」〉などとコメントを発表。
遠藤市長との「結託」をうかがわせるのだ。阿波踊りで「荒稼ぎ」の構図をこのまま再現させようとしているのか。
4億円の資金を集めた有志の一人は本紙に
「遠藤市長は税金を使って、4億円を返済すると言っている。だが徳島新聞の荒稼ぎが、赤字の大きな理由で、税金で救済することになりかねない。有志で資金を集めた金で赤字は解消して、民事訴訟で徳島新聞に相応の金額を支払ってもらうのが、現状では一番の得策ではないか。また遠藤市長が言う新組織で阿波踊りを運営となると、どうせ徳島新聞が荒稼ぎの構図に逆戻りするだけ」
と説明する。
3月25日、徳島マラソンが開催され1万人あまりのランナーが参加して盛況だったという。実行委員会のメンバーを見ると徳島新聞が名前を連ねている。
「徳島新聞の荒稼ぎは阿波踊りだけやない。マラソンで徳島県が借りた仮設トイレがある。そして徳島新聞も同じように調達。徳島県の借りたトイレは徳島新聞の半額の値段。阿波踊り同じように、むちゃくちゃだわ」(徳島県関係者)
徳島新聞の「荒稼ぎ」を税金で補うなど、あってはならない。
2018年3月号
- 目次
- 国滅ぶとも正義は行わるべし オペレーションの〝凄み〟標語と人事
- 「Xファイル」の背後にある、驚くべき標語
- 香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その179)
- 愛知県警が迫る!広域暴力団頂上作戦
- 本紙報道で大きな波紋が広がる!
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~ 紙面外ニュース ~
国滅ぶとも正義は行わるべし オペレーションの〝凄み〟標語と人事
「Xファイル」の背後にある、驚くべき標語
「Xファイル」をアクシス(軸)にして、新たなる稼働を始めた、オリーブ・オペレーション。稼働のテンポは、驚くべき加速度をもって速まってきているようだ。
垣根を越えた捜査――。
このテーマは、捜査当局においてはまさしく永遠の課題である。しかし、今のオペレーションは違う。この永遠のテーマの打破を目指し、さらにそれを実践していこうと、いや、いるのだ。
その証拠をここに披露しておこう。
オペレーションのなかで、某検察幹部のある発言が、今や標語になりつつある。
『検察には、暴力団捜査が出来ないという、〝規範〟があるのです。わかっていただけますか?』→『共犯者に、どうして捜査を任せられるのですか!』
これは、奇しくも本紙社主、川上道大が受けた理不尽な暴力団からの襲撃事件(銃撃二回、鉄パイプ襲撃一回)において語られた台詞である。これはもはや、レジェンドになっている。この経緯は、本紙の長期連載『香川県警の捜査放棄と冤罪捜査』に詳述されている。「Xファイル」が前輪の軸ならば、もうひとつの軸こそ、この長期連載であることを付け加えておこう。
このレジェンドになった発言は、今のオペレーションの標語になっているのだ。
このオペレーションの動きを示す記事がここにある。今のオペレーションの動きを先取りするような大変重要な記事である。これを一部にはなるが、ここにひもといてみよう。
暴力団を効率よく管理し、抑え込んだ時代から「強い刑事司法」の時代へ
たかだか500人規模の暴力団工藤会に対し、警察、検察が2014年9月以来、総力を上げて「頂上」作戦を展開している。その成果を検証し、今後の課題を連載で探る。最終回となる第8回の本稿では、治安政策と暴力団対策のあり方を考える。
■日本の暴力団政策
証券取引等監視委員会の佐渡賢一委員長は、検事、監視委委員長を合わせると計45年以上、経済事件の法執行に携わってきた。東京地検刑事部長時代には、本稿第2回で紹介した山口組幹部らを摘発する手法として、警護役の組員の拳銃の所持を摘発する際に警護を受ける立場の幹部までをも「共同所持」で立件する手法を編み出し、大阪地検検事正時代には、山口組元最高幹部の滝沢孝芳菱会総長の「共同所持」事件の公判を指揮した。
佐渡委員長は、暴力団のような反社会勢力から社会を守る方法は2つしかないという。
ひとつは、イタリアやアメリカのように、国家が、その存在そのものを認めない。結社の自由を認めず、見付け次第、つぶす。参加者には厳しい制裁を加える。それを担保するため、実体法や手続き法を整備し、捜査の武器を強化する。
もうひとつは、結社すること自体は認め、警察・検察権力が一定の管理をして、暴力団への新規参入を抑え、時間をかけて衰退させる方法だ。
日本は、後者を選んだ。歴史的に、市民社会、経済社会そのものが暴力団の存在を認知してきたからだ。縁日の露天商を束ねるテキ屋、博打場の胴元から民事紛争の解決に当たる顔役まで、江戸時代から、一種の必要悪として存在を許容し、文化・習俗の一部になってきた。警察は、明治以降もそれを前提に反社会的勢力を封じる治安政策を立案、執行してきた。
1980年代まで警視庁や大阪府警、兵庫県警など暴力団の本部事務所を管轄地域に抱える警察現場には、山口組や住吉連合、稲川会などの暴力団ごとに内情に通じたベテランの刑事がいて組事務所に自由に出入りし、組織の領袖クラスから直接情報を聴き出した。
抗争事件があると、電話一本で、事件の経緯を報告させ、場合によっては、抗争の実行犯の組員を出頭させた。格安のコストで、地下社会の統治を行ってきたのだ。
反面、そのスタイルは、警察と暴力団の癒着の温床になる。警官が暴力団の接待を受けたり、金をもらって摘発情報を流したり、ついには、暴力団の手先になってしまうこともないではなかった。警察と暴力団との癒着に対する国民の視線は次第に厳しくなり、一方、世代交代で、暴力団幹部を心服させるような人間力を持った刑事も姿を消した。
従来の統治・管理のスタイルを近代化しようと考えたのが1992年施行の暴力団対策法だった。この数年前に日米構造問題協議で、日本政府は米国から官製談合システムを厳しく指弾された。当時の警察庁幹部は、従来型の統治スタイルが、国際社会から「前近代国家」と見られることも恐れたのではないか、と筆書は推測している。
暴対法は、犯罪歴のある構成員の比率が一定以上の組織を「指定暴力団」とし、都道府県公安委員会が指定すると、所属組員は組の名前を利用した用心棒代要求や地上げ、示談への介入などの行為を禁止される。従来の法律では取り締まりにくかった、暴力団による恐喝まがいの資金集め=民事介入暴力を防ぐのも狙いのひとつだった。現在、暴力団対策法で禁止されている行為は27。下請け参入要求なども入っている。違法行為には公安委員会が中止命令を出すことができ、違反すれば罰金刑に処せられ、逮捕されることもある。
■暴対法の功罪
暴対法施行で、警察と暴力団の関係は劇的に変わった。警察は、行政的に、指定暴力団を認定するだけで取り締まることができるようになった。それは、刑事が体を張って暴力団組織に入り込み、その実態を把握し、具体的な事件の端緒情報を探る必要が小さくなったことを意味する。警察上層部は、捜査員が暴力団員と会食したり酒席をともにしたりするのを避けるよう指導した。
一方、暴力団側は警察に協力する「うまみ」がなくなった。構成員を減らして指定を逃れるようになった。暴力団事務所の看板を外し、建設会社やNPOに衣替えする組も出てきた。一部の暴力団では警察との対決姿勢が鮮明になった。山口組は警官との接触を禁じ、逮捕されても警察に協力して供述することを禁じたとも伝えられた。
警察は暴対法施行後、事件摘発と並行して、用心棒代の要求などを禁じる行政命令を3万件以上出し、各種業界や公共事業からの排除を進めてきた。暴力団関係者に生活保護費を支給しない仕組みもつくった。
警察庁のまとめでは、全国の暴力団勢力(構成員・準構成員)は暴力団対策法が施行された1992年に約9万600人いたが、21年後の2013年末には約5万8600人に減った。特に都道府県で暴排条例の制定が進んだ2010年以降は、13年までの3年間で2万人も減った。
しかし、大企業や自治体に対する暴力団など反社会勢力の浸食は衰えなかった。暴対法施行後も、相変わらず企業のカネは地下経済に流出し続けてきた、というのが実態だろう。
確かに、暴力団組員の数自体は減ったが、山口組や工藤会などはかえって強力になった、と指摘する元検事もいる。山口組は、弱体化した他の勢力のシマを奪い、懐が豊かになったというのだ。
元検事総長はいう。
「暴力団構成員も生身の人間だ。『飯』を食って生きていかなければならない。彼らに、生きる手段を与えないまま、押さえつければ、先鋭化するだけだ。闇勢力を力業で弾圧しようとする試みは必ず失敗する」
朝日新聞で長く暴力団取材を続けてきた緒方健二記者は、朝日新聞のウェブのコラムで以下のように指摘した。
「社会全体で暴力団排除を、との警察の主張は正しい。でも、やり方が拙速だった。暴力団の存続を支えるのは、一部市民や企業が利益を提供しているからだとして、法律ではなく、影響力がやや落ちる自治体の条例によって暴力団への利益提供を禁じた。すべての都道府県が警察の後押しで同様の条例をつくった。自治体によって制裁内容は異なるが、違反すれば制裁が科されることになった。さらに警察は、暴力団とつながりのあった企業や市民にも『縁を切れ』と迫った。東京のように暴力団が温和しいところでは一定の効果を見たが、北九州市や福岡市では『入店お断り』の標章を貼ったスナックの関係者が軒並み襲われた。語弊があるが、警察が、市民や企業を排除の最前線に押し出した結果だ」
その通りだ。工藤会事件は、まさに、警察の暴力団政策のあり方を問うものだった。
■「不都合な真実」を直視し、捜査を強化せよ
最近の暴力団対策では、不都合な真実もいくつか散見される。
まず、警察当局の離脱組員支援がうまくいっていない。地域で受け入れられ、働き口の保証がなければ、暴力団組員は離脱したくてもできない。
福岡県警の要請を受けた警察庁は15年7月、福岡市博多区で就労支援のNPO法人などを集め、初めて「全国社会復帰対策連絡会議」を開催。地元への就職では工藤会から報復される恐れがあるため、福岡県警は「会の影響の及ばない土地で、人生の一歩を踏み出せる仕組みを作ることが大切だ」とし、再就職に向けた取り組みを強化するよう訴えた。
ただ、企業社会の離脱組員受け入れは、警察の治安政策でカバーできる問題ではない。企業や地域社会の意識改革が必要だ。それには時間がかかる。さらに離脱組員側の問題もある。
「言いにくいが」と断って、検察幹部がいう。「せっかく、就職斡旋しても、組員が断るケースがある。組員の事情は個々に異なるが、一部の組員は、真面目に仕事をするのが嫌でヤクザになった。そういう人の意識改革も必要だが、警察の手に余る。それを誰が担うのか」。(~以下、後略~村山治著法と経済のジャーナル2016年6月16日付記事より抜粋引用)
この記事には今のオペレーションへの段階的変化と布石がきちんと記されているといっていい。現在の大きなうねりを端的に予言している見事な記事である。
人事こそ、オペレーションの礎なり
さて、オペレーション大車輪の如くの稼働を裏付けるもうひとつの大きなバックボーンは、これまで本紙が重ねて報じている、〝人事〟である。
垣根を越えたオペレーションは、極めて効率よい人事で体制を固めている。それはこれまで本紙が報じてきたとおりである。
オペレーションの本気度を見るには、やはり、今起きている人事をしっかりと把握することが重要である。ここにその人事の真相を描いている記事がある。これもまた、非常に重要度の高い記事である。ここに引用しておこう。
官邸の注文で覆った法務事務次官人事 「検事総長人事」に影響も
検察独立の「結界」は破れたか政治と検察の関係を考える
検察と政治の関係に変化が見える。それを象徴する出来事があった。今年9月に発令された法務・検察の幹部人事で、法務省が作成した法務事務次官の人事原案が官邸によってひっくり返され、それと連動して検事長の人事も変更されたのだ。1970年代以降半世紀にわたり、時の政権は、検察を抱える法務省の人事については、口をはさむことはなかったとされる。「政治からの独立」という検察の「結界」はついに破れたのか。
■官邸の注文で原案を撤回
今年9月5日付の法務省人事は、大野恒太郎検事総長(64歳、司法修習28期)が2017年3月末の定年まで半年を残して退任し、後任に西川克行東京高検検事長(62歳、31期)を充てたほか、稲田伸夫法務事務次官(60歳、33期)を仙台高検検事長に転出させ、稲田氏の後任に黒川弘務官房長(59歳、35期)を充てるなど体制を一新する大型人事だった。
複数の法務・検察幹部らによると、この人事の法務省原案では、稲田氏の後任の法務事務次官は林真琴刑事局長(59歳、35期)を昇格させ、黒川氏は地方の高検検事長に転出させることになっていた。ところが、7月中旬、稲田氏が官邸に了承を取りに出向いたところ、官邸側が黒川氏を法務事務次官に昇任させるよう要請したという。
これを受けて稲田氏や大野氏ら法務・検察の首脳が対応を協議した結果、黒川氏を法務事務次官に起用し林氏を刑事局長に留任させる人事案に切り替え、内閣の承認を得て8月15日に公表した。法務・検察首脳らは、官邸側で黒川氏の次官起用の人事を求めた最終決定者は菅義偉官房長官だった、と受けとめている。
法務省内では、人事原案の変更について「官邸側の要請がお願いベースだったため、法務省として断り切れなかった」と説明されているが、官邸に近い筋は「官邸側の意思は硬く、稲田氏の説得が受け入れられる状況ではなかった。稲田氏は真っ青になって帰った」といっている。
従来、官邸への法務省人事原案根回しは黒川氏が行ってきた。今回は、黒川氏自身が異動対象になるため、稲田氏が根回しに動いた。稲田氏が官邸に出向いたとき、黒川氏は海外出張中だった。「黒川氏が根回ししていたら、こうはならなかったかもしれない」という検察首脳もいた。
法務事務次官は、法務大臣を補佐する事務方トップで、法務・検察の序列では、天皇の認証官である検事総長、東京、大阪など8高検の検事長、次長検事に次ぐポスト。検事総長への登竜門とされ、最近では、大阪地検の不祥事対応で急遽登板した笠間治雄氏を除く8人中7人が法務事務次官から東京高検検事長を経て検事総長に就任している。
■法務省の竜虎
法務事務次官のポストを争った黒川、林両氏は、粒ぞろいとされる検察の司法修習35期の中でも傑出した存在で、検事任官約10年後から2人とも、将来の検察首脳候補として法務省の行政畑で重用されてきた。
黒川氏は政官界へのロビーイング・調整能力を買われ、司法制度改革の設計段階から法務省側の中枢的な役割を担った。改革実現後は、秘書課長、官房審議官、官房長と政界や他省庁との折衝を担当。官房長在任は5年の長期に及んだ。
一方の林氏は、制度改革で黒川氏を支える一方、2002年に発覚した名古屋刑務所の虐待事件を機に矯正局総務課長に就任。警察人脈をフル活用し、百年に一度の改革といわれた監獄法改正をなしとげた。その後は、人事課長として大阪地検、東京地検の不祥事処理を陣頭指揮し、最高検総務部長から刑事局長の道を歩んできた。
法務・検察部内での両氏の評価に甲乙はないが、林氏が監獄法改正で矯正局総務課長を3年務めたため、エリート検事が歴任する刑事局総務課長ポストは黒川氏が先任し、林氏に引き継いだ。2人をよく知る元検察首脳は「人事案をひっくり返されたのは衝撃だったが、これまでの経歴を見れば、順当な人事だったともいえなくもない」と言っている。
■「次の次の検事総長」を見据えた検察の人事構想
法務・検察首脳が、同期のトップを走ってきた黒川氏を本流から外し、林氏を法務事務次官にしようとしたのは、次の次の検事総長人事を睨んでのことだった。法務・検察首脳は人事原案作成時には、西川氏の次の検事総長に稲田氏を充て、稲田氏の次の総長には林氏を据える方針で合意していた模様だ。その時点で黒川氏は検事総長候補から外れていた。人事原案は、法務・検察として、次の次の検事総長候補は林氏だと内外に周知する狙いもあったとみられる。
なぜ、法務・検察首脳が、黒川氏を検事総長候補から外したのか。
黒川氏が務めてきた官房長は、法務省の予算や法案を国会で通すとともに、政権の危機管理の一翼を担い、また、検察の捜査や人事で政治の側の「介入」をはばむ、という難しいポストだ。
特に、特捜検察が政治家のからむ事件に切り込むと、官邸や国会議員から法務省に対し陰に陽に様々な注文がつく。
その際、官房長は、検察が政治の側から直接圧力を受けないよう、防波堤の役割を担う。
黒川氏の官房長在任中は、政権が民主党から自公に交代し、政治との距離感がとりづらい時代だった。
また検察で不祥事が続発し、法務・検察への逆風も吹き荒れた。
黒川氏は、小沢一郎元民主党代表の資金管理団体を舞台にした政治資金規正法違反事件では、同党議員から自公政権に有利な捜査を主導する「黒幕」と非難され、直近では甘利明元経済再生担当相があっせん利得処罰法違反で告発された事件でも「政権与党側に立って捜査に口をはさんだ」とネットメディアで批判を受けた。
法務・検察首脳は「黒川氏が恣意的に動いたことはない」とそれらの批判を一蹴するが、一方で「検事総長は検察の象徴であり、政治と近いとのイメージを持たれただけでふさわしくないとの見方があった」とも語る。
■本当の理由
ただ、それは表面的な理由だ。法務・検察首脳にとって黒川氏を検事総長候補にしにくい最大の理由は、黒川氏を次の次の検事総長候補にすると、西川検事総長、次の検事総長と目される稲田氏の検事総長在任期間の調整が難しいことにあったとみられる。
検事総長の定年は65歳。これに対し、検事長以下は63歳が定年だ。そのため、検事総長のポストは、期にして2期、年齢は2歳違いで交代していくのが、法務・検察の人事権者にとって最もスムーズなのだ。
実際、歴代検事総長の任期は、大阪地検の不祥事(2010年発覚)のため在任半年で途中降板した大林宏氏(在任約6カ月)、そのピンチヒッターとして登板した笠間治雄氏(同1年7カ月)、次期検事総長の東京高検検事長が女性スキャンダルで引責辞任(1999年)したため、それぞれ約3年間在任した北島敬介、原田明夫両氏を除くと、1990年代半ば以降は、だいたい2年前後務めてきている。
今回総長に就任した西川氏は1954年2月20日生まれ。次の検事総長が確実視されている稲田氏は1956年8月14日生まれ。黒川氏は稲田氏とはわずか半年違いの1957年2月8日生まれ。黒川氏を検事総長にするには、黒川氏が満63歳の誕生日を迎える2020年2月8日までに稲田氏が辞めなければならない。3年半の間で西川、稲田の2人が総長を務めるという窮屈なことになる。
これに対し、林氏は1957年7月30日生まれ。稲田氏とは約1年違う。西川、稲田両氏が2年ずつ検事総長を務めても、十分時間的余裕があるのだ。
■官邸の思惑
官邸側は、黒川氏の危機管理、調整能力を高く評価していた。黒川次官にこだわったのは、長期にわたって政権を支えた「恩」に報いる「処遇」の意味もあったとみられるが、政権を安定的に維持するため、今後も黒川氏をこれまで同様に使いたいとの考えもあった。
安倍政権は、沖縄の辺野古移設訴訟、「国際公約」とされる「共謀罪」法案を抱え、従来にも増して野党や弁護士会などへの法務省のロビーイングを必要としていた。特に、共謀罪法案は野党や弁護士会などの強い反対でこれまでに3度廃案になっており、政権幹部の一人は朝日新聞の取材に対し「共謀罪をやるためにここまで黒川氏を官房長として引っ張ってきた」とも話した。
黒川氏が検事長になってしまうと、検察の独立の面から捜査、公判以外の仕事はできなくなる。法務事務次官ならば、官房長の上司であり、官房長同様、各方面への根回しの仕事を期待できるとの思惑があったとみられる。
一方、法務省は、臨時国会での法案提出に備え、対象となる組織の定義を暴力団やテロ組織などに限定し、さらに犯罪構成要件についても過去の審議で「争点」となった問題点をクリアするための手当を人事原案作成時点で終えていたという。法務省としては、仮に黒川氏がいなくなっても、国会審議を乗り切って法案を通すため、できるだけの準備をしていた訳だ。そうした点については当然、政権側も承知していたと思われる。だとすると、政権は、法案成立もさることながら、法務・検察をグリップするため、あえて人事に口出ししたのではないか、との見方が出てきてもおかしくない。
結局、共謀罪法案は、TPP法案などの成立を優先するため、として政府は臨時国会にかけるのを見送った。
■政治主導の官僚人事
中央省庁の幹部人事は、従来、各省庁が人事案を固めた後、官房長官主宰の人事検討会議に諮って決めてきた。民主党政権時代も含め、省庁案が官邸でひっくり返ることはほとんどなかったとされる。
ところが、2012年暮れの総選挙で誕生した第2次安倍政権は、政治主導を強調し、慣例にとらわれない人事を目指した。13年7月には厚労事務次官人事で、本命視されていなかった村木厚子厚労省社会・援護局長を抜てきした。旧運輸省事務系キャリアの「指定席」とされていた海上保安庁長官に初めて現場生え抜きの海上保安官の佐藤雄二氏を充てた。村木さんは大阪地検が摘発した郵便不正事件で起訴されたが、無罪となり、「検察暴走の犠牲者」と受けとめられていた。
また、同年8月には、内閣法制局長官人事で、昇格確実とみられていた法制次長でなく、外務省の小松一郎駐仏大使を起用した。集団的自衛権をめぐる憲法解釈を変えたいとの意向があったとみられる。さらに、中央省庁人事ではないが、同年3月には、デフレ脱却に向けた金融政策への変更を図るため金融緩和派の黒田東彦アジア開発銀行総裁を日銀総裁に起用した。
14年5月末には、中央省庁の幹部候補600人の人事を官房長官のもとで一元管理する内閣人事局を設置した。内閣人事局が、閣僚が推薦した各省庁の公務員が幹部にふさわしいかを審査して幹部候補者名簿を作成し、首相や各大臣が協議して決定することになった。14年7月の人事では、法務省初の女性局長として人権擁護局長に岡村和美・最高検察庁検事(現消費者庁長官)が充てられた。中央省庁の幹部らは、これらの省庁の幹部人事は、首相の意を汲んだ菅官房長官がリードしたとみている。
そういう省庁人事をめぐる改革はあっても、安倍政権は従来、法務・検察の人事については、岡村氏の人事を含め法務省側の原案を尊重し、くつがえすことはなかったとみられる。
■検察独立の「結界」
検察は明治以来、政治とカネの不正を摘発する機関として国民の期待を担ってきた。その期待に応えるには、検察が検察権行使や人事で政治から独立していなければならない。
しかし、検察の権限や責任などを定める検察庁法15条は「検事総長、次長検事及び各検事長の任免は内閣が行い、天皇が認証する」と規定している。制度上、検察幹部の人事権は内閣(政治家)の専権事項なのだ。検事正以下の検事ら検察職員、法務省職員の人事権は法務大臣が持つ。安倍政権になってからは法務省を含む各省庁の局長以上の人事は内閣の閣議決定が必要となっている。
そうした中、「検察の政治からの独立」は、政治腐敗を許さない世論を頼みとしてかろうじて成立してきた歴史がある。戦後のどさくさの時期、検察が大事件を摘発すると概ね、世論は検察を支持した。1954年の造船疑獄で法相が指揮権を発動して与党幹部の逮捕にストップをかけたが、政権は次の総選挙で敗北した。以来、世論を背景に野党やマスコミは政治の側が捜査や公判に介入しないよう厳しく監視し、同様に、政権側が法務・検察人事に口出しできない雰囲気を作ってきた。
それでも1960年代半ばまでの検察は、戦前からの公安検察と経済検察(特捜検察)の内部対立を引きずっており、それに乗じて政界が検察幹部の人事に介入しようとしたこともあったといわれる。
今にいたる政治と検察の緊張関係を決定づけたのは、政界最大の実力者だった田中角栄元首相を逮捕した1976年のロッキード事件だった。10数年にわたる公判闘争で元首相は一貫して無罪を主張。検察に圧力をかけるため、検察の捜査、公判にかかわる指揮権を持ち、検察人事を握る法相に親田中の国会議員を次々送り込んだ。マスコミは、法相が検事総長に対し、元首相に対する論告の放棄や公訴取り消しなどを命ずるため指揮権を発動するのではないか、と危惧し、機会あるごとに法相に「指揮権行使の意思」を問い、行使しないよう厳しく牽制してきた。
法務省はこうした世論を背景に、法務・検察幹部の人事で波風が立たないよう周到な根回しをし、時の政権は概ね、法務・検察の人事や仕事に対する介入については謙抑的な姿勢を貫いてきた。そのバランスがついに壊れた形だ。(~以下、後略~村山治著法と経済のジャーナル2017年9月17日付記事より抜粋引用)
確かにこの通りなのだ。いまや、上意下達の組織体制は過去の事となってしまった。ましてや捜査機関は官邸が主導するものでもなんでもない。そのことを如実に知らしめているのがこの記事である。
新生オペレーションの活動は、一気に成熟に達してきた。
改革前夜の今を、大切に育んでいかねばならない。
香川県警の捜査放棄と冤罪捜査(その179)
愛知県警が迫る!広域暴力団頂上作戦
愛知県警は今や一丸となって、広域暴力団のサミットを追いかけ、そして、いまや、追い詰めようとしている。
そのキーワードは、ズバリ、『頼母子講』である。
確かにこれまでの愛知県警は、暴力団に対してはあまり芳しい風評はなかった。次の記事などはその代表的なものであったろう。
「福岡から警察が捜査に来る」──福岡市で約7億5000万円分の金塊が盗まれた事件で、名古屋在住の野口直樹・容疑者らに、電話で捜査情報を教えていたのは、何と愛知県警!
(~中略~)
「かつて暴力団と警察のつながりは密でしたが、名古屋では司忍組長の出身母体である弘道会が、『警察に情報を売らない、付き合わない、事務所に入れない』の『三ない主義』を掲げて、警察との接触を絶ってきました。しかし、警察も弘道会も、本当は双方とも情報が欲しい。そこでパイプ役を担ったのが、企業舎弟や半グレです。
4年前に警察を脅迫して逮捕された風俗チェーン経営者は弘道会の企業舎弟で、警察の個人情報を捜査一課警部から入手していたとして当時大きな問題になりました。今回の容疑者らは半グレ集団に属していたという。暴力団以上の反社情報が集まり、かつ暴力団のような制約がないということで、捜査員も付き合いやすい。だから今回も、『福岡の事件だから』と軽い気持ちで情報を流してしまったのではないか」。
(~中略~)
しかし、愛知県警にも言い分がある。
「福岡県警は名古屋の人間が関与しているとは分かっても、人物の特定まではできていなかった。野口容疑者らを割ったのは愛知県警で、『そもそもこっちが教えた話じゃないか』というのが彼らの言い分。確かに捜査情報まで流したのは問題ですが、通信傍受の内容までメディアに流されたら面目丸つぶれだと怒っています」(愛知県警担当記者)敵は味方のフリをする──警察を舞台にした話題ドラマ『小さな巨人』より激しい警察内部抗争が勃発か。(週刊ポスト2017年6月23日号記事より抜粋引用)。
しかし、今の愛知県警はまったく違う。暴力団に対しては毅然と臨み、いまや、その頂点にまで迫ろうとしているのだ。そして、その具体的プランまで見えてきている。
対暴力団とのネガティブな関係は、前述した記事からはもう出てきていない。確かに愛知県警は変わったのである。その情報は、余すところなく本紙にも聞こえて来る。
「まさかの決断が必要だ」。
これは、元首相小泉純一郎氏の著書の中に書かれている言葉である。(『決断のとき』小泉純一郎著集英社新書)
愛知県警は、間違いなく、このまさかの決断を下したのだ。キーワードは頼母子講。もちろん、アクシスになるのは、「Xファイル」と「捜査放棄と冤罪捜査」であることはいうまでもない。
平成15年4月号から始めた香川県警の捜査放棄と冤罪捜査も179回を数え、来月の平成30年度の4月は180回でちょうど15年目だ。
「ネバーギブアップ」
まさに「継続は力なり」ではないか。
日本は大丈夫。それぞれの組織の良識派が立ち上がり始めた。そう、潮目は変わったのである。
ここで、日本タイムズの題号改称前の四国タイムズ平成28年1月号から引用してみよう。
「三代目の原点回帰なら罪を償え」
「山口組六代目の殺人未遂・未解決事件」
本紙川上が六代目山口組司忍組長を使用者責任で神戸地裁に提訴したのは、平成17年11月2日である。その同月29日、最高裁第1小法廷は、銃刀法違反(共同所持)の罪に問われた指定暴力団山口組六代目組長篠田建市(通称司忍)被告(63)の上告を棄却する決定を下した。
ここで13年前の平成16年12月号本紙を、ホームページのバックナンバーから抜粋する。
【ヤクザの原点・任侠道を見直そう】
【代紋を支える人、ぶら下がる者】
《誰かにこんな話を聞いたことがある。
「ワシは『ヤクザ』であるが、暴力団ではない。
本紙川上は、このこだわりのある心意気が好きである。人生、どの生き方を選択しようとも自由であるが、やってはならないことは絶対にある。
本紙川上にヤクザの世界を語る資格はないが、業種は別にして人間としての資格で触れさせてもらいたい。
「冤罪捜査が自殺にまで発展
日本の精神文化を取り戻せば犯罪は減る」
捜査放棄と冤罪捜査シリーズで登場する人物に、山口組二代目梶原組の元若頭をしていた近藤秀三郎氏がいる。
近藤氏は、十六才でヤクザの道を選んだ。いわゆる任侠道ヤクザを志した人である。その近藤氏が組長をしている籐正組に、六車・通称「ロクさん」という、若頭がいた。平成四年、事情があって近藤氏は若林組副長で迎えられた。もちろんロクさんも若林組の幹部に座った。悲劇はここから始まったようだ。
本紙川上が、平成六年、ロクさんと国際ホテルで最初にあった時、「あんたがロクさん、地元では、なかなかええ男や、と聞いてますよ」であった。そのロクさんは、平成十年八月、神戸三宮で電車に飛び込んで自殺した。
自殺する直前、香川県警から指名手配を受けて逃走していた近藤氏にロクさんから電話が入った、
「親分、なんでワシに隠し事するん、ワシが指名手配を打たれてたのを、どうして教えてくれんの、篠原がワシに言いよった『あんたの親分、どうしてあんたに指名手配が出てるのを、知っとって教えんのかいな、冷たいのとちゃうか』、こない言われたら、親分のこと信じられんようになった」
「アホ、なに言いよんじゃ、俺がそれ知っとって、おまえに教えんはずないがー…、おまえは疲れとるけん、俺が明日、迎えに行くけん、酒でものんで寝てしまえ…」
「親分、そうやろな、親分がワシの指名手配知っとって、教えんわけない…、…」
これが籐正組近藤秀三郎組長と六車若頭の最期の会話であった。親分子分で、こんなに残酷で悲しい場面はない。
両者とも、広沢が腐敗警官に請け負わせた冤罪捜査による指名手配ではないか。
どちらにしても、香川の改革には、広沢と腐敗警官を許すわけにはいかない。
これは、平成16年12月号の本紙から抜粋したもので、若林組広沢(黄津一)が腐敗警官を使って冤罪捜査を仕掛けさせ、近藤秀三郎氏を高松刑務所に収監させた後の記事。収監が決まったあと、近藤氏は本紙川上に言った。
「山口組のヤクザに恥じないよう、迎えに来る前にこちらから行って来る…。3年余りやけど身を清めてくるわ…」任侠道をもう一度見直そうではないか。》
山口組六代目は任侠道を歩むならば、罪を償うべきだ。
本紙報道で大きな波紋が広がる!
磐越自動車道・龍ヶ嶽トンネル巡る前代未聞の大騒動
本紙先月号で報じた『NEXCO東日本が地籍を消した?』が、関係各所において、さざ波のような反響をもたらせている。当のNEXCO東日本はもとより、特に国交省周辺が騒がしいようだ。
そんななか、取材を進めるうちに目を剥くような情報が舞い込んできた。これは、出所がハッキリしない怪情報の類いではなく、正真正銘の内部告発についての情報である。
ここに、一枚の写しがある。(参照①)もたらされた内部告発情報の裏付けとなる極めて重大な資料である。
この資料は、ある測量会社の受注業務を綴った原簿の一部を複写したものなのである。
この資料の左端には、日本道路公団新潟建設局津川工事事務所、とある。これは、この業務の発注者である。次の項目には、磐越自動車道西会津地区管理用津面作成業務、とある。
さらに、ここがこの写しの最も核心部のひとつとなるのだが、このように記されている。
自)福島県耶麻郡西会津町野沢至) 〃
次には、業務内容について記された項目である。この項目も、前項目同様、最重要のひとつである。
測量業管理用図面作成及び財産管理事務の図面作成作業・資料確認・測量・管理用図面作成・事業用不動産台帳作成~(以下省略)
ここまででこの写しには、内部告発が飛び出した測量会社が、日本道路公団(NEXCO東日本)から請け負った業務について記されたものであることが明確に見て取れる。そして、肝心のその業務は、といえば、〝地籍が消された〟という疑惑を抱え込まされた龍ヶ嶽トンネルの測量、そして各種図面、調書、台帳等の作成、ということがしっかりと示されている。
この内部告発は、本件取材を進めているときに、ある図面がNEXCO東日本より提供された直後になされた。さらに詳しく記すと、取材は、地籍抹消の疑惑を決着すべく、龍ヶ嶽トンネルの〝測量図〟を求めて進められていた。当時引かれた測量図さえ入手できれば、このにわかには信じられぬ地籍抹消の疑惑も一目瞭然、天下に晒されるのだ。このコトの経緯は非常に重要なので、読者はしっかりと記憶せられたい。
NEXCO東日本は、龍ヶ嶽地籍滅失についての回答として、ある図面を提供してきた。(参照②)
この図面は、くだんの龍ヶ嶽トンネルとその隣に掘削された長坂トンネルの〝測量図〟ということで、NEXCO東日本が、鼻息荒く差し出してきたものである。「ホラ、(龍ヶ嶽トンネルの坑口は、〝龍ヶ嶽〟ではなく、〝雨沼〟になっています」、という自信に満ちた言葉と共に(※この国交省との下りについては、本紙前号を参照して戴きたい)。
確かに提供してきた図面には、龍ヶ嶽トンネルが記されているようには見える。その坑口を見ると、そこには雨沼という地名も瞥見できる。
ところが、である。この図面をよく見ると、確かに日本道路公団のものであることは間違いないようだが、〝測量図〟ではなく、〝調査図〟となっている。
専門家にあたると、「測量図と調査図は全く違うものです。NEXCO(東日本)ともあろうところが、調査図を測量図と称して出してきたのですか?」、と却って反問されるような次第なのである。NEXCO東日本は、先ずここで大きなミステイクを犯したが、図面そのものもつぶさに見るとそこには現実とは全く違う記載があるのだ。
それは、〝調査図〟のなかに書かれている地名が、現実とはまったく正反対に位置しているのである。〝耶麻郡西会津町野沢〟が、現実とはまったく正反対のところにあるのだ。
先の専門家は言う。
「呆れてしまいますね。もちろん、ミステイクでは済まない話ですが、これは測量したと称している会社なり人がそもそも現場に行っていないとしか考えられない。これはミスなんかではなく、仕事をやっていないということですよ」。
いよいよこの提供資料が、ぐらつき倒れる寸前まできたところで、その内部告発は飛び出してきた。
この資料には図面名と測量者名が明記されている。それらは、管理用図面と株式会社アジア共同設計コンサルタントとなっている。
つまり、前述の内部告発を裏付ける資料は、この測量者に帰属するものなのである。加えていうならば、内部告発は、この資料が突然降って湧いたように現出したわけではもちろんなく、勇気ある告発者の厳粛な証言が添えられてのものなのだ。告発者は、NEXCO東日本が自信を持って提供してきた〝調査図〟(※傍点筆者)の測量者であるアジア共同設計コンサルタントの関係者X氏である。
「まずは、ご指摘のように、この図面は調査図であって測量図などではありません。苦肉の策というか、苦し紛れにこんなものを、〝測量図〟として出してきたとしか思えません。
実際のところ、測量図は私たちは持っていません。実は全く別なところにありますが、それにはわけがあるのです…」。
X氏の〝告白〟もとい、〝告発〟は、いよいよもってシリアスになっていく。
「有り体に申し上げましょう。実は、この件、つまり、龍ヶ嶽トンネルに関わる測量ですが、私たちは何もやっていません(!傍点筆者)」。
そういって、X氏は、前述の写しを密かに持ってきたのである。
「ここに、ホラ、金額を示す数字が書かれているでしょう?1,125万4,000、となっていますね。これは、私たちの請負の対価です。つまり事業収益です、もちろん、この業務の、です。言うまでもなく、NEXCO(東日本)、当時の日本道路公団から私たちに支払われたものです、実際このお金は、きちんと支払われました」。
しかし、X氏に拠ればこの業務、つまり測量は実際には、一切行っていない、という。前出の専門家が肯綮に指摘した通りなのである。ここで何が起きているのか?
「要するに、測量図と称している調査図を、私たちが測量したことにしてくれ、という〝お達し〟なんです、NEXCOからの。お金はそのアリバイ作りの協力に対する〝駄賃〟です。どうしてそこまでしなければならなかったのか?それは、(本紙先月号記事のコピーを指し示しながら)この通り、〝事実〟が明るみになったらNEXCOや国交省が困るからでしょう。都合が悪くなったら、地籍さえも消し込んでしまうのですよ、私たちはそのお方棒を担がされたのです…」。
仰天情報である。
この写しの末尾にある人物の名前が記されている。この人物は、測量業務の管理責任者である。この人物に取材を試みたところ、ハッキリと、「その通りです、うち(アジア共同設計コンサルタント)ではこの件で(測量は)行っていません。ただ、〝調査図〟を引いたということのアリバイのために、うちが(業務を)受けた、という証明が必要だったのです。だから、わたしが、(調査図のための)測量をしたということにして、名義だけを貸したのです」、と証言するのである。
いわゆる〝名義貸し〟の問題が、巷間を騒がせたのは、何年前のことだったか?多くの人は記憶に新しいはずだ。
しかしながら、この龍ヶ嶽トンネルをめぐる地籍滅失の件について、実際に少なからずの公金が動いていたのだ。しかもそれは正当に費消されるどころか、〝地籍滅失隠蔽〟のために使われたのである。
「(告発の)動機は、そこにあります。公金が不正に使われた。明白な横領です。私たちは(測量については)何もやっていない。それでもやったように見せかけ、公金が支払われています。私たちから次にパシコンに業務は転じますが、むろんそこにも公金は動いています。パシコンへの業務移転はNEXCOからの指示です。
さらなる問題は、この支払われた公金は、当のNEXCOの個別の人や国交省の同様の人にも環流しています…」。
取材は、目下、この公金環流の先を追究している。
誰の腹も痛まない公金という名の潤沢なる資金―。これは、人知れず誰かの懐を暖めているのである。
ところで、真の〝測量図〟はどこにあるのか?
X氏とは別のアジア共同設計コンサルタントの関係者Z氏が、渋々と答える。
「あれは、今、NEXCO総研というところに〝厳封〟されて眠っています」。
当事者らはあくまで闇に葬るつもりなのだろう。
取材を進めるなかで、突然、国交省の広報担当課から、取材妨害の電話があったり、取材先の測量会社に唐突に地検の捜査が入ったり、焦臭いことが頻々と起きている。この件の闇は深い。
この龍ヶ嶽トンネルの問題は、ついに、その争いの場を法廷(東京地裁)に移した。原告人側の主要メンバーとなっているのは、本稿でも登場している、旭菱である。被告人は、東日本NEXCOである。
原告側の主張は、ズバリ、『トンネルを元に戻しなさい』、というものである。決してこれまでの損害賠償を請求するものではない。しかしながら、この訴訟は重大な意味を持っている。突き詰めていけば、今まで恣意的に隠し通していた〝真実〟、つまり、地籍龍ヶ嶽を掘削したことが明らかになるからである。
現時点ですでに二回の公判が開かれた。来る3月27日には三回目が開かれる。
蓋し見物である。
徳島新聞の阿波踊り「荒稼ぎ」
遠藤市長が記者に「徳島新聞に責任と言わせたいの?」
徳島名物の阿波踊りで徳島新聞が「荒稼ぎ」をしている実態と、背後に徳島市の遠藤良彰市長が見え隠れする問題をこれまで本紙では追及してきた。
ここにきて、新たな展開を見せている。阿波踊りを徳島新聞とともに主催している徳島市観光協会。現在4億3600万円の累積赤字を抱えている。
徳島市は「阿波おどり事業特別会計の累積赤字の解消策等に関する調査団」を設置。「不正会計があった」と指摘。今後の事業継続は「極めて困難」と報告書で結論付けた。
そして徳島市は徳島市観光協会の阿波踊り事業の赤字に対して補償と補助金停止を決定。徳島市観光協会を「清算」する方針を打ち出した。
それを受けて2月13日、借入先の四国銀行は徳島市観光協会に〈通知書〉で4億3600万円の支払いを求めた。
本紙既報のように徳島新聞は関連会社とともに、徳島市観光協会にかわり「阿波おどり会館」と「眉山ロープウェイ」の指定管理者となった。徳島市の遠藤彰良市長と「結託」して阿波踊り事業まで「独占」が目前なのだ。
「週刊現代の報道を皮切りに、日本タイムズなどで徳島新聞の荒稼ぎを報じてもらった。おかげで昨年の阿波踊りは、徳島新聞が勝手にできず支出がおさえられ2600万円の黒字になった」
と徳島市観光協会は猛反発する。
そこで先の報告書を見ると、徳島市観光協会は徳島新聞から
〈その収支についての裏付書類(契約書、請求書等)が保管されていない。観光協会の説明では裏付書類の提出を受けないまま精算(支払い)を行っていた〉
ことを不正と認定している。また、毎年決まった業者への「随意契約」も問題視されている。
「裏付資料を出さないのは徳島新聞ですよ。随意契約の相手、これも徳島新聞の関係先です。徳島新聞を調べてほしい」(前出・徳島市観光協会関係者)
2月13日、徳島市の遠藤市長は定例記者会見で、阿波踊りの赤字問題で、徳島市観光協会の清算手続きの協議を認めた。そして
「阿波踊りをよくしようと観光協会に話し合いを呼びかけたが応じてもらえなかった」
「赤字の原因は観光協会ができる努力やってこられてない」
と説明した。
阿波踊りは徳島市観光協会と徳島新聞が主催である。冒頭に書いた調査は、徳島市観光協会に対してのみのもの。徳島市も徳島市観光協会に人材を送り込み、債務保証をしていた徳島市の責任を聞かれると、遠藤市長は
「赤字がふくれることを黙認していた徳島市にも責任がある」
続けて、同じ主催者の徳島新聞への責任について聞かれると態度が一変。
「会計は観光協会がやっていた。徳島新聞は知らない、役割分担」
「徳島新聞を調査する? 観光協会には地方自治法で調査権限がありますが、徳島新聞にはない」
と徳島新聞の責任を否定する回答が相次ぐ遠藤市長。このまま4億円以上の赤字を徳島市の税金で肩代わりするなら
「徳島新聞も赤字があること知っていて何もしていない。負担を求めるべきでは」
「遠藤市長は、徳島市にも責任があると認めている」
「観光協会ばかりに責任を負わせすぎではないか」
とさらに記者から追及されると、
「徳島新聞に責任があったと私に言わせたい?」
と述べた遠藤市長。
「遠藤市長の記者会見には、ただあきれるばかりです。今年、徳島市観光協会は黒字を出した。それを無視して、税金を使って徳島市観光協会を清算して、手法を変えるという。要は徳島新聞を荒稼ぎさせるためではないのかと批判の声が市役所内でも高まっている」(徳島市議会関係者)
そして、重大な疑惑が浮上しているのだという。徳島市観光協会では、阿波踊りのチケットを点検した時だった。
〈本券はいかなる場合も払い戻しできません〉
と赤いスタンプが押されているものが多数、発見された。
阿波踊りは毎年、8月のお盆に開催される。悪天候で中止になることもあり、払い戻しを受け付けている。
「徳島市観光協会で調べてもこんな赤いスタンプはない。チケットのエージェント、楽天のチケットスターも知らないという。となるとこのチケットは偽造された可能性がある。もしくは、チケットを扱える何者かが勝手に赤いスタンプを押したかです」(徳島市観光協会関係者)
そこで、近く警察に被害届を出し、捜査を求めるという。
こんな状況で今年の阿波踊り、無事、開催できるのだろうか?
今井参院議員との「不倫」・神戸市議会
投票に「暴力団」、地方選候補者にも疑惑浮上
昨年8月、橋本健神戸市議(当時・辞職)が自民党参院議員でタレントの今井絵理子氏と「不倫」騒動を週刊新潮がスクープ。その後、橋本氏は、市政報告のチラシ架空発注し、政務活動費(政活費)
690万円の詐欺容疑で、神戸地検は2月19日に在宅起訴した。
「もう兵庫県の地方議会は、無法地帯です」
と話すのは、兵庫県庁OB。
橋本氏は、印刷業者にメールを送信して、マスコミの追及をかわそうと口裏合わせまでやっていた。
その生々しい文書を、本紙も入手しているが
<印刷は本当に受注されてますか?
「はい」>
<お金は?
「橋本くんが現金をもってきていました」>
<納品は?
「〇〇印刷さんが橋本くんにしていたと思います」>
そこまでして、税金を不正に受け取っていたのだ。
2016年、兵庫県議だった野々村竜太郎氏が架空の出張をでっちあげ、政活費913万円を不正に受け取り、詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使罪で有罪になった。
そして、橋本氏が起訴された当日、神戸地裁には3人の元神戸市議がいた。岡島亮介被告、梅田幸広被告、竹重栄二被告。神戸市議会の会派「自民党神戸」(解散)による政活費の不正流用、詐欺に問われその判決公判が行われたのだ。神戸地裁は3人に執行猶予付き有罪判決を言い渡した。この公判で被告たちは
「政活費は第2の給料だと思っていた」
と政治活動に使用しなくてもいいという認識のもとで、飲食代など遊興費、果ては
「住宅ローンの返済にあてた」
とまで明かす被告までいた。
その手口は、業者から白紙の領収書をもらい自分で金額を書き込む、もしくは水増し金額の領収書を発行させるというもの。
「兵庫県は他の都道府県と比較して、地方議員とカネの関係がとてもルーズです」(前出・県庁OB)
先の県庁OBが
「過去のことだが」
と断ってさまざまな税金の不正支出を明かしてくれた。全国の都道府県の地方議員が集まり野球大会が開催された。兵庫県は共産党系議員以外、ほぼ全員が参加した。高齢でとてもプレーなどできない議員もやってきた。その理由はカネだった。
「ヒット1本打つと1万円、ホームランは3万円と現金が出る。その原資は、各会派の政活費などから捻出した裏金。高齢の議員は試合に出ないが、よく応援したということで1万円。夜はこれまた3次会までどんちゃん騒ぎ。そのカネは役所が作った裏金。口やかましい議員をおとなしくさせるためです。他の県の担当者と雑談したら、そんなことやっているんかと、びっくりしていた」(前出・県庁OB)
県庁OBの話はこれにとどまらない。これまで表にはなっていないが、選挙違反容疑のあった市議を裏口から逃走させて、警察の捜査が収まるまで裏金で隠すという「犯人隠避」。それどころか
「兵庫県のある重要な市長選挙では、暴力団に便宜を図るかわりに不在者投票を依頼して、辛勝したこともあります」(前出・県庁OB)
「無法」は当たり前になっていたという。そんな中、兵庫県では近くまた地方選挙があるという。
「P氏という有力な2世議員が出馬する。P氏も印刷の発注先が橋本氏と同じS印刷。橋本氏と同様、架空発注をしていたのではないかと、噂なのです。本当に反省がありません」(前出・県庁OB)